2009 総評

【審議中】
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( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
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(総評案は本スレにお願いします)



総評案1 大賞:断罪のマリア

72 :総評案1:2010/01/16(土) 20:17:10 ID:???
2007年、2008年の覇者クインロゼ。
絵、シナリオ、システム、メーカー対応全てクソというパーフェクトな出来から
満場一致で大賞という偉業を二年連続で成し得たその風格は最早ゆるぎないものになっており、
この王者の風格を前に、クソゲスレはある種安心感とも言える
「今年もどうせロゼが来るだろう」という雰囲気に包まれていた。

そんな2009年2月、腑抜けきったスレ住民に待ったをかけるゲームが現れた。
その名も「断罪のマリア」。
選評者曰く「攻略できない乙女ゲー」の名を冠する「断罪のマリア」略して断マリは
惰性にはまりかけたスレ住民の目を覚まさせ、その鬱グロ具合にプレイヤーをだんまりさせ
新しいクソゲーの可能性を提示した。

しかしロゼも負けてはいない。
去年の満場一致の受賞作のFD「クリムゾン・ロワイヤル」、
そして新たに認証システムを搭載した見えてる地雷「ジョーカーの国のアリス」
をひっさげ、防衛戦に挑む。
花梨が初の大賞を勝ち取るか、ロゼが栄光の3冠か。
栄誉ある大賞を獲得したのは「断罪のマリア」であった。
恋愛を楽しむはずの乙女ゲーム。
その定義さえ揺らぎかねない、鬱シナリオの前にクソゲー女王ロゼは一歩及ばなかった。

最後に、全てのクソゲー選評者達に敬意を払いつつ、この言葉で2009年乙女ゲー的クソゲオブザイヤーを締めくくりたい。
「乙女ゲで鬱は勘弁してください」


総評案2 大賞:ジョーカーの国のアリス

82 :総評案2:2010/01/16(土) 22:44:10 ID:???
2007年、2008年の覇者クインロゼ。
絵、シナリオ、システム、メーカー対応全てクソというパーフェクトな出来から
満場一致で大賞という偉業を二年連続で成し得たその風格は最早ゆるぎないものになっており、
この王者の風格を前に、クソゲスレはある種安心感とも言える
「今年もどうせロゼが来るだろう」という雰囲気に包まれていた。

そんな2009年2月、腑抜けきったスレ住民に待ったをかけるゲームが現れた。
その名も「断罪のマリア」。
選評者曰く「攻略できない乙女ゲー」の名を冠する「断罪のマリア」略して断マリは
惰性にはまりかけたスレ住民の目を覚まさせ、その鬱グロ具合にプレイヤーをだんまりさせ
新しいクソゲーの可能性を提示した。

しかしクインロゼも負けていない。
「クリムゾン・ロワイヤル」そして「ジョーカーの国のアリス」の2作のクソゲーを投入してきたのだ。
特に「ジョーカーの国のアリス」のクソさは超弩級であった。
まず、過去のシリーズより攻略対象が2名追加されているのだが、
そのうち1名はなんと攻略対象外というのは御愛嬌である。
ゲームはクリックするだけ、ピー音連発、伏字連発、反復、使いまわしコピペイベント満載、コピペでも既読判定なし…
果てしない応酬、まさにクソのデパート状態。

さらに、盛り上がるために用意されたCGが興ざめレベルというのは御愛嬌。
デッサン崩壊は当たり前、死体遺棄シーンやら姉やメインキャラの殺害、主人公死亡、肉体関係といった
全年齢対象ゲーとは思えないカオス状態。
絵、シナリオ、システム、メーカー対応の全てが底辺レベルといった具合だ。もはや死角すらない。
他のいくつかのクソゲー選評者達には申し訳ないが相手が悪すぎる、レベルが違った。
「断罪のマリア」も素晴らしいクソさを発揮したが、女王には今一歩及ばなかった。
文句はない。2009年の大賞は「ジョーカーの国のアリス」が選ばれた。
クインロゼはここに前人未到の3連覇を成し遂げたのだ!

最後に「ジョーカーの国のアリス」のセリフを借りて2009年乙女ゲー的クソゲオブザイヤーを締めくくりたい。
「常識の通じないクインロゼで、理想主義の製作者に、まともなゲームは出来るのか―――。」


総評案3 大賞:ジョーカーの国のアリス(総評案2の修正版)

119 :名無しって呼んでいいか?:2010/01/19(火) 08:35:36 ID:???
2007年、2008年の覇者クインロゼ。
絵、シナリオ、システム、メーカー対応全てクソというパーフェクトな出来から
満場一致で大賞という偉業を二年連続で成し得たその風格は最早ゆるぎないものになっており、
この王者の風格を前に、クソゲスレはある種安心感とも言える
「今年もどうせロゼが来るだろう」という雰囲気に包まれていた。

そんな2009年2月、腑抜けきったスレ住民に待ったをかけるゲームが現れた。
その名も「断罪のマリア」。
選評者曰く「攻略できない乙女ゲー」の名を冠する「断罪のマリア」略して断マリは
惰性にはまりかけたスレ住民の目を覚まさせ、その鬱グロ具合にプレイヤーをだんまりさせ
新しいクソゲーの可能性を提示した。

しかしクインロゼも負けていない。
「クリムゾン・ロワイヤル」そして「ジョーカーの国のアリス」の2作のクソゲーを投入してきたのだ。
特に「ジョーカーの国のアリス」のクソさは超弩級であった。
まず、過去のシリーズより攻略対象が2名追加されているのだが、
そのうち1名はなんと攻略対象外というのは御愛嬌である。
ゲームは腱鞘炎覚悟のクリック地獄、日本語崩壊、誤字脱字、ピー音連発、伏字連発、反復、使いまわしコピペイベント満載、コピペでも既読判定なし…
果てしない応酬、まさにクソのデパート状態。

さらに、盛り上がるために用意されたCGが興ざめレベルというのは御愛嬌。
デッサン崩壊は当たり前、基本無表情、死体遺棄シーンやら姉やメインキャラの殺害、主人公死亡、肉体関係といった全年齢対象ゲーとは思えないカオス状態。
絵、シナリオ、システム、メーカー対応の全てが底辺レベルといった具合だ。もはや死角すらない。
他のいくつかのクソゲー選評者達には申し訳ないが相手が悪すぎる、レベルが違った。
唯一の対抗馬とされる「断罪のマリア」も印象に残るクソさを発揮したが、女王ロゼには及ばなかった。
文句はない。2009年の大賞は「ジョーカーの国のアリス」が選ばれた。
クインロゼはここに前人未到の3連覇を成し遂げたのだ!

最後に「ジョーカーの国のアリス」のセリフを借りて2009年乙女ゲー的クソゲオブザイヤーを締めくくりたい。
「常識の通じないクインロゼで、理想主義の製作者に、まともなゲームは出来るのか―――。」


総評案4 大賞:ジョーカーの国のアリス

189 :131:2010/01/27(水) 22:46:47 ID:???
2008年は『クリムゾン・エンパイア』が栄冠を手にした。

二年続けてPC破壊という力技で大賞を奪われたショックからか、年明けのスレには、生半可なクソでは
候補に上ることすら許されないような緊張感が漂っていた。
だが、2009年は約束された大賞候補のある年でもあった。
一昨年と昨年の2年に亘り、「強力すぎて他タイトルが対抗できない」と言われ、登場するなり大賞を
掻っ攫って不動の地位を確立したQuinRoseから、今年は2タイトルの発売が予定されていたのである。
発売から1年経過してもクロアリのバグを直せなかったロゼの実力を知る住人たちは、新作に厳しい目を
向けつつも、どこか緩んだ気分で日々を過ごしていた。


そんな中、ロゼの三冠を妨げるかのごとく踊り出たのが、新星『断罪のマリア』だった。
特筆すべきは、その余りの救いの少なさだろう。
メイン攻略キャラのほとんどが、いずれ人間としての生を全うできなくなる病に罹る運命、という鬱設定の
せいで、辛うじてハッピーと呼べるエンディングを迎えられたキャラにも容赦なく暗い未来が待っている。
攻略できても心中エンドな敵キャラ。とても辛そうに敵を倒すがすぐに忘れるキャラ。「恋愛すると
天使の加護を失う」のを理由に、主人公を “トゥルーエンドで” 突然振るキャラがなんと複数。
時には攻略キャラがバッドエンドで惨殺死体となることもあり、キャラクターの様々な面を見ることが
できるのは、キャラ萌え派にはたまらない構成だ。

キャラが被害者にも加害者にもなる首切断などの鬱グロ描写、ご都合主義で進む割に攻略キャラ
7人のうち4人が悲恋エンドという、乙女ゲユーザーの需要を無視した展開はプレイヤーを戦慄させ、
「内容(シナリオ)だけならロゼの方が許せる」とまで言わしめた。
更に、誰得な微エロ、立ち絵の人体崩壊、前後の繋がらない健忘症シナリオ、5行で終わる仲間の
生還シーン、セーブデータ消滅バグなどが、僅かな萌えに背中を押され、有りもしないハッピーエンドを
探すプレイヤーの苦行に血の彩りを添えている。

さて、ここまで全くと言っていいほど乙女ゲーとしての本分を果たしていない断マリだが、その
キャッチコピーに偽りなし。
「エクソシストは恋などしない」
ユーザーに一切媚びない独自路線を突き進んだ『断罪のマリア』の台頭により、年明け早々、住人の
期待は高まるのだった。


季節は変わり、夏。
冷夏だった。過ごしやすい気候が続く中、勇者たちはマウスを握りながら冷や汗を流していたのだろうか。
昨年の大賞であるクリムゾン・エンパイアの続編、『クリムゾン・ロワイヤル』の発売である。

2タイトル連続でPC破壊ゲーを生み出し、ついにバグを修正できなかったロゼ。
更には頻発するフリーズでPCを、攻略キャラよりもモンスターと向き合っている時間の方が長い
お使いクエストでプレイヤーの精神を痛めつけるという隙の無い構成で、満場一致の大賞を勝ち獲った
エンパイアの“アペンドディスク”という形式での発売である。
そんな高純度のクソゲーにアペンドが追加されて、評価が良くなるはずがあるのだろうか……。
しかも同時にインストールしていなければいけないエンパイアは、自社特典ディスクをも弾く、米国にて
集団訴訟を起こされたプロテクトを積んでおり、誤爆時にはOSごとふっ飛ばすことが可能という、
過去のロゼ作品の中でも屈指の攻撃力を誇っているのだ。
PC一台を危険に晒し、安くはないソフト2本分の代金と交換に、「減らせ」と言われていたボリュームを
更に増やしてしまった追加分をもプレイ、という恐るべきハイリスク・マイナスリターンぶりに、スレでは
特攻するプレイヤーが現れるかどうかすら危ぶまれていた。

過去の実績と事前情報を踏まえたスレ住人の期待は当然のものであり、挑んだ者たちが勇者と
讃えられるのもまた必然であった。
フリーズ頻度は進化していた。
一人は言った。「57回目で数えるのをやめた」と。次の一人はこう証言した。「6ルート×15回の
計90回ほどだった」と。……驚愕の大幅ボリュームアップである。
PCソフト開発に関わる各社が、どうやったらバグを無くせるかに苦心する傍らで、ロゼ社員たちは
どうやったらPCへの負担とユーザーの苦痛を増やせるのかと研鑽を積み続けていたらしい。

「前作エンディング後の甘いエピソードを収めた」とは公式の言だが、クエスト難易度up、恋愛イベントの
発生頻度down、一文無しからのスタートなど、なぜかクエストゲーとしての強化が図られ、糖度増加を
謳った恋愛イベントでは全年齢の表示を裏切る事後描写が増えたのみ。
だが、攻略キャラの一人である悪魔ファンの方にはここで朗報がある。彼の口癖である「愚か」は
ルート中112回以上も繰り返し聞くことができるのだ。貧困な語彙で執拗に罵られたいドMの方には、
強くお勧めできるポイントと言えよう。
その他、ロゼゲでは恒例の光景である、赤ペン先生気分を味わえる誤字誤用、言い回しを変えて
同じことを書く水増しシナリオ、「ぱくぱく、ぱくぱく。にこにこ、にこにこ。」×2などの反復擬音の乱舞、
主人公と攻略キャラのDQN行動、同じくキャラの複雑骨折とメタボ体型などは引き続き大量投入され、
プレイヤーを辟易とさせた。

相変わらずのクオリティでロゼは安定したポテンシャルを示したが、PCあぼん報告は出なかったため
前作エンパイアの独走ぶりには届かず、断マリ派、ロワイヤル派、まだ見ぬジョーカーやその他の新作に
期待する派の間で議論百出、スレは大いに盛り上がっていった。


以降は少々小粒が続く。

巨大なリーゼントで捨て猫を雨から庇う攻略キャラ、攻略キャラの髪型を変えるために髪を燃やす計画を
立てる主人公など、発売前の情報から笑えるクソゲーとして注目が集まっていた『ルシアンビーズ』。
そういった広報が功を奏したと言っていいのか、下ネタ連発や判子シナリオなどのクソを抱えつつも、
プレイヤーは事前に覚悟完了。結果、「バカゲーとしても突き抜けたものが無く、ネタゲー止まり」
という寂しい評価となった。

他社の手による移植ということもあり、システム面での減点無く凡ゲーに収まるかと思われた
『ハートの国のアリスPSP』だが、ネガティブな主人公の独白まみれのテキスト、ボイスを飛ばしても
2時間半かかるプロローグ、数行のシーンで同じ単語を23回繰り返す、流されエロと殺人描写満載、
ランダム要素に振り回されてのロード地獄など、なかなかに錚々たるクソが揃っている。
「部分の部分」や「存在の人」などのくどいロゼ節も、この頃から始まっていたようだ。
良い点と言えば、バグに心を削られることなく、ひどい内容に集中できること。ロゼスクリプトの
評判に怯えつつも興味を抑えきれない方には、安心して遊べるロゼゲーとしてお勧めしたい。

『蒼天の彼方』。ため息のようなSE、好かれた経緯が描かれない愛され主人公、攻略キャラの
一人が理不尽な扱いをされるなど、ささやかなクソが散りばめられているが大きな落とし穴はなく、
凡ゲーの域に留まる。

戦争中の戦艦が舞台で主人公は艦長、という設定から予想されていた通り、『リトルアンカー』は
緩い作りであった。
「作戦中だけどお見舞いの千羽鶴皆で作って」「死体の報告で気分悪くなっちゃったから部屋に帰る」
などなど、数々の脳内お花畑な言動で「一日艦長にやって来たアイドルなら許せた」とプレイヤーに
頭を抱えさせた正規軍人主人公と、そんな主人公の言動を容認する「優秀なクルー」設定の
攻略キャラたちが、粗筋の設定に惹かれた購入者を果てしないツッコミ作業に送り込む。
「本格SF」や「シリアス戦争物」という単語が、「乙女ゲー」と今後も結びつくことはないだろうと
再確認させてくれる悲しい証人だった。

前作白の章が「W主人公でやってはいけないこと」を網羅した作りだったために、このスレでも
期待が寄せられていた『カヌチ黒の章』は、意外にも後編での修正を図ってきた。辻褄無視の強引な
恋愛展開をねじ込むことにより、サブ主人公マンセーでメイン主人公が放置されるという事態が
無くなったのである。
物欲剥き出しの攻略対象、敵兵士を野放しにする兵士や国王、打ち切りマンガのような伏線放棄、
面倒な鍛冶システムをやり込んでも努力が結末に何ら良い変化をもたらさない仕様、キャラの
理不尽な死亡展開、フリーズバグなど問題点はあったが、白の章で生み出された累々たる屍を
乗り越えて『黒の章』を購入したユーザーにとっては微笑ましいようなクソさだったのだろう。
見事、「愛せるクソゲー」としての地位を獲得し、住人たちを和ませた。

『誰にでも裏がある』。カヌチに引き続き、乙女ゲーでプレイヤーを納得させられるWヒロイン作品を
作り出すことは難しく、そういう設定の時点で見えてる地雷と判断すべきと教えてくれる一作。
作品の売りである「攻略キャラの裏の顔」は発売前の予想そのままで、盛大に名前負け。両主人公で
攻略しないとキャラクリア後のおまけが見られない仕様で、両主人公で続けてプレイすると、片方に
思い入れがあるプレイヤーは彼氏が浮気しているような感覚を味わえる。更には無駄に厳しい
フラグ制限、シナリオの矛盾がプレイヤーのMPを地味に削っていく。残念ゲーと呼ぶに相応しい
出来と言えるだろう。

『SIGNAL』。質の悪いSEを使いまわす、場面に合わないBGM、誤字脱字が多く、間違った部分を
声優がそのまま読んでいたりと、全体的に手抜き感が目立つ。
エンディングで発生するフリーズや、タッチペンを使用した下ネタイベントが更に点を下げるが、
ストーリーには特に問題が無く、残念な部分のある凡ゲーといった印象に終わった。

奇妙なポーズの攻略キャラ画像で、バカゲーとして期待された『クラキミ』は、発売前のネタ臭に
反して地味な出来だった。
探索や会話を何度も繰り返すゲームなのに、4回タッチしてようやく行動決定というインターフェースの
悪さ、既読判定の厳しさ、ぬるい謎解き、ほぼ全てのルートで同一内容のトリックには飛躍があるなど、
ミステリテイストに期待した者を悉く裏切る体たらくで、「乙女ゲーならこんなものか……」とプレイヤーに
肩を落とさせた。


レビュー投下の波も過ぎ、スレが過疎気味になりかけた頃、それはやってきた。
10月末、年末の魔物にはやや早く、『ジョーカーの国のアリス』、大寒波襲来である。

防衛戦に臨むチャンピオンロゼも、ただ座して待つだけではない。前年の大賞をパワーアップさせた
ロワイヤルを送り込むだけでは満足せず、なんと、ジョーカーには乙女ゲ界では初のシステムを
搭載させていたのである。
個人の感性に評価を左右される厨二シナリオでは最早手ぬるい。PC環境によって頻度に差の出る
フリーズではまだ生き残る奴が出る。
オンライン認証&監視システム――この刺客は、100%、プレイヤーのPCを襲う。

普通オンライン認証は失敗時のリトライに備えて、他社では複数回できるよう設定されている。
ロゼは一回だ。そして将来的な認証解除の予定は無い。
再認証手続きに必要な往復葉書はユーザー購入で、内容に不備があった場合は連絡すら無く、
当然のように対応もされない。さすがはサポートに定評のあるロゼ、「今時珍しい」などという範疇を
通り越したアナログ手法を採用し、会社とユーザーという枠を超えて、画面の向こうに居る“人”の
存在を感じられるサービスとなっている。
要するに、ロゼに個人情報を渡したくない人間は再認証不可、サポート終了後の保証は無し。
ジョーカーと名がつくだけあって、大変なババを掴まされてしまった感が否めない。

そんな高すぎるハードルを乗り越えた先にも安息の地はない。長いトンネルを抜けたら、直後に
別のトンネルに突入である。これまでのロゼをご存知の方は、この前振りで「やれやれ、またPC破壊か」
とお思いだろうがそれは違う。
なんとフリーズ頻度激減! フルコンプ可能! ブルースクリーン報告未だ無し!
メーカー7作目のジョーカーにしてついに業界最低限レベルの水準を満たすことに成功し、
「ロゼはまさかデバッグを行ったのか」とプレイヤーを驚愕させた。
システムの不具合でないなら何が? 今回ロゼは、素材そのものの不味さで勝負に掛かって
きたのだ。箇条書きですら長いので、以下一気に列挙させていただく。
リアル黒歴史な厨二シナリオ、日本語崩壊した誤字脱字誤用の嵐、水増しアルツシナリオ、
伏字だらけで内容の無い会話、反復擬音はほぼ毎イベントフル出場でこれまでのロゼゲと比べても
7割増、全年齢で倫理観ゼロのグロエロ、キャラルートはフルスキップで約2時間の198ターン、
目が痛くなる配色センス、異次元空間に佇む全身骨折キャラ。いずれもロゼゲ標準装備の要素
であるが、これらが軒並み悪化の一途を辿っている。
視線の合わない恋人たち、体型を自在に変化させ11頭身にもなるキャラ、左腕が右腕の半分の
長さしかない、あらぬ方向に曲がった手足。攻略対象でもある双子キャラがスチルでコピペされている
などはまだまだ序の口である。主人公を切り抜いて別キャラを嵌め込んだスチルを別キャラルートで
使用したかと思えば、今度は人物だけ切り抜いて背景変更、果ては内容の被ってないイベントにまで
同じスチルを使い回すという、形振り構わぬ手抜きテクニック。
シナリオも例外ではない。ルート中の恋愛イベントのおよそ5割が他キャラルートと同じ内容、
多少個別の追加が入っただけでも既読スキップが適用されないため、強制スキップ機能に
感謝する気持ちを思い出させてくれる。
更にはエンディングにすらコピペを盛り込むという徹底振りで、勿論シーン回想ではほぼ同内容でも
キャラ別収録、鑑賞モードで差分CGは一枚ずつ間違い探しのように並ぶ。プレイヤーは一生分の
既視感に襲われることだろう。

前作クロアリでリストラされた攻略キャラが2人復活登場しているが、内一人は公式アナウンス無しの
攻略対象外。
理不尽な展開も健在である。全てのルートで、攻略キャラの一人と主人公の姉の殺害シーンを
通過しなければ恋愛エンディングを見られない。これを避けようとすれば主人公は殺される。
笑顔で死体遺棄する攻略キャラ、あえて恋愛エンディング中にいずれ記憶から消えることを匂わせる
攻略キャラ、殺される所を救われたと思ったら今度は助けに来たキャラに殺されるなど、酷い点を
上げようとすれば枚挙に暇が無い。



山積するクソを乗り越えながらクリアを目指すプレイヤーを苦しめるのが、場所とキャラ選択くらい
しかないアドベンチャーゲームであるにも関わらず、腱鞘炎が心配されるほどのクリック作業ゲー
という点だ。精神と肉体の両面を囲い込んだ、死角無しのキラーソフトである。

これまでは「プレイできないゲーム」というインパクトの裏に隠れてしまっていたが、このジョーカーで、
バグ無しでも生身一つでロゼはこれほどに強いということを示した。まさに女王の貫禄であった。




さて、候補作が出揃った所で、2009年のKOTY発表に移ろう。

冒険しにくく無難な内容になりがちな乙女ゲ業界で、「恋愛できない恋愛ゲーム」という革新的な
試みを実行し、プレイヤーにハートブレイクショットを打ち込んだ『断罪のマリア』は、住人に強烈な
印象を残した。
フリーズ多発のクエスト地獄で、平和な日本にいながらにして地雷原を歩き回るような体験ができる
『クリムゾン・ロワイヤル』も、過去2年の大賞を見てきた住人をも慄かせる底力を見せてくれた。

併せてプレイすれば乙女ゲーマーとして一回り成長できること間違いなしの、粒揃いのタイトルが
鎬を削る中、王座を勝ち獲ったのは、圧倒的なクソの物量を見せ付けた『ジョーカーの国のアリス』だった。

PC破壊バグという他社の追随を許さない大きなリードを捨て、これより下は無いと思われた
シナリオとCGの最底辺を追求、正統派のクソで三連覇を目指したロゼの漢気をまず讃えたいと思う。
出来ればバグ以外についても心を入れ変えて欲しいと願わずにはいられない。
発売後しばらく経っても選評の投下が無く、その後入った「システムが改善されている」という情報から、
飛ぶ鳥を落とし、川の魚を水面に浮かせる勢いのロゼにもついに翳りが見えたかと思われたが、
それも杞憂だった。
質・量ともに申し分無い一級品のクソの集大成、傍若無人な認証システムも相俟って付け入る隙も無い。
他タイトルもよく健闘したが、一本のソフトにこれほどのクソ要素を詰め込むことは出来なかった。
PC破壊、サポート放棄などの凶悪なクソ要素の先駆者でもあり、シリーズを重ねるごとに下へ下へと
進化し続けるロゼに限界はあるのだろうか。
ロゼの次回作がどう仕上がるのか、今から楽しみで仕方がない。

2009年。経済、異常気象、年間を通して冷え切った一年だったが、クソゲーは豊作であった。
大賞候補のインパクトには及ばないがっかりゲーレベルの作品も多かったが、レビューは数多く投下され、
スレは賑わい、クソゲハンターの懐は順調に寒くなった。
四八(仮)ショックならぬロゼショックで、無敗の強豪ロゼの独壇場となるかと思われたKOTYに、
花梨という対抗馬が現れ、触発されてかロゼの方向性にも修正が行われた。ロゼという頂点一つの
勢力図に変化が表れたことは、今年の大きな収穫だったと言っていいだろう。

最後に、大賞を受賞した『ジョーカーの国のアリス』からキャッチコピーを引用させてもらい、2009年の
KOTYを締めくくろうと思う。


「Warning Wonder World
 コピペが飛び交う手抜きの世界  プレイしたいといつまで思えるか――」

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最終更新:2010年02月09日 21:02
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