ある母の日記

126 ある母の日記 sage 2008/01/18(金) 15:30:47 ID:fqC3moSK
4月X日
娘の様子がおかしい。
具体的に説明することは難しいけど、娘が息子に向ける眼、見覚えのある光りが宿った眼、あれは妹が兄にするモノじゃない。

5月X日
この一ヶ月、私は慎重に娘の様子を観察した。
無邪気を装って息子に抱き着いて主張し始めた胸を押し当てる、幼さを武器に息子の布団に潜り込む‥、
それ以上に、私が息子と話している時に、私に向けられる嫉妬に狂う女の眼、昔の自分が思い起こされる。
娘はまだ小学生だ、早めに手を打たないと、

7月X日
息子の進学に全寮制の高校を奨めた。全部屋個室ということもあり、息子も乗り気なようだ。息子の独り立ちに淋しさも覚えるけど、これがいいんだ。
娘の眼の光りが本物になる前に二人を離さなければいけないのだから。

7月X日
息子の進学先を娘が知ったようだ。
様子以上に取り乱し泣き喚いたが、これも娘の為、今は心を鬼にしよう。

8月X日
息子の懸命な説得があり、娘は表では落ち着いた様子を見せている。
私に送る憤怒と憎悪の視線を除けば。
こんな時、昔の私ならどうしただろう。

8月X日
邪魔者、娘から見れば私はそう写るのだろう。
前以上にお手伝いに励む娘、殺気が隠せてない。私に向けられる笑顔、憎悪が溢れている。
おそらく娘は、かつての私と同じことをする、今はその準備段階。
何故か恐怖より歓喜を感じる。
8月X日
明日、娘に殺される。
理由は分からないが、確信していいだろう。
私が始末してきた泥棒猫達がそれを知ったら、何を言うか、因果応報、子供の教育もできない馬鹿親とでも言うか、何を言われても嘲笑いしそう。
この結果は私とあの人が遺伝子で結ばれていた証拠、永遠に一つになる為の儀式なのだから。

最後に、娘に一つだけ忠告しておかなくては。
遺体の始末には注意しなさい、と。

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最終更新:2008年01月20日 13:28
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