その頃、植物高校近くの電話ボックスにて。
「――ねぇ、許せないございましょう? 私がデザインしたホームページを荒らしやがるなんて……!!」
ボックス内には、先程から高校生くらいの眼鏡少女が、十円玉を追加しつつ早口で怒鳴り散らしている。一体、なにを怒っているのか? ――え、読者の皆さんにはもう検討がついてる?
「だから、荒らしをした愛媛蜜柑には報いを受けてもらわないと。――え、首領に黙って自分ら戦闘員を動かしていいのかって? ふぅ……いいこと? ホームページが荒らされたってことは、私達組織に宣戦布告してるも同然ですわ。組織の看板を汚すゴミを掃除するのも、幹部である私の仕事だと思いません? ……はい、じゃあそういうことで。適当な人数と……そうね、『アレ』も持ってきて頂戴」
そう言い終わると同時に、眼鏡少女は受話器を置く。
「――……ふふ、思い知らせてやりますわ……」
眼鏡少女は、ギュッと拳を握り、顔を上げる。
「私達――ロボロボ団の力を」
カッ、と雷が――鳴り響いたら雰囲気たっぷりだけど、聞こえてくるのは電話ボックスを取り囲む野次馬の声だけ。
「まぁ奥様! なんでしょうあの娘?」
「急にわけわからないこと叫び出しちゃって」
「きっと相当苦労してるのねぇ」
スキンヘッドで口ひげを生やした主婦達は、ひそひそと囁きあう。さっきから少女が話していた声は――ダダ漏れだったりする。
「は……はゎ……っ!!」
少女の顔は、茹蛸のようにポゥッと赤くなった。
良い子のみんな! 電話でお話しする時は、静かに話そうね!
最終更新:2007年11月05日 22:26