転生モノ

345  名前 : 転生モノ : 2012/08/19(日) 23:31:49 ID:fe39293a3  [sage]
私は海東 瀬音 (かいとう せおと) を愛している。それのルーツを探れば前世まで遡れる。
前世では私と瀬音は夫婦だった。いわゆる被差別民で学も金も権力も名誉も何もなかったけど、それでも幸せだった。瀬音は私を深く愛していて、そんな彼を私も愛していた。
別に多くを望んだわけではない。階級から開放されたいと願ったわけでも、権力がほしいと思ったわけでもない。ただただ二人で慎ましく一生を一緒に暮らし、そしてそのまま人生を終わらせたいと思っただけだ。そんなささやかな願いだった。だけども社会はそんな願いすら踏みにじった。ある日、私は暴漢どもに襲われた。その時は瀬音が私をかばいなんとか未遂ですんだ。それが悲劇の始まりだった。逆恨みした暴漢が村人に瀬音と私が
暴漢を襲ったなど嘘をついた。村人たちが家にやってきて、なんとか話を聞いて欲しいと
叫んでいた無抵抗な瀬音を殺した。村人たちは天罰だの、畜生風情が調子に乗るななど言っていた。それ以降はよく覚えていない。ただ周りが真っ赤になっていた。そして私のお腹から血が流れていた。私は、ただただ泣いた。そしてその時に思った。今度の生と言うものがあるなら瀬音と離れられなくなって欲しいと。転生したのなら、その時は瀬音と二人で幸せな生活を送り、死にたいと。そう思った。
そして私は転生した。最初の頃は前世の記憶なんてなく、海東 愛葉(かいとう あいは)と名付けられた普通の女の子だった。だけども生まれた弟を見て頭の中に閃光が走った。
そして理解した。この子が前世の私の夫だと。そして私は狂喜した。また一緒になれたと、
今度こそは二人で幸せをつかもうと。そう思った。それから私は普通の女の子ではなくなった。前世では金に権力、学や名誉といったものがなかったからああなったんだと私は考え、それらを手に入れるために努力した。学業にボランティア活動、部活などなどに力を入れた。もちろん、それらに力を入れすぎるあまりに瀬音とすれ違うことがないように
瀬音との時間も大切にした。瀬音の勉強を見て、瀬音の身の回りの世話をし、瀬音の悩みを聞いてきた。瀬音に前世の私と愛し合った記憶が無いのは少し残念だったけど前世では私をあんなに愛していたのだし、その記憶がなくとも私をまた愛してくれるとそう信じていた。

ジリリリリリ・・・
目覚まし時計の音がこだましようとしたいた。
「うるさい、瀬音を起こすのは私の役目なんだから邪魔しないでよね機械風情が」
だがしかし海東 愛葉(かいとう あいは)によってその音は消された。
愛葉は常々、自分が起こすから目覚ましは要らないと海東 瀬音(かいとう せおと)に言っているのだが瀬音はお姉ちゃんの手を煩わせられないと言って聞かない。その心構えは愛葉は嬉しいのだが、
それでも弟の寝顔を鑑賞するという至福の一時を邪魔されるのは気分が悪かった。
(全く瀬音を起こすという私の幸せを機械ごときに邪魔されてたまるもんですか)
本来ならすぐにでも時計を壊し、捨てたいところであった。しかし彼女がそうしないのは瀬音の物なので勝手に捨てられないからだ。なので愛葉は夜中にこっそり忍び寄り、一緒に寝るついでにタイマーを切っていたのだが、
瀬音は今度は時計を隠し始めた。さすがに瀬音が寝ている間に時計を探すという行為は
瀬音の安眠を邪魔すると彼女は判断し、やらなかったが愛葉は目覚まし時計がなった瞬間に起き、すぐに止めるようになった。その行動に瀬音は呆れ、無駄だと悟ったが、彼には意地というものがあったので目覚まし時計は使っている。
「ふっふふ~瀬音~起きろ~」
起きろと言う割には声が小さい。それもそのはず愛葉はこれで起こすつもりはないからである。
「瀬音起きろ~もう仕方がない。ここまでして起きないなら、目覚めのキスで起こしてあげるしかないよね。んっ」
愛葉は唇を瀬音の唇に近づける。その一連の動きは慣れたものだった。
唇が重なり、まずはその感触を楽しむ。愛葉は瀬音の唇の感触に酔いしれていた。
(いつキスしても柔らかくてぷりぷりしてて、もう最高だよ。えへへへ)
次に舌で唇を舐め、そして舌を瀬音の口腔へ入れる。
ちゅぱちゅぱと舌を絡め合う音が静かな空間に響く
まずは瀬音の舌に自分の舌を載せる。そして舌を動かし瀬音の舌の裏側を舐め上げる。
舌と舌が絡みあい、唾液が溢れでていく。愛葉と瀬音の唾液と唾液が混ざり合い、そのどっちの唾液かわからなくなったものが瀬音と愛葉の間を行ったり来たりする。口でセックスをしているかのような官能的な行為であった。何も知らない第三者が見ればこの二人は恋人だと思うだろう。
(瀬音、私だけの瀬音。私の愛しい瀬音)
そう行為に没頭していると
「んっ、んんんん~!?んんん~んんー」
瀬音が起き、もがき苦しみ始めた。だが愛葉はそんなことは気にも止めず、ディープキスを続ける。瀬音が愛葉を離そうとしたが、愛葉は抱きついて離れようとしない。また、瀬音は舌で抵抗を試みたが愛葉に快楽を与えるだけだった。そうして愛葉が満足するまでこの行為は続いた。

「はぁはぁ」
「お姉ちゃん、朝からキスをするのやめてって何度も言っているでしょ!あとまたベッドに忍び込んだよね?これじゃあ部屋を分けた意味が無いよ」
そう瀬音は剣幕を怒った。
「むぅ~。そもそも部屋を分けるなんてあんな強引な契約無効です~。あと私と瀬音がキスをするのに遠慮なんていらないんだよ?だから瀬音がキスをしたければいつでもしていいんだよ?」
そして瀬音は姉の過保護っぷりに最近、辟易してきたのだ。昔は子供だったから良かった。子供の時はすごく優しくて頼りになる自慢の姉であった。だがしかし、大きくなってからはその過保護っぷりにうんざりしてきたのだ。いい加減子供扱いせず自立させて欲しい。
「お姉ちゃんはいつも僕を子供扱いし過ぎだよ。僕だって大きくなってきたんだし、そろそろお姉ちゃんから離れ「お姉ちゃんから離れる?何言っているの瀬音。私と瀬音はずっと一緒だよ?死ぬまでず~っと。あっもしかして姉弟という関係から夫婦という関係になるからお姉ちゃんから離れるっていう意味?ごめんね瀬音、瀬音が私を一人ぼっちにするわけないもんね。誤解してごめんね。お詫びにちゅ~してあげる」
そう言って愛葉はキスをしてきた。瀬音はこの流れに飽きていた。いつも姉は自分を離そうとしない。最初の頃はそのうち離れてくれるだろうと思っていたが、その気配は全然ない。このままでは自分にとっても姉にとってもダメだろうと思い始めている。
「ん?瀬音どうしたの?浮かない顔をしているよ?悩みがあるならお姉ちゃんにいつでも言ってね」
「いや別に悩みなんてないよ。ただそろそろ起き上がりたいなあって」
「あっごめん瀬音。瀬音に乗ったままだったね。ごめんね瀬音」
そうしてやっと愛葉から瀬音は開放された。
そして二人は朝ごはんの準備をし、学校へ行った。

346  名前 : 転生モノ ◆Oc340crnMs : 2012/08/19(日) 23:34:03 ID:fe39293a3  [sage]
「はぁ・・・」
学校の放課後に瀬音はため息をついた。今日も昼休みに姉に昼飯を付き合わされたのである。これが毎日だ。そして彼はいつも姉のブラコンを治すにはどうすればいいか悩んでいるのである。
「どうしたの?瀬音くん」
そう言って話しかけてくれたのは瀬音の親友である 佐藤 彩(さとう あや)であった。
彼女とはこの学校に入ってから仲良くなり親友と呼べる間柄になった。ただこのことは姉に内密にしている。なぜなら姉が彩に対していい感情を抱くどころか敵意をあらわにし、事態がこじれるのは容易に想像できることだからである。
「彩さん。その・・・悩みがあって」
「悩み?私で良ければ相談にのるよ」
「ありがとう、彩さん。その悩みというのはお姉ちゃんのことなんだ」
「お姉さん?あの才色兼備のお姉さん?」
彩は姉に関して悩んでいると言われ、少し戸惑った。あの生徒会長もやっており
成績はいつも何をとっても一位。そして性格もよく人望も厚い。文武両道、才色兼備という言葉が似合う女性 海東 愛葉(かいとう あいは)。そんな彼女に関して彼が悩むことが想像できなかったからだ。劣等感からくる悩みかとも思ったが瀬音はそんなことで自分に相談する性格とは思えなかった。
「うんそうなんだ。言いづらいことだけど、お姉ちゃんは・・・その過保護というかなんというか・・・いつも僕にかまってばっかりだし、自分の時間もロクにとってなさそうだし・・・このままじゃダメだと思うんだ。僕も大きくなったんだし姉さんは弟離れしなければいけないと思っていて・・・」
「なるほど」
話は飲み込めた。つまり姉が過保護で困っている。そして自分は姉離れ、姉は弟離れしなければいけない。その方法を教えて欲しいといったところだろう。
「僕も姉さんに弟離れしてもらおうとしているんだけど、なかなかうまくいかなくって・・・」
「ちょっと待って。お姉さんが過保護なのはなんだかんだ言ってそれに甘えている瀬音くんがいるからじゃないかな」
「えっ」
瀬音は面食らっていた。自分が姉に甘えているなんて思ってもなかったからだ。
「例えばお姉さんが瀬音くんに過保護になったとするじゃない?瀬音くんは毅然とそれに対して断る?」
「それはそのう・・・」
「なんだかんだ言って流されてしまっているんじゃない?だからお姉さんも瀬音くんはまだまだ子供だと思って過保護になっちゃうんじゃないかな」
「そういう考えはなかったなあ。ありがとう彩さん。僕一人で悩んでいても思いつかなかったよそれは」
「どういたしまして。で、一番いいのは一人暮らしすることだと思うけれども、それはまだ無理だろうから、瀬音くんが自分一人の時間を持つことから始めてみれば?」
「う~ん、でもどうやろう。家にいるならお姉ちゃんが来るし・・・」
「そのう・・・なら今度の日曜日、私と一緒にどこか行かない?」
そう彩は顔を少し赤らめて言った。
「えっ?いいの?僕のために時間使っちゃって?」
「べ、別に日曜日何かしていたわけでもないし、いいよ」
それに瀬音くんと一緒のほうが楽しそうだしと小声で彩は言ったが瀬音には聞こえていなかった。
「じゃあ今度の日曜日よろしくお願いするね」
そう瀬音が言うと彩はうんと消え入りそうな声で言っていた。
(えへへ瀬音くんとデートだ)
そして瀬音は気づいていなかった。

そしてしばらく時間や場所などを話し合い、今日は別れることとなった。
「じゃあね彩さん。また明日」
「うん日曜日、よろしくね」
そう言って教室から瀬音は離れた。早くしないとそろそろ姉が「瀬音~。遅いからお姉ちゃん来ちゃった。」
思った矢先にきた。姉に彩と一緒にいるところを見られなくて瀬音は内心ホッとした。
「ごめん、ちょっとたそがれてて」
苦しい言い訳だと思ったが、掃除当番と言っても頭のいい姉のことだ。おそらく後々矛盾に気がつくだろうと思いこういった。
「もう、それならお姉ちゃんに言ってくれればよかったのに。言ってくれれば一緒にたそがれることができたのに~」
「ごめんお姉ちゃん。今度はちゃんと言うよ」
苦しい言い訳だと思ったが案外うまくいった。今度はぼ~っとしてたというかなどと思っていたら姉は腕を組んできた。
「えへへ~瀬音と腕組んじゃった~」
「お姉ちゃん・・・」
ため息をつきながら瀬音はそう言った。
(さっき言われたばかりなのにここで拒絶できないのはやっぱし僕がお姉ちゃんに甘えているからかなあ。まあしばらくはこれでいいか)
そう思う瀬音だった。


時は変わって夕食時
(えへへ~やっぱし瀬音は可愛いなあ。最近凛々しさも出てきたかしら?そういえば前世ではすごくかっこよくて優しかったなあ~私のことを第一に考えてくれてて、そのへんの花で編み物作ってプレゼントしてくれたりとか・・・こんなものでごめんっていってたけれどもあれは干して保存したなあ。生まれ変わっても誕生日とか記念日には必ずプレゼントくれるのよね~。いつもお世話になっているお姉ちゃんにって えへへへ~前世の記憶がなくても性格は変わらないのね。うふふふ~あなたの妻は前世よりさらに魅力的になりましたよ~栄養状態が良かったから前世よりグラマーになったし、頑張って学とか茶法とか生花とか名誉とか権力とかその他諸々のものを身につけたし二度目の処女が欲しいならいつでも言っていいんだよ?あと胸が大きくなったから胸で挟んですることもできるのよ。妊娠とか心配なら胸でできるよ?あとお尻の穴とかも。前世でもしたよね?あと口でするのとかも。そろそろそういうのが気になる年齢だろうし、初射精は私が・・・キャーもう幸せ~)
「・・・さん、姉さん」
「ひゃい!?あっ瀬音ごめんね?ちょっと考え事してたから反応遅れちゃったってあれ?
瀬音今なんて?」
「姉さんって読んだんだよ?あっ呼び方?僕も大人になってきたしいつまでもお姉ちゃんって呼べないかなあと思って」
「へ~そうなんだ。こうやって大人になっていくのね」
「うん、それはそうと今度の日曜日出かけようかなあって」
「今度の日曜日出かけるの?う~んじゃあどこへ行こうかしら」
愛葉は瀬音と二人で出かけると勘違いしているのである
すかさずその勘違いを正す。
「違うよ姉さん。僕一人で出かけていんだ。その・・・姉さんにサプライズでプレゼント買いたくて・・・だから一人で出かけたいんだダメ?」
嘘は言っていない。瀬音は愛葉にプレゼントを買うつもりだ。ただし佐藤 彩(さとう あや)と二人で。家から出るときは一人なのだから嘘は一言もついてない。ただ愛葉に勘違いをさせる意図があるのは間違いない。こうでも言わないと一人で外出させてもらえないとはいえ、それが瀬音の心には痛かった。
「う~んじゃあいいかな。えへへ~サプライズプレゼントかあ~楽しみに待っているよ。いつからいつまで出かける予定なの?」
「昼過ぎからだいたい三時ぐらいかな。もしかしたらそれより遅くなるかもしれないけれど、遅くても4,5時には帰るよ」
「分かった~えへへへ~プレゼント・・・どういうのかな楽しみだな~」
瀬音は愛葉のこういう姿を見てますます心がいたんだ。
(でもこのままじゃ僕にとってもお姉ちゃんにとっても駄目だよね。ごめんねお姉ちゃん。プレゼントは奮発して買うからそれで許してね)
一方愛葉は・・・
(サプライズプレゼントだなんて、楽しみだなあ~。あ~んもう幸せ。二度目の生はすごく幸せだよ~あっでも気をつけないとまた社会とか他人とかにこの幸せを壊されるんだし、
気を引き締めなくちゃ。でも可愛い瀬音も好きだけど、こう凛々しい瀬音もいいな~。
可愛い瀬音は前世では知らなかった、あっ子供の時はこんな感じだったのかなあって魅力があったけど、凛々しい瀬音は前世を思い出して、こうもう、なんというか幸せだよ~こうやって私の旦那さまになるのね。えへへ~瀬音のお嫁さん・・・前世では結婚式なんて挙げれなかったけど今度はパーっと挙げたいな。でも姉弟だからとか言うわけのわからない理由で結婚認められないのよね。もう本当に社会というやつはなんでこう・・・ああもうダメダメこんなの考えてたら幸せが逃げちゃう。結婚式は和風にしようかな、それとも洋風にしようかな。ウエディングドレスとかもよさそうだなあ~ああっでも着物も魅力的だしどっちにしよう~こうなったらどっちもしちゃおうかな。まあこれぐらいの贅沢はいいよね。幸せになるんだから今度こそ)
そんな瀬音の考えなど知る由もなかった。

347  名前 : 転生モノ ◆Oc340crnMs : 2012/08/19(日) 23:35:28 ID:fe39293a3  [sage]
「じゃあいってらっしゃい。瀬音。知らない人にはもちろん知っている人にもついていっちゃダメよ?他人なんてどうせ信用出来ないんだし、あと帰ってくるときには電話入れてほしいな。あと携帯電話、もし何かあったらお姉ちゃんに電話するのよ?分かった?」
「わかったよ。じゃあいってきます」
「いってらっしゃい~」
そうやり取りし、瀬音は彩との待ち合わせの場所へ向かった。
待ち合わせ場所へ瀬音が行くとすでに彩はいた。
「あっごめん待たせちゃったかな」
自分に付き合ってもらっているのに待たせたのは悪いと思い瀬音は謝った。
「大丈夫、さっききたばかりだから」
そう彩は顔を赤くしながら言った。
「じゃあ、行こうか」
瀬音がそう言うと、彩はうんと顔をうつむき気味に言った。

「えっと姉ちゃ、姉さんへのプレゼントはっと」
「こういうの喜ばれるんじゃない?」
「あっそれいいかも」

「ゲームとか僕、苦手なんだよね。あのぬいぐるみ取れるかなあ」
「頑張れ~瀬音くん~」
「いけいけ、あっダメだった」
「じゃあ今度は私がするね」
「わぁすごい一発で取った」
「運が良かっただけだよ」

「う~ん、どれにするか迷っちゃうな~」
「私はこれにしようかな」
「結構量が多いね。甘いもの好きなんだ」
「えっいや、いつもはこんなに食べないんだよ!そ、そのせっかくだから今日だけはたくさん食べようと思っただけで・・・」
「今ならカップル割引とカップル専用のメニューがありますが、いかがでしょうか」
「えっ、かかかかカップルだなんて」
「じゃあカップル専用メニューをお願いします」
「えっ瀬音くん!?」
「あっもしかして嫌だった?お得だなと思って頼んだんだけど嫌ならやめるよ?」
「あっいや、そういうことじゃないの。じゃあそれで」



「ふぅ今日は楽しかったよ。付き合ってくれてありがとうね、彩さん」
「いえいえこちらこそ楽しかったです」
帰り道二人は会話をしていた。
「あとこれ。今日のお礼」
「わぁ、いいの?プレゼントなんて」
「彩さんに付き合ってもらったんだし、これぐらいは当然だよ」
「ありがとう」
そう言う彩の顔は紅潮していた。
「あの・・・その・・・瀬音くん」
「なに?彩さん」
彩はしどろもどろになりながら言葉を続ける。
「今日は楽しかったです。それで、もしよろしければ私とお付き合いしませんか」
「えっ付き合うって?」
「その・・・男女の付き合いというものを・・・」
「えっ」
しばし二人の間に沈黙が流れる。彩は顔から湯気が出そうなほど顔が火照っている。
先にその沈黙を破ったのは瀬音であった。
「僕でよろしければ喜んで受けます」
「えっ・・・それじゃあ」
「これからよろしくお願いします彩さん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
こうして二人は付き合うことになった。

「じゃあ、また明日」
「またね彩さん」
本来なら、もう少し一緒に帰れたのだが、ここで別れておかないと愛葉に見つかる可能性があるので瀬音は彩と別れた。
(しかし、今日は、いろいろな記念日だったなあ。姉離れの一歩を踏んだ記念すべき日、彩さんと付き合う事になった日。でもまさか彩さんに告白されるなんてなあ。彩さんとなら上手くいけそうだし、人となりは知っているし、それになりより一緒にいて楽しいし、
付き合ってもいいな。あと機を見て姉ちゃんにも報告するか)
その日の瀬音の足取りは軽いように見えた。



最近、瀬音の様子がおかしい。何かにつけて一人でどこかへ行くようになった。他にも私を避けている気がする。前と同じようにキスをしようとしても、してくれないし抱きついてもすぐ離れちゃう。もしかしてあれかな、倦怠期ってやつなのかな。とりあえず瀬音に聞いてみるかな。
「ねえ、瀬音」
「何?姉さん」
ああっ、瀬音可愛くてかっこいい~じゃなくて
「瀬音、最近私のこと避けてない?めっきりスキンシップとかも減っているし、私何か悪いことでもしたかな?もしそうなら謝るけれど・・・」
そう言うと瀬音は何か考えて、よし言うかと呟いてた。どうしたのかな、何か悩みでもあるのかな。
「その、彼女ができたんだ」
えっ今なんて言ったの?カノジョ?ああ何だ。私の気を引くための嘘か。瀬音は私の夫なんだし彼女なんて出来るわけないしね。きっと私が瀬音にあんまりかまってなかったから
嘘なんて言ったんだね。ごめんね瀬音。最近、生徒会の仕事とか忙しくてかまってあげてなかった気がするし、じゃあそうと決まれば今度の日曜日に一緒にデートしようか。あと一緒にお風呂に入ったりとか・・・うふふ、久しぶりだから今から考えただけで胸が飛び出しそうだよ。でも構ってくれないからって嘘をつくなんてまだまだ子供だな~。ふふまあそういうところも可愛いのだけれども。
「もう瀬音ったら、お姉ちゃんにかまって欲しいなら、そうといえばいいのに」
「えっいやなんで、うぷ」
あ~もう可愛い瀬音、お姉ちゃんのおっぱいはどう?大きくて柔らかいと思うんだけど
このままお姉ちゃんを押し倒して、グチュグチュに犯してもいいんだよ?ああもう瀬音可愛い可愛い可愛い。もう私が押し倒しちゃおうかな。押し倒して瀬音のおちんちんで・・・えへへへ久しぶりの騎乗位・・・いいかも。いやでも初めては瀬音からやってほしいなあ。
瀬音からお姉ちゃんお姉ちゃんって。とりあえずお風呂に入ろう。久しぶりの瀬音の裸・・・理性持つかな。
「えへへ瀬音。久しぶりに一緒にお風呂に入ろうか」
「えっなんで」
「もうお姉ちゃんの口から言わせるつもり~?本当はわかっているくせに~」
瀬音、愛してる。



嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
何あの女?急に現れたかと思ったら瀬音と付き合っているなんて、
それに何様?あの女?瀬音にくっつきすぎ?瀬音が嫌がっている?
瀬音と私は夫婦なんだし一緒にいるのは当たり前でしょ?あと瀬音が嫌がっているわけがないでしょ。他人のあんたに瀬音の気持ちがわかるものですか!私は瀬音とは前世からの
付き合いなんだよ?その仲に急に割り込んで来るなんて、非常識にも程が有るわ。まあ雌犬風情に知性とか常識とかを求めるのが酷だったかしら。あと瀬音はなんで私を拒否したんだろう?姉弟なのにおかしいよなんて言ったんだろう?そもそもなんであんな女なんかと・・・私のほうが胸大きいし、天才と呼ばれる私に叶うほどのものがあるなら噂にならないはずがないし、そもそも私達のほうが付き合いが長いのに・・・もしかしてあの女に何かされたんじゃ・・・そうでもなきゃ瀬音が私を拒否して、あまつさえ離れようとなんてするわけないし・・・そういえば瀬音はまだ帰ってこない。もしかしてあの女に監禁されているんじゃ!?待っててね瀬音。今助けに行くからね。

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最終更新:2012年08月22日 11:59
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