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向日葵の向くほうへ

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匿名ユーザー

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ジリジリと耳に残る蝉の鳴き声を聞きながら、さっきまで溢れんばかりの氷が入れられていたはず麦茶を一瞥してみる。
この身を焼き付けるような熱さは思ったよりも深刻で、扇風機なんかでは太刀打できるわけもなく、じんわりと背中を這う汗にますます不快感は募っていく。
そう季節はすっかり夏。
数日前にバレンタインを迎えたばかりな気もするけど…
そんな事は今の私には関係ない。
「あーつーいー」
涼もうと縁側で寝転がっているこなたの声に返す元気すらない状況なのだ。
「あ"ーづーい"ー」
ゴロゴロと転がりながら私に視線を向けてくるこなたに、溜め息を付きながら何?という意味を込めて首を曲げてみる。
「水まきしよーよ、かがみん」
「……なんの為に?」
「涼むために」
はぁ、と息をはき終える前に目の前にある机に倒れ込む。
ついさっきも同じやりとりしたような気がする。
確か「縁側出よーよ、かがみん」とか言ってたな。理由は勿論、涼むために。
その結果は…言うまでもないわね。
「これホース?」
「勝手に人の家の物置きを物色すんな」
「んで、水道に…合体っ!!」
話を聞けとか合体じゃなくて装着だ、なんてつっこみを入れる事さえコイツには無意味んだろうな、なんて考えながらホースを振り回すこなたを見つめる。
てゆーか、なんでコイツはこんなに元気なんだ。
まぁ小さい頃、合気道をやっていたらしいし、足も早いから基礎体力はある方なのだろうけど…
そんなどうでもいいことを思いながら、今日何回目かの溜め息を吐こうと生温い空気を吸った瞬間。
「ほら、かがみも水まきー!…あ」
「ちょっ…」
バシャという水音と冷たい感触が体全体を襲った。
ポタポタと前髪から垂れる水滴が、熱をもった皮膚に触れて、少し涼しい。
って、そうじゃなくて…張り付いてくる前髪をどかすと、やっちまったゼという顔をしたこなたが見えた。
うん、やっちまったわね。こなた。
「え、えーと…涼しくなった?」
「うん、かなり涼しくなったわ」
自分でも褒めたくなるくらいの満面の笑みを浮かべながらこなたに近付く。
「あの、えっと…かがみサン、顔が怖いデス」
「ねぇ、こなた」
「な、なに?」
「さっき熱いー、って言ってたじゃない?」
ゆっくりと、でも確実にこなたを追い詰める私。
水をぶっかけられたんだもん、きちんと仕返し…じゃなかったお返ししなきゃ、ねぇ?
「どりゃぁぁぁぁぁっ」
「ひでぶっ!!!」
こなたから奪ったホースの先を握り、ターゲット・オン。
目標は勿論、こなたである。


「うぅ…ずぶ濡れぇ」
「元はと言えばアンタのせいでしょうが」
たっぷりと仕返しをした後、濡れた服を乾かそうと縁側に寝転ぶこなたと私。
夏の日差しに温められた服がぬるくて気持ち悪い。
結構動いたから汗もかいたし…
「ねぇ、かがみ」
「ん~」
横で転がっていたこなたが上半身を上げて私を見つめてくる。
額に乗せていた左腕を退けてこなたの方へ顔を向けると、いつも私をからかうようなニヤニヤした顔をしたこなたがいた。
うっ、嫌な予感…。
「な、なによ」
「服、気持ち悪くない?」
「へ…?う、うん」
予想外の事を聞かれて焦る私にニマーと口を更に猫口にしてこなたが続ける。

「じゃあ、私が乾かしてあげるよ」

え?という声を発する前にこなたが私に覆い被さってくる。
「え…ちょ、なにやって…んんっ?!」
言い終える前に唇に触れてきたのは柔らかい感触。
目の前には目を瞑ったこなたが見えて、キスをされたのだと気付くのに数秒かかってしまった。
「こな、んっ…ちょ、…っ」
角度を変えて啄むようなキスをする刺激がもどかしくてこなたのタンクトップの袖をクイッと引っ張ると、チュと音を立ててこなたが唇を離した。
「かがみ」
耳元で囁かれるこなたの声がくすぐったい。
「…こな、た」
つっかえながらもこなたの名前を呼ぶと、こなたは嬉しいそうに頬を緩ませた。
こいつ…
体も中身も私より全然子どもみたいなのに。
なんでコイツの笑顔には勝てないのだろう。
ペチャ、と粘着質の音がしたと思うと首筋に熱い感触が広がった。
「あぅ…こ、なた…誰かに見られ…んぁっ」
首筋から鎖骨へと降りてくるこなたの舌に翻弄されながら、理性の私がここは私の家なのだと脳に訴えてくる。
つかさだっているのに…
「ふふ~ん♪」
ペロッと自分の唇を舐めるその舌がとても妖艶で、高鳴る胸の鼓動がうるさい。
「それは誰も見てなかったらおkてことカナ?」
「なっ、ちが…はぅっ!」
こなたの右手が私のシャツを捲り、つつっとおへそを指でなぞる。
「んっ、こな…あっ、口で…んくっ…外すなぁ」
プチプチと器用に口でボタンを外していくこなたに反抗の声も上げてみるけど、お腹をなぞっていた手が私の胸のてっぺんに触れてくる度、切なさが襲ってくる。
「んはぁ、あぅ…んんっ」
「かがみ、気持ちい?」
囁くようなこなたの声に聴覚まで犯されている感覚になってくる。
こなたが触れるところから伝わる熱さは、きっと夏のせいじゃない。
声を我慢しようと唇を噛むけど、すぐにこなたのそれに覆われる。
「かがみ…」
少し息の上がったこなたの口から漏れる吐息が、私の皮膚から心臓の方へ伝わり、かぁと顔に熱を帯びてゆく。
「ひゃぁ…、あぅ、んっ、こ、なたぁ…」
こなたの手が胸の中心を弄る度、ゾクゾクとした電気が背中を這って下半身がジン…と疼くのが分かる。
びしょ濡れだった服が脱がされ、熱いこなたの舌が皮膚についた水滴を舐めとる。
―ペチャ、ピチャ…
あんなに激しく鳴いていた蝉の声すらどこか遠く感じる。
―んっ、ペロッ…
聞こえるのはこなたの吐息と私の体を舐める粘着性の音だけだった。
お腹を舐めるこなたの舌がくすぐったくて、制止しようとこなたの方を見ると…
「クチュ…んはっ、ん、ちゅ…」
「…………っ!!」
上目遣いをしながら音をたたて私の体に舌を這わすこなたが見えた。
それが私の大事なところを舐めているようで、かぁと熱くなる頬を見られたくなくて思わず強く目を瞑る。
「ん、…」
目を瞑ったせいか、こなたの息遣いがさっきよりも聞こえてきて、トロリと溢れてくる下半身の疼きが止められない。
「…っ、こな…も、もぉ…んぁ…わた、し…っ!」
「かが、み…」
目を潤ませて、頬を蒸気させるこなたを見て、私の中で何かが音をたてて崩れ落ちていく。
首を少し傾げて「いい?」と言っているように私に視線を向けるこなた。
そんなこと聞かなくったって、答えは一つしかないのに。
いいよ、の意味を込めて自分から軽いキスをすると、くぃと頭を支えられ深く求められる。
「んくっ、はっ…」
「っ…んんっ、…はぁ、ん」
頭が痺れていく。
感じているのは舌だけのはずなのに背筋がゾクゾクして、もっと…もっとこなたが欲しくなってしまう。
「こな…ひゃうっ!!」
唇が離されるのと同時にビリビリとした電撃が私を襲った。
「あっ、んぁっ、ちょ…こな…んはぁっ」
「ビショビショだねぇ、かがみん」
「んなっ、言う…あぅ、なぁ」
自分のアソコからトロリと出てくる粘着性の液体がこなたの指を汚していく。
その事実が、感触が気持ちよくて…
「こ、なたぁ…」
「ん」
私の意図に気付いてくれたのか、こなたがゆっくりと私の下半身に顔を埋める。

クチュ…

「ふぁっ…!んぁ、くっ、あぁっ、やっ…」
アソコから背中を伝って脳にまで甘い刺激が押し寄せてくる。
「こなっ…んはぁ、あっ」
その刺激が気持ちよくて、切なくて、無意識に伸ばした手がこなたの髪を絡めていた。深い青色。
細い髪の毛。
その一本一本が恋しくて、私なんかが触っていいのだろうかなんて考えてしまうほど綺麗で。
そっと絡めていた手を離すと、すっとこなたが左手を絡めてきた。
「…えっ?」
「触っていいよ」
「なっ…?!」
私、声に出してたっ?!
思わず握っていない手で口を抑えるけど、時すでに遅し。
恥かしさで顔が真っ赤になっていくのが分かる。
無意識に声に出してるなんて私はバカかっ…!!
「かがみ…」
後悔に苛まれているとこなたが優しく私を呼んだ。
「私はかがみ好きだよ」
「……わ、わたしだって、その…す、好き」
あぁもうっ!なにテンパってるのよ、私。
「だからかがみに触りたいし、かがみも私に触ってほしい」
ドキンと胸の奥が鷲掴みにされたような感覚がした。
こいつは…なんでこう嬉しいコトをサラッと言ってくれるんだろう。
ピークを迎えてるはずの心臓の鼓動が更に加速していく。
「私も…」
そう言って再度こなたの髪に手を絡め、首筋にキスをおとす。
「ンっ…かがみん、余裕ですな♪」
「え…ひゃぅっ!」
ニヤリと効果音がするほど口角をあげるこなたが見えたと思うと、こなたの指が私の熱をもった敏感なトコロに触れた。
「んくっ、ゃぁ、あぁっ…こ、な…」
ゆっくりと侵入してくるこなたの指が気持ちよくて、私の体がこなたで埋め尽くされていく。
「かがみ」
「んんっ、んふぁ…ぁん、くっ」
だらしがなく嬌声を上げる私の口をこなたの唇で塞がれる。
くちゅくちゅと口内からの唾液の音と、私から溢れる愛液の音が混ざり合って、聴覚まで犯されている感覚に襲われた。
「あぅ、あっ、こな…こな、たぁ…」
愛しくて、大好きな人の名前を呼ぶしかできなくて…
不定期に動くこなたの指から与えられる快感に、体が支配されていく。
「かがみ」
「んっ、ふぁ…こ、こなた…あっ」
いつもの私をからかうような顔じゃなくて、真剣な、でも妖艶な顔で私を呼ぶこなた。
こなた以外考えられない、それが心地よくて、切なくて、次々と湧き上がる熱が私の頭を溶かしていく…
「大好き、だよ」
噛み締めるように優しく愛の言葉を私に囁く。
それと同時に私の中に入れられている指の速度が上がった。
「ふぇっ…?!っあ、こな…んぁっ、んんっ、ゃぁ…」
こなたの指の形が、動きが半端なく気持ちよくて…
「あっ、んぁ、こな…も、もぅ…っ」
「ん。イって、かがみ」
「くぅ、ひゃっ、あっ…」
隠核を親指でグニグニと潰される。
―もぅ、何も考えられない。
そんな私を知ってか知らずかこなたが耳を甘噛みした瞬間。
「…ふぁぁぁぁっ!」
私は果てた。



「ベタベタする」
汚れてしまった衣服を着替えながら、その原因のこなたに嫌味を言うけど、コイツには馬に念仏なんだろうな。
「今日は熱いからねぇ~」
ほらね。
はぁ、と溜め息をついて透き通った空を見上げる。
そういえば今夜近所で花火大会があるっていってたわね。
この天気なら間違いなく、夜空に綺麗な炎の花が咲くだろう。
「今夜さ」
その言葉にこなたの方を向くと、いつの間にか私と同じ様に空を見上げていた。
「ここらへんで花火大会あるんだよね?」
わざとなのか疑問形で聞いてくるこなた。
ニヤニヤと目を細めて、私をからかうように伺うこなたを見て、はぁと二度目の溜め息がでる。
『かがみから誘ってよ』
その顔はきっとこういう意味なんだろう。
なんで私の考えてること、コイツには全部分かってしまうんだろう。
「…あるわね」
だけど、負けず嫌いな私が、コイツの思惑通りに素直に誘えるはずがない。
「見たいなぁ、花火」
足をバタバタを動かしながら意味深な顔で私を見るこなた。
全く…
こうなったら意地でも引かないコトは私が一番よく知っている。
でも、素直に花火大会一緒に行きたい、なんて死んでも言えるはずがない。
だから…
「太陽の方、向いたら…」
「へ?」
「い、一緒に行ってあげても、いいわよ」
フっとこなたから視線を外し、庭先に植えられた黄色い花を見つめた。
「…………なにが?」
ニヤニヤと口を猫にしながら100%分かっている答えをこなたが尋ねる。
そこまで言わす気か、コイツは。
溜め息とは反対に今度は息を吸って、半ば自棄に言ってやる。


「向日葵がっ!!」


私達を照らす太陽よりも明るい笑顔を向けるこなたを目の端で捕らえながら。
私は庭先に植えられた向日葵の向く先を見つめていた。










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  • 花火大会編も見たいです -- 名無しさん (2010-09-08 18:20:25)
  • そういえばちょっとこれと似た感じのこなかが同人誌があったなあ・・・ -- アイマイ (2008-12-28 23:02:35)
  • なんという甘々エロ…
    GJ -- 名無しさん (2008-03-14 02:47:06)

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