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七月の雪。 第三話

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匿名ユーザー

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今日は祭の当日。みんなでかがみの家に集合なんだけど。
行きづらい・・・・・・。あの日以来、かがみと一言も喋っていないんだよね。
とはいえ、行かないわけにもいかないので、私は家を出た。
なにか起こりそうなこの夕焼けの空の下を走りながら。


第三話 【- 雪 -】


かがみの家の前に着くと、もうみゆきさんとつかさが待っていた。
「お~っす、みんな。待った?」
手を小さく上げながら顔だけをこっちに向けている二人に聞く。
「こなたさん、こんばんは。」
改めて体をこっちに向けて挨拶する。
「こんばんは。こなちゃん、今日はいっぱい楽しもうね!」
まるでもう祭が始まっているみたいにつかさが言う。
「・・・、え?あ、うん。そだね!」
あれ?かがみがいない。
「ねえ、かがみは?」
「あ、お姉ちゃんね。検定受けるか、お祭行くかまだ迷ってるの。」
そっか、人生の別かれ道だもんね、当たり前か。
納得していると、みゆきさんが言った。
「あの、そろそろ行かないとおみくじ売り切れちゃいますよ?」
「あ、そっか。『祭おみくじ』って今日だったっけ。」
思い出したようにつかさが言う。
この『祭おみくじ』というのは、ここら辺でしかやっていない珍しいおみくじで、
何日かある祭の日の一日だけ売られているおみくじで、このおみくじ目当てにわざわざ二駅前から来る人もいる。
それほど人気で、しかも数が少ない。
なので、祭が始まると同時におみくじを予約しておくのだ。
そうすれば、自分達が行ったときにおみくじが売り切れていたなんてことはない。
「じゃあ、二人で先行っててよ。私、ここでかがみ待ってるからさ」
その言葉には色々な意味がこめられていた。
「うん、二人の分も予約しておくね。」
「よろしくね。」
笑顔でそう告げると、
行こ?とつかさがみゆきさんに言って、二人で歩いていった。
二人が離れていくのを見て、私は決心した。



今日答えを出そう。
今かがみが降りてきたら悲しいけど、返事を告げて笑顔で祭に行こう。
まあ、かがみが祭りにいければの話だけど。
そんなことを考えていると、上から白いものが一つ、落ちてきた。
それは、ひらひらしながら私の足元に落ちていった。
「雪・・・?」
思わず、口をついて出たのが『 雪 』だった。
しかし、よくみるとそれは紙で出来た雪だった。
その破片には「検定申込書」と書いてあった。
本能的に振り返って家の窓を見上げた。
すると、もっとたくさん、まるでいつかの友達がしてくれた様に『 雪 』は降ってきた。
かがみが軽い気持ちで言った、私の思いでを覚えててくれたことと、
そして何より、かがみが自分より私たちをとってくれたことが嬉しくて、
かがみの家に入って物凄い速さでかがみの部屋に向かった。
「かがみ~!!! 」
私はその勢いでかがみの胸に飛び込んだ。
かがみに顔をうずめる。微かに、あった温もりは恥ずかしさからきていたのかもしれない。
「ちょ、なによこなた。」
何もなかったと振舞おうとするかがみの顔は赤かった。
「かがみ、前私に告白してくれたでしょ。それ、OKするね!」
「えっ!本当に!?」
予想外の言葉に流石のかがみも驚きを隠せなかったようで、目が光っていた。
「うん。私かがみのこと好きだよ?」
嬉しかったのか、かがみは涙を流していた。
そして、気持ちを落ち着かせてからかがみが言った。
「これからよろしくね。こなた!」
ふふふ、と笑いながらかがみを見上げる。
「それじゃ、早く行こう!つかさとみゆきさん待ってるよ!」
「うん!」
そういって、私たちはは祭に向かった。決してが離れないように、しっかりと手を握り合って。






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コメント:
  • (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-09-22 08:00:15)
  • かがみ、良かったね。
    そう思います。 -- チャムチロ (2012-09-03 12:16:56)
  • 一話一話が短くて読みやすいです。 -- 名無しさん (2008-05-06 00:50:37)

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