自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

043 第35話 西海岸の暗雲

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第35話 西海岸の暗雲

1482年8月13日 午前10時 ヴィルフレイング南東沖70マイル地点

第16任務部隊司令官である、ウィリアム・ハルゼー中将は、真一文字に急降下して来る爆撃機を目線で追い続けていた。
ドーントレスが狙うのは、エンタープライズの左舷前方1000メートルで曳かれている標的である。
駆逐艦に曳かれているそれは、時速18ノットで海上を進んでいる。その小さい標的にドーントレスは爆弾を投下した。

「チッ、落としやがったか。」

ハルゼー中将は、ドーントレスが爆弾を投下する光景を見て、舌打ちをした。
(ちょっと高度が高かったようだな)
ハルゼーの右隣にいるラウス・クレーゲルは、今の投弾を見てそう思った。
ドーントレスが投下した爆弾は、標的より200メートル後方に落下した。

「フェイト兵曹はまだ腰が引けてるな。おい、後で奴のケツを蹴り飛ばして気合を入れてやれ。」

ハルゼーは不機嫌そうな表情で、飛行長にそう言った。

「次は誰だ?」
「ポレーニン兵曹長の機体です。」

飛行長がハルゼーに教えた後、甲高い轟音が空気を轟かせた。
ラウスは、エンタープライズの左舷後方から急降下して来るドーントレスに顔を向けた。
墜落するような急角度で突っ込んで来たドーントレスは、先の機よりも低い高度で、ナイフを投げるように模擬爆弾を投下した。

爆弾は過たず標的に命中し、それを真っ二つに叩き折った。

「あいつは上出来だ。」

ハルゼーは顔に笑みを浮かべながら飛行長に言う。

「ポレーニン兵曹長はレアルタ島沖海戦以来のベテランです。腕はエンタープライズの中でも5本の指に入りますよ。」
「ふむ、道理で。いい突込みだったぜ。飛行長、ポレーニンに、俺から見事だったと伝えてやれ。
と言っても、これで4回目になるな。」
そう言って、ハルゼーは大きく笑い声を上げた。

「どうだね、ラウス君。うちのボーイズ達は気合が入っているだろう。」
「以前から乗っているパイロットは、勝負度胸が付いていますね。特にマクラスキー少佐は結構な腕前ですよ。」
「そうだろう?奴はビッグEのドーントレス乗りの中で最高のパイロットだ。腕も確かだが、部下も良く育てている。
相変わらず、腰抜けが多いが、それでも高度1200までは急降下できるようになっている。
ボーイズ達の腕が上がっているのは、やはり嬉しいものだな。」

ハルゼーはうんうんと頷きながら、早口でそうまくしたてた。
ここからは見えないが、水平線の向こうでは、VT-6のアベンジャーが、駆逐艦、重巡数隻で作った輪形陣で、
中央の重巡を敵主力艦に見立てた雷撃訓練が行われている。
艦攻隊も、隊長のジム・クレイマン少佐のしごきによって、着々と腕を上げているようだ。

「所で司令官。」

後ろにいるブローニング参謀長がハルゼーに声をかけてきた。

「近々、機動部隊の編成方針が変わるようですが。」
「その話なら知っている。これまでの空母運用法を見直して、空母2隻ずつ、または3隻ずつの機動部隊を編成し、
部分的な集中運用を行う、という話だ。これまで、合衆国海軍は空母1隻ずつを別々の任務部隊に分けていた。
敵に攻撃を受けた場合は発見された部隊は危ないが、別の部隊には攻撃が行きにくい。だが、発見された部隊には
当然攻撃が集中する。ガルクレルフやグンリーラ島沖、それに大西洋戦線でそれが分かっている。」

米海軍は、長い間、艦隊には空母1隻のみを置いて、それを1つの艦隊として運用していた。
空母の運用法には2つ種類があり、集中運用と個艦運用がある。
個艦運用を採用しているのは、アメリカ海軍であり、個艦運用と集中運用の中間がイギリス海軍である。
本格的な集中運用を実施したのは日本海軍で、41年3月に急遽編成された第1航空艦隊は、
正規空母赤城、加賀、飛龍、蒼龍、軽空母竜譲、鳳翔をひとまとめにして編成し、大小6隻の空母を集めた
機動部隊は、満州に攻め込んだソ連軍や、沿海州、樺太に駐留するソ連軍相手に絶大な威力を発揮し、
集中運用の利点を世界に知らしめた。
しかし、空母と言う艦種は、確かに攻撃力は強いが、受身になると恐ろしく弱い。
海の飛行場たる空母は、爆弾1発で飛行甲板を使用不能にされるという欠点を持つ。
米英海軍の将兵からは、その脆弱さ故、空母は卵を積めた籠と揶揄されているほどである。
このシホールアンルとの戦争でも、アメリカ側は何度も空母を傷付けられている。
ガルクレルフ沖海戦では、エンタープライズと共に出撃した空母サラトガが爆撃を受け、あわやと言う所まで
追い詰められたが、敵が反跳爆撃のみを行った事が幸いし、わずかな手傷を負っただけで済んだ。
しかし、グンリーラ沖海戦では、スプルーアンスの指揮していたエンタープライズは敵の竜母1隻を撃沈し、
1隻を大破させたが、その前に5発の直撃弾を受けて母艦機能を喪失し、しばらくドック入りを余儀なくされている。
それに対し、レーフェイル強襲に参加した空母イラストリアスは、装甲空母という特異な面が幸いし、
10発以上の爆弾を受けてもなお母艦機能を維持できた。
この3つの事件に共通している事は、いずれも個艦運用時の襲撃と言うことである。
確かに、個艦運用ならば被害は軽減出来るかも知れないが、狙われた部隊は、最悪の場合はその部隊だけに
大量の敵が押し寄せ、全滅させられる可能性がある。

敵の攻撃を防ぐには、対空火器の増強及び、迎撃機の集中が必要となる。
それを行うには、空母2隻から3隻ずつのグループを作らせることと、護衛艦艇を増やして相互支援を
強化するしかない。

「要するに、敵に各個撃破のチャンスを与えまいと、上層部は考えたのですね。」
「その通りだ、ミスター・ブローニング。」

ハルゼーは満足そうに頷いた。

「早ければ、今年の9月辺りに、部分的に空母の集中運用が始まるだろう。
本格化するのは、エセックス級やインディペンデンス級が揃う来年の初夏あたりだな。」

ハルゼーはふと時計を見た。時刻は午前10時10分を回っていた。

「それにしてもラウス君。今日の君はやけに嬉しそうだな。何かいい事でもあったのかね?」
「へ?自分がすか?」

ラウスはいきなりの質問に戸惑った。
ハルゼーからしてみれば、いつもめんどくさそうな表情をしているラウスが、今日に限って快活のあるように感じられる。

「いえ、別に何もないですよ。」
「ふむ、そうか。てっきり、首都で恋人と楽しんできたのかと思ったんだが、とんだ間違いだったようだな。」

ハルゼーはニヤリと笑いながら顔を海の向こうに戻した。
(まっ、当たらずも遠からずと言うことかな)

ラウスは内心で呟く。
首都に居る間、彼はリエルにあちこち連れ回された。
リエルとは恋人ではなく、昔から厄介ごとを持ち込む嫌な友人である。
どうしてか、リエルと居る時に限ってトラブルは次々に起こり、その原因であるリアルに反論すれば
何かしらの暴力が振るわれたため、エンタープライズがヴィルフレイングに戻り、ラウスにエンタープライズの
乗艦命令が下ると、彼は飛び上がらんばかりに喜んだ。
で、しつこく付きまとうリエルから逃げるようにして、エンタープライズに乗り込んだのは2日前の事である。
「ブローニング、新人連中も、前よりは少しマシになったな。午後の訓練ではもっと厳しい
訓練をさせて奴らの腕を上げさせる。」

ハルゼーは不機嫌そうに口をへの字に曲げながら、ぶっきらぼうな口調でブローニングに言った。

「分かりました。」
ブローニングは頷く。ハルゼーは不機嫌な表情を崩さずに艦橋の中へ戻って行った。
ラウスも彼の後に続いて艦橋の中に入った。
司令官席に腰を下ろしたハルゼーは、ラウスに顔を向けた。

「なあラウス君。敵機動部隊の司令官はどんな奴かね?」
「敵の司令官ですかぁ・・・・・・・」
ラウスはしばらく考え込んだが、あいにく、敵竜母部隊の指揮官対する情報は乏しかった。
「シホールアンルの竜母部隊は2つあり、司令官の名前なら分かっています。
まず、この間、スプルーアンス提督と戦った艦隊は、第22竜母機動艦隊と言って、司令官の名前は
ヘルクレンスという海軍少将で、もう1つ、前者より規模の大きい第24竜母機動艦隊を指揮するのが
モルクンレルという海軍中将。この2人の司令官の素性は分かりませんが、2人とも敢闘精神は旺盛で、
頭は切れるとの事です。」

「ほほう。敢闘精神は旺盛で頭は切れる・・・か。ヘルクレンスと言う奴の機動部隊はスプルーアンスが
叩きのめしたが、モルクンレルと言う野郎の機動部隊はまだ無傷のままだな。俺としては、早くモルクンレルの
機動部隊と正面から対決して、どっちが本当の空母使いがハッキリさせたいものだ。」

そう言って、ハルゼーは獰猛な笑みを浮かべた。
彼の脳裏には、近いうちに始まるであろう大海戦が思い描かれていた。


1482年8月14日 シホールアンル帝国領エンデルド 午後4時

エンデルドは、かつてレンク皇国の港町だったが、シホールアンルが南大陸に侵攻した3日後に占領され、
東海岸のガルクレルフと似たような軍港設備を作られ、今では南大陸西艦隊の拠点となっている。
エンデルドの港には、シホールアンル海軍所属の戦艦、竜母、巡洋艦、駆逐艦が所狭しとひしめいており、
残った住民達に無言の圧力を加えていた。
その停泊している艦の一隻、第24竜母機動艦隊の旗艦クァーラルドで、司令官であるリリスティ・モルクンレル中将は
机に向かって何かを書いていた。

「失礼します!」

後ろから声がした。声の主は、1週間前に彼女の従兵となった水兵のものだ。
リリスティは書くのをやめて椅子ごと後ろに振り返った。

「何かな?」
「作戦室に、第2部隊司令がお越しになられております。」
「そう、ご苦労。今から行くわ。」

リリスティは、顔を赤らめながら報告して来た従兵を下がらせる。

「分かりました。」

従兵はしゃっちょこばった形で下がっていく。それを見た彼女は思わず苦笑した。

「まだ若いわねえ。女の子に慣れてないのかな。」

どこか人の悪い笑みを浮かべつつも、リリスティは立ち上がって、作戦室に向かった。
作戦室のドアを開けて、中に入る。作戦室には、機動艦隊本隊の参謀と、第2部隊の司令、幕僚が既に座って待っていた。
リリスティが入ると、彼らは一斉に立ち上がって敬礼をする。

「ご苦労。」

彼女はそれだけ言って答礼を返すと、一同を座らせた。

「さて、今回、あなた方に集まってもらったのは他でもない。近々、わが機動艦隊はとある作戦行動を行う。」

リリスティの表情は、女性とは思えぬ凛とした顔つきで、一同を見渡す。

「現在、味方地上軍の進撃は、東戦線、西戦線で止まっている。目下、こう着状態である事は周知の通り。
南大陸連合軍は、アメリカ軍という強力な援軍がいるから、士気も高く、今攻勢を再開しても、増えるのは犠牲者ばかり。
そこで、私は妙案を思いついた。」

彼女は立ち上がって、指示棒で机に広げられている地図を指した。

「ここ、グレンキアの港町からバルランド北部の港町、ジェリンファに定期的に輸送船団が往来している。
この輸送船団は途中、バルランド中部に寄ってから兵員、必要物資を積み込んでいるらしい。」

「司令官閣下、ジェリンファはバルランドの重要拠点で、この海域にはバルランド側のワイバーン部隊も配備されています。」

第2部隊司令官であるワルジ・ムク少将が発言する。

「もしかして、ジェリンファに空襲を仕掛けるのですか?アメリカがガルクレルフやマオンドにやったように。」

アメリカ海軍が行った2月のガルクレルフ襲撃、そして先月のマオンド襲撃は未だに記憶に新しい。
ムク少将は、もしかしてモルクンレル中将がジェンリファに空襲を仕掛けて壊滅させようとしているのかと思った。

「いいえ。私の狙いはジェリンファには無い。確かに、ジェリンファを狙おうと思ったけど、私の目的は
敵に心理的動揺を与えられる事。それならば別の方法がいい。」

リリスティはそう言うと、指示棒の先端をジェンリファからやや西南の方角に移動する。

「バルランドに、自分達に安寧の海は無いと教えてやるのよ。そのために、敵の輸送船団を
ジェンリファ到達前に叩き、出来るだけ多く沈める。そして、いずれは。」

彼女は、指示棒を大陸の東側、ヴィルフレイングの所に先端を移動し、2、3度叩いた。

「アメリカ軍も空母部隊を出さないと行けなくなる。この作戦の目的は2つ。1つはバルランド軍の
海上交通路を絶つ事。もう1つはアメリカ空母部隊を、ある作戦開始日までに、最低2隻は撃沈、または大破させる事。」

作戦室にどよめきが走った。誰もが驚きを隠せないようだ。
最初は輸送船団だが、その次の目標は、アメリカの空母部隊を狙う事。
長い間、死神の如き災厄をもたらし続けてきた・・・・・・・あの憎き空母!

最初は驚いた幕僚達だが、狙いがアメリカの空母と聞いて、皆がやる気になっていた。
作戦室の空気が熱をはらみ始めた時、ムク少将が再び手を上げた。

「司令官。ひとつよろしいでしょうか?」
「いいわ。」

リリスティは即答した。頷いたムク少将は先ほどから危惧していた事を言い始める。

「この作戦は敵の急所を衝く重要な作戦です。思い通りに行けば、敵軍に対して相当な圧力になる事は
間違いないでしょう。ですが、懸念事項もあります。それは、アメリカ空母部隊の事です。」

ムク少将は一度言葉を区切り、乾いた唇を湿らしてから再び続けた。

「過去に3度ほど、アメリカ空母部隊はバゼット半島の南側海域に進出して、我がほうの攻撃を警戒しています。
この作戦時に、この敵機動部隊が存在すれば、その時はどうされるのでしょうか?」
「その時はアメリカの空母部隊を狙う。この艦隊の全力を上げてね。」

リリスティはすぐに答えた。

「その事なら、私も知っている。過去に3度ほど、レキシントン級、又はヨークタウン級空母主体の艦隊が
南大陸南端を通っていくのをスパイが見ている。でも、それならむしろ好都合ね。ムク、こっちは大小の竜母6隻。
それに対して、アメリカの空母はいずれも1隻か2隻しか同時に行動していない。
仮に、搭載機数の多いヨークタウン級が2隻いたとしても、こっちは6隻。200機の飛空挺と、354騎の
ワイバーンが戦えば、こっちが勝つ。それに、アメリカの空母部隊は、常に1隻の空母を中心に艦隊を編成している。
こっちが全力で当たれば、各個撃破できるわ。だから、もしアメリカの空母部隊と敵の輸送船団の二つを見つけた場合は、
アメリカの空母を優先的に叩く。」

彼女の頭の中では、その事はもはや決まっていた。

「分かりました。それで、作戦の内容は、西艦隊司令部には伝えてあるのでしょうか?」
「司令部には既に通知済みよ。今日中には作戦決行の通知が来るはず。司令長官は大乗り気だったわ。」
「なるほど。確かに、輸送船団だけでも叩けば、少しばかりの勝利だけで自惚れる南大陸人の肝を冷やせますな。」
「バゼット半島を迂回しなければなりませんが、ミスリアル海軍は既に壊滅している今は、半島の南側海域出るのは
さしたる問題では無いでしょう。」
「問題は、半島の南側海域に出てから。そこから先は、私たちシホールアンル海軍にとって、行き慣れていない海よ。」

リリスティは腕を組みながら、机上の地図を眺めた。
作戦決行が決まれば、第24竜母機動艦隊はバゼット半島を大きく迂回して、半島の南側海域に突入する。
そして、バルランド軍の輸送船団を叩き潰し、慌てて出てくるであろうアメリカ機動部隊ともいずれは雌雄を決する。
アメリカ艦隊が最初の時点で出てきても、それに全力で当たって叩き潰し、調子に乗るアメリカ軍の
鼻っ柱をへし折るのもまたいい。
どちらにしろ、第24竜母機動艦隊にとっては、大戦果を挙げる絶好の機会だ。
そうすれば、敵が企図しているであろう反攻を遅らせ、いずれは攻勢を再開する事も不可能ではない。
現時点からして、南大陸の統一はまだ可能範囲だ。

「これだけじゃ、ちょっと面白くないわね。」

リリスティはおもむろに言う。その言葉に、一同の視線が彼女に集中する。

「私としては、最初の一撃はちょっと、変わったものでやりたいのだけど。」

彼女は、自分の考えを打ち明けたあと、面白そうな表情を浮かべながらこう付け加えた。

「私の考えとしてはこんな物だけど、この案の他に、皆は何かいい案は無いかな?」






678 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/06(日) 16:34:28 ID:4CUjn9IY0
SS投下終了であります。次回、バルランド軍危うし。

679 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/06(日) 16:36:40 ID:4CUjn9IY0
それからもう1つ、シホールアンル側の一部の艦艇を紹介します。

ライル・エグ級小型竜母
基準排水量6000ラッグ(9000トン)全長98グレル(196メートル)
幅14グレル(28メートル)搭載ワイバーン37騎 速力15リンル(30ノット)
1.2ロレグ(18ミリ)魔道銃30丁 4ネルリ(10.28センチ)高射砲6門

ライル・エグ級小型竜母は、正規竜母の補助戦力として計画、建造された小型竜母であり、
耐久性は正規竜母ほどではないものの、建造しやすいように直線を多様した作りになっている。
計画では4隻のみの建造であったが、アメリカ海軍の空母戦力の増大が予期される現在では
新たに同級は新たに7隻が建造される事になり、今後のシホールアンル海軍竜母部隊を支える艦種
として期待されている。

オーメイ級巡洋艦
基準排水量5200ラッグ(7800トン)全長88グレル(176メートル)
幅11グレル(22メートル)速力16リンル(32ノット)
武装 7.1ネルリ連装砲3基6門 魔道銃22丁 4ネルリ(10.28センチ)両用砲4門

オーメイ級巡洋艦は、1470年から73年にかけて16隻が建造された巡洋艦で、大陸統一戦争時
には数々の武勲を立てた英傑艦でもある。
居住性、整備性、防御力に優れた本艦は、北大陸制圧時にも1隻の喪失は無く、シホールアンル海軍
の将兵からは傑作巡洋艦として、北大陸の兵や住民からは悪名高い艦として幅広く知られている。
しかし、アメリカ海軍の重巡洋艦、軽巡洋艦に対しては砲門数の不足が不安要素として表れ、特に
ブルックリン級巡洋艦に対しては決定的に不利であると判明している。
それでも、本級の性能は決して悪いものではなく、今後も竜母部隊の直衛艦や艦隊の準主力艦として
使われる見通しである。

ルオグレイ級巡洋艦
基準排水量5600ラッグ(8400トン)全長94グレル(188メートル)
幅11グレル(22メートル)速力17リンル(34ノット)
武装 7.1ネルリ連装砲4基8門 魔道銃32丁 4ネルリ(10.28センチ)両用砲8門

本級はオーメイ級巡洋艦の拡大発展型として、1474年から1481年にかけて23隻が建造された。
居住性、整備性のよさは前級より引き継ぎ、砲力、防御力は前級より上回っている。
旧式化した巡洋艦の代艦の扱いで各艦隊に配属された本級は、今ではシホールアンル海軍の標準的巡洋艦
として広く知られている。
砲戦に関しては優秀とされ、ガルクレルフ沖海戦ではアメリカ海軍の重巡洋艦相手に互角の戦いを見せた。
しかし、ブルックリン級巡洋艦と相対する場合は本級でも能力不十分と判断されており、海軍上層部は、
主砲搭載数10門を数える新型巡洋艦を開発中である。





今日はこれにて投下終了です。

680 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/06(日) 16:39:31 ID:4CUjn9IY0
訂正
新たに同級は新たに7隻が
となっておりますが、
同級は新たに7隻が
の間違いです。それから、直線を多様は、直線の多用の間違いです。
申し訳ございませんでしたm( __ __ )m

693 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/09(水) 19:24:04 ID:4CUjn9IY0
最後にデータを投下します。
1482年8月に決定した建造計画最終案

エセックス級正規空母20隻
インディペンデンス級軽空母14隻
リプライザル級(史実のミッドウェイ)正規空母3隻
アイオワ級戦艦7隻
アラスカ級巡洋戦艦4隻
護衛空母62隻
フレッチャー級駆逐艦112隻
新型駆逐艦102隻
護衛駆逐艦203隻
潜水艦192隻

1484年6月までに配備可能な艦
エセックス級正規空母13隻
インディペンデンス級軽空母14隻
アイオワ級戦艦4隻
アラスカ級巡洋戦艦4隻
護衛空母43隻
フレッチャー級駆逐艦112隻
新型駆逐艦57隻
潜水艦122隻

捕捉:新型駆逐艦は、アレン・M・サムナー級駆逐艦、ギアリング級駆逐艦の
事を指します。

694 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/09(水) 19:29:59 ID:4CUjn9IY0
入れてない部分がありました。すいません!
最終案のほうの巡洋艦建造計画案はボルチモア級重巡13隻。
クリーブランド級軽巡洋艦21隻。
アトランタ級軽巡洋艦8隻。

配備可能な艦はボルチモア級重巡5隻。
クリーブランド級軽巡14隻、アトランタ級6隻となっております。

699 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/10(木) 12:43:15 ID:4CUjn9IY0
695-697氏 ご指摘ありがとうございます。
確かに、主力艦と補助艦艇の比率がアンバランスになっていました。
こちらの方でも色々調べて、再度修正案を作成しました。

1482年8月現在の建造計画案
エセックス級正規空母20隻
インディペンデンス級軽空母14隻
リプライザル級正規空母3隻
アイオワ級戦艦7隻
アラスカ級巡洋戦艦4隻
護衛空母62隻
ボルチモア級重巡洋艦17隻
クリーブランド級軽巡洋艦30隻
フレッチャー級駆逐艦148隻
新型駆逐艦174隻
護衛駆逐艦382隻
潜水艦192隻

前に投下した案では、巡洋艦や駆逐艦の数が足りないと指摘があり、少しばかり増やして
みました。

700 :ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/05/10(木) 12:45:35 ID:4CUjn9IY0
ちなみに、上の計画案はあくまで計画であり、この世界では史実と比べて強力な装備を持つ
敵が少ない事もあリ、いくつかの艦種では建造数が減らされる可能性もあります。
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