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隠し事 1話

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匿名ユーザー

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 こなちゃんは私の事好きと言ってくれた。私もこなちゃんの事が好き。
 私からしたら好きな人同士でやるのなら大丈夫だと思うけど…。
 …やっぱ周りの人から見たらイケナイ事なのかなぁ…?
 でも…お姉ちゃんにこんな事言えるわけないよ…


― 隠し事 ―

「ただいまー」
「ん、あ、おかえりー、どう?楽しかった?」
「え!…うん、ゲームとかして楽しかったよ」
「よかったじゃない。私も行きたかったなぁ…
 でも少し遅かったわね」
「う…うん、ちょっとね…」
「ん?つかさどうした?」
「あ…なんでもないよ」
「まぁそれよりそろそろご飯の時間よ」
「うん、わかった。じゃあすぐ来るからまた後でね」

 急になんだろそれに赤面して。おかしいな…。
 もしかしてこなた、つかさになんか吹き込んだんじゃないでしょうね…。



 …私はよくわからない何かを感じ取った
 そう、まるでつかさがいなくなったような気分。
 つかさがどこか遠くへ行ってしまったような気分。
 私には届かないような所へ…
 そして何か変わったような気がした

 18年間一緒にいたからいつもと違うのは分かる。
 それを探るために私は今つかさの部屋の前にいた…。
 つかさの姉として…私は聞かなきゃ…
 つかさ、隠し事はやめよ…?

コンコン

「つかさー、入るわよー?」
「あ、お姉ちゃん、いいよー」

カチャ

「それでお姉ちゃん何か用?」
「うん、用があるのは確かなんだけどね、えっと、今日こなたの家でなんかやったの?」
「確かにこなちゃんの家で遊んだけどさっきも言った通りゲームとか漫画読んだりしかしてないよ」
「それはわかってるけど…。だって帰って来た時楽しかった?って聞いたら顔真っ赤にしてたわよ」
「う…うん…」
 やっぱなんかあるわね…。
「だからこなたと何をしたのかなー?って思ってね。
 それに帰って来たらすぐお風呂に入るんだから心配しちゃってね…」
「だから特に何もしてないって言ってるでしょ。お姉ちゃんには関係ないよ」
「関係ないわけないでしょ!だって私達双子の姉妹なんだから!」
 大声をだした私を見て無言になってしまったつかさ。
「…」

「隠し事とかかお互いした事ないじゃない!だから…」
「…?」
「隠し事なんかやめてさ…ね、また一緒にお互いの事全部知ってる状態になろうよ…だって…」
「だって…?」
「だって私はあんたの事…」
 私は妹にある思いを告げようとしたがここで言うか迷った。
 正確に言えば声にならなかった。

「お姉ちゃん…?」
「ううん、妹を守る姉として妹の事を知らなければ何かあった時…」
「うん…でもやっぱり言えない…ごめんね…」
「…」
 私達の間で少しばかり沈黙が訪れた…。
 だがすぐ沈黙を破ったのは私だった。
「そう…そこまでつかさが言うなら私も聞く事をやめるわ…。
 人には知られたくない物もあるわよね…ごめんね急に大声とか出したりして…」
「うん…じゃあまた明日ね、お姉ちゃん。おやすみ」

「じゃあね、つかさおやすみ」

 実は私も…隠し事してるなんて言える訳ないわよね…


 私にとってかけがえのない妹だからこそこんな余計な心配をしちゃうんだろう…
 でも…つかさは私の事どう思ってるのかしら…?
 迷惑だと思われてたら…どうすればいいの…?


 つかさに聞いてもわからないならこなたに聞くしかないわね…
 こなたに聞いてもわからない場合は…
 みゆきね…みゆきならなんとかしてくれるわ…


翌日…
「つかさー、起きろー朝だぞー」

 例の如く朝私はつかさを起こしていた。
 なんで私はいつも起こしていて苦にならないのだろうか…
 やっぱこの子のためだからかな…?

「ん…はーい…」
 気の抜けた声でつかさが返事をする
「今日あんたが弁当当番でしょ」
「え!そうだっけ。ごめん、すぐ作るから待っててね」
「うん、はやくしてねー」



「ふぅ、出来たぁ」
「相変わらず見た目もおいしそうね。私もやってるけど全然うまくならないのに…」
「お姉ちゃん大丈夫だよ、ずっとやってればそのうちおいしくなるよ」
「うーん、ありがとつかさ。だけど後10分ぐらい大丈夫だけどどうする?今日は早めに行こっか?」
「うん、今日はもう行こうよ」
「じゃあ行くか」
「「いってきまーす」」

 はぁ…私は…
「お姉ちゃん?大丈夫?」
「い、いや大丈夫よ。なんともないわよ」
「そっか、大丈夫なら良かった」

 可愛い妹の笑顔で少し気分を取り戻せた自分…
 私って情けないわね…いつも強がってるけどこういう時に妹に助けられてるって…
 本人は自覚がないようだけど私はいつも助けられてんのよ。あんたの笑顔に…
 ずっと一緒にいたい…。この可愛い妹の笑顔を守りたい…。
 でもこの子の為を思うならこれじゃこの子が姉離れ出来なくてこの子のためにならないもんね…

 だけど隠し事だけはする関係になりたくない。全てを知る関係になりたい
 少なくとも今つかさが隠してる事をどうしても知りたい
 でも私も隠し事をしている。どうしよう…
 少なくとも気になった事を聞いても別に悪くないわよね

「それよりもあんた、昨日の夜私が部屋戻った後何してたの?」
「あ…あれはこなちゃんと電話してたの。別にたいした内容じゃないよ」
「そ…そう、それならいいわ」
「でもさ、お姉ちゃんも何か隠し事してない?」
「べっ…別に隠し事なんかしてないわよ。それにつかさには関係ないわよ」
 つかさに関係ないと言ったら本当は嘘なんだけどね…。
 それにバレてたのね…。やっぱ私は…。

「関係なくなんかない…。だってお姉ちゃんは私のお姉ちゃんだもん昔も今も変わらないよ…」
 つかさの声が弱くなってる。
「だ、だったら!つかさが隠してる事私に教えてくれてもいいじゃん!」
 一緒に歩いていたつかさの足がその場で止まった。
「そうだけど…」
「もういいわ!あんたが隠してる事があるなら私もずっと隠し通すわ!」
「…」
「ほら、早く行くわよ。」
 つかさはずっと立ち止まっていた。
「…先に行くよ」

 私はつかさに構わないで先に学校へと向かった
 だけどいつも毎日一緒に並んで歩いていたから少し寂しかった…。
 つかさもいつものつかさじゃない…それは私にも言える事だけど…
 つかさが、さっきみたいに黙りこんでしまったのは誰のせいだろうか。
 私のせいでもあるだろうけど…こなた?あいつのせいだろうか?
 でもいくらこなたでも…。やっぱりつかさになにかしたのだろうか…。
 やはり今日聞いてみるしかないわね



「ふぅ、ついたついた」
 学校に着いたら日下部の顔が見えた
「おーっす柊~」
「あんたいつもよりはやいわね」
「ん~、まぁなんとなくだな」
「ふーん、なんとなくね」
「それよりいつも一緒にいる妹の顔が見えないけどどうしたんだ?」
「あー、あの子ね。準備が遅いから先に出たのよ」

 なんで嘘ついちゃうんだろ、私…。
「何気酷いよな、柊って。それに妹一人で大丈夫なのか?迷子になったりして泣いてたりしないか?」
 迷子か・・・そういえば昔あの子地元の祭りの時迷子になって見つけた時泣いてたわね…。
 とりあえず教室に着いて席に座る私達。
「でもあんたもさりげなく酷い事言ってるわよね…。
 大丈夫よ。もう高校生だから私がいなくてもあの子なら一人でこれるわよ」
「ふぅん、まぁ大丈夫なのかな」

 しばらくしたら峰岸が教室に入ってきた
「おっす、峰岸おはよう」
「柊ちゃんおはよう。みさちゃんもはやいわね」
「あやのまで柊と同じ様な事言うなよ~。私だって早い時は早いんだからぁ」
「ふふっ」
キーンコーンカーンコーン
 チャイムが鳴って皆がそれぞれの席に座り始める。
 やがて先生が入ってきてHRが始まった。

 あの子ちゃんと来てるかしら…。様子見に行ってあげなきゃな…。
 でも…さっきあんな事あったし話せる状態ではないわよね。
 しばらく考え事をしてたらもうHRが終わっていた。
 席を立ち廊下に出てちょっとだけ隣の教室の中を覗いてみる。
 あ、ちゃんと来てた。よかった、よかった。
 つかさはこなたと話してるようだった。
 けど戻ろうとしたらこなたと目があってしまった…。
 こなたがこっちに向かってきた。まぁいいや話したい事あるし。
 それにつかさと今話したくないし…。


「かがみおはよ~。」
「おっすこなた」
「まずさぁ、今日ちょっとつかさが一人で来てたけどどうしたの?」
「ん~、別に大した事じゃないわよ。あの子朝起きるのちょっと遅かったから先に出たのよ」
「へぇ。そうなの?でも、それにしてもつかさの様子がすこし変なんだけど…」
「大丈夫よあの子なら。すぐいつも通りになるわ。
 それよりもあんた、昨日つかさと遊んだでしょ?昨日帰ってから様子が変なのよ。何したの?」

「何をしたのって聞かれてもゲームとかやったり漫画読んだりしかしてないよ」
「やっぱり同じ答えね。私にはなんか二人が隠し事してるようにしか見えないのよ」
「別にそれ以上でもそれ以下の関係でもないよ。かがみが気にする様な事じゃないよ」
「ふーん、それならいいんだけどね。つかさがちょっと変だから心配してね。」
「まぁいいや、じゃまた後でねー」

 そういうとこなたはまたつかさの所へ行きまた一緒に話し始めた。
 その様子を見てたら次はみゆきもつかさの所へ行き、話しをしていた。
 こなたに聞いてもやっぱり無駄だったか…。
 やっぱりなんか隠してるようにしか見えない…。

 教室に戻り席に着くなり日下部と峰岸がやってきた
 今は誰とも話したくないのに…
「柊~、どうしたんだってば。いつも授業始まるまで向こうのクラスにいるのに」
「あの子がちゃんと学校きてるか心配だったから見に行ったのよ。」
「え、柊ちゃん今日妹ちゃんと一緒にこなかったの?」
「あー、あやのはまだ聞いてなかったっけ。柊の奴、妹の準備が遅かったからって先に来たんだってよ。酷いよなぁ」
「ひ、酷くて悪かったわね!でも、昨日つかさがこなたの家から帰ってきてから少し変なのよね。」
「少し変なら相談してあげればいいんじゃない?」
「相談しようとしたけどあの子何にも言わないし困ってるのよ…」
「ふーん、妹が悩み事ねー。いつもニコニコしてるのに珍しいな」

 そんなこと話してる内に一時限目のチャイムが鳴った。
 だけど一時限目の授業の内容が全然頭に入らなかった。
 つかさの事で頭がいっぱいだった。
 そんなこと考えてるうちに一時限目も二時限目、三時限目も終わってしばらくしたらみゆきがやってきた。
「あの、かがみさんちょっとお話があるのですが…。」
「あ、うん、みゆきか。どこで話すの?」
「廊下でお話を…。」

「で、話って何?」
「えーっと、つかささんの事なんですが。」
「まぁ、そうだろうと思ったわ。」
「…つかささんと喧嘩でもされたんですか?」
「あぁ…やっぱみゆきにはお見通しね。
 うん、そうよ。登校中に少し喧嘩しただけ。それに、悪いのは私だし…」
「ふふっ、やっぱり貴方達は仲良いのですね。
 先ほどつかささんとも話をしてつかささんも同じ様な事をおっしゃってました。」
「…」
 なんで私は…なんでつかさは…
「かがみさん?」
「まぁいいわ。あの子なんでも自分が悪いと思っちゃうからね…。みゆき、つかさを頼んだわよ」
「分かりました。つかささんは私に任せてください。」
「じゃ、チャイムが鳴ったから戻ろうか」

 4時限目はさっきよりも授業には集中出来た。
 それよりも弁当はつかさの方で食べるのはやめるか。
 行った所で私もつかさもきまずい雰囲気になるだろうから…。
 みゆきが上手くやってくれればいいけど…。
 そんな事考えてたらやっぱり日下部と峰岸がやってきた。
「あれ?柊ちゃん向こうのクラスには行かないの?」
「いや、今日はこっちで食べる事にするわ」
「ふーん、珍しいなぁ。妹と喧嘩でもしたのか?」
「け、喧嘩なんかしてないわよ!」
「へぇ、でもいつもとなんか違うし怪しいけどなぁ…」
「まぁいいわよ、一緒に食べましょ。」
「いやー、柊と一緒に食べれるなんて何年ぶりだろうか」

 つかさが作ってくれた弁当を口に運ぶ。
「あれ?柊ちゃんの弁当は今日妹ちゃんが作ったの?」
「う…うん、そうよ」
「え?でもおかしくない?さっき妹ちゃんより先に出たって言ってたよね?」
「うっ…それは…あの子はちゃんと起きて弁当作ってくれたけど
 今日の学校の準備が遅かったから先に家出たのよ」
「でも言い訳するほど自分の首をしめてるのには変わらないよね」
「ほんと素直じゃないよな柊って」
「…」
 やっぱ嘘が下手だなぁ私…

「おー?どうした柊?本当に妹と喧嘩したのか?」
「もういいわよ。本当のこと言うと一緒に登校してたんだけどちょっと喧嘩してね、それで先に来たのよ」
「喧嘩したんだったら後で仲直りしてくればいいんじゃない?」
「出来ればそうしたいけど…あの子何にも話してくれないから…」
「へぇー、妹ちゃんが隠し事ね…」

「まあさ、そんな話後でも出来るから弁当食べようぜ!柊、弁当食わないの?もーらい!」
「あ!ちょ、日下部!」
「んー、やっぱ妹の弁当うめーなー。今度さ、妹にも私の分作ってって言ってくれよ!」
「うん、まぁ、考えとく」
「頼むよー」
 やっぱこういう日常が私にはあってるのかな。
 いや、私はただいつもと違う日常から逃げてただけかも知れない。
 そのいつもと違う日常が今日はじめてだったから…。
















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  • なんか恐いね
    -- 九重龍太 (2008-03-29 00:48:25)

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