エイプリルフールネタ

615 エイプリルフールネタ sage 2008/04/01(火) 05:41:16 ID:+4nkimu2
コンコン。
不意に部屋の扉がノックされる。
まぁ……誰かは想像つくが。
「入っていいぞ」
ゆっくりドアが開き、続いて妹が入ってくる。
毎日毎日懲りない奴だな。
どうして毎日毎日、何が面白くて実の兄の部屋に来るんだか。
「またお前か……」
「またって!お兄ちゃん酷い!!」
「だってそうだろうが……、毎日毎日俺の部屋に来やがって一種の嫌がらせか?」
「またまた、お兄ちゃん嬉しい癖に~」
「いや、全然嬉しくない」
きっぱり言い切る。
「……」
「はぁ~、漫画みたいに幼なじみいたらなぁ。なんで妹なんだか……」
妹は急に俯いたと思えば無言のまま俺に近付き、互いの息がかかるぐらいの距離で俺と正面から対峙する。
妹の上目使いの大きな瞳が揺れ動く。
ゆらゆら、ゆらゆらと。
「どうして私がお兄ちゃんの部屋に毎日来るのか知ってるんじゃないの?」
「あれだろ…嫌がら……
妹の指が俺の唇に触れ発言を遮ると、そのまま妹は背伸びをして囁く。
「教えてあげようか?」
「はは……何をだ?」
妹が腰に抱きつき、耳のすぐ傍で囁く。
「私はお兄ちゃんが大好きなんだよ」
「なっ……」
「だから毎日毎日お兄ちゃんの部屋に来るんだよ。お兄ちゃんの匂いが嗅ぎたくて、お兄ちゃんをずっと見ていたくて」
頭が真っ白になりそうになる。
ずっと妹だと……。
それが当たり前だと……。
思っていたのに。
「なーんてね、嘘だよっ!」
「へっ?」
抱きついていた妹は傍を離れて楽しそうに笑っている。
まるでいたずらが成功した子供のように。
何もかもが急すぎて頭が整理出来ない。
「さて、今日は何日でしょう?」
「えっと…4月1日。あっ!!」
「ピンポーン。エイプリルフールでしたっ」
「こいつっ!」
「真っ赤になったお兄ちゃん可愛かったなぁ~」
ニヤニヤ笑ってやがる。
この悪魔めが。
なんか無性に腹が立ってきた。
つまりはこいつに遊ばれてた訳だ。
「ゲーセン行ってくる」
だから気分転換に行こう。
それが一番だ。







真っ赤に怒りながらお兄ちゃんが部屋から出ていく。
玄関が開きお兄ちゃんが出て行った音を確認してから、お兄ちゃんが普段使っているベッドに身を投げる。
お兄ちゃんの香りが凄く心地よい。
「ねぇお兄ちゃん……大好きっていうのは嘘なんだよ」



616 エイプリルフールネタ sage 2008/04/01(火) 05:42:20 ID:+4nkimu2
だって……。
「私は狂おしいほどお兄ちゃんを愛してるんだから」
大好きなんていう子供染みた言葉はとっくに越えたの、それからねお兄ちゃん。
もし幼なじみが居てもきっと変わらないよ?
私とお兄ちゃんの邪魔する人はこの世界にはいらないんだから。
そう考えるとお母さんもお父さんも邪魔かな?
まぁ……お兄ちゃんを産んでくれた事には感謝してるけど、私達の邪魔したら処分しなくちゃ。
はぁ~悩み多い乙女心は辛いなぁ。
それも全てはお兄ちゃんの為だから頑張るね。
だからねお兄ちゃん早く私の心に気付いて。
貴方を狂おしい程愛してる私の心に。

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最終更新:2008年04月06日 21:38
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