自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

290 第212話 根こそぎの精鋭

最終更新:

tapper

- view
だれでも歓迎! 編集
第212話 根こそぎの精鋭

1484年(1944年)1月12日 午前11時 ジャスオ領クワティバ

この日のクワティバ港は、あいにくの曇り空のため、辺りは少しばかり薄暗かった。
傍目から見れば、気分が乗らなくなるような天候ではあるが、このクワティバ港は、そんな事など露知らずと言わんばかりの熱気に包まれていた。
カレアント軍第1機械化騎兵師団第2機械化騎兵連隊第2大隊に所属するエリラ・ファルマント曹長は、輸送船上で、多数の声援に送られながら、
出港して行く第58任務部隊の艦艇群を見送っていた。

「頑張って来いよー!」

エリラの左隣には、彼女の弟であるグルアロス・ファルマント伍長が興奮しながらTF58の出港を見送っている。
甲板上には、エリラとファルマントのように、頼れる味方の出陣を見送るため、多数の戦友達が上がっており、船上は昨日に行われた
ビーチパーティーもかくやと見紛わんばかりの歓声に包まれていた。

「姉貴!やっぱアメリカ海軍はカッコイイな!見ろよ、あのエセックス級空母の姿!あれこそ、まさにアメリカ海軍の主力だよな!」

グルアロスは、欲しがっていた玩具を与えられた少年のように興奮しながらエリラに言う。

「ちょっと、落ち着きなさいよ!あんたもう大人なんだから!」
「何言ってんだ姉貴!こんな場面で落ち着いてばかりいたら損だぜ!」

グルアロスは、姉の進言を無視し、更に興奮したのか、両手を振って眼前を通過している米正規空母や巡洋戦艦等の艦艇群に声援を送って行く。
今や、ちょっとしたお祭り騒ぎと化したLSTの甲板上を眺め見て、エリラはややため息を吐いた。
それからしばし間を置いて、新たなアメリカ艦隊が出港を開始した。
先の米艦隊は、アラスカ級巡洋戦艦2隻とエセックス級空母3隻、インディペンデンス級空母2隻を主力に据えていたが、今度の艦隊は
サウスダコタ級戦艦1隻とヨークタウン級空母3隻、インディペンデンス級空母1隻を主力としている。
TF58の中では最精鋭と謳われるヨークタウン3姉妹の姿が見え始めると、船上の興奮もより一層高まった。
とある兵士は何を思ったのか、派手な虎模様を施された部隊旗を大きく振り回して、米機動部隊の出港を見送り始める。

先程は、幾分醒めた気持ちで出港を見送っていたエリラだが、今度ばかりは違った。
エリラは、ヨークタウン級空母のうちの1隻、エンタープライズに目を向けるや、顔を上気させ、しきりに手を振った。

「リンゲー!頑張ってよー!!」

彼女は、エンタープライズに乗っている恋仲のパイロットの名を大声で叫ぶ。
昨日、エリラは4カ月ぶりにリンゲと出会い、久方ぶりに楽しいひと時を過ごした。
リンゲと居れる時間は短かったものの、2人にとってはいつもと同じように、とても素晴らしい物だった。
一心不乱に手を振り続けるエリラを見て、グルアロスはふと、イタズラを仕掛けようと思ったが、エリラの爽やかな笑顔を見ると、
その気もすっかり消え失せてしまった。
(ハァ……姉貴はいいよなぁ。あんなイケメンな、しかも、世界に名だたる空母エンタープライズのパイロットを彼氏に選んだんだから。
それに対して、俺はまだ1人身……さびしいぜ)
グルアロスはしょんぼりと肩を降ろした。
その肩を、誰かが後ろから叩いて来た。

「師団の中でも5本の指に入る美男子が、何を落ち込んでいるんだい?」

グルアロスの耳に聞き覚えのある声が響く。その瞬間、彼は後ろを振り向いた。

「師団長閣下!」
彼は慌てて敬礼する。エリラも振り向いた後、彼に習って敬礼した。
第1機械化騎兵師団長ファメル・ヴォルベルク少将は、にこやかに笑いながら答礼した。

「エリラ。君の弟は何か悩みがあるみたいだけど、休養中に何かあったのかな?」
「え?コイツが?」

エリラは、グルアロスの頭を小突きながらファメルに言う。

「恐らく、新人の女の子を食い散らかし過ぎて、その内の何人かから恨まれているんでしょう。いつもの事ですよ。」

「ちょ、姉貴!俺はそんな事してないよ!たった2、3人程引っかけたぐらいだぜ!」
「やったんかい!」

エリラはグルアロスに拳骨を食らわせた。

「ハハハ、仲がいいのは良い事だ。」

ファメルは、2人のコントを軽く受け流した後、舷策に歩み寄って出港する米艦隊を見つめた。

「しかし、いつ見ても壮観な物だな。あれが、ほんの少し前まで、戦力を消耗し尽くしていた艦隊とは思えないね。」
「アメリカは物持ちが良いですからね。この輸送船…もとい、LSTだって、今や何百隻と作られているんですから。」

グルアロスが改まった口調で言う。それにファメルは深く頷いた。

「私の旅団が師団に昇格出来たのも、全てはアメリカの援助があってからこそ。アメリカがこの世界に召喚されていなかったら、
今頃は、大陸の津々浦々までシホールアンルの支配下にあっただろうね。」

ファメルは、哀愁を漂わる視線でエリラを見据える。

「君が、あの空母のパイロットと恋仲になる事も……ね。」
「……師団長の言う通りですね。」

エリラは、クスリと笑いながらファメルにそう返した。

「頑張れよー!!俺達の仕事なんか残さなくて良いぜー!!!」

ファメルの左隣では、再び興奮し始めたグルアロスが米艦艇群に向けて声援を送っている。
彼女もグルアロスにつられて、内心で出陣して行くTF58の無事を祈った。

同日午後2時 ヒーレリ領ヒレリイスルィ

第4機動艦隊司令官リリスティ・モルクンレル大将は、司令官公室で書類に目を通している時に艦隊の魔道参謀から報告を受け取った。
「司令官。海軍総司令部より通信です。」
「読んで。」
「はっ。レンフェラルが、ホウロナ近海で、アメリカ機動部隊の出撃を確認せりとの事です。」

リリスティは、数秒ほど黙考してから魔道参謀に言葉を返した。

「了解。下がっていいわよ。」

彼女の無機質な声を聞いた魔道参謀は、軽く頭を下げてから、司令官公室から退出していった。
リリスティは、手に持っていた書類を机の上に置き、天井に顔を向けた。

「動き出したか……」

彼女の口から、ため息交じりに言葉が吐き出された。

「空母20隻以上を有する大機動部隊が……」

リリスティは内心、すぐに艦隊の出動命令を下そうと思った。
だが、彼女はそれが出来ないでいた。

第4機動艦隊は、年末の会議の後、第3艦隊の巡洋艦と駆逐艦が加わった事で以前よりも補助艦艇の数が多くなった。
それと同時に、本土西岸部より新たに派遣された小型竜母のリクフラナと、修理から戻って来た新鋭戦艦のファンクルブが加わり、
リリスティは指揮下の竜母が19隻、新鋭戦艦が5隻に増えた。
特に、第2艦隊と同様に、竜母が3隻しか居なかった第4群の竜母群を再び4隻体制に戻せた事は少なからず嬉しい物があった。
第4群は、もともとはプルパグント級正規竜母のプルパグント、マレナリイド、小型竜母マルクバ、ゴイロブクラを主力に据えていたが、
マレナリイドが昨年の11月下旬に、米潜水艦の雷撃を受けて大破したため、ドック送りとなってしまった。

このため、第4群はしばらくの間、正規竜母1隻と小型竜母2隻が主力となっていたが、今回、新たにリクフラナが配備された事で
再び4隻態勢に戻す事が出来た。
リクフラナは、小型竜母のライル・エグ級に属しているため、搭載ワイバーンの数は少ない物の、ワイバーン隊の錬度は、第2艦隊に
配備された3隻の竜母よりは格段に良く、ワイバーン隊の指揮官は開戦以来、幾度も米機動部隊との交戦経験を持つベテランであるため、
リリスティにとっては少数ながらも、錬度の良い飛行隊が回された事がとても嬉しかった。
とはいえ、相手は空母20隻以上。艦載機は少なく見積もっても1500機以上を有する大軍である。
真正面から戦えば、苦戦する事は間違いない。
しかし、リリスティとしてはそれでも勝算はあると考えている。
シホールアンル軍は、昨年のレビリンイクル沖海戦で、竜母機動部隊と陸軍の基地航空隊と共同して、シェルフィクル侵攻を狙っていた
米機動部隊に壊滅的な打撃を与え、撃退するという成果を挙げている。
今回、対機動部隊用に用意されたワイバーンは1400騎であり、ワイバーン隊の半数以上は錬度にやや問題があると言われているが、
戦術を誤らなければ、第4機動艦隊と共同で挟み撃ちにし、勝利する事は充分可能である。
今の所、ワイバーン隊の大半は移送中であり、部隊が完全に配備を終えるまでは1月19日まで掛かると予想されている。
リリスティとしては、なるべく19日に出撃したいと思っていた。
だが……

「上陸部隊が浜辺に接近するまで、待機せよ……か!」

リリスティは、口調に怒りを滲ませながら呟く。
彼女は、海軍総司令部から直接、このような命令を受け取っていた。

「第4機動艦隊は、敵上陸部隊が浜辺に接近するまで、現地点で待機せよ。敵が上陸を開始した場合は、即時出港し、沖合に停泊する
敵機動部隊、もしくは敵輸送船団を撃滅せよ。」

リリスティにとって、この命令は今までに聞いた事が無かった。

「上の連中……いや、オールフェスは本当に分かってるの……橋頭保を築いたあいつらが、どれほど強力な存在になるか。」

彼女は、海軍総司令部から、この命令は総司令部より発令された物であると伝えられていたが、リリスティはこの命令の大元を作ったのは、
オールフェスであると確信していた。

「オールフェス……あんたは人質を取る時、か弱い子供じゃなくて、凶暴な野獣を選ぶの?」

それも、自分の身に余り過ぎる相手を……
彼女は、最後の部分は口に出さず、心中で呟いた。
アメリカ軍は、敵前上陸作戦を行う際、必ずと言っていいほど海兵隊を先発させている。
陸軍からの情報では、この海兵隊は精強な部隊が多く、普通なら退却するような戦闘でも退く事も無く、常に戦線を押し上げようとすると
言われている。
それに加え、海兵隊の師団には、必ずと言っていいほど多数の戦車が配備されており、海兵隊の各師団は、実質的には洋上機動の出来る
機甲師団と同じであると考えられている。
その海兵隊が大挙襲来して来た場合、例えどんなに精強な味方部隊を配備しても、橋頭保を築かれる事は防げないとリリスティは確信している。
それを防ぐには、洋上で海兵隊員を輸送船ごと叩き沈める必要がある。
もし、海兵隊の部隊が纏まって地上に降り立てば、それはまさに、凶暴な野獣の如く暴れ狂い、獲物を片っ端から食い漁って行くような勢いで
前線の展開部隊に打撃を与えて行くだろう。
例え、敵の前身を阻止し、反撃しようとしても、洋上にはそれ以上に強力な敵……強力な砲戦力を持つ戦艦部隊や、敵機動部隊と言う
剣呑な相手が手ぐすね引いて待ち構えている。
彼女にとって、米軍が橋頭保を確保した時、それは味方地上軍の死を意味するも同じ事であると考えていた。

「エルネイルでは、敵の空挺部隊が居たから反撃に失敗したとか言っていたけど……あの時は、空挺部隊が居なくても、いずれは
押し切られていた可能性が高い。現に、反撃に出た味方部隊、敵空挺部隊の反撃による損害もかなりの物だったけど、それ以上に
航空攻撃で受けた損害が大きかった。このレスタンでも、味方ワイバーン隊の支援は充分とは言い難い。このまま行けば、あたし達
どころか、陸軍も苦戦する事は避けられない。だからあたしは……総司令部に、ある作戦案を提案した。でも、」
リリスティは、両目を閉じ、しばし黙り込む。

彼女の体は、不安に震えていた。

「成功するのかなぁ……あの指揮官相手に。」

リリスティは、儚げな口調で弱音じみた言葉を吐き出す。

海軍は、昨年の11月に、米太平洋艦隊の主力である艦隊の指揮官が交代したという情報を掴んでいた。
それまで、アメリカ太平洋艦隊の主力を担っていたのは第3艦隊であり、指揮官は闘将と名高いウィリアム・ハルゼー大将であった。
第3艦隊は、第38機動艦隊という名の大機動部隊を率いており、レビリンイクル沖海戦までは文字通り、世界最強の艦隊と言えた。
だが、その第3艦隊はしばらくの間行方不明となり、米機動部隊の動きもぱったりと止んでしまった。
敵艦隊の指揮官が交代したという情報が届いたのは、予想外の敵機動部隊復活に仰天した11月下旬である。
スパイは、アメリカ太平洋艦隊の主力は第5艦隊であり、指揮官はレイモンド・スプルーアンスと言う名の海軍大将であると報告して来た。
この報告に仰天したのは海軍総司令部であり、アメリカは第3艦隊と第5艦隊という二つの名の大艦隊を有しているのかと、一時期大混乱
に陥った。
この混乱を抑えたのはリリスティであり、

「この艦隊はただ、指揮官と呼称が変わっただけです。中身は大して変わりませんよ。」

という知らせを送った瞬間、海軍総司令部の混乱は急速に収まった。
この時、リリスティはこう語っている。

「3隻しか居ない筈のヨークタウン級空母や、1隻欠けたレキシントン級の数が増える訳ないじゃない。ヨークタウン級とレキシントン級の
残りはエセックス級しか居ないんだから。」

こうして、海軍総司令部の混乱は、リリスティの冷静な分析によって終わりを告げたが、リリスティにとっては、ここからが悩み所であった。

「スプルーアンス相手に、あたしの策が通用するのかな……あの人、罠を嗅ぎつけるのが結構上手いみたいだし。」

リリスティは険しい顔つきで呟く。
味方の戦線が、まだ南大陸に存在していた時、リリスティの機動部隊はスプルーアンス指揮下の機動部隊ともう少しで交戦する所であった。
だが、進撃中であったアメリカ機動部隊は突如反転したため、リリスティは陸地の基地航空隊と共同して、敵機動部隊を叩く機会を失ってしまった。
当時、リリスティは米機動部隊の反転を不思議がったが、その後の情報によると、スプルーアンスは堅実な戦術家である事が分かった。
あの時の戦況は、誰が見ても進撃中の米機動部隊の方が不利であったが、米機動部隊は水上部隊が敗北した後も尚前進を続けていた。
だが、米機動部隊は突如進撃を中止し、起こる筈であった一大決戦は結局無くなり、リリスティは輸送船団護衛の任を全うできた。
何事も無く、輸送船団を目的地に送り届ける事が出来たのは、スプルーアンスの判断による物であるとリリスティは考えている。

「常に堅実、かつ、時には嫌なタイミングで大胆に攻めて来る。隙をなかなか見せないスプルーアンスが相手となると……果たして、
どれほど減らさせるだろうか。」

彼女は、自分が海軍総司令部の高官に伝えた案を思い出しながら、スプルーアンスの第5艦隊をどれほど減らせるか考えた。
リリスティの案は、強大な米機動部隊に対して自信を失いかけていた海軍総司令部の高官たちを狂喜させ、早速、極秘に現地のワイバーン部隊
指揮官に命令が伝えられた。
そのワイバーン隊は、大多数が未だにヒーレリ領で足踏み状態にあるが、決戦の日までにはレスタン領には辿り着くだろう。
だが、彼女の考えた案が上手く行ったとしても、第58機動艦隊の戦力をどれだけ減らせるかは分からない。
リリスティとしては、せめて半分近く減らせれば上々であると考えている。

「いずれにせよ、あたしの艦隊が出る事はほぼ確実。あとは、敵機動部隊と上陸部隊の攻撃の前に、陸軍部隊が潰走しない事を祈るだけね。」

彼女はそこまで言ってから、脳裏にレーミア海岸付近に展開している陸軍部隊の編成図を思い出す。

「一応、レーミア海岸の近くには、陸軍の2個軍と、緊急展開軍となる第2親衛石甲軍もいるから、何とか持ちこたえられる筈。
上手く行けば、の話だけどね。」

1485年(1945年)1月13日 午後4時 ヒーレリ領リーシウィルム

第5親衛石甲師団は、12日の午前1時から軍用列車でもって前線となるレーミアに向けて移動を開始した。
出発地点であるヒーレリ領のチルムルァには、第5親衛石甲師団を構成する第509石甲連隊、第510石甲連隊、第511魔法石甲騎士連隊、
第512石甲機動砲兵連隊と、その以下の支援部隊が集結を終え、それぞれの部隊が50両から80両編成の列車に乗せられて順次出発して行った。
第509石甲連隊第3大隊に所属しているフィルス・バンダル伍長は、列車内の座席にもたれかかりながら、雪の降りしきる窓の外に見入っていた。

「しかし、いつまで経っても、雪は止まないなぁ。このまま、永遠に止まないんじゃないか?」

彼は、しんしんと降り落ちる雪を忌々しげに見ながら、そうぼやいた。
目の前で本をめくる音が聞こえる。バンダル伍長は、目の前の座席で本を読む、黒髪の女性に顔を向ける。

「どうです台長?その本、なかなか面白いでしょう?」

彼の乗る第1中隊第2小隊3番台の指揮官、ウィーニ・エペライト軍曹は、あどけなさの残る顔をバンダル伍長に向け、無言で頷いた。

「この本、うちの近くの本屋で売ってた物なんですよ。一昔前の架空戦記ですが、良くできてますよ。」
「……確かにね。」

エペライト軍曹は無機質な声で答えた。

「……その本では、俺達の国は今頃、マオンドと決戦をしているって事になってるんですが……現実はマオンドと戦うどころか、異世界から
やって来たアメリカっていう国と戦っている。マオンドと戦うと言う話も不思議なでしたが、訳のわからんアメリカと言う国と戦う方が
もっと不思議だなぁと思うこの頃ですが……台長、こんな言葉を知ってますか?」

エペライトは本を読むのを止めて、バンダルに顔を向ける。

「現実は、本の内容よりも奇妙である……と。」
「私は知らない。バンダルは……その言葉の意味を知ってるの?」
「ええ。親父からの受け売りですが、何でも、実際の現実には、本で描かれた荒唐無稽の光景をも上回る奇妙な事が起きる事から、
この諺が作られたみたいです。」
「ふーん……確かに、その通りかもしれないね。」

ウィーニは、自分と1歳しか年が違わない部下と雑談を交わしながら、頭の中では、あの日の事を思い出していた。

10月18日の早朝。休暇を終えて、1年ぶりに第9特殊戦技旅団の司令部に出頭した時、彼女は、直属の上官である少佐から、
唐突に異動を命じられた。

「御苦労だがエペライド軍曹。君は明日付けで、現在編成中の第5親衛石甲師団に転属となる。」
「親衛石甲師団とは……どのような部隊なのですか?」
「簡単に言えば、新時代の部隊だな。」

少佐は、どこか自嘲めいた口調でエペライドに言った。

「これからの戦争では、個々の卓越した格闘戦術や魔法戦術が主体では無く、強力な火砲と迅速な機動力を持つキリラルブスや、
携帯式魔道銃を持った機動歩兵が主役になる。私は、上層部からそう聞いている。」
「……お言葉ですが少佐殿。首都に潜むかも知れない、連合国のスパイ対策はどうされるのですか?」
「上層部は、先日のスパイ狩りで敵の情報網は全滅させたと確信している。よって、今後はスパイ対策を行わない事を決定した。」
「はぁ……」

ウィーニは生返事しか出来なかった。
彼女は、先のスパイ摘発作戦で、自らが有する魔法通信傍受魔法を使って連合国側のスパイ網壊滅に大きく貢献した。
このスパイ摘発作戦で逮捕・処刑されたスパイは34名にも上り、連合軍側が張り巡らせていた首都のスパイ網は、ほぼ全滅状態に陥った。
これと並行して、地方都市のスパイ狩りも大大的に行われ、連合軍は、シホールアンル中枢部から流れる情報を一切受け取る事が出来なくなった。
ウィーニは、この作戦での一番の功労者とも言えたが、その功労者に与えられた道は、新編成の石甲師団に配属という、通常なら普通に思える
人事だが……しかし、ウィーニのように、殺し屋のような任務に携わる者達にとって、彼女の様な後方作戦担当の優秀な魔道士に与えられる物と
しては、実に不思議な物であった。

「実を言うとな、この第9特殊戦技旅団も、近々石甲部隊も含めた師団編成に改編される予定だ。」
「少佐殿、お言葉ですが、どうして私達の様な掃除屋が……常に影となるべきと教えられてきた我々が、第一線部隊となるのですか?
私達は、闇に生き、忠実に任務を遂行して行く事で真価を発揮する。なのに、何故、畑違いの石甲部隊になるのですか?」
「すぐに使えそうな優秀な兵員が他に無いから、と私は聞いている。本当に、馬鹿げた話だがな。」

少佐は、宙を仰ぎ見ながらそう答えた。

「まっ、確かに俺達は優秀だ。体力もあるし、技術もある。裏の仕事ばかりやっているが、元々、高度な戦闘訓練を受けている俺達は、
一般の部隊から見れば確かに精鋭だ。だから、俺達に白羽の矢が立ったんだろう。」

少佐は、ウィーニに顔を向け、自分の頭を人差し指で小突く。

「おまけに、俺達は長年の特殊訓練のお陰で、何でも要領良く出来る。新しい兵器を扱うにしても、一般兵よりも早い時間で使い方を覚える事が
出来る。だから、俺達に石甲部隊を押し付けたんだろう。」

「少佐殿、私の他に、親衛師団に転属になった者はいるのですか?」
「ああ。お前以外にも、優秀な魔道士は軒並み親衛石甲師団に転属となっている。なんでも、効率良くキリラルブスを動かせそうな奴が欲しいそうだ。」

少佐はそう言いながら、机の上に置いてあった紙をウィーニに見せた。

「これを見てみろ。」

ウィーニは、差し出された紙を手に取り、その内容を見てみる。

「………少佐殿。これは、本当なのですか?」
「本当も何も、その紙に書かれている通りだ。」

少佐は、半ばあきれた口調でウィーニに答える。

「特殊戦技兵部隊、9個旅団全てが、栄光ある石甲部隊か、機動砲兵部隊に編成替えだ。」
「シホールアンルの闇の代行人が、ほぼ丸ごとですか!?」

ウィーニは、珍しく感情のある声音で少佐に発言した。

「闇の住人が、“普通の陸兵”として戦わなければならないほど、シホールアンルの状況は逼迫しているのですか?」
「……敵の強力な機甲師団を食い止めるには、こっちも精兵を揃えるしかないんだ。兵隊が居ない事は無いんだが……全てが第一線部隊や、
第72親衛師団のように活躍出来るとは限らんからな。」
「………」
「命令である以上、仕方ない事さ。これからは、敵のスパイや反逆者を処理するよりも、アメリカ軍の戦車部隊を闇討ちする練習をしないと
いけないな。」

少佐はそう言った後、自嘲めいた笑いを浮かべていた。

レスタン領に派遣された第2親衛石甲軍は、元々は本国に残っていた魔法騎士団と、特殊戦技兵旅団主体で構成されている。

魔法騎士団の石甲師団化は1483年の冬から始まっており、ホウロナ諸島攻略戦に投入され、全滅した75師団を除いた5個師団が順次、
石甲師団に改編されていった。
最初に改編を終えた第72魔法石甲師団……現在の第72親衛石甲師団はエルネイル戦で獅子奮迅の活躍を見せ、今は戦力の再編を終えて
第20軍に配属されている。
残りの第70、第71、第73、第74師団は、それぞれ第2親衛石甲師団、第3親衛石甲師団、第4親衛石甲師団、第5親衛石甲師団と
名前を変えており、これらの部隊は84年中に基礎訓練を終えて実戦に臨める状態となっている。
ウィーニの属している特殊戦技兵部隊は、今年の6月から快速部隊としての編成が始まり、第9特殊戦技兵旅団は、9個ある旅団の中では
一番遅く編成が始まった。
特殊戦技兵旅団は、元は特殊作戦旅団という名で呼ばれており、普段は敵戦線の後方撹乱や要人暗殺、反逆者の取り締まりなど、任務の
一部には国内相軍の任務と似たような物もあるが、基本的には闇仕事を執り行っている。
特殊戦技兵旅団は、1個旅団4000名で編成されており、それらの兵員は、本国各地やヒーレリ領等の被占領地に分散配備され、
連合軍側のスパイ殺害や反乱分子の始末等を行っていたが、今年の6月から陸軍総司令部からの命令により、第1特殊戦技兵旅団と
第2特殊戦技兵旅団が、新しく入営して来た新兵(新兵といっても、シホールアンル側が独自に養成して来た、特殊訓練施設出身の
暗殺兵である)を加えて、新たに第6石甲機動旅団と第12機動砲兵旅団を編成した。
また、人員はこれらに留まらず、シホールアンル本国各地やヒーレリ領等の被占領地域に点在する特殊訓練施設の教官も、少なからぬ
数が石甲師団等に異動している。
それから順次、親衛石甲師団、または旅団編成の石甲部隊に兵員は組み込まれ、12月までに8個の特殊戦技兵旅団と特殊訓練施設から
移動して来た兵員が、4個石甲旅団、並びに第2から第5までの親衛石甲師団に編入された。
石甲師団や、石甲機動旅団、機動砲兵旅団に配備されたストーンゴーレムは、いずれも最新型であり、石甲師団の中核ともいえる
キリラルブスは、M4シャーマン戦車とも互角以上に渡りあえる長砲身キリラルブスで占められ、陸軍部隊には一部しか回されていない
兵員輸送型のゴーレムや、初期型キリラルブスを改造した移動型の新式重野砲も充分な数が配備されている。
特筆すべきは、シホールアンル側がようやく開発した携行式魔道銃であり、12月までには第2親衛石甲軍と、第20隻甲軍の半数が
この携行式魔道銃を受領している。
携行式魔道銃を扱った訓練が、満足に行えなかった事が悔やまれるが、敵連合軍が大攻勢を準備している現状では、やむを得ない事であった。
こうして、シホールアンル軍は、最新装備で固めた精強な軍を用意する事が出来た。
だが……

軍用列車が音を立てながら走行する中、ウィーニは黙考を続ける。
(裏方専門の部隊までも、根こそぎ前線に投入しようとしている以上、祖国は、この決戦で全てを終わらそうとしている……
そうでもしなければ、こんな、後先考えないような軍の編成はやらない)

彼女は、いつの間にか寝入ってしまったバンダル伍長の顔を見る。
19歳のバンダルは、特殊戦技兵と同じように、陰湿な者が多い魔法騎士団(実際は違うのだが)の兵とは違い、とても明るい性格の持ち主だ。
4人乗りに改良されたキリラルブスの台長に選ばれた彼女は、第5親衛師団に赴任した直後から、キリラルブスを乗りこなすために猛訓練に励んだ。
彼女の部下は射手であるバンダルの他に、装填手と通信手がいるが、ウィーニは、表情豊かなバンダルが気に入っている。
今回の異動は、単独行動が多かった彼女にとって、仲間と戦う楽しさを経験する良い機会になった。

「闇の狩人でも、まっとうな武器を与えられれば正面から強力な敵を倒す事も出来る。来るべき決戦でも、私はその事を証明してみせる。」

ウィーニは、小声で自らの決意を述べた。
第5親衛石甲師団を乗せた軍用列車は、降りしきる雪の中、順調にレスタン領へ向かって行った。


1485年(1945年)1月13日 午後4時 ジャスオ領クワティバ

第3海兵師団第3戦車連隊の指揮官であるヨアヒム・パイパー中佐は、LSTの甲板上で、自らが指揮する戦車の乗り組みを、しかめっ面で
眺めていた。

「連隊長。そんなに嫌そうな顔しなくても良いでしょう。」
「そうは言うがな……」

パイパーは部下の大隊長であるワイド・ストリンゲル少佐の言葉を聞きながら、顔はずっと船内に収容される戦車に向け続ける。

「もうちょっと早く収容できんのか?」
「無茶言わないで下さいよ。無理して戦車を収容しようものならば大事故を起こしてしまいます。これでも早い方ですよ。」
「早い方か。」

パイパーは苦笑する。

「頼もしくなったのは嬉しいが……俺としては軽く動けるシャーマンが良かったな。」

彼は、かたつむりが歩くようなスピードで、LSTに収容されるM26パーシングを見ながら、ストリンゲル少佐にそう言い放った。
第3海兵師団は、昨年の9月にジャスオ戦線を離れた後、休養地であるミスリアルに戻り、消耗した戦力の再編に努めた。
ミスリアルでは、第3海兵師団の他にも、同じく戦力の再編を目的とした第1、第2、第4海兵師団が駐屯しており、本国から送られて
きた新兵と共に訓練に明け暮れていた。
第3海兵師団は、10月にやって来た第6海兵師団と共にある試みが行われていた。
海兵隊は、エルネイル上陸戦の後は、内陸部でシホールアンル軍を押しに押したが、陸軍と違って各師団に1個戦車大隊しか居ない
海兵師団は、キリラルブスの集団が現れる度にしばしば苦戦を強いられていた。
海兵隊総司令官であるアレクサンダー・ヴァンデグリフト大将は、キリラルブスによる被害を抑えるため、海兵隊の保有戦車部隊を
増強する事を決め、試験的に第3海兵師団と第6海兵師団に1個戦車連隊(後に海兵隊初の戦闘団になる)を編成する事となった。
海兵隊戦車連隊の編成が決まった当初は、1個連隊にM4シャーマンで編成される3個戦車大隊を配備予定であったが、AGF内部が
清浄化された事で新型戦車パーシングの量産が弾みが付き、編成が始まった10月には、第3海兵戦車連隊がパーシング戦車を装備する事が
決まり、11月中旬には第6海兵師団にも順次、パーシング戦車が回された。
尚、パーシング戦車の装備部隊は加速度的に増えつつあり、ガーデン作戦参加部隊の各機甲師団は、それぞれ1個大隊のパーシングを受領している。
第3海兵戦車連隊は、10月から早速猛訓練を行った。
だが、その訓練の最中に、連隊長が自動車事故で重傷を負ってしまったため、緊急措置として第3戦車大隊の指揮官であったパイパーが
第3戦車連隊の指揮官に任ぜられ、その2日後に中佐に昇進した。
年が明けた1月10日には、カレアント軍第1機械化騎兵師団と模擬演習を行い、パイパーはドイツ式の戦術とアメリカ式の戦術を織り交ぜながら
戦い、カレアント側の対抗部隊をキリキリ舞いさせた末に第3海兵師団を勝利に導いている。
(損害比率は両軍とも互角であった)
パイパーの第3戦車連隊は前日の早朝まで演習を行った後、クワティバ港の近くにある浜辺からLSTに戦車を乗せているのだが、作業ペースは
予想外に遅く、パイパーはその遅さに苛付いていた。

「重量が増えた分、狭い所では慎重に動かさなければ行けませんからね。」
「とのかく、出来る限り急がせろ。俺達の後には第6海兵師団も控えてる。連中はカレアント軍の第2機械化師団にボロ負けした後だから
頭に血が上ってる。モタモタしたら連中、顔を真っ赤にして俺達のケツを蹴っ飛ばしに来るぞ。」
「了解です。なるべく急がせますよ。」
「OK。出港は明日の6時だ。それまでに何とか間に合わせてくれよ。」

ストリンゲル少佐はパイパーに敬礼してから、慌ただしく甲板を降りて行った。

「今は2隻目。まだまだ時間は掛かるだろうなぁ。」

パイパーは、浜辺の沖合を見ながら独語する。
第3海兵戦車連隊に割り当てられたLSTは9隻である。
LSTは、シャーマン戦車なら20両、多少無理しても22両は入れられ、割り当てられるLSTも少なくなったはずだが、パーシングは
シャーマンよりも大きい分、収容面積と重量を余分に食ってしまうため、現状ではLST1隻につき16両が限界だ。
そのため、割り当てられるLSTも余計に増えてしまったのである。

「しかし、流石はアメリカだな。こうやって、“余分な数”も用意出来るとは。この底無しの国力には、毎回驚かされる物だ。」

パイパーはそう苦笑しながらも、戦車の収容作業を見守り続けた。
第3海兵戦連隊が収容作業を終えたのは、それから3時間経ってからであった。

レスタン領戦線 戦闘序列

シホールアンル陸軍
レスタン領軍集団司令官ルィキム・エルグマド大将
西部方面配備部隊
第47軍
第41軍団
 第32歩兵師団
 第54歩兵師団
 第59機動砲兵旅団
第42軍団
 第61歩兵師団
 第24歩兵師団
 第44機動砲兵旅団

第42軍
第22軍団 
 第29歩兵師団
 第30歩兵師団
 第308石甲旅団
第19軍団
 第18歩兵師団
 第21歩兵師団
 第221機動砲兵旅団

第2親衛石甲師団
第1親衛軍団
 第2親衛石甲師団
 第3親衛石甲師団
 第6石甲機動旅団
 第12石甲機動砲兵旅団
第2親衛軍団
 第4親衛石甲師団
 第5親衛石甲師団
 第17石甲機動旅団
 第13石甲機動砲兵旅団

東部方面配備部隊
第14軍
第3軍団
 第9歩兵師団
 第11歩兵師団
 第19石甲機動旅団
第4軍団
 第71歩兵師団
 第72歩兵師団
 第63快速機動旅団

第16軍
第10軍団
 第41歩兵師団
 第42歩兵師団
第11軍団
 第60歩兵師団
 第66歩兵師団
 第9石甲砲兵旅団

第17軍
第119軍団
 第82歩兵師団
 第89歩兵師団
 第7機動砲兵旅団
第61軍団
 第84歩兵師団
 第77軽装機動歩兵師団
 第9石甲砲兵旅団

第18軍
第130軍団
 第90歩兵師団
 第109歩兵師団
 第4石甲砲兵旅団
第100軍団
 第52歩兵師団
 第88軽装機動歩兵師団
 第14石甲砲兵旅団

第20石甲軍
第32軍団
 第173石甲師団
 第123石甲師団
 第82石甲歩兵師団
第56軍団
 第72親衛石甲師団
 第202石甲師団 
 第68石甲機動砲兵旅団

第29石甲軍
第49軍団
 第120石甲師団
 第204石甲師団
 第108石甲機動砲兵旅団
第63軍団
 第21石甲師団
 第63石甲師団
 第170石甲師団 

シホールアンル軍航空部隊
西部方面配備部隊
第8空中騎士軍
第10空中騎士軍
第12空中騎士軍
(本国より3個空中騎士軍・14個空中騎士隊が増援として到着予定)
東部方面配備部隊
第2空中騎士軍
第4空中騎士軍
第6空中騎士軍
第18空中騎士軍
第20空中騎士軍

シホールアンル海軍
第2艦隊(司令官:フィングイド・オルム中将) 
正規竜母ラルマリア 小型竜母ヴィルニ・レグ グンニグリア
巡洋艦ラスル ルブルネント エフグ ラビンジ ウィルムクレイ
駆逐艦12隻

第4機動艦隊(司令官:リリスティ・モルクンレル大将)
第1群
正規竜母モルクド、ランフック、小型竜母ライル・エグ、リテレ
戦艦ネグリスレイ ポエイクレイ クロレク
巡洋艦マルバンラミル マル・トロル リムコ・オルガ フリレンギラ ルンガレシ
駆逐艦24隻

第2群
正規竜母ホロウレイグ、コルパリヒ、小型竜母ゾルラー、リネェング・バイ
戦艦ロンドブラガ マルブドラガ ケルグラスト
巡洋艦フラミクラ マクヅマ ルムンレ イムレガルツ フィキイギラ
駆逐艦23隻

第3群
正規竜母ジルファリア リンファニー 小型竜母アンリ・ラムト マルヒク
戦艦ジフォルライグ 巡洋戦艦マレディングラ
巡洋艦マミラ・ルィシク ルィストカウスト クォルクメイ インクォト シンファクツ
駆逐艦24隻

第4群
正規竜母プルパグント 小型竜母マルクバ ゴイロ・ブクラ リクフラナ
巡洋戦艦ミズレライスツ ファンクルブ
巡洋艦キャムロイド イシトバ オルトバイド ウィリガレシ レイヴァリス
駆逐艦24隻

※戦艦部隊のうち、5隻のネグリスレイ級戦艦は水上戦闘時に第2艦隊に編入される予定

アメリカ軍
マーケット・ガーデン作戦実行部隊
第1軍(オマリー・ブラッドレー中将)
第1軍団
 第2機甲師団
 第3歩兵師団
 第4歩兵師団
第2軍団
 第1機甲師団
 第1歩兵師団
 第12歩兵師団
第7軍団
 第7機甲師団
 第24歩兵師団
 第6歩兵師団

第3軍(ジョージ・パットン中将)
第5軍団
 第3機甲師団
 第27歩兵師団
 第5歩兵師団
第8軍団
 第4機甲師団
 第5歩兵師団
 第32歩兵師団
第10軍団
 第5機甲師団
 第29歩兵師団
 第7歩兵師団

第4軍(ヘルト・コナー中将)
第30軍団
 第6機甲師団
 第9歩兵師団
 第18歩兵師団
第6軍団
 第2歩兵師団
 第8機甲師団
 第23歩兵師団

第5軍(ジョン・エイラー中将)
第9軍団
 第22機甲師団
 第45歩兵師団
 第41歩兵師団
第45軍団
 第92歩兵師団
 第23機甲師団
 第39歩兵師団

第6軍(ドワイト・ブローニング中将)
第42軍団
 第33機甲師団
 第68歩兵師団
 第56歩兵師団
第56軍団
 第39機甲師団
 第37歩兵師団
 第122歩兵師団

第10空挺軍団(マシュー・リッジウェイ中将)
※レーフェイル派遣軍直轄部隊
 第82空挺師団
 第101空挺師団
 第115空挺旅団(亡命レスタン軍)

バルランド軍第62軍
第1機械化軍団
 第1装甲師団
 第2自動車化歩兵師団
 第3自動車化歩兵師団
第2機械化軍団
 第3親衛装甲師団
 第6自動車化歩兵師団

ミスリアル軍第1軍
第3軍団
 第1親衛自動車化歩兵師団
 第5機械化歩兵師団
 第6機械化騎兵師団
第4軍団
 第2親衛自動車化歩兵師団
 第8軽装機動歩兵師団
 第12自動車化歩兵師団 

アメリカ陸軍第3航空軍・第5航空軍

アメリカ海軍太平洋艦隊
第5艦隊(司令長官レイモンド・スプルーアンス大将)
第58任務部隊(司令官:マーク・ミッチャー中将)
第1任務群
正規空母エセックス イントレピッド ボノム・リシャール
軽空母サンジャシント プリンストン
巡洋戦艦アラスカ コンステレーション
重巡洋艦ボルチモア ボストン
軽巡洋艦サンアントニオ バーミンガム リノ
駆逐艦24隻

第2任務群
正規空母ヨークタウン エンタープライズ ホーネット
軽空母カウペンス 
戦艦サウスダコタ
重巡洋艦ノーザンプトンⅡ アストリア
軽巡洋艦ビロクシー アトランタ デンバー
駆逐艦24隻

第3任務群
正規空母ランドルフ フランクリン ボクサー
軽空母フェイト モントレイ
戦艦アラバマ
重巡洋艦ヴィンセンス デンバー 
軽巡洋艦サンタ・フェ モントピーリア サンディエゴ
駆逐艦24隻

第4任務群
正規空母レキシントン シャングリラ アンティータム
軽空母インディペンデンス
戦艦マサチューセッツ
重巡洋艦ニューオーリンズ ピッツバーグⅡ
軽巡洋艦クリーブランド アンカレッジ スポケーン
駆逐艦24隻

第5任務群
正規空母ハンコック レンジャーⅡ ヴァリーフォージ
軽空母ノーフォーク 
巡洋戦艦コンスティチューション トライデント
重巡洋艦リトルロック カンザスシティ
軽巡洋艦ガルベストン フェアバンクス フレモント
駆逐艦24隻

第6任務群
戦艦アイオワ ニュージャージー サウスダコタ ノースカロライナ ワシントン
重巡洋艦サンフランシスコ セントポール
軽巡洋艦ホーマー ヘレナ アムステルダム スプリングフィールド
駆逐艦18隻

第53任務部隊(輸送船団:司令官リッチモンド・ターナー中将)
輸送船 LST LSM LSML 計1500隻

第54任務部隊(司令官:トーマス・キンケイド中将)
第1任務群
戦艦メリーランド ウェスト・バージニア コロラド カリフォルニア テネシー ペンシルヴァニア アリゾナ オクラホマ
重巡洋艦シカゴ ルィスヴィル ミネアポリス クインシー
軽巡洋艦ブルックリン フェニックス フィラデルフィア ナッシュビル
駆逐艦18隻

第2任務群
護衛空母サンガモン ケストレル スワニー バザード シャスター ペトロフ・ベイ
駆逐艦16隻

第3任務群
護衛空母チャージャー ライダー リスカム・ベイ オマニー・ベイ ミッション・ベイ
駆逐艦16隻

第4任務群
護衛空母ボーグ カード コア バーンズ ブロック・アイランド プリンス・ウィリアムス
護衛駆逐艦16隻


第5任務群
護衛空母レアルタ・アイランド ミッション・ベイ ガルクレルフ グンリーラ・アイランド ロイ  
護衛駆逐艦16隻

第6任務群
護衛空母ミスティーズ・ベイ リミラ・ストレイト シップレイ・ベイ エルネイル・ベイ タウスラ カリーニン・ベイ
護衛駆逐艦16隻

第7任務群(艦載機補充部隊)
護衛空母バザード バルチャー シェナンゴ バゼット・シー キトカン・ベイ リスカム・ベイ
駆逐艦16隻

第5水陸両用軍
第3水陸両用軍団
 第1海兵師団
 第2海兵師団
 第3海兵師団
第5水陸両用軍団
 第4海兵師団
 第5海兵師団
 第6海兵師団

カレアント軍第2機械化軍団
 第1機械化騎兵師団
 第2機械化騎兵師団

SS投下終了です。

ちょいとばかり、レスタン領の地図を描いて見ました。参考がてらにどうぞ。
ttp://cv-79yorktown.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-540a.html
+ タグ編集
  • タグ:
  • 星がはためく時
  • アメリカ軍
  • アメリカ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー