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安らぎを求めて

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匿名ユーザー

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時刻は午前6時30分
外は明るい。
つかさはいつも通り弁当を作っていた。
いつもと違う事と言えば、2人分のおかずではなく1人分だけという事だ。
こんなことになる事を、防げはできなかったのだろうか。
そんな考えが頭をよぎる。

「今日もいい天気ねー」
かがみは言う。
「そうだね、今日も楽しい日になりそう。」
つかさも答える。
なんてことはない、いつも通りの会話だ。
電車から見える景色だって、いつもとかわらない。
だが、つかさは違和感を感じていた。
いつもと違うよな、そうでないような。
「ねぇつかさ、どうしたの?」
その声を聞いて、つかさはハッとなる。
「あっ、なんでもないよ」
本人はなんでもないと言うが、かがみにはそうでないように思えた。
なんといっても共に生まれ、共に育ち、共に学んだ仲だ。大抵のごまかしは見抜けてしまう。
「そう?ならいいけど・・・・」
本人がなんでもないという以上、それ以上問い詰める事はできなかった。

「おはよーかがみーん、つかさー」
こなたは2人よりも早く学校に来ていた。
珍しい事もあるもんだ、とかがみははやしたてていた。
こなたは遅刻こそ多くはないが、学校に来るのは大抵予鈴が鳴ってからだ。
かがみがはやしたてるのも無理はない。
「こなちゃん、毎日この時間に来てれば先生にからかわれる事もないのにねー」
つかさもかがみと同じくこなたをからかう。
「ああ、うん」
返ってきた返事はそっけないものだった。
べつにおかしい事ではない、いつものこなただ。
だがしかし今の言い方にはとげがあると言うか、何かひっかかる。
そのわりにはかがみとは普段通りの会話をしている。
私、なにかしたっけ、つかさは回想するが、特に思い当たる節は無い。
色々考えるが、こたえは出ない。
結局こなたとつかさの会話はそれで終わり、教室で席に着き、SHRが始まった。


      • 昼食の時間
かがみはこなた達の教室へ行く。
「やっほーかがみーん」
いつも通りこなたはかがみを迎える。
そして弁当を食べる。
いつも通りなのだ。そう、何も変わってない。
朝の違和感や、こなちゃんの態度だってきっと何かの勘違い。・・つかさは思う。
昨日は何してたっけ・・・テレビ見て・・・お風呂入って・・勉強しようと思ってたのに寝ちゃって・・
つかさはこの環境の慣れてしまったせいか、何かが変わってしまう事を極端に嫌うようになっていた。
毎日同じ事を繰り返して、その前の日とは少しだけ違う何かが起きて・・また繰り返す・・。
そんな日常があたりまえになっていた。
だから昨日までなんともなかったものが、突然変わってしまったりすると敏感に反応してしまう。
「・・・かさ!つかさー!」
かがみの呼びかけにつかさは驚く。
「どうしたの?朝からあんたおか」
「ねぇつかさ!」
かがみの言葉をさえぎり、こなたが言う。
「えっ!なにかな」
つかさもとっさに返事をする。
「あのさー、つかさは私とかがみが居なくなったらどうする?」


349 :安らぎ求めて:2007/06/03(日) 07:21:11 ID:fqBHOHj5
こなたらしくない言葉をつかさに突きつける。
「ちょっとあんた、何言って・・」
かがみもこなたの言動を不審に思ったのかそんな言葉をこなたに投げかける。
つかさからしてみれば、このこなたはいつものこなたでないような気がした。
いつものほがらかなこなたではなく、なにかを思いつめているような・・・そんなかんじがした。
「いなくなるっていっても・・・・想像つかないなぁ・・・・」
こんな返答しかできなかった。
実際、普段の生活から2人がいなくなるなんて考えられない。
「ふーん、まぁいいけどね」
「あんた、いい加減にしなさいよ」
そんなところで予鈴が鳴る。
「ああ、次って教室移動じゃん、つかさ行こう」
「う、うん」

      • 下校の時間
「ふー、おわったおわった」
かがみが背伸びをしながら言う。
学校から開放されて自由の時間の始まりだ。
「あのさつかさ、かがみに大事な話があるから先に帰っててくれないかな?かがみもいいよね?」
「え?まあそりゃいいけど・・・じゃあつかさは先にいっててくれる?」
勘違いではない、こなたはつかさにかなりよそよそしくしている。
かがみもなんとなくよそよそしくしているような・・・つかさは敏感に感じ取っている。
「あ、うんじゃあ先にいってるね」
「悪いわねー」
つかさは1人で帰る。
普段みんなと通る道なせいか、1人だととても寂しく思える。
なにも変わってはいなかった・・・、こなた以外は。
こなちゃんだって、明日になればきっと元のこなちゃんに戻っている、いや戻ってほしい。
つかさはそんな思いを胸に秘めていた。


事件は突然起こった。
こなたとかがみがダンプに轢かれて即死したと父から聞いた。
運転手によると2人は自ら道路に飛び出し、ブレーキは間に合わずはねてしまったそうだ。
何が2人をそうさせたのか、なぜそうなってしまったのか。
考えてみれば朝から何かがおかしかった。
あの違和感は虫の知らせか何かだろうか?いや、そんな簡単な物では済まされないのかもしれない。
もしかしたら、何者でもないかがみ自身への違和感かもしれない。
それにあのこなたの言葉は?最初からこうするつもりだったのか。かがみは?
今となってはわからない。遺書も今のところ見つかってないらしい。
つかさは自問自答を繰り返す。
しかしいくら考えても答えは出ない。
頭が真っ白になる。
二人の亡骸を目の前にして、つかさは泣きじゃくる。
そしていつのまにか眠ってしまい朝になると自分のベッドで寝ていた。
夢などではない。現実だ。二人がもう居ないことも。
つかさに1通の郵便が届いていた。
それをつかさは読む


つかさへ
べたなセリフだけど、この手紙を読む頃、私はもうこの世にはいないかもしれません。
もしかしたらかがみも。
突然ですが、私はかがみを愛していました。
そして昨日、かがみはそれを受け入れてくれました。
だからわたしはそれを記念して永遠の17歳であろうと思ったのです。
かがみへの愛を永遠のものにしようと思います。
生きていれば良い事がある。だけど悪いことだってある。
そしてそのうちかがみとの関係が崩れていく・・・そうなると思うと私は恐ろしくなる。
当たり前の事が変わってしまうのはとても辛い事です。
だったら最善の状態で時を止めてしまえばいい。
そうしたらずっと最善の状態でいられる・・・・
狂ってるかもしれない。だけど・・・

それとつかさ、愛してはいないけれど、かがみと同じくらい大好きだったつかさ
最後だからこそ厳しく当たろうと思います。
楽しく話していた友達が突然いなくなるのはつらいだろうからせめて・・・
でも、どうやっていいかわからないから逆によけいに傷つけてしまうかも・・
その時はごめんね。

そろそろ学校だ、それじゃあいってきます。


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