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泉こなたの人生が変わる瞬間 PM7:31

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hakureikehihi

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「あと3周……」

最初は途方もない道程だと思ってた。
でも、それももうすぐ終わりを迎える。
47周を走り終え、残りは3周だった。

ゆきちゃんは、こなちゃんが走るのを静かに見ていた。
朝見たときよりも雰囲気が違って見えるのは、気のせいかな?
お姉ちゃんは、なんだかさっきからしきりに時計を気にしている。
こなちゃんが早く走り終えるのを期待しているみたい。
そして、私は……。

『じゃあこなたは、いったい誰に会いたいのかしら?』

言葉の意味をずっと考えてた。
こなちゃんがこうまでして会いたいのって、いったい誰なんだろう……。

「あいてっ」
「こなたっ!?」

それも、こなちゃんとお姉ちゃんの声で、現実に引き戻される。
ハッとした私は顔を上げる。
見ると、こなちゃんが地面に倒れこんでた。


「こなちゃん!大丈夫!?」
「大丈夫だって、ちょっとつまづいただけだから……」

それだけ言うと、こなちゃんはゆっくり立ち上がってまた走り出した。
もうお姉ちゃんもゆきちゃんも走ることを止めなかった。
もちろん、私も。
今まで走った47周が無駄になる、それもあったけど……

『これくらいで止めないでよ』

なによりも、こなちゃん自身がそう言ってる気がしたから。

またこなちゃんが帰ってきた。
これで残りはあと2周。
でも、こなちゃんはもう限界だ。
たぶん、歩くのがやっとっていうくらい。
もう見ていられなかった私は、ほとんど無意識にこなちゃんに向かって駆け出していた。

「こなちゃん!私も走るよ」
「え……つかさ……」
「こなちゃんがこんなに頑張ってるのに、それを見てるだけなんてもうできないよ」

きっと、やめようって言ってもダメだから。
だから、せめて最後だけでも一緒に走りたかった。

「ダメって言っても、ついてくるよね」
「当たり前だよ!」
「わかったよ。じゃあ行こう、つかさ」

私の前にこなちゃんの手が差し出される。
その手を握って、私たちはゆっくり走り出した。
すぐそばまで来ているゴールに向かって。
そして、その向こうのゴールに向かって。



















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