自分の気持ちに気づいたのは、確か出会ってから一年後くらいだったかな? つまりあいつを好きになったのは今から一年前になる。
理由なんてものは無い。気づいたら好きになっていたのだ、あいつを。ま、恋ってそんなものでしょ?
私は今鏡の前にいる。小学生の頃はしょうも無いギャグのネタにされたものだ。『かがみが鏡の前にいる~』ってね。
最近では、学校に行く前よりあいつと遊ぶ前の方が鏡の前にいる時間が多い。遊んでいるときを想像してニヤニヤしてるのは我ながら末期だなぁ、と思う。
さて、最終確認。髪……よし。顔も……何時も通り。新しく買った服を着て一回くるんとその場で回る。……うん、完璧!
理由なんてものは無い。気づいたら好きになっていたのだ、あいつを。ま、恋ってそんなものでしょ?
私は今鏡の前にいる。小学生の頃はしょうも無いギャグのネタにされたものだ。『かがみが鏡の前にいる~』ってね。
最近では、学校に行く前よりあいつと遊ぶ前の方が鏡の前にいる時間が多い。遊んでいるときを想像してニヤニヤしてるのは我ながら末期だなぁ、と思う。
さて、最終確認。髪……よし。顔も……何時も通り。新しく買った服を着て一回くるんとその場で回る。……うん、完璧!
「お姉ちゃ~ん、まだ~?」
ごめん、ごめん、待たせたわね――妹のつかさの待つ玄関へ向かう。
毎日の日常がこの上ない楽しみというのは、幸せなんだろうなあ、と思う。
毎日の日常がこの上ない楽しみというのは、幸せなんだろうなあ、と思う。
「いらっしゃ~い、ささ、上がって、あがって~」
「お邪魔しま~す」
「お邪魔します……って」
「お邪魔しま~す」
「お邪魔します……って」
こなたの家の玄関には靴が五足ある。一つは私、一つはつかさ、そして見た感じ三つのうちの二つはおじさんのだろう。
別にこなたの性格からして靴が一つしかないのはおかしいことじゃないけど、問題はその靴の状態だった。
別にこなたの性格からして靴が一つしかないのはおかしいことじゃないけど、問題はその靴の状態だった。
「どしたの?かがみ」
「こなた……あんた、靴ぐらいちゃんとそろえなさいよ」
「こなた……あんた、靴ぐらいちゃんとそろえなさいよ」
そう、私もつかさも、そしてあれで結構常識人であるおじさんを除いて……つまりこなたの靴だけ脱ぎ散らかされているのだ。
私はこなたの靴を揃えて言った。
私はこなたの靴を揃えて言った。
「も~、あんたこういうところちゃんとして無いと、社会出たとき苦労するよ?」
「おお~かがみ気が利いてや~さし~い。ひょっとしてデレ期?だとしたらかがみのツンデレ周期計算しなおさないとな~」
「う、うるさいわね!勝手に変な周期を作るな!」
「おぉ~」
「おお~かがみ気が利いてや~さし~い。ひょっとしてデレ期?だとしたらかがみのツンデレ周期計算しなおさないとな~」
「う、うるさいわね!勝手に変な周期を作るな!」
「おぉ~」
こなたはごめん、ごめんと言っているが、絶対反省していない。明らかに私が怒ったことに対して感嘆の声を上げてたし。
……本当は怒ってなんかいない。冗談でもこなたに褒められると顔が紅潮してしまうので怒ったふりをしてごまかしてる。
それでもなんとなく恥ずかしいのでもう一度注意しようと思ったら、こなたが声を発した。
……本当は怒ってなんかいない。冗談でもこなたに褒められると顔が紅潮してしまうので怒ったふりをしてごまかしてる。
それでもなんとなく恥ずかしいのでもう一度注意しようと思ったら、こなたが声を発した。
「じゃあ、私の部屋に行こっか」
タイミングを完全に失って、私は「う~」と唸ることしか出来なかった。
「そういえばなんでひまわりって太陽の方に向くんだろうね」
「さあねぇ~。みゆきさんならわかるかもね」
「まあ効率よく光合成するためとかそんなとこでしょ」
「さあねぇ~。みゆきさんならわかるかもね」
「まあ効率よく光合成するためとかそんなとこでしょ」
わかっていたことだけど、やっぱり同性だとアプローチが難しい。
これが異性だったらこしょばゆい空気になって少しづつ、しかし確実に進展していくんだろうけど。
……難しいな。
これが異性だったらこしょばゆい空気になって少しづつ、しかし確実に進展していくんだろうけど。
……難しいな。
「かがみ、なんか今日は少し暗いね。あ、もしかしてダイエット失敗?それとも恋の悩みとか!?」
「え!?ち、ち、違うわよ。何でも無いって!」
「お姉ちゃん顔真っ赤だよ~」
「ほんとほんと。いや~かがみはわかりやすくて可愛いなぁ~」
「え!?ち、ち、違うわよ。何でも無いって!」
「お姉ちゃん顔真っ赤だよ~」
「ほんとほんと。いや~かがみはわかりやすくて可愛いなぁ~」
うう……考え事してて失敗した……。とても恥ずかしくて体温が上がっているのがわかる。
こなたは、恋の悩みならこの私に任せなさい、などと無い胸を威張らせている。
……だめだ、このままじゃさっきの二の舞じゃない。完全に主導権を握られたままだ。……よ~しここは冷静に。
こなたは、恋の悩みならこの私に任せなさい、などと無い胸を威張らせている。
……だめだ、このままじゃさっきの二の舞じゃない。完全に主導権を握られたままだ。……よ~しここは冷静に。
「そうかしら?私はこなたの方が可愛いと思うけどね」
よし、照れずに言えた! ……多分。
すぐにな~んてね、と付け加えようとすると、こなたが声を発した。
すぐにな~んてね、と付け加えようとすると、こなたが声を発した。
「え、あ、う……い、いや~急にそんなこと言われてもね~。まいっちゃうな~私」
こなたはなんでもないように笑って答えた。……いやなんでもないように振舞って答えた。
こなたの声は半音高くなっており、顔も少し紅潮していた。
うん、これは私の経験上、手に取るようにわかる。こなたはものすごく照れている。
……これはいい情報を手に入れた。何事もやってみるものね。あのこなたがあそこまで照れるなんて滅多にない。
こなたの声は半音高くなっており、顔も少し紅潮していた。
うん、これは私の経験上、手に取るようにわかる。こなたはものすごく照れている。
……これはいい情報を手に入れた。何事もやってみるものね。あのこなたがあそこまで照れるなんて滅多にない。
「こなた」
だから。
「ふ、ふぇ?」
攻めるなら今しかないよね。
「大好き」
もちろん友達として、ね。……表面上は。
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- かがみ、素晴らしいです。 -- チャムチロ (2012-07-27 07:22:59)
- おお。最後の一言がキまってるぅ~ -- 名無しさん (2011-04-13 11:29:47)