小ネタ:提督×鳳翔 響×暁14-322

322 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11:35:45 ID:hx4Xp/wM
私は知らなかった
大人になれば、自然とレディになれるのだと思っていた
もちろん、レディになるための努力は欠かさなかったし、だからこそあの時、夜警も引き受けたのだ
私は知らなかった大人というものを
でも、あの時ついうっかり寝入ってしまったのは私が紛れもない子どもであったことの証明だと思う
「やっ…!やめっくひぃっ!暁…っちゃんが!あ!こんな…こんなぁ…」
「ふふ…そんなに騒いで起きちゃったらどうします? お か あ さ ん ?」
「あぁ…っそんなそんな言い方!堪忍…堪忍してくだっんひぃ!あ!あ!あ!あぁっ!!」
何か水っぽい音と、妙に鼻にかかったような声に意識をくすぐられ、薄目を開けた私の見たものは…
「??、へ?え…?」
そこにいたのは楚々とした仕草の美しい軽空母でも、少し意地悪だけど大好きな司令官でもなく

ただ、獣たちが、そこにいた

323 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11:42:03 ID:hx4Xp/wM
「あぁ、暁起きたんですね…いや遂に観念したのかな?っと!」
「んひィっ」
私が憧れて"いた"2人…獣、いやケモノはそんな声を上げると組み敷いていたケモノの顔をぐいとこちらに見せてきた
「ぁ…あぁ…」
綺麗にまとめていた髪はほつれ、優しい表情を浮かべていた顔はよだれまみれでひきつり、目はうつろで…!
咄嗟にかけられていた毛布にくるまり、目を閉じ、耳を塞ぐ
アレはダメだ、見てはいけないものだ、だって私の理想の中にあるものは…
あんなに、きたなく、ない

その後のことはよく覚えていない
何か顔にかけられた気もするけれど、本当に覚えていない
ただ、思い出そうとするだけで切なくなるのがもどかしくて、ついに私は姉妹に相談することにした
でも、自分でも要領を得ないと思う私の話を根気よく聞いてくれた妹は、響は私に顔を近づけてきて…
「それは…もしかしてこんな感じだったかい…?」

そう、ささやいたのだった

324 :名無しの紳士提督:2014/09/10(水) 11:48:58 ID:hx4Xp/wM
憧れは人を盲目にする

きたないケモノと同じモノになってしまった暁

暁はきたなくなんかない
全てをさらけ出しているからこそ
暁は綺麗なんだよと耳元で囁き続ける響

自己卑下と響の囁く甘言の板挟みになった幼い精神が悲鳴を上げる

次回、暁に響き亘る

やはり赤ずきんは狼に喰われるが宿命か

これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2021年02月20日 18:28