人外姉妹

185 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:14:41 ID:xDssdlWm
 俺の家は山間部標高二千メートルの山奥にある。 
 学校までは四十キロ。隣家までは八キロ。バス停までは10キロも離れている不便な場所に住んでいる。
 何故そんな人里離れた場所に隠遁者のような生活をおくってるかというと、ある事情からだ‥‥


「ふう。やはりこんな山奥に住んでいると、風呂の時間が一番落ち着くな…」

 家は人里離れた山の中に住んでいるお陰で風呂はだだっ広い岩風呂の天然温泉である。娯楽が少ないので風呂と食事が唯一の楽しみといっていいだろう。
 学校まで登校するのがひと苦労だが、温泉に入っていると日頃の疲れが吹っ飛ぶ。  
 俺がくつろいでいると大きな魚影が静かに近付いてくる。勿論山奥の岩風呂なので猿や狐や狸、また時々熊なども入りに来たりするが、彼らは刺激さえしなければ別に問題は無い。
 しかし温泉に人間大の巨大魚が居るとなると有り得ないことだし、普通なら慌てるところだろうが、俺にとっては日常の風景である。

「おい!勝手に忍び込むんじゃない」

 魚影に向かって俺が怒鳴るとザバーッと激しい水しぶきを上げて顔を出す。

「む~バレないと思ったのにぃ~」

 現れたのは両頬を膨らませたひとりの美少女。髪は綺麗なウェーブの掛かったロングで色はエメラルドグリーン、眼はマリーンブルー、肌は白く透き通るようだ。
 そして下半身に煌めく鱗と長い尾鰭。
 コスプレ?違うよ。ガチでマーメイドだ。しかも実妹ときている。
 名前は水森メル。高一だ。俺?俺のことなど、どうでも良いだろう。名前は水森卓也高二で凡人である以上。
 人魚がどうやって学校に通えるかって? 
 それは単純なこと。普段は人間の脚で濡れると魚の下半身になるというわけだ。髪は人前では黒いおかっぱのカツラを被ってる。アニメじゃあるまいし緑色の頭髪などありえないだろう。 
 学校では親衛隊が居るほどの人気だが‥‥

「バレバレだ。それと年頃の女の子が素っ裸で男の居る風呂場に入るな!」
「‥‥‥‥」

 メルは眼の辺りだけ水面から顔を出し。不満そうな表情でブクブクと泡を立てている。表情がコロコロ変わって見てて飽きないが‥‥

「お兄ちゃん。人魚って普段は裸なのよ。貝殻のブラジャーとかしているのは童話の世界の創作なの!」
「屁理屈はいい!」
「‥‥‥‥」
「とにかく早く風呂場から出なさい!」




186 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:17:46 ID:xDssdlWm
 ムキに成って反論するメルを無視して、俺が後ろを向き手をヒラヒラと出て行くように促すと、妹は水しぶきを上げていきなり抱きついてくる。

「お兄ちゃん♪」
「こ、こら~!」

 小振りだが形の良いオッパイが背中に押し付けられ、長いエメラルドグリーンの髪から甘い潮の香りが漂ってくる。それから水面から出た尾鰭を激しく振って子犬のようにあまえてくるメル。

「お兄ちゃんが欲しいのぉ~」
「あ、アホか!」

 アホ人魚‥もとい妹は俺の肉棒に手をのばしてくる。

「うわぁ~妹で固くなってる♪」
「せ、生理現象だ!」

 実兄の肉棒を擦ろうとする変態妹のメルと必死に貞操を守ろうとその手を押しとどめる俺。
 メルは面倒だとばかりに尾鰭を勢いよく振り上げて派手な水音と共に水中に潜り俺の股間に迫る。その時、突然ひんやりとした冷気が伝わり水面がいきなりスケート場のように凍りついた。

「やはり所詮魚。学習能力が無いようですね。直接行動をおこして引かれたのでは何にも成りません。ここは裸体を瞼に焼き付けてハアハアするのが正しい選択」
「ね、姉さん?」

 声の主は和服の女性。水森雪音。僕の実姉でしかも人外雪女だ。現在姉さんは高三で、長い黒髪と雪のような色白の肌と紅い唇が印象的で、お淑やかで妖艶な雰囲気に学校ではファンクラブまである。
 何故俺の姉妹が人外かというと、クソ親父のせいだろう。親父は大学の考古学者で研究の為に世界中を飛び回っている。しかし行く先々で人外を孕ませて、その子供を引き取ってくるいい加減な男だ。
 俺の母親は物心つく頃には、この人外マニアに呆れて逃げ出したらしい。現在は二人の異母姉妹と生活しているわけだが…

「姉さん。いきなり氷漬けにされたら心臓麻痺をおこすんだけど‥‥」
「大丈夫ですよ。たっくんの貞操が無事であるならば」
「何が大丈夫だか‥‥
 それとメルはどうなったの?」
「半魚人が水の中でどうにかなる訳ないでしょう。温泉の地熱で氷が溶けるから、後三十分位で動けるようになりますよ」
「この冷血女!ボクは人魚だよぉ~」
「ねっ」

 姉さんはニコニコ笑い、氷の中でメルが大声で喚く。本当に懲りない連中だ。俺は上半身だけ氷面から出ているけど、寒いから早く出して欲しいのだが。

「あっ。たっくん、ごめんなさい」




187 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:20:51 ID:xDssdlWm
 やっと気付いた姉さんに氷の中から引っ張り出してもらった。せっかく温まっていた身体が底冷えする。しかしいきなり氷漬けにされるとは‥‥
 ふと姉さんの方を見ると視線が一点に集中し頬が紅い。

「たっくん」
「なに?」
「たっくんの逞しい下半身を見れて、わたくしとしては嬉しいんですけど‥‥」
「ーー!!」

 姉さんの潤んだ眼と赤く染まった顔に背筋に寒気と股間に危機感をおぼえた俺は、前をタオルで隠すと、急いで脱衣所に向かった。まあ姉も妹と同類ということなのだろう。


 午前五時。うちは山奥にあるので朝が早いのだ。朝食は当番制だが、姉さんはこのクソ寒い中朝からかき氷、メルは生魚で、俺だけ食パンと目玉焼きだ。
 いつものように姉さんが微笑みながら、べったりと横にくっついてくる。

「はい。たっくん、あーん」
「あら。お口が汚れてますわ。
 きれい、きれいにしましょうね」

 食事ぐらい自分でたべられるのに、高校生になる弟を保育園児扱いとは如何なものだろうか。
 パンをちぎって俺の口元に運んだり、ちょっとでも汚れると布巾で汚れを拭ってニコニコしている。
 当然メルの方も黙って見ていることはなく‥‥

「お兄ちゃん♪」

 といいながら首に抱きついてきたりする。朝っぱらから怒鳴るのも何なので黙ってはいるが、いい加減うんざりしながら何気なくカレンダーを見てみると今日の日付に赤丸が記されている。

「今日は紅い月の日だね。
 俺はばあちゃんの家か‥‥」
「たっくん。忘れ物しないようにしてくださいよ」
「いいなぁ~ボクもおばあちゃんの家に一緒に行きたいよぉ~」
「ははは‥また今度な」

 そう。今日は数ヶ月に一回俺一人ばあちゃんの家にお泊まりをする日だ。姉さんは細々と俺に注意をし、メルは羨ましそうにジト眼をこちらに向けた。

「姉さんとメルは地下に?」
「そうなるでしょうね」
「ぶ~~~」

 姉さんはいつものように落ちついて、メルは両頬を膨らませてぶ~たれている。

「たっくん。今日は家に戻って来ては駄目ですよ」
「わ、分かってるよ」

 過保護で心配性の姉さんは眉を寄せて、くどいように忠告してくる。するとメルが何食わぬ顔で口を挟む。

「ボクはお兄ちゃんと一緒の方がいいなぁ~」
「あなたはまだ懲りないのですか!」
「ふ~~んだぁ」
「メル。なるべく早く帰ってくるから」
「ふぅ~」




188 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:26:14 ID:xDssdlWm
 駄々をこねるメルの頭を優しく撫でてやると子猫のように頭を擦り寄せてくる。
 姉さんは腰に手を当てて大きい溜め息を一つ吐く。我が家の日常の光景である。

 まあ、おばあちゃんの家は街中にあるので便利だし、人外マニアの親父の母親とは想えない常識人なので気は楽だ。
 介護に行くのかって?違う、違う。おばあちゃんは七十を超しているが、まだ元気いっぱいだ。
 これこそが我が家が山奥に住んでいる最大の理由だ。実は以前人里に住んでいたのだが、紅い月の日に有る大事件が起こり、うちの家族は逃げるように山奥に引っ越してきたのだ。
 しかし親父の奴は肝心な日に家にいない。姉さんによれば今はエジプトだそうだが、ミイラの妹とかマジで嫌なんですけど‥‥


 三年前我が水森家は郊外の住宅街に住んでいた。南は海岸線に面しており海風が心地よく、北は山に囲まれて冬でも過ごしやすい良好な環境だった。
 姉妹は今と変わらずブラコンで、俺に異常なまでに過保護で世話を焼きたがる姉雪音と子犬のように俺に甘えてくる妹メルはキモかったが特に問題は無く平和にすごしていた。
 しかし俺達家族の運命を狂わせた事件。それは、紅い満月が夜空を輝かせていた日の事だ。

「へ~え。紅い月っていうのも綺麗なもんだなぁ」

 窓から外を眺めていると部屋の入り口の方から親父の声がする。

「た、卓也逃げろ‥‥」
「親父!どうした!」

 親父は足元がふらつき、顔は青ざめて全身から脂汗を流して、明らかに普通の状態ではない。 

「紅い月の影響で雪音とメルが‥‥‥」

 ガゴッ!親父が言い終わらない内に打撃音と共に氷の欠片が飛び散ったかと思うと、バッタリと親父が倒れた。

「親父!」 

 流石に実父なので心配に成って駆け寄ろうとすると、いきなり背後から何かが俺に抱きついてきた。

「お兄ちゃん♪ うふふ‥‥」

 そう。俺に抱きついて来たのは妹のメル。しかし陸に上がってるのに脚は魚化してるし、マリーンブルーの瞳が妖しく光っていてまともではない。

「め、メル離せ!親父が‥」
「だ~めぇ~うふふ‥お兄ちゃんはボクのもの‥‥」

 絡みついてくるメルを引き剥がそうともみ合ってるうちに、親父の倒れている直ぐ後ろの方から人の気配がする。 

「たっくん‥‥」
「ね、姉さん!?」

 親父の後ろに居るのは姉さん。手には固そうな氷で出来たツララを握っている。


189 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:29:17 ID:xDssdlWm
姉さんが親父を襲ったのか‥‥ 
 何故?よく見ると姉さんもメル同様に様子がおかしい。黒い直毛の髪の毛は水色に染まっており、眼は赤く爛々と輝いて異様な姿に成っている。

「御父様はたっくんに余計なことを喋ろうとしたので眠ってもらいました」
「なっ‥‥‥」

 余計なこと?何のことだ。俺が混乱して頭を抱えていると、姉さんの視線は俺に抱きついているメルに移った。

「所でメル、たっくんから離れなさい」
「嫌よ」
「殴り殺しますよ。この害虫魚」
「上等だよ糞女。ちょっと先に産まれたからといって調子に乗りやがって!ほら、さっさと遺書かけ。それぐらいは待ってやる」
「それはこっちの台詞です。陸上でわたくしに勝てるとでも?
 さっさと始末してたっくんはいただきますから、あは、ははははははっ。ちょっと待っててくださいね」
「痴呆女はここが海岸線ということを忘れてるようね。三分待ってねお兄ちゃん♪
 ちょっと床が汚れちゃうかもしれないけど‥‥ふふ、ふ‥お兄ちゃんは‥ボクが‥守るから」
「二人とも‥やめ、止めろぉおおーー!!」

 暗いオーラを放ちながら対峙する姉妹を見て叫ぶ俺。それから先の記憶は暗転したかのようにすっぽりと抜けている。気付いたら病院のベッドに寝ており一ヶ月も経っていたこと。
 そして住宅街が雪崩と大津波で全壊して大ニュースに成ったことを後から知らされた。
 その後うちの家族は今の山奥に逃げるように引っ越して来たわけだが‥‥
 結局人魚や雪女という存在は地上の生物と違い、精霊界の住人なわけで、元々精気や生気などを吸って生きているのだが、紅い満月は本能を呼び覚まし、抑えが利かなくなるらしい。
 そこで紅い満月の日俺はおばあちゃんの家に退避して、姉さんとメルは今の家の地下にある倉庫に閉じこもる。
 夜明けに戻って地下室の鍵を開けて更に学校へ登校するなどかなりめんどくさいのだが、家族が離ればなれに成ったり、三年前のように大災害を引き起こすよりマシというもの。

「水森。聞いているのか!?」



 やべぇ。今は国語の時間。担任の松子殿の授業中だった。
 松子殿は女教師でその巨漢からつけられたらあだ名だが、普段生徒にあまり干渉しない分、怒らせると恐いのだ。

「聞いてるなら良いが‥‥‥
 課題提出は明日までなので忘れないように」

 明日まで?まあ。おばあちゃんの家でやってしまえばいいか‥‥‥





190 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:31:54 ID:xDssdlWm
 久方振りにいつも纏わり付くストーカー姉妹がいない平穏な学校での一日を終えた。とにかく休み時間毎に俺の教室に来るのは切に止めてもらいたいと思う。
 しかし日常の愚痴をこぼすなんて、今日の俺、余裕あるじゃん。平和な一日に感謝しながらニヤついていると、いつの間にかおばあちゃんの家に着いた。

「おばあちゃん。今日はお世話になりま~す」
「おぉ。卓也か。よう来たのぅ~」

 玄関先でおばあちゃんはいつもの柔和な笑顔で出迎えてくれる。

「俺、早速だけど明日提出の国語の課題をやってしまうよ」
「そうしたらええ。
 晩飯出来たら呼ぶからのぅ~」

 明日期限の課題を処理する為に早速部屋に入って机の前で鞄を開ける。
 な、無い!中身を全部ひっくり返しても、どこにも見あたらない。どうやら家に忘れてきたようだ。ショック‥‥松子殿は提出期限にはうるさい。他の教科と違って期限延長は難しいのだ。
 時間を確認すると現在午後の四時半。俺の足なら日没まで家に戻れるだろう。それに姉さんとメルは地下倉庫に籠もって鍵もかけてるし問題は無いはずだ。
 一応おばあちゃんに一声かけないとな。 
 案の定おばあちゃんは台所に居た。

「おばあちゃん。明日提出の国語の課題を家に忘れちゃって。ひとっ走り取ってくるよ」

 おばあちゃんは怪訝な顔をする。

「今から行っても間に合わんよ。止めた方がええ」
「何言ってるの。これでも学校の陸上部にしょっちゅう勧誘されている脚だょ。
 心配ないよ」
「‥‥‥‥」

 おばあちゃんはまだ納得してない顔をしているが、これでも脚には自信が有る。
 大丈夫さ。俺はおばあちゃんの制止も聞かず駆け足で自宅に向かった。





191 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:37:35 ID:xDssdlWm
「ハアハア‥‥」

 山頂付近の自宅の前まで到着した。荒い息を整えて時間を確認すると現在六時前十五分。み、見ろ間に合ったじゃないか。
 ‥ハアハア‥走りすぎて息が切れたが。 
 気を取り直して家に入り、自分の部屋にあった課題を鞄に入れ早足で玄関から出ようとすると‥
 ランラン。ランラン。ラララララン。  
 ランランランラン。ラララララン~♪
 歌声? 子守唄のような――――まるで天使が歌ってるみたいな、唄が。
 届く。響く。癒す。玄関のドアを開けると辺り一面が濃霧に覆われてる。人魚の歌声は天候を変化させて船を難波させたという伝説があるが‥メルか。
 とにかく今外に出ると遭難は必至だ。かといって家に居ても地下からメルや姉さんが出てくるかも知れないし‥
 そうだ。霧がはれるまで岩風呂に隠れていよう。幸い風呂場までは目を瞑っても行ける。良い考えだ。そうしょう。


 視界が悪い中なんとか風呂場の入り口まで来ると、濃霧プラス雪まで降ってきて、ますます脱出が困難に成ってくる。雪は姉さんか‥‥まあ、仕方ない。寒いので中で休むとするか。
 風呂場は流石に暖かい。しかしどうしたものか‥‥
 とりあえず座りたいので、お湯がはる浴槽部分の縁に当たる外側の岩に腰掛けて途方に暮れていると、白い手が静かに伸びてきて俺の足を掴む。 
 ズルッ‥‥
 白い手は俺を水中に有無をいわさずに引きずり込む。

「うわーーっ!!」

 ドボンと大きな水飛沫が上がると俺の体は水中に‥‥ゴボゴボ‥‥水泡が無数に浮かぶ。死んだな俺。水中での溺死はかなりきつい死に方だが‥‥
 ゴプ‥ゴポ‥息が出来無‥‥?出来る!?
 目の前に魚影。水中でも呼吸できる。もう分かっちゃったな正体。メルか‥‥しかし人魚の力か水中でも呼吸が出来るのは妙な気分だ。まるで無重力空間に居るような‥‥

「お兄ちゃん♪」
「め、メル‥‥
 どうしてここに?」
「うふ♪ 山間部は月が出るのが早いのよぉ~
 お兄ちゃん知らなかった?ふふふ…」
「でもお前何で?それに‥‥」
「お兄ちゃん。ごめんねぇ~」

 ちなみに水中でも会話が出来てるのは思念波のようなもの。実際変な感覚だが‥‥
 メルは俺の話も聞かず鋭い爪で俺の服を引き裂く。貝や甲殻類を容易く切り裂けるほどの硬度を持った人魚の爪には、人間の服など紙よりも薄い。俺はあっという間にほぼ全裸状態に。




192 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:40:24 ID:xDssdlWm
「何を‥‥!」
「お兄ちゃん。ボクもう我慢できない」

メルの尾鰭の部分が、しゅるりと俺の股間をくぐった。股の間へと、ぬるぬるの魚尾を割って入らせたのだ。さらに尻尾は俺のお尻の方へと抜け、しゅるりと腰のくびれの部分に絡んできた。

 股間からお尻、腰の部分に尻尾が絡み込み、腰が引けないようにされてしまったのだ。

「つっかまえた~♪ えへっ、これでもう離れられないね」

 そのままメルは、ぎゅっと俺の上半身を抱き締める。碧い瞳が妖しく光り、吸い込まれるような感覚に襲われてしまう。
 不意に、眼前にメルの上気した顔が接近してきて柔らかく暖かい唇の感触が、伝わる。

「ん、ふ……」

 メルの舌が口内へと侵入し、貪るように舐め回してきた。

「お兄ちゃん‥‥んんん‥‥」

 正直いくら美少女とはいえ脳内では妹とのキスなどキモいだけなのだが、身体の芯は何故か熱い。確か以前人魚の碧眼は催淫効果があると聞いたことがあるが、その影響か‥
 どの道水中で捕らわれている身なのでやることは一つ。俺は基本的に無駄なことが嫌いな合理主義者なのだ。別に妹とエッチする為の言い訳を探しているのではない。 
 なんだその眼は‥‥兎に角そう言う事だ!
 胸の方に手を伸ばすと小振りながら形の良い乳房の感触を確かめる。張りは、なかなか良い。

「ひぁ!」

 メルは可愛らしい声をあげる。

「あ、あんまり大きな胸じゃなくてごめんね…」

 メルがすまなそうな顔をした。

「なに‥大きければ良いという訳ではない。手のひらサイズでも弾力性や張りが‥‥って何を言わせるんだ!」
「ありがとうお兄ちゃん。いっぱい触って♪」

 顔を紅潮させて上目遣で俺を見詰めるメル。女の子のお願いは極力聞くことにしてる?俺はその乳房を揉み出した。指に力が入り、乳房の形が変わる。柔らかで暖かな感触に手が包まれた。

「ああ‥あ。お兄ちゃん。ああぁッ…」

 乳房を揉みしだきソプラノボイスの喘ぎ声に興奮した俺は、下の方に手を伸ばす。ウロコ部分を弄りながら蜜壺を探す。人体と構造が違うので、さっぱり分からないが‥‥

「あん♪ そろそろ‥‥お兄ちゃんと一つになりたいなぁ」

 俺の意図を察したのかメルは俺の手を自分の蜜壺に導く。メルのヘソから下は、魚の半身と化している。そしてウロコに隠れた股間部分には、女性器のような縦スジが入っていた。     


193 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:43:30 ID:xDssdlWm
 そこは微かに膨らみ、そしてぴっちりと口が閉ざされている。いかにも控え目で、慎み深い器官だった。ただ妹に挿入となると流石に迷いが生じるが‥‥

 しかし例えるなら今はタコに捕獲された小魚。状況を打開するには他に手はないんだ!俺は自分にそういい聞かせて膣口に自分の肉棒を添えると慎重に押し込んだ。

「あぁ、あ、ああッ!」

 メルの身体がブルッと震える。人魚の内はきつく、全体的に筋肉が緊張しているようだ。ヌルヌルのぬめり、そしてざわめくヒダが肉棒を優しく歓迎していた。

 だから、挿入を終えただけで俺は搾り取られるような感覚に陥った。
 ぐっ!だが直ぐに果ててしまうわけにはいかない‥‥俺は‥へその下に力を入れて‥耐える、耐える。そのうちにメルの膣内の締め付けが落ち着いたので、意を決して腰を突き上げた。

「ふぅ、うぁあ‥あぁぁ‥んんッ‥」

 メルは俺の肩に顔を埋めて声を漏らす。ふふふ‥何とでも言え。今の我に迷いは無い!目の前の女をいかせるのみだ!連打、連打、連打。脱出するには先に絶頂させねば‥‥

「ひああッ! き、きもちい、よ‥‥もっと、んッ、して、お兄ちゃん‥‥ッ!」
「俺も気持ちいいぞ‥‥」
「はあぁ! うれしい‥‥ああぁッ!」

 メルはガクガクと震え涎を垂らして大きな声で喘ぐが、ビギナーに高速ピストン運動は無謀だったようで、あっという間に射精感が高まる。

「うう‥‥出ちまう‥」
「いやぁッ! 中にちょうだいッ!お兄ちゃんの、せーしッ! ああぁッ!」
「っく、もう、だめッ!」

 蜜壺がギュッと収縮しその感触に耐えきれなくなった俺はメルの膣内に大量の精液を注いだ。

「あはッ♪ おにいちゃんの、あつい、よ‥‥」

 メルはエビ反りになりピクピクと痙攣して脱力した。メルが俺の身体から離れると当然呼吸が出来なくなるわけで‥‥

「ゴポ‥ゴプ!」 

 く、苦しい。俺も今は身体が上手く動かせない。ハマった!終わりかな‥‥
 俺が諦めかけた瞬間、何かに手を掴まれて、もの凄い力で水上に引き上げられた。

「んん‥‥」

 目を開けるとそこには全裸で仁王立ちしている姉さんの姿が‥

「姉さん‥」
「あれだけ忠告したんですけどねぇ」

 姉さんの目は赤く妖しく光っている。身体がピクリとも動かない所をみると、赤い目は麻痺効果があるのか。



194 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:46:24 ID:xDssdlWm
「紅い満月の日は私達姉妹は、たっくんへの気持ちが抑えられなくなります。
 だけど姉妹で争ったり、他人を巻き添えにする事を貴方は許さない。
 だから自ら地下に籠もるという選択したのです。」
「‥‥‥‥」
「貴方が悪いのですよ」

 姉さんの紅潮した顔が迫り、唇を重ねてくる。

「ちゅっ、んっ‥むぅ‥んんっ」
 舌が口内で絡み合い唾が混じり合う。

「久々にたっくんと‥‥やっぱり、貴方も水神の因子があるようですね。普通の人ならわたくしとキスを交わすと凍死します。あはは‥それに三年前と比べると耐性も増してるようなので今から楽しみです」

 姉さんは薄笑いを浮かべながら俺を見下ろす。俺にも人外の血がながれていると?しかも三年前は結局この姉妹に搾り取られていたと?‥‥

「たっくんは何もしなくても良いんですよ。この姉が気持ちよくしてあげますからね」

 姉さんが大きな乳房で俺の肉棒を挟み亀頭をチロチロと舐める。

「ぢゅっ‥‥ぢゅっ‥ずずっ」
「あう‥ね、姉さん」

 思考が吹っ飛ぶ。き、気持ち良すぎる。大きくて柔らかい乳房の感触と亀頭の刺激がたまらない。

「たっくん‥‥こんなに逞しくなって‥‥わたくし‥もう我慢できません」

 口元に涎の雫を溜めながら姉さんは俺の肉棒を自分の膣口に当てると、一気に腰を下ろす。膣内のひんやりとした感触が心地良い。

「ひっ――ああああっ!!」

 一瞬息を詰まらせ、次の瞬間に叫ぶ。完全に肉棒が膣内に納まると、姉さんは仰け反り、絶叫した。
 肉壁の収縮に俺も夢中で下から腰を突き上げる。

「あぁぁああっ!! っく、くはぁぅっ!! す、すご‥‥い‥‥っ!
っくぅうううううっ!!!!」
「姉さん‥やばい‥‥出る!」
「中に‥‥出して。たっくんの好きにして‥くだ‥さ‥い‥」
「!!」

 姉さんのイキ顔に理性の一部が消し飛ぶ。お互いの腰の動きが今までに無く激しく、 強いものになってくると俺は一気に溜め込んだ全てを流し込む。

「イくぅううっ!!! あっはぁあああぁぁああああっ!!!!」

 どぷ、どぷっ。二回目とは思えない大量の白濁液を姉さんの膣内に解き放った。

「あぁぁ!!‥あ‥たっ‥くんとのがいっぱい‥あたたかい‥‥」

 姉さんのその身体は小さく痙攣し、その身を仰け反らせたかと思うと俺へともたれ掛かった。

「お兄ちゃん♪ ボクも、もう一回」
「ええーー!!」




195 人外姉妹 ◆WXGiSVZK0w sage 2011/01/20(木) 00:49:12 ID:xDssdlWm
 耳元で声がして、ビックリして横をみると、いつの間にか目の前にかメルがいる‥‥

「メルもたっくんを気持ちよくしないと駄目ですよ」
「わ、分かってるわよ!」

 俺は朝まで姉妹に搾り取られ続けることになった。


 翌日流石に学校を休んだ。まあ、記憶が飛んだりしてないし明日は登校出来るだろう。しかし、このまま自分自身がキモ化して家庭内ハーレムを形成するわけには行かない。
 必ず普通の恋愛をしてみせる。俺は決意を新たにした。

「よお。卓也。」
「親父! 今エジプトでは?」
「ちょっと野暮用でなぁ」
「まさか‥‥」

「おにーたまぁ~♪」

 親父の後ろから顔を出すのは可愛らしい幼女。

「てめぇ~またか‥‥」
「ははは‥この子は座敷童でなぁ~」
「しかもまた人外‥‥」
「じゃあ卓也。お前の妹に成るんだし、後は頼むよ。」
「うるせぇ~まて! このやろおぉ--!!」


 Fin

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最終更新:2011年01月24日 22:48
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