自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

051 第43話 仕組まれた攻勢

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第43話 仕組まれた攻勢

1482年10月4日 午前8時 ヴィルフレイング

空母ワスプを主体とする新編第15任務部隊は、この日の朝、ヴィルフレイングに到着した。

「司令官、ようやく到着しましたな。」

第15任務部隊参謀長であるビリー・ギャリソン大佐は、司令官であるレイ・ノイス少将にそう言った。

「ここがヴィルフレイングか。随分賑やかな町じゃないか。」

ノイス少将は双眼鏡でヴィルフレイングの町を見つめる。
このヴィルフレイングは、泊地として使われる前までは呪われた地と言われ、酷く寂れた町であったが、
今では飛行場、軍港施設、それにアメリカ側が建てまくったレジャー施設などが多数あり、すっかり賑やかな町になっていた。

「アメリカの手にかかれば、呪われた町なんてあっという間に変わるか。大したものだ。」

ノイス少将は自嘲とも自慢とも取れぬ口調でそう呟く。

「しかし、空母が一度にこれだけ集まるとは、合衆国海軍始まって以来ですな。」
「まあ、そうだろうな。最も、いきなり浮上した懸念事項さえなければ、喜びは大きかったが。」

ギャリソン大佐の言葉に、ノイス少将は少し微笑んでから軍港に視線を向ける。
軍港には、太平洋艦隊所属の艦艇群が停泊している。
その中に、平べったい甲板を持つ艦、空母が5隻いる。
空母は元々太平洋艦隊所属のエンタープライズ、サラトガ。
そして、大西洋艦隊から回航されたヨークタウン、ホーネット、レンジャーである。

回航された3空母のうち、ヨークタウンはホーネット、レンジャーよりも早い時期に回されたから、太平洋艦隊に
すっかり馴染みとなっているが、ホーネットとレンジャーは、どこかまだ馴染めていない感がある。
そして、今入港しつつあるワスプも含めれば、この場に居る空母は合計で6隻である。
去る10月2日、太平洋艦隊は空母部隊の編成に若干の変更を加えた。
それは、空母部隊の主役である正規空母を、1隻ずつから2隻ずつにして艦隊を編成していくと言うものだ。
結果、太平洋艦隊は3個の空母機動部隊を保有するに到った。
太平洋艦隊の空母部隊を編成表にすると、次の通りになる。

第15任務部隊 司令官 レイ・ノイス少将
正規空母サラトガ ワスプ
戦艦サウスダコタ
重巡洋艦ウィチタ ルイスヴィル
軽巡洋艦ナッシュヴィル セント・ルイス クリーブランド サンディエゴ
駆逐艦デューイ エールウィン モナガン シムス ハンマン モーリス ウォールデン バートン スミス
マハン クレイブン ダンラップ

第16任務部隊 司令官 ウィリアム・ハルゼー中将
正規空母エンタープライズ ホーネット
戦艦ノースカロライナ
重巡洋艦ノーザンプトン ペンサコラ ヴィンセンス
軽巡洋艦ブルックリン フェニックス アトランタ
駆逐艦グリッドリイ ブルー マグフォード ラルフ・タルボット パターソン ジャービス リバモア デイビス
ベンハム エレット ローウェン スタック アンダーソン ステレット ウィルソン ウォーカー
第17任務部隊 司令官 フランク・フレッチャー中将

正規空母ヨークタウン レンジャー
戦艦ワシントン
重巡洋艦アストリア クインシー
軽巡洋艦サヴァンナ ヘレナ ジュノー サンファン
駆逐艦フレッチャー オバノン ニコラス モンセン カッシン ニコラス オースチン ヒューズ
メイヨー グリーブス ランズダウン ベンソン

と、それぞれが戦艦1、巡洋艦6、駆逐艦12または16隻で艦隊の中核たる2隻の正規空母を守る。
各任務部隊には、いずれも対空火力を強化した新鋭戦艦1隻、アトランタ級対空軽巡が1隻、又は2隻ずつ
配備されている。
これは、敵竜母部隊や地上軍のワイバーンを重視した結果であり、敵航空部隊が襲撃した場合はこれらの護衛艦が
濃密な弾幕を張って、敵の攻撃力減殺に務める。
その効果は、8月25日のバゼット半島沖海戦で発揮されており、今後も同様な効果が見込まれている。
搭載機数も、合計で500機を数え、これらが合同で攻撃隊を繰り出せば、敵の1個艦隊程度はたちどころに
消滅してしまうであろう。
それに、いざ水上砲戦になっても、各任務部隊の護衛艦はいずれも強力な水上艦艇であり、洋上打撃力として、
連合軍随一の戦力と言えよう。

「編成表だけ見れば、凄いとは思えるんだが・・・・」

ノイス少将は停泊している空母のうちの1隻をじっと見つめる。
その空母は、これからTF15で、寮艦となる空母サラトガである。
サラトガの周囲には工作艦などの補助艦艇が6隻いる。

「パートナーがいきなり急病を起こすとは思っても見なかった。」
「自分も予想外でした。まさか、機関部故障を起こすとは・・・・どうも不吉ですな」

ギャリソン大佐は少し苦い表情を浮かべる。
実を言うと、TF15のパートナーであるサラトガが、3日に洋上で訓練を行った際、突然機関故障を
起こしてしまったのだ。
サラトガは慌ててヴィルフレイングに戻り、工作艦の修理を受けているが、今も工作艦がサラトガの
舷側に張り付いているとなると、故障は思ったよりも酷いようだ。

「しかし、敵さんもまだ目立った行動は起こしておりませんから、今はゆっくり直しても大丈夫でしょう。
少し時間が経てばサラトガは復帰しますよ。」
「そう願いたいものだ。」

ノイス少将は苦笑する。その時、通信将校が慌てて艦橋に入って来た。

「艦長。南太平洋部隊司令部から連絡です。」
「読め。」

ワスプ艦長であるジョン・リーブス大佐が通信将校命じた。

「はっ。宛 TF15司令部。TF15所属の空母サラトガは、本日夕方、修理のためサンディエゴに向けて
出港する模様。TF15はサラトガ復帰まで、そのままの編成で次の作戦に備えられたし。以上であります。」

思わず、ノイス少将は驚いた。

「お、おい。サラトガはサンディエゴに戻るのかね?」
「はあ。通信文にはそう書かれてあります。」
「見せたまえ。」

ノイス少将は通信将校から紙をひったくった。紙には、確かにサラトガがサンディエゴに出港すると書いてあった。

「と言う訳だ、参謀長。シスターサラはサンディエゴに戻って治療するようだ。」
「そこまでサラトガの故障が酷いのですか・・・・・」

ギャリソン大佐はそう言ってから、大きくため息をついた。

「そのようだな。パートナーがいなくなるのは寂しいが、かと言って不調のまま連れて行ったら、
敵に空母1隻撃沈の戦果をくれてやるも同然だ。シスターサラはしばらく休ませよう。さて、参謀長!」

ノイス少将はギャリソン大佐の肩を叩くと、

「サラトガ居ない間はこのワスプがTF15のボスだ。もしサラトガが居ない間に敵が来ても、ウチの
自慢の航空隊で存分に暴れ回ってやろうじゃないか。」

先とは打って変わった明るい表情で言った。
ギャリソン大佐には、わざと明るくしてるように見えたが気には留めなかった。

ヴィルフレイングにアメリカ空母部隊集結中の情報は、現地のスパイによってすぐにシホールアンル本国へ伝わった。

1482年 10月7日 シホールアンル帝国首都ウェルバンル 午前9時

ここは首都ウェルバンル郊外にある帝国宮殿。
この中の会議室に、皇帝オールフェス・リリスレイと軍のトップが集まって会議を開いていた。
「お前たちが持って来た話を纏めると、ヴィルフレイングにはアメリカの空母部隊が集結中で、こいつらは
近いうちに発動される攻勢を邪魔するかもしれない、って事だね?」

オールフェスは、渡された紙をひらひらと振りながら、海軍総司令官であるスロッツ・レンス元帥に聞いた。

「その通りです。集結した空母は5隻です。本当は6隻いたはずなのですが、レキシントン級と思われる空母が
1隻、アメリカ本土に戻ったようです。」
「空母はどのクラスが集まっている?」
「空母に関しては、ワスプ級、レンジャー級が1隻ずつ。ヨークタウン級が3隻となっております。
これらが搭載する飛空挺は合計で460機程度になります。」
「460機ねぇ・・・・・」

オールフェスは小さく呟くと、両手を頭の天辺に乗せてから椅子にふんぞり返る。

「リリスティ姉、じゃなくて。西艦隊の第24竜母機動艦隊は、現在3隻の竜母が使える。損傷した3隻の竜母のうち、
ギルガメルは2日後には修理が完了して前線に戻るし、クァーラルドも12日までには西艦隊に戻る。だとすると、
西艦隊は表向き、竜母5隻の勢力に戻るか・・・・・船の数で見れば互角だな。」
「ですが、ワイバーンの数では開きがあります。」

レンス元帥は戒めるような口調でオールフェスに言った。

「竜母5隻に搭載できるワイバーンは315騎です。第22竜母機動艦隊を含めれば434騎は集められます。」
「今回の作戦は、まず敵側に本当の侵攻場所を知られぬ事が鍵となります。」

陸軍総司令官であるウインリヒ・ギレイル元帥も発言して来た。

「最初から当初の侵攻場所に兵を進めれば、アメリカ軍に察知されてしまいます。そこで、我が陸軍はカレアントの前線に
新たに20万の増援部隊を送ります。あたかも、自分達がまたもやカレアントの完全征服を狙っているように見せるのです。」
「つまり、カレアントの侵攻軍を囮にし、本命。つまり、ミスリアル侵攻軍に向けられるであろう敵の目をそこに引き付ける訳か。
なるほど、こいつはいい案だ。」

オールフェスはギレイル元帥の案に乗り気になった。

「敵を引付けるえさに関してはこれで行こう。さて、肝心のミスリアル侵攻軍はどうなっている?」
「はっ。現在、ミスリアル侵攻軍は、所定の位置で待機しております。例のモノの準備も着々と進んでいます。」
「その例のモノの材料はちゃんと調達出来ているか?」
「ええ。占領国のモノを使います。処理係りには実戦経験者ばかりを集めていますので、発動前に行う下準備で、
顔を真っ青にする事はありません。」
「そりゃあそうさ。死体を見慣れていない奴にアレの準備は出来ないからな。
しかし、密かに集結した150万の侵攻軍か・・・・よく敵に察知されずに済んだな。」
「小部隊単位で5月から細々と移動を続けておりましたからな。お陰で、滞り無く部隊を集める事が出来ました。
恐らく、敵は全く知らないでしょう。鬱蒼と茂る森の中に大軍が潜んでいる事を。」
「知ったら驚くぜ。」

オールフェスは愉快そうな表情を浮かべた。

「北方軍だけでミスリアル王国常備軍の1.5倍。全体で強く押し込めば、2週間でミスリアルの首都に
シホールアンル旗を掲げる事も不可能じゃない。」
「どんなに頑張ったとしても、ミスリアルは2ヶ月と持ちますまい。」

ギレイル元帥はニヤリと笑みを浮かべつつ、レンス元帥に視線を移す。

「後は、海軍が出張ってくる敵を押さえ込めば、事はうまく運びます。」
「陛下。今度の大戦に臨むにあたり、各艦隊の将兵は意気軒昂です。出撃してくるであろう敵機動部隊に対しては、
我々が相手し、敵の空母を全て血祭りにしてご覧に入れます。」
「ああ。皆が自信満々だから、俺もホッとするよ。」

オールフェスは自信ありげな表情でそう言った。

「これで、ミスリアルの魔法技術は手に入る。後は・・・・・鍵、ぐらいだな。」

彼の最後の一文は、他の者に聞かれる事は無かった。

ふと、オールフェスはある事を思い付き、皆に言ってみた。

「なあ。準備は出来ているのなら、作戦開始を早めようか。」


1482年 10月11日 午前8時 ヴィルフレイング 

南太平洋部隊司令官チェスター・ニミッツ中将は、参謀長のスプルーアンス少将を引き連れてヴィルフレイングの
南西太平洋軍司令部へ赴いた。
2人が会議室に入った時は、南西太平洋軍司令官のアイゼンハワー中将とその幕僚しかいなかった。
2人が席に座ってから10分ほど立って、第3航空軍司令官と第1軍、第3軍司令官が会議室に入って来た。

「全員集まったようだな。」

彼らが着席した後、アイゼンハワー中将は口を開いた。

「諸君、ここ数ヶ月、膠着状態が続いていたカレアント公国ループレングの前線で大きな動きがあった。」

アイゼンハワーは情報参謀のトルク・アシュレイ中佐に目配せする。

「昨日、第3航空軍の偵察機が、ループレングの後方20キロ地点で移動中の大部隊を発見しました。
第3航空軍の方ではご存知かと思いますが、これが、その時の写真です。」

アシュレイ中佐は封筒から数枚の写真を取り出して、参加者達に見せる。

「第3航空軍と我が司令部、南大陸側と合同で分析した結果、移動中の大部隊は、写真に移っているもので約1個軍を
超える物と推測されます。現地のスパイから得た情報も含めれば、シホールアンル軍は実に10万以上の増援部隊を、
前線軍の後方に貼り付けている事になります。」
「ひとつ質問していいかね?」

ニミッツ中将が手を上げた。

「なんでしょうか。」
「この写真の敵軍だが、これはヴェリンスから転戦してきた部隊かね?それとも北大陸から移動してきたものかな?」
「正確には分かりませんが、南大陸側は北大陸からの増援部隊であると推測しています。」
「なるほど。」

ニミッツ中将はそれだけ言った後、腕を組んで何か考え事を始めた。

「敵が増援部隊を送って来たとなると、カレアントに対する新たな攻勢作戦発動が近い、と言う事か。」

第3軍司令官のオマリー・ブラッドリー中将が呻くような声で言う。

「敵もそろそろじっとしていられなくなったと見るべきでしょうな。ループレングの敵軍は、4月の戦闘以来、
大規模な戦闘は起こしていません。この間、小隊単位の小競り合いばかりが行われているに過ぎない。
シホールアンル側としては、長く続く待機で、指揮下の兵が士気を低下させる事を恐れているかもしれません。」

「つまり、敵は未だに士気の高いこの時期を狙って、前回同様。いや、前回よりも規模の大きい攻撃を仕掛けて
くるかもしれん、と言うのだな?」
アイゼンハワー中将の問いに、ブラッドリー中将は頷く。

「そうであります。シホールアンル軍は陸でも海でも形成を変えられつつあります。この間の一連の海戦の結果も、
シホールアンル側は既に耳にしているでしょう。」
「確かに、これ以上待機、待機が続けば士気に影響しますな。」

ブラッドリー中将に対して、それまで黙っていたニミッツ中将が口を開いた。

「ですが、一連の海戦の結果は、確かに我々はよく戦いましたが、残念ながら敵の稼いだポイントは我々の稼いだ
ポイントを上回っています。ジェリンファ沖海戦、バゼット半島沖海戦で、我が機動部隊は敵小型竜母1隻を沈め、
2隻を損傷させましたが、それまでにバルランド輸送船の護送船団1つが全滅し、二線級とは言えロング・アイランドと
ラングレーという大型艦艇を撃沈されています。それのみならず、正規空母のレキシントンが大破しヨークタウンまでもを
中破させられていますから、必ずしも、この海戦の結果で敵が士気を落とす事は考えられません。
いや、むしろ我が軍の大型艦艇を沈めた事で、前よりも士気を上げた可能性があります。」
「となると、敵の士気は以前と変わらぬ。場合によっては我々何するものぞという気概で向かって来る可能性も
あるという事か。」

アイゼンハワー中将は腕を組んで、険しい表情を浮かべる。
会議室に、しばしの沈黙が流れる。その沈黙も、ブラッドリー中将の発言で打ち破られた

「ならば司令官、こういうのはどうですかな?今、我が南西太平洋軍は所定の6個師団を手に入れている。
もし敵が新たな攻勢を仕掛けるのなら、ここは先手を打って逆攻勢を仕掛けて、敵の意図を粉砕するべきだと思いますが。」
「10万対70万で勝負になるのかね?」

アンゼンハワー中将は鋭い視線でブラッドリー中将を見据える。

「何もカレアントからシホールアンル軍を叩き出せ、と言うのではありません。限定的にこちらから打って出て
敵地上軍に前回以上の損害を与えて脅してやるのです。これ以上進めば、生きて戻る事はできぬと教えてやるのです。」
「つまり、敵軍の前線を一方的に蹂躙して、こちらの威力を見せ付けた後に、敵に攻勢か、現状維持かの選択を迫ると言う事か。」

アイゼンハワー中将は納得したのだろう、大きく頷いた。

「なかなかな案だ。シホールアンル軍と我が軍の装備は隔絶しているから、出来ぬ作戦では無いな。」

しかし、アイゼンハワー中将は最終的な決定は下さない。

「出来ぬ作戦ではないが、敵も学ぶ。前回の地上戦で、戦車の威力を嫌というほど味わっている。
我々が打って出ても何らかの対抗策を生み出しているかも知れんぞ。カレアントの航空戦がそうだ。」

カレアント上空で未だに繰り広げられている航空戦は、依然としてアメリカ側が優勢である。
だが、数ヶ月前の圧倒的優勢はもはや遠い過去の物となり、現在の彼我の撃墜率は3:7、酷い時には4:6と、
アメリカ側の損害が急増している。
シホールアンル航空部隊は、様々な対処法を確立し、アメリカ軍機を苦しめていた。
未だに双胴の悪魔と恐れられるP-38ですら、30機出撃して8機未帰還という事が今ではザラにある。

「仮に、我が南西太平洋軍が逆攻勢で、敵シホールアンル軍を押し戻したとしても、前回のような完全勝利は望めぬかもしれない。
敵もこの間の敵ではないのだからな。ブラッドリー。君の案は確かに正しいが、私の結論からして、打って出るにはまだ早い。
来年の春には4個軍がこの南大陸に配備される。そうすれば、南大陸軍と共同で敵を押し戻す事が出来るだろう。
今しばらくは、我慢するしかない。」
「そうですか。分かりました。」

ブラッドリー中将は、提案が撤回された事にも動じず、アイゼンハワーに頭を下げる。

「今はまだ、打って出ることはできないが、向こうから出てくるのなら好都合だ。シホールアンルが攻勢に出てくるのならば、
前回同様全力で反撃し、敵から戦力をもぎ取る。そうすれば、あたらに兵力を減らした敵は、いずれ我々の反攻を満足に
支え切れなくなる。だから、今は座して待つのみだ。利は我々にあるぞ。」

と、アイゼンハワー中将は自信に満ちた表情で言い放った。

作戦会議は2時間ほどで終わった。
予想されるシホールアンル軍の侵攻に備えるべく、各軍の司令官は、急いで前線に戻っていった。
シホールアンル軍の攻勢近しの知らせは、たちまち全部隊に広まり、南西太平洋軍、南大陸連合軍は、再びカレアントで
繰り広げられるであろう決戦に誰もが意気込んでいた。

とある人物。

同じく会議に参加していた、南太平洋部隊参謀長スプルーアンス少将を除いては。
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