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きもち

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泉こなたが貞操観念について尋ねた日。
柊かがみがこなたの告白されたあと。
やっと、こなた以外の三人の間に時間が戻ってきた。


「え?ちょ……おま…。」
「あうあうあう…。」
「い、ずみ…さん?」
時間が戻っても混乱は続いたままだったが。
三人も、混乱をもたらした本人も一様に頬が赤い。

最初に混乱が解けたのはかがみだった。
「こなた…。あんた、冗談よね?」
こなたに尋ねるというよりも、そう信じたいというようにかがみは言った。
「冗談で初めてなんてあげないし、もらおうなんて考えないけど。
あ、かがみも初めてだよネ?」
しかし、こなたはかがみの言葉を否定した。
こなたの口調こそふざけた感じだが、瞳は真剣そのもの。
「そう、だけど。」
「やたー。」
少し視線を合わせていた二人だったが、先に目を逸らしたのはかがみだった。
キスの名残からか、先程からかがみは自分の唇を触り続けている。
かがみの目を逸らしながらの肯定に、こなたは万歳をして喜ぶ。
そのこなたを混乱が治ったつかさが諌めた。
「こなちゃん…。やっぱり、お姉ちゃんの気持ちも考えなきゃ。」
「それは考えたよ?考えて考えて…、でも分からなくて、怖くて。
でも……だって…。もう我慢できなかったんだよ。
夏になったら、かがみのことだから勉強に専念するでしょ?
そうなったら、もうチャンスは来ないと思ったから…。
かがみが、ずっと好きだったから。」
徐々に俯きながらのこなたの独白。静かだが悲痛な叫び。
「泉さん…。」
「こなちゃん…。」
こなたの悲痛なモノローグに、みゆきとつかさはかける言葉が見付からなかった。
実は、二人ともこなたの気持ちは知っていた。
つかさはこなた自身から、みゆきは雰囲気から。知らなかったのは、本人だけ。
ギャルゲのようでマヌケな状態だが、他人からの好意とは意外と気付かないものだ。
「ハハハ…。こなた、そんなこと言っていいの?そのうち、あんたに、他に好きな人が出来るかも知れない。あんたが誰かに告白されるかも知れない。今、そんな簡単に--」
「お姉ちゃん!それ以上言ったら、私、怒るよ!?」
こなたの行動が、言葉が受け入れられず、必死に、
それほど暑くはない部屋で汗をかきながら言葉を重ねるかがみをつかさが一喝する。
こなたが真剣だと知っているから。
暴走であっても簡単に決めたのではないと伝わってきたから。
そして、真剣なこなたからの気持ちを誤魔化し、こなたも自分も傷付けるかがみを見ていられなかったから。
「なんでつかさが……」
突然のつかさの言葉にかがみは呆然とするしかなかった。



「取り敢えず、お菓子でも食べながら落ち着きませんか?お腹が空くとイライラすると言いますし。」
険悪なムードが漂う中、みゆきが提案した。
机の上には、つかさお手製のリーフパイがのった皿と空になったカップが残されている。
「そだね…。それじゃ、私、飲み物入れてくるね~。」
みゆきの言葉ですぐに落ち着いたのはつかさだった。
つかさはカップをお盆にのせてドアに向かう。
手の塞がっているつかさのためにみゆきはドアを開けてあげた。
「ありがと」と言って台所に向かうつかさに微笑み、みゆきは部屋を振り返る。
「ふぅ…。泉さん、いくらかがみさんが好きでも、
時間がなくてもかがみさんが納得してなければ、後悔するのは泉さん自身です。」
「でもっ…。」
一息つき、諭すみゆきにこなたは反論しようとする。
しかし、続きが告げられない。
沈黙が降り、台所から湯の沸く音が聞こえてきた。
再び、みゆきが口を開いた。
「それと、かがみさんも。
泉さんの決断が簡単ではないのはあなたが一番分かっているのではありませんか?
心にも無いことを言って後悔するのは、かがみさん自身です。」
「だって…。」
かがみも反論できずにいると、廊下から「開けて~」と言う声が聞こえた。
再び、みゆきがドアを開ける。
「おまたせ~。新しい紅茶だよ~。」
「つかささん、ご苦労様です。」
「えへへ…。私もカッとなっちゃったし。ほら、こなちゃんもお姉ちゃんも。
紅茶の香りって落ち着くよね~。」
困ったような笑みを浮かべて、そう言いながらつかさが紅茶を配る。
「「…ありがと、つかさ。」」
紅茶を受け取っても、しばらく紅茶に映った自分を見詰めた二人だったが、
突然示し合わせたようにハモった。
こなたとかがみはポカンと見つめあい、そして、同時に吹き出した。
二人につられてつかさとみゆきも笑いだす。
「プッ…ククク……。ごめん、こなた。」
「ククク…。いやぁ、私の方こそかがみの気持ちも考えないで……ごめん」
笑い始めたら、気持ちがほぐれたようで、二人は謝り合う。


二人の表情が和んだのを見て、みゆきは告げた。
「フフフ…。仲直りも出来たところで、おやつの続きにしましょう。」




泉こなたが柊かがみのファーストキスを奪った日。
高良みゆきがこなたとかがみを諭したあと。
かがみの部屋は四人がパイを食べるサクサクという音と紅茶を飲む音で占められていた。

--サクサク…。
--クピクピ…。

そして、最後の一枚。
こなたとかがみが同時に手を伸ばしかけ、同時に手を引っ込めた。
「…かがみ食べなよ。」
「…私は良いから、こなた食べなさいよ。」
「さっきのお詫びだと思って。」
「それは私の台詞。」
そんなことを言い合いながら、皿を押し付け合う二人。

--ひょい、パク
--サクサクもぐもぐ、ゴックン
--クピクピ

机の上を行き交う皿に手を伸ばして、最後のパイを咀嚼し嚥下したのは…つかさだった。
唖然とするこなたとかがみ。その二人につかさは笑顔で告げる。
「仲良く、ね?」
決して怒っている訳では無いのに、何故かその笑顔には威圧感が。
「「は、はい。」」
二人は頷かざるを得なかった。



その後、休憩は終わりということになり、形の上では勉強会に戻った。
しかし、集中できる筈もなく。
こなたとかがみはお互いにチラチラ見ているし、
つかさはそんな二人を心配そうに見ている。
そして、みゆきはその三人の様子を困ったような笑みで見ていた。


「こなた、何であんなことしたの?」
痺れを切らしたのはかがみだった。
なんでもないような風を装いながらも、ノートに向かったシャーペンは文字を綴る事は無い。
「かがみが好きだから。」
「なら、今じゃなくても…。」
さも当然と言うように答えるこなたに、かがみは反論する。
「…ホントはね、かがみに私の気持ちを知ってもらうだけでも良かったんだよ。」
「だったら…!」
シャーペンを置き、告げるこなたに、かがみは噛み付いた。しかし、こなたは落ち着いて言う。
「キスは悪かったって、思ってる。でも、最後に欲が出ちゃったんだ。
受験だ、卒業だって考えるとなんだか居ても立ってもいられなくなってね…。
それでね、伝えるなら今回がチャンスだって思ってたんだ。
つかさには私の気持ちは言ってたから、みゆきさんにも知ってほしかったし。」
かがみはハッとつかさの方を振り向く。
そのつかさは困ったようにかがみに笑いかけた。
「いやぁ。いい思い出になったよ。これからも、四人で仲良くやっていこうよ。
今日のことは犬にでも噛まれたと思ってさ。」
吹っ切れたような表情でこなたは言うと、シャーペンを持ち、勉強に戻る。
しかし、かがみとつかさは釈然としていない様子で、そんなこなたを見ていた。
「ちょっと、つかさとみゆき、外してくれない?」
しばらく考えるようにしていたかがみだったが、唐突に二人に告げた。
「え?でも…。」
「つかささん。行きましょう。」
「また、喧嘩になるのでは」と不安になるつかさの手を引いて、みゆきはドアに向かった。


部屋から半分出てから、みゆきが告げた。
「それでは、15分程つかささんの部屋にいますね。くれぐれも喧嘩だけはなさらないように、お願いします。」



その後、かがみがデレになったり。
つかさが嫉妬したり、自己嫌悪したり。
みゆきが羨んだり、嫉妬したり。

そして、こなたがかがみと一線を越えてしまったり。

それらはまた、別のお話。













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  • >>それらはまた、別のお話。
    かがみ「そこまで言ったからには責任取りなさいよ! …ちゃんと書かなきゃ…許さないんだからねっ…☆」 -- 名無しさん (2011-04-29 21:45:28)

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