第9話 中途半端な力

ラックは本物の狂戦士を見つけ、もう体力は残り少ないはずなのにラックは分身の狂戦士を最後のピストルの弾で撃ち殺し、分身体が持っていた刀をピストルの代わりに持ち、狂戦士本体めがけて走っていった。

★ラック★

ラック「よう、狂戦士。お前、よくまぁ国を滅亡寸前にまで追い込んだな。俺はお前の殺し方を知らない。だが、今この大虐殺は一旦止められる」

狂戦士は右手に持っていた食いかけの内臓をそこらへんに投げ、変わりに地面に刺していた狂戦士の刀を抜き、戦闘準備をした。

ラック「おいおい。いいのか?左手が無くなってるっていうハンデ背負っちゃって?・・ま、それでも俺は手加減はしない!!」

そう言ってラックは怒り心頭で狂戦士の心臓めがけて剣を突き出し、攻撃を仕掛けた。狂戦士もその剣で防御し、今度は狂戦士がラックの右手目掛けて反撃をする。ラックは左手の剣で狂戦士の攻撃を防御し、右手の剣で狂戦士の右足を切り裂くが、狂戦士はニンマリと笑う。あまり効いてないようだ。
狂戦士のラックの決闘が始まった。

ラック「あちゃ~・・。苦労すっぞ、これ」


☆バクス☆

正彦「ゲッシュ!弾切れだ!」
ゲッシュ「聖水を貸す!銃についている短剣に聖水をつけて分身を刺せ!」

狂戦士は一旦虐殺をやめた。だが、今度の狙いは僕ら3人だ。多分数えただけで狂戦士の分身は50はいるだろう。全く。まるで奴隷同士の殺し合いをする闘技場だな。ここは。ま、僕らは奴隷よりも緊急参戦した騎士ってところかな。・・え?そんなくだらない話はいいって?ああ、ゴメン・・。
ちなみに僕はロシアの地面にチョークでペンタグルというよく魔術師が書く丸の中に星が描かれているやつだ。で、それを描き終わって少し長い呪文を唱えているところだ。正彦とゲッシュは呪文を唱えている僕を守っている。
そして、僕は呪文を言い終わった。
その瞬間、ペンタグルの中から白と水色をした竜が10体いや、20体現れた。ま、性格には氷でできた竜だ。
そして、竜が一斉にペンタグルから出てきて、分身の狂戦士に攻撃を仕掛けた。今僕は<氷竜召喚>魔法を唱えた。
氷竜は狂戦士の腹や腕や足、首に食いつき、分身は食いつかれたとこを中心に凍りついていった。そして、体全部が凍りつくと氷竜は氷の塊となった分身を噛み砕いた。
分身が全て氷となり、全て噛み砕かれ、全てが終わり、静かになった。あるのは氷竜で倒されなかった狂戦士の死体と、無残に殺され、ロシアの地を埋め尽くす市民の大量の死体だ。
その時、僕は何か大きいものがここに来る音と、多くの足音を聞いた。

★ラック★

我が弟が狂戦士の分身を全て片付けたらしい。正彦とゲッシュもよくやった。やはりこの2人の援軍の才能がよかったんだろうな。
俺か?俺は狂戦士に剣を突きつけている。何故なら今の狂戦士は本当に惨めな状態で、両足は俺が全て切り落としといて、右手は両足と一緒にそこらへんに転がっている。狂戦士の刀もそこらへんに落ちている。

ラック「フランスを滅亡させて、次はロシアを滅亡させようとしたんだろうが、もう人殺し遊びは終わりだ。人類はまだ、希望が持てる。あばよ」

その時、俺は目を疑った。
狂戦士が、笑ってやがる。そうロシア中に聞こえるほどの大きな声で笑ってやがる。ついにおかしくなったか?
だが、その瞬間、狂戦士の足と、腕が、生えてやがる!なんて再生能力だ!普通の悪魔は再生するのに半日かかる。だがこいつは1時間も経ってないのに体の全てが再生している。
狂戦士は地面の刀を取り、今度は俺を殺しにかかると思ったが、違った。狂戦士はさっき俺が切り落とした前の両足と右腕を刀で切り刻み始めた。
その瞬間、切り刻まれた数だけ、小さい狂戦士の分身が現れた。少なくとも100はいる。
なるほど、さっきこいつの左手が無かったのはこのせいか。何て能力だ。

バクス「兄貴!!危ない!!」

俺は弟のこの言葉を聞いた瞬間、俺の目の前で爆風が起きた。


☆バクス☆

今僕らの目の前にロシアの軍隊がいる。戦車に兵隊が数多くいる。そして、狂戦士の分身を撃ち殺している。
そう思っているだけだ。狂戦士に普通のピストルの弾は効かない。つまりいくら撃っても効かない。つまり全ロシア軍は自殺志願者と言ってもいいくらいだ。
兄貴はロシア軍が撃った大砲の玉の爆風で僕らがいるところまで吹き飛ばされた。見た感じ吹き飛ばされただけで怪我はないようだ。兄貴は何とか立ち上がった。
その時、ロシア軍の兵隊の一人がこちらに来た。

軍人「市民の強力、ご苦労!後は私達にお任せを!」

この言葉に兄貴は怒ったようだ。

ラック「任せろ!?お前らじゃ倒せない!頼む、俺達に任せてくれ!」
軍人「いえ!これ以上市民に迷惑をかけるわけにはいけません!では!!」

その軍人は戦場に行き、そして、他の兵士と共に戦いにいった。
その時、僕は見た。狂戦士の本体がこの隙に逃げていくのを!

兄貴もそれに気づいたらしく、急いで車を止めたとこに行き、急いで武器を車にしまい、車のエンジンをかけた。

正彦「おい!あいつらはほったらかしか!?残りの市民はどうなる!?見殺しか!?」
ラック「・・・ここで狂戦士を逃がしたら、次は世界中の人間が殺される。残念だが・・・」
バクス「ロシアは・・・滅亡する」

僕らは何とか状況を理解してくれた正彦、ゲッシュを車に乗せた。そして、急いで狂戦士の後を追った。
その時、僕はさっきまでのロシア軍の勇ましい叫び声が、恐怖の叫び声に変わったのを聞いた。

そして、ロシアは数時間後に、滅びた。

続く


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最終更新:2007年12月31日 17:45