キモートコントロール

529 キモートコントロール (1/6) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/09/18(金) 17:41:33 ID:08ytKLl7

「い゛っ……! ぐぅ……!?」
 アパートの部屋で唯一、月明かりの差し込む寝室のベッドの上で。
 俺の身体の下で、妹の操(みさお)が半裸で、よがり続けている。
 齢不相応の大きめなバストを零し、下半身は何も穿いちゃいない。
「ほらっ! ほらほらイっちゃえよっ! 喘げ喘げ狂えっ!?」
 俺はそんな操の上に覆いかぶさって、遠慮なく陰茎をぶち込んでやる。
 腰を動かして抜き差しするたびに、操の穴から愛液が溢れ出してくる。
「兄ちゃ……っ、もうや、やめ……」
「あっははははっ! やめるわけ――やめられるわけないだろっ!?
 おまえの身体、こんなにも気持ちいいんだぜ? もう最高だよ!!」
 嫌がっている実の妹を押し倒して、無理やり性行為を迫って生中出し。
 もう最初の夜から2週間以上、毎晩こんな背徳の宴を繰り広げている。 

「うっ、ふおぉっ!? そ、そろそろ出るぞ……!」
「ひゃぁ……、ナカは、膣内はらめぇ……」
 嫌がるそぶりをみせる操。けれどその言葉とは裏腹に、操の身体は反応する。
「うっ……、ははっ! 散々ぎゅうぎゅう搾っといて、何言ってんだよ?
 ほらほら、大好きな兄ちゃんの濃厚精子、ちゃんとナカで受け取れよ?」
 そう言いながら、操の耳元に近づいて、ダメ押しの一言をかけてやる。
「――そんでもって、妊娠して俺の子でも孕んだら、嬉しいかもな……?」
「――!?」
 俺の最後の言葉に反応して、操の膣内が一番きつい状態まで締まってくる。
「んぐあぁ!? きゅ、急に締まって、絡みつく……!?」
「いひゃ……、らめなの、らめなのにひいいぃぃぃぃ!?」
 当然そんな反応に耐えられるわけもなく、また耐える道理もない。
 俺は操に求められるままに――妹の膣内に、大量に射精した。
「あ、あ、あちゅいぃぃ!? にいひゃんせ~へき、いっぴゃ……あぁ!?」
「くぅ……!? はっ、ほらほら操っ!? 腹いっぱい飲めよ!!」
「ふ、うぅん! にいひゃんせ~へきごきゅごきゅして、ころもはらんじゃうぅ!?」
「ははっ、いいよ孕んじまえっ!? 大好きだぞ操ぉ♪」
 なおも搾り取ろうとする操の身体を抱き寄せて、ぎゅっと強く抱きしめてやった。

 ようやく全部射精し終わったので、操の膣から俺の陰茎をぬるりと抜き取る。
 それと同時に、今夜出した精液の半分くらいが、操の膣口から溢れだした。
 そんな光景をニヤニヤと眺めてやると、操はますます顔を赤らめて恥じらう。
 まったく、何度抱いてやっても、この初々しさはたまらない。飽きが来ない。
「ははっ、相変わらず、おまえの身体は最高に気持ちがいいよ。
 また明日もたっぷりと犯してやるから、楽しみにしていろよ?」
 そう言いながら、操の唇に少々乱暴に口づけをする。
 最初は身をよじっていた操も、結局俺のなすがままにされる。
 我が妹ながら、こういうところが可愛らしくて、つい苛めたくなるんだよ。
「それじゃあ、またいつものように、朝にでも起こしてくれよ?」
 その言葉を最後に、俺は操の身体を抱きしめたまま、眠りに落ちた。
 最後に「良い夢を見てね」と、操に囁かれたような気がした。


530 キモートコントロール (2/6) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/09/18(金) 17:43:16 ID:08ytKLl7

 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ―

 私の頭の上あたりで、兄ちゃんの規則正しい寝息が聞こえてくる。
 どうやら、完全に意識を手放して、眠りこけているみたい。
「亮(とおる)兄ちゃん、今夜もいっぱい、お疲れ様♪
 それじゃあ私も、いろいろな証拠隠滅、今夜もがんばらないと」
 とりあえず兄ちゃんの腕の隙間から抜け出して、後始末を始めよう。
 まずは2人分の体液で濡れたシーツ。それから強引に剥ぎ取られた下着類。
 そして今も兄ちゃんの陰茎と、私の膣からこぼれおちる――精液。
「えへへっ♪ こぼれて床に落ちちゃった。もったいないなぁ~?」
 ずじゅるる――とはしたない音を立てて、床から精液を啜り取る。
 それだけで私の頭の中がオカシクなって、また絶頂に――♪

 到達、気絶。再起動、復帰。作業再開。

「――さてと、こんなもんでいいかな?」
 とりあえず私たちの性交の痕跡は、これであらかた片付いた。
 時計を見るともうすぐ6時半。そろそろ学校に行く時間だ。
 最近片づけの手際に反比例して、片づけの時間が長くなってきた。
 今日も途中でイっちゃって、兄ちゃんの横で4時間くらい気絶しちゃったし。
「……ん~、むぅ~……」
 おっといけない。そろそろ兄ちゃんが目を覚ますみたいだ。
 急いでお布団の中に潜り込まないと、いろいろばれちゃう。
「……う~、おはよう操~」
「あ、おはよう兄ちゃん♪」
 目を覚ました兄ちゃんが、寝ぼけ眼で私におはようって言ってくれた。
 夜中の鬼畜ぶりとは正反対の、どこかヌけていて優しい兄ちゃんだ。
「で、なんで俺はおまえの真横っつーか一緒の布団で寝てるんだよ?」
「ああもう、兄ちゃんってばまた寝ぼけて、私の部屋に来たんだよ?
 しかも遠慮なく布団に忍び込んで、私を抱きしめて眠るんだもの。
 なんだか怒るのも馬鹿馬鹿しくなって、一緒に寝てあげてたのよ?」
 まあ本当は、抱きしめる以上の禁断の行為が、繰り広げられてたけどね。
 でもそれを、今の兄ちゃんは覚えていない――思い出せやしない。

 だって、思いだしたら兄ちゃん、また壊れちゃうもん、ね?

「ああそっか。悪いな操、毎晩寝ぼけておまえに迷惑かけちゃってさ?」
「なぁに水臭いこと言ってんのよ? 私たちは兄妹なんだから。
 ちょっとくらい迷惑かけられても、兄ちゃんならオッケーだよ♪」
 兄ちゃんの腰に両腕を回して、軽く抱きつきながら、頬にキスをする。
 そんな私の行動に少しだけ身体を震わせ――怯えながら。
 それでも兄ちゃんは、私を愛おしそうに抱きしめてくれた。
「さあ、じゃあそろそろ起きて、朝ごはんでも食べないとな?」
「そうだね♪ じゃあ兄ちゃん、また私がピアスをつけたげる♪」
 そう言いながら、私は兄ちゃんの正面20センチ前に陣取る。
 そしていつものようにピアスを拾って、兄ちゃんの耳を弄る。
 これは私が10日前に、兄ちゃんにプレゼントしたお手製のピアスだ。
「またそのピアスか~? 確かに好きなデザインだけど、たまには別の――」
「ダメだよっ! 妹のプレゼントなんだから、いつも身につけなさいよ!?」
 これをつけてくれていないと、私はちっとも安心できないんだからね?
「はいはい、もう俺は観念しましたよ~っと」
「ほら、じっとしてて――よしできたっ♪」
 兄ちゃんの耳に着けたピアスを眺めて、私は満足に微笑んだ。
「じゃあ兄ちゃん、早く着替えてご飯食べて、学校行こ?」
「ああもう、そんな急かさないでくれよ~」
 いつもどおりにじゃれあいながら、私たちはご飯を食べて、学校に行った。


531 キモートコントロール (3/6) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/09/18(金) 17:45:02 ID:08ytKLl7

 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ―

「ふわああぁぁぁ……、やっと授業が終わったよ……」
 6限目が終了して、思わず大あくびをかいてしまった。
 なんだかここ2週間のあいだ、毎日クタクタでしょうがない。
 よくわからないけれど、ほんの少しだけ記憶が飛ぶような気がする。
 その間は、なにか圧倒的に気持ちいいことがあったような気もする。
 経験はないんだけど、性行為の直後みたいな気分というか……。
 でもそれも些細なことだし、気付いたらちゃんと布団で寝てる。
 ――まあ、毎回妹の布団で並んで寝ているのは、気になるけど。

「ん~、やることもないし、そろそろ帰r」
「あ、あのね久沓(くとう)君っ! 今日これから、遊びませんかっ?」
 不意に自分の名前を呼ばれて、俺は緊張しながらも振り向いた。
 緊張するのはしょうがない。声からして相手は綾鳥(あやどり)さん――
 俺が4月からずっと片思いしていた、クラスメイトの女の子だからだ。
「えっと、綾鳥さん……。その、俺なんか誘ってくれて、ありがとう……」
 ああ俺、空気読めよ馬鹿野郎。うまい返しが思いつかない。
「あの、うん。むしろ、久沓君じゃないと、ダメっていうか……」
 うわ、めっちゃ嬉しい。俺の片思いが報われた、そんな気分だ。
 何故か心の片隅で、操のことが気にかかるけど、まずは返事を――
「あ、ああそれならよろk」

――パチィ……!

 答えようとした瞬間に、俺の左の耳元で、何かが弾ける音と感触を感じた。
 直後に俺を襲ったのは、一瞬の脱力感、頭痛と眩暈と軽い動悸。
 そしてその後には、とある夜の記憶と、それに対する欲求が蘇る。
 みさお――大事で愛おしい、俺の妹、操。あいつを、可愛がりたい。
 反比例するように、綾鳥さんに対する感情が、薄れてしまっていく。
 俺は何も考えずに、ただ思いつくだけの科白を、綾鳥さんに吐いた。
「……えっと。悪いんだけど、俺はもうウチに帰らなきゃならないんだ。
 毎日放課後は妹の操と、一緒に遊んでやるって約束があるんだ。
 だから悪いんだけど、もう俺のことを誘わないでくれたら、嬉しいかな?」
「え……?」
 目の前の綾鳥さんが、顔面蒼白になってこちらを見てくる。
 我ながら、好きだった女の子に対する態度じゃないな、とは思う。
 でもこれ以上、無駄に弁解する必要も義務もないし、まあいいか。
 そう思って席を立ち、呆然とする綾鳥さんの横をすり抜けようとして――
「ちょっと待ちなさいよ、久沓くん! あんた何よその態度は!?」
 やかましい声に振り向くと、クラスの委員長(名前忘れた)が仁王立ちしていた。
 この女は苦手だ。とにかくお節介で喧しい。
 どうせ今回の綾鳥さんのお誘いも、委員長の入れ知恵だろうし。
「なんで断ったのよ!? 黙ってないでなんか言いなさいよ!?
 あんただって、綾鳥さんの勇気とか気持ちとか、知ってたんでしょ!?」 
 ああそうだよ。言われなくても知ってたよそんなこと。
 でも俺には今、綾鳥さんよりも愛しい、妹がいるんだよ。
 だからもう、俺はあいつ以外の人間と、遊びたくないんだよ。

「うるっさいなあ。俺はあんたらと一緒に居ても楽しくないんだよ。
 とっとと帰って、妹と――操と一緒に、楽しく遊びたいんだよ。
 だからサヨナラ、だ。もう2度と話しかけないでくれよ?」
 そう言い捨てて、俺は鞄を掴んで、2人をすり抜ける。
 ふと後ろを見ると、2人はなおも、こちらを見つめていた。
 片方は「気持ち悪い、シスコン野郎」みたいな態度で睨んでくる。
 もう片方はどうしていいかわからず、ただおろおろと泣いている。
 まあ別に――どうでもよくはないけど――早くウチに帰ろう。
 そう思い直して、俺は鞄を抱えなおして、さっさと教室をあとにした。


532 キモートコントロール (4/6) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/09/18(金) 17:46:34 ID:08ytKLl7

 ― ※ ― ※ ― ※ ― ※ ―

「ふぅ~、危ない危ない。やっぱり油断しちゃいけないよね?
 私から兄ちゃんを掠め取ろうとする泥棒猫は、どこにでもいるもの。
 ちゃ~んと私が毎日毎時間毎分毎秒、管理してあげないと、ね?」
 自室で1人でぼやきながら、私は耳元のピアスから手を離した。
 これは私と兄ちゃんがそれぞれ着けている、お揃いのアクセサリー。
 でもその正体は、私から兄ちゃんを一方的に支配できるアイテムだ。
 例えば、私の左耳のピアスは、兄ちゃんの右耳のピアスと繋がっている。
 兄ちゃんのピアスに仕掛けた盗聴器に対応した、受信機内蔵のピアスだ。
 例えば、私の右耳のピアスは、兄ちゃんの左耳のピアスと繋がっている。
 兄ちゃんのピアスに内蔵された、遠隔操作スタンショックのスイッチだ。
 これらのアイテムのおかげで、私は兄ちゃんと安心して離れられるんだ。
 私のいない所でも、兄ちゃんが泥棒猫に喰われないように、守れるんだ。


――過去回想。

 2週間前の夜、私は眠っていた兄ちゃんを、無理やりに犯した。
 だって兄ちゃんが、私の目の前で嬉しそうに、自慢するんだもん。
 なんか片思いしてた女の子が、自分に好意を持ってるって噂だけで。
 だからついイラッときて、衝動的に多少強引な手段に出ることにした。
 兄ちゃんはずっと私のものだし、兄ちゃんの妻の座は譲らないんだから。

 そう考えてからの行動は、我ながら迅速だったと思う。
 まあそれも当然で、もう何年も前から、今の状況を想定していたのだ。
 縛るのは可哀そうだからと、お手製の違法改造スタンガンを多用した。
 兄ちゃんが私から逃げようとするたびに、何度も何度もスパークさせた。
 兄ちゃんが私を説得しようとするたびに、何度も何度もスパークさせた。
 兄ちゃんを、私の身体の快楽と、電撃の恐怖で、逃げられなくしてやる。
 そのために、兄ちゃんの射精は全て、私の身体の中で受け止めた。
 ある時は口内で。ある時は膣内で。またある時は……お尻の穴(入口)で。
 射精を受けるたびに、快楽で気絶しそうになる自分の身体を、意思で繋ぎとめた。
 3回目の射精あたりで、兄ちゃんの瞳が光を映さなくなったけど、気にしなかった。
 とにかく無抵抗になるまで――堕ちるまで、犯して、犯して、犯しつくした。

 そんなことを繰り返して、兄ちゃんが15回くらい射精した辺りで、変化が起きた。
 突然今までされるがままだった兄ちゃんが、キレて私を逆に押し倒したのだ。
 一瞬の出来事で、私は全く対応がとれず、手元のスタンガンも奪い取られた。
「ひゃん……!? に、兄ちゃんどうしたの? 一体なんで急に――」
 私の顔しか映していない兄ちゃんの瞳を見たとき、私は半ば覚悟していた。
 兄ちゃんから、反撃とばかりにスタンガンを食らうことを。
 兄妹の縁を完全に切られて、兄ちゃんが私の前からいなくなることを。
 けれど、その次の兄ちゃんの行動は、私の想像とは全くかけ離れたものだった。
 兄ちゃんは私から奪い取ったスタンガンを放り投げ、私の耳元で囁いてきた。
「操、うるさいから黙ってろよ? 俺が今からおまえを、犯してやるからさ?」
 その言葉に唖然とする暇もなく、私は兄ちゃんから、全力で犯されてしまった。
 兄ちゃんからの攻めは乱暴で痛かったけど、それでも私は泣くほど嬉しかった。
「犯されるのは、なんか性に合わないし。おまえの気持ちはよくわかったからさ」
 行為が終わって眠る直前に、兄ちゃんがそんなことを言っていた気がする。


533 キモートコントロール (5/6) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/09/18(金) 17:48:13 ID:08ytKLl7

 そして次の日の朝、兄ちゃんはなぜか、何も覚えていなかった。
 私にあれだけ犯されたことも、私をあれだけ犯したことも、全部忘れていた。
「あ、おはよう操。朝ごはん先に食べてるぞ」
 その瞳には、実の妹に犯された絶望も、実の妹を貪る狂気も、何もなかった。
 本当に普通に、昨夜の狂宴以前の兄ちゃんに、戻っていた。
「あ、うんわかった。私も……食べる……よ……」
 もちろん、私は納得がいかなかった。
 あれだけ私が、兄ちゃんの精神(こころ)に、傷をつけてあげたことも。
 あれだけ私が、兄ちゃんに耐えられない快楽の記憶を植えられたことも。
 目の前の兄ちゃんは、たかが現実から逃避したいために、忘却していた。
 妹にレイプされ――レイプし返した現実から、逃げ出したいがためにっ!
「許せないな~……、我慢できないな~……!」
 気付いた時には、思わず懐に忍ばせていた、例のスタンガンを握り締めて。
 兄ちゃんの後頭部――を少しずれて、左耳の裏辺りに、電撃を食らわせた。
 また気絶させて、今度こそ耐えられない精神の傷をつけてやるために。

 けれど、兄ちゃんの反応は、またしても私の予想を遥かに上回った。
 兄ちゃんはなぜかその場で倒れずに、踏みとどまったまま静止した。
 確かに咄嗟に使ったから、電撃の威力は弱以下のものだったけれど。
 そうして私が混乱した一瞬、突然兄ちゃんが振り返り、私を押し倒した。
 その力強さと瞳の色は、確かに昨日私を犯してきた兄ちゃんのものだった。
「――朝からとんでもない真似をしてくれたな。痛いじゃないか、操?
 ――まあいいさ。ムラムラしてきたし、またこれから遊んでやんよ?」
 そうして、私は本当に半日かけて、兄ちゃんに犯され尽くした。
 もう2人とも、学校に行くことも、なにもかも忘れていた。


 その後、私は自分なりにいろいろ試して、兄ちゃんの変質を分析した。
 どうやら兄ちゃんは、完全に最初の夜の記憶を、喪ってしまっていること。
 けれど電気ショックを受けた時だけ、一部の記憶が蘇るらしいこと。
 思い出すのは、兄ちゃんが自分から私を犯したことのみであること。
 そして兄ちゃんは、私を犯すこと自体に、何の躊躇もないらしいこと。
 その状態の間は、私以外の女に対しては、そっけなくなるらしいこと。
 その後1度眠るなどして意識を失えば、また元の兄ちゃんに戻ること。
 つまり、兄ちゃんは感電した時だけ、妹以外眼中にない鬼畜兄になるのだ。

 この調査結果を分析して、私は例のピアスを、兄ちゃんにプレゼントした。
 昔から盗聴器付きの装飾品を作っていた甲斐あって、なかなかの一品だ。
 兄ちゃんが私のピアスを着けている間は、兄ちゃんは私の掌の中だ。
 もし兄ちゃんがどこぞの泥棒猫に告白されたら、スイッチを入れればいい。
 もし兄ちゃんが腐れ売女の色香に惑わされたら、スイッチを入れればいい。
 もし私がどうしようもなく欲情した時にだって、スイッチを入れればいい。
 それだけで、兄ちゃんは私だけを見て、私だけを抱きしめ、犯してくれる。
 常にスイッチが必要だけど、私は兄ちゃんに愛されることができるんだ!

 我ながら、奇妙な兄妹関係になっちゃったなぁと、思わないでもない。
 それでも、私は今の関係に満足しているし、絶対に手放す気なんてない。
 なにより、私から兄ちゃんを犯すのじゃないから、僅かの罪悪感も湧かない。
 なにより、兄ちゃんから激しく求められることに、私の身体が反応している。
 どうも私は、自分から犯すより、相手に乱暴に犯されるほうが嬉しいらしい。
 それはそうだ。自分の愛する人から求められることほど、嬉しいことはない。
 無抵抗になった兄ちゃんを犯し続ける将来より、こっちのほうがよほどいい。
 とんだ偶然だったけど、そんな化学変化を起こした兄ちゃんに、感謝しよう。


534 キモートコントロール (6/6) ◆6AvI.Mne7c sage 2009/09/18(金) 17:49:59 ID:08ytKLl7

 そんなことを考えていたら、玄関の鍵が開けられる音が聞こえた。
 私はそれに気付いて、期待に濡れた下着のまま、玄関に出迎えに動く。
 我が家――アパートの部屋の鍵を持っているのは、私と兄ちゃんだけだ。
「ただいま~♪ おまえの大好きな兄ちゃんが帰ってきたよ~♪」
「ん、おかえりなさい兄ちゃ――はむぐっ!?」
 上機嫌の兄ちゃんが、扉を潜るなりいきなり私にキスをしてきた。
 当然舌を滑り込ませるサービス付き。私は抵抗せずに受けいれる。
 誰がみても明らかに、兄ちゃんは私に対して、発情している。
 どうやら今日も、スパークの効果は充分に発揮されたらしい。

「んぐ……、はぁ……っ! とりあえず前戯は、これくらいでいいか?」
「っは……! 兄ちゃん――あの、また今日も……『する』の?」
 数分間ほど私の口内を蹂躙した、兄ちゃんの舌が唇ごと離れた後。
 努めて平静な態度で、何気ない一般家庭の『いもうと』のフリをする私。
 けれど兄ちゃんは自重することなく、私を壁に押さえつけて迫ってきた。
「なあ聞いてくれよ、操? 俺は今、セックスしたくてしょうがないんだ。
 だからさ、今日もこれから、おまえを優しく乱暴に抱いてやるよ?
 これは決定事項で、おまえの返答なんてまったく興味はないからな?」
 その言葉を聞いただけで、私は全身で軽くイったような気がした。
「う、うん……。わかったよ、兄ちゃん……」
「ははは、いい子だな操は。じゃあ今日はご褒美に、お尻の穴を――」
 兄ちゃんから今日のプレイ予定を聞かされながら、下着に愛液が溜まるのを感じた。
 普段の優しい兄ちゃんも好きだけど、私を犯す時の乱暴な科白を吐く兄ちゃんも好きだ。
 もう私は兄ちゃん以外いらない。兄ちゃんを私から手放すことは、絶対にない。
「――で、繋がったままでお尻の穴を朝までいっぱい、弄ってやるよ。
 晩ご飯はいらないよな? 代わりに明日俺が、朝飯を作ってやるさ。
 だから今回は明日の朝まで、ぶっ通しで犯し犯されて楽しもうぜ?」 
「……うん、私はそれでいいよ、兄ちゃん……♪」
 どうせ明け方前に眠ってしまったら、兄ちゃんは約束を忘れちゃうだろうけど。
 それでも私は別に構わないし、何より平時の兄ちゃんにバレない工作は必要だ。
「じゃあ、そうと決まったら、早く寝室に行って楽しもうよ?」
「まったく、エロくて可愛い妹になったな、操ちゃん?」
 誰のせいかしら――なんて、面と向かって言ってやりたい。
 まあ、兄ちゃんのせいでもあり、私のせいでもあるけどね?

「ああそういえば。おまえに大事なことを言い忘れてたな、操」
 今日のエッチに期待を膨らませていたら、突然寝室の前で、兄ちゃんが立ち止った。
「……なぁに、兄ちゃん?」
 立ち止った兄ちゃんは、私を振り向かせて、とても真剣な瞳で言葉を紡いだ。
「……愛してるよ、操。だから一生、俺の傍に居てくれ」
「――!? う、あ、ありがとっ、亮兄ちゃん……!?」 
 感極まって、その場で涙を流す私。そんな私を、兄ちゃんは優しく抱きしめてくれた。
 その科白が、普段の兄ちゃんのものでも、壊れた兄ちゃんのものでも構わない。
「ああもう、泣くほどのことかよ操……」
 どんな歪んだ経緯があったって。例え明日には兄ちゃんが忘れていたって。
 その言葉が貰えただけで、私はいま、世界で一番の幸せ者だ!
「嬉しいもん。泣くに決まってるじゃない、亮にい――ううん、亮ちゃん……!」

――もう絶対に離さない。私だけの操り人形さん。私だけの愛しい亮ちゃん!


                 ― My finger-tip has your heart entirely in my future, too. ―

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最終更新:2009年09月21日 20:35
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