「おはよう、みなみちゃん。今日も寒いねー」
冬。教室に入って来たゆたかはみなみに挨拶をしながら、体を細かく震わせた。
天気予報によると今日の気温は今年一番の寒さとなるらしい。
天気予報によると今日の気温は今年一番の寒さとなるらしい。
「…おはよう、ゆたか。平気……?」
呼びかけられたみなみは、挨拶を返し、ゆたかの手に自分の手をそっと寄せる。
手袋をしていたけどかなり冷えきっている彼女の手。
愛おしむようにみなみは両手でゆたかの手をそっと包んだ。
手袋をしていたけどかなり冷えきっている彼女の手。
愛おしむようにみなみは両手でゆたかの手をそっと包んだ。
「……みなみちゃんの手、やっぱりあったかいね…」
自分の手を伝わってくるみなみの温かさを感じ、ゆたかは微笑む。
その直後、何を思ったか眉を曲げ、首をぶんぶんと振りだした。
その直後、何を思ったか眉を曲げ、首をぶんぶんと振りだした。
「あっいやっちっ違うよ!みなみちゃんの手があったかいんじゃなくて、ほら、私の手が冷たすぎて…」
どうも先日の「手が温かい人は心が冷たい」と言うひよりの弁を思いだしたようである。
首を大きく振りながら慌てる親友に、みなみは微笑みを浮かべ、ゆたかの手を握っていた自分の両手を離し、
今度はゆたかの頬を包み込んだ。
首を大きく振りながら慌てる親友に、みなみは微笑みを浮かべ、ゆたかの手を握っていた自分の両手を離し、
今度はゆたかの頬を包み込んだ。
「……みなみちゃん?」
「…ゆたか、頬も冷たい……」
「…ゆたか、頬も冷たい……」
みなみの突然の行動に少々困惑するゆたかに、
相変わらず自身の両手をゆたかの頬から離さず――比較的大きな自身の手で小さな親友の頬を殆ど包み込みながら―――
みなみは言った。
相変わらず自身の両手をゆたかの頬から離さず――比較的大きな自身の手で小さな親友の頬を殆ど包み込みながら―――
みなみは言った。
「ゆたかを暖められるなら…私は手が温かくてもいいと思う……」
「みなみちゃん……」
「みなみちゃん……」
みなみの自分に対する言葉を聞いて、ゆたかは確信した。
目の前にいる彼女はやっぱり優しい人だ。
人の為に何か考えて、人の為に何かしてあげられる優しい人だと。
目の前にいる彼女はやっぱり優しい人だ。
人の為に何か考えて、人の為に何かしてあげられる優しい人だと。
「……うん。そうだよね。みなみちゃんは手が温かくても冷たくても優しいみなみちゃんだもんね……」
「……ゆたかも、手が温かくなっても、優しいゆたかのままだよ、きっと……」
「……ゆたかも、手が温かくなっても、優しいゆたかのままだよ、きっと……」
教室内の気温は相変わらず低い。けれどこの二人は、こうしてさえいればどんな寒さにも耐えられると言うように、
どちらともなく笑っていた。
どちらともなく笑っていた。
その傍で田村ひよりは、真っ白に燃え尽きていた。
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- クラスの女子たちの黄色い悲鳴が聞こえそうだ -- 名無しさん (2011-04-28 16:43:32)
- ていうか、室温上がり過ぎて周りの人間鼻血出すだろww -- 名無しさん (2009-09-03 23:38:03)