ローマの惚気話 16-810

ヴィットリオ・ヴェネト級のリットリオとローマの2人は、
リットリオが赴任中の鎮守府近隣に位置する喫茶店にいた。  
イタリアから日本へ転属となった2人はそれぞれ別の鎮守府へと赴任していた。
偶然2人の長期休暇が重なり、今回は妹のローマがリットリオに会いに姉の鎮守府へ向かったのだ。
電話や手紙でしか互いの近況が聞けなかった為、顔を合わせるのは久しぶりになる。
店は中途半端な時間だからか人もまばらで、テラスには彼女たち2人しかいない。  
姉妹はそれぞれ紅茶やコーヒーとスイーツを片手に、忙しさの中にある余暇を味わっている。

そして姉妹がそれぞれの提督と付き合い始めたと告白するやいなや  
話は自然と艶色を帯びていく。

「ローマは何時から提督と付き合ってるの?」  
「1ヶ月前に告白されてからね」  

姉リットリオに聞かれて、ローマは淡々と話し始めた。  

「執務室で二人きりになった時よ
 提督が指輪まで持って私に告白してきて・・・・・・。
 そのまま、キスしたわ」  

それを聞いた姉は「あのローマがねぇ・・・」と小さく感嘆の声を上げる。  

「本当は自滅覚悟で私から告白するつもりだったのよ。
 どうせ、あの提督が自分から告白なんて出来るわけないと思ってたわ・・・
 でも、告白されて・・・両想いって分かって・・・・・・すごく・・・嬉しくて・・・・・・」  
「その後はどうしたの?」

恥ずかしそうな顔でリットリオの耳元で呟く。

「・・・・・・ええっ!混浴!?」  
「しーっ!姉さん声が大きいわよ・・・!」 

リットリオは少し身を乗り出して、ローマに尋ねた。

「鎮守府のお風呂を一つ貸しきったのよ、2人用の浴室をね、提督特権で」
「ふむふむ・・・・・・」
「先にお風呂に浸かりながら待っていたけれど
 その間、胸の高鳴りを抑えられなかったわ・・・。
 でも中々来ないし・・・だから、女を待たせやがってと思って
 説教しに脱衣所に行ってみたの。
 そしたら半裸の彼がタオルで股間を隠してじっとしてたの。
 もちろんアソコは立派に自己主張してたわ」
「準備万端なのに・・・なんで入らなかったの?」
「『下心丸出しで、みっともない』っていう情け無い理由よ。
 イラッときたから、抱きたいから混浴したんじゃないの!?
 ってその場で正座させて説教してやったわ」
「ローマらしいわね・・・で、結局セックスはしたの?」
「・・・したわよ。あの説教が効いて、お互い吹っ切れたの。
 後は勢いに任せて体を重ね合ったわ」
「それで?それで?」
「もう・・・姉さんったら」

リットリオはローマが少々引くくらい目を輝かせてローマにその後を尋ねる。

「提督に風呂まで引っ張られてキスして、そのまま。
 一つになった瞬間の事は、正直に言うと良く覚えていないの。
 大分のぼせていたし。突き入れられる度にバシャバシャ水音を立てて
 彼を抱きしめて、気持ち良過ぎて何がなんだか分からない状態だったわ。
 でも、最後に私の名前を呼びながら中に出された時のあの感覚・・・
 心も体も限界まで満たされて、幸せで死ぬかもしれないって初めて思ったわ・・・」

全て語り終わる頃、ローマは満面の笑みだった。

「ローマの顔、とっても幸せそうな顔してるわ」
「ふふっ、今はね、彼と居るのが私にとって一番の喜び。
 頼りない所もあるけど・・・日本に来て、提督に逢えて、本当に幸せよ。
 他にもね、人気の無い所だったら、提督にジロジロ見られても
 嫌では無くなったの。それでね、それでね・・・」

あの堅物のローマが、幸せに満ちた笑顔で語り続けている。
(心配する必要・・・無いみたいね)
ローマの幸せを聞きながら、リットリオは願っていた。
妹の幸せが永遠に続きますように・・・と。

「これで私の話は終わり。さあ、次は姉さんの番よ」
さっきの惚気顔から一瞬で、いつもの冷静なローマの顔に戻る。
眼鏡も片手で「クイッ」と整えて。

遂に姉リットリオの惚気話が始まろうとしていた・・・。


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最終更新:2016年03月19日 10:49