小ネタ:初雪13-456

456 :名無しの紳士提督:2014/08/04(月) 00:39:30 ID:XFR4HtZQ
風呂上がり、艶のある黒髪が綺麗な彼女を見ると、ああ今日も終わったのだと感じる。
ここは前線、昨日いた艦娘が一昨日いた提督が骨となりあるいは勲章となり故郷へ帰る場所。
そんな環境に嫌気が差したのはお互い様で抱き合って眠るようになったのはいつからだろうか。
肌を重ね、一つに繋がったこともあるが互いに何か違うと感じ、以来日頃は一糸まとわず抱き合って寝るだけだ。
たまに口付けを交わしたりはするがその程度だ。
私も以前はこうなるとは思っていなかったし、裸の女性を前にしていたさぬのは逆に失礼だとも思っていた。
しかし、今となってはぬくもりさえあれば良いと思ってしまう。
壊れかけの心は性欲さえも抜け落ちているのかもしれない。
彼女とて、まるきり無事とはいかない。たまに私と抱き合っているとき、閉じられた扉に向かってこう言うんだ。

「大井っち、どうしたの」

と。おかしいだろう。大井は既に除籍されて久しいと言うのに。
だから、そんな時は、そんな時だけは私は初雪を抱くと決めている。
縁もゆかりもない大井呼ぶ彼女を見ていられないから。
私と初雪の情事をしるのは甲標的、それだけだ。
それが少しもどかしい。
きっと初雪には白無垢が似合うから。

これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2014年08月09日 08:50