柏崎刈羽原発 地震被害 報道・発表 まとめ

2007-07-25 報道・発表まとめ

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kknpnews

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< 2007-07-24 | 2007-07-26 >


目次

プラント状況および事故報告

東京電力 新潟県中越沖地震の影響について(午後3時現在) 
プール横「オペレーティングフロア」の水拭き取りは 1 号機を除き完了。 2 号機変圧器油漏れ完了。 計 7 台の非常用ディーゼル発電機の動作確認。
東京電力 柏崎刈羽原子力発電所における新潟県中越沖地震に伴う「原子炉施設故障等報告及び電気関係事故報告」の提出について 
6 号機放射性物質を含む水の漏えい、1–7 号機オペレーティングフロア溢水、6 号機クレーン破損、3 号機変圧器火災の 4 件を事故として経産相に報告。
原子力安全・保安院 東京電力(株)からの事故故障等報告書の受理並びに平成19年新潟県中越沖地震における東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所の影響について(第7報) 
6 号機クレーンなど事故報告を受理。 報告書を添付。 25 日プラント状況を受理。
原子力安全・保安院 柏崎刈羽原子力発電所における安全確認の状況について 
6 号機クレーン損傷、 1 号機浸水など確認。
柏崎原発、放射能漏出の恐れ13件も…5件は詳細不明 (読売、15:17) 
東電報告、放射性物質漏れ 2 件の他に、放射性物質の放出につながりかねないグレードのトラブルは 13 件。うち 5 件は詳細つかめず、6 件は復旧作業に取り掛かれていない。『現在は600~700人程度しか出勤できない状態』
☆2007-08-26 リンク張替え。

東電、報道陣に 6 号機建屋内プールなど公開

東電、水漏れの使用済み核燃料貯蔵プールなど公開 (産経、13:10) 
「プールから漏れた水を回収したポリ袋が積まれる中、汚染防護用のナイロン製の作業服姿の職員が紙モップで床の汚れをふき取っていた。」
★ただし東電プレスリリースでは 23 日に 6 号機の拭き取りは完了とされている。
放射性物質ぬぐう作業員 水漏れの核燃料プール公開 (共同、13:23) 
「報道陣は、原子炉建屋内に設置された見学者用ギャラリーから貯蔵プール周辺を見た。」
柏崎原発6号機、水ふき取る作業員 核燃料プール公開 (朝日、15:04) 
6 号機は格納容器を覆うコンクリート製ふたを閉める作業の直前で、クレーンは格納容器の真上にあった。「原子炉内を循環している水を分析しているが、放射性物質の量は異常値を示していない。核燃料に損傷はないと考えている」

東電、1 号機地下浸水の処理方法について発表

柏崎原発1号機、2000トンの滞留水処理に1か月半 (読売、22:23) 
東電、1 号機地下の水をホースなどで 2 号機地下のタンクに移動し、2 号機の「廃液処理システム」を利用する。 1 号機の廃液処理システムは水没して使えない。 放射性物質の濃度が基準以下であることを確認したうえで海に放出する。 また、原子力安全・保安院加藤審議官は現地事務所記者会見で、6 号機のクレーン本体は落下の心配はないとする。

原子力安全委、地質・地盤の調査方法を改訂することを発表

原発の地質調査 手引を改定へ (NHK, 20:20, 動画) 
原子力安全委、地質や地盤の調査の手引を 29 年ぶりに見直し。 近く見直しのための分科会を作って、海底断層の調査方法や調査範囲などについて具体的な検討。
☆リンク切れ。
原発地質調査、手引き見直し 柏崎の事故受け29年ぶり (朝日、17:47) 
耐震指針は 5 年の激論の末に改定されたが、並行して進めようとしていた手引きの見直しまで及んでいなかった。

社民党調査団視察 (22 日) 関連

中越沖地震後の柏崎刈羽原発に行ってきました (伊東良徳) 
2, 3 号機間での道路の盛り上がりは配管のトンネル部分を残して周りが陥没と東電説明。 5 号機から 7 号機の周辺の様子は (この時点で) 公開されていない。 格納容器内への立ち入りは拒否。 6, 7 号機のタービン室と使用済み燃料プール、中央制御室を、一般見学用のギャラリーから視察。
★2, 3 号機間の盛り上がりは出火時の映像で騒がれたものと思われる。
東京電力の事故隠しと「原発安全神話」からの脱却 (保坂展人、ブログ) 
原発副所長、格納容器は目視検査したが写真は取っていない、緊急停止時の運転データはロールペーパーの中にあるとしてそれぞれ提出を拒否。

グリーンピース調査について報告

Kashiwazaki nuclear plant - report from the scene (Greenpeace International, 24 July local time) 
『柏崎原発 — 現地報告』 柏崎での放射線量測定を行った環境保護団体「グリーンピース」のメンバー 2 人の日記調の報告。 オランダ人の一方は理論化学の PhD。 「事故を起こした原子炉のそばに住んでいる人々に差し迫った放射線の危険性がないと宣言するため私たちは 2 日をかけ、多くの時間を野外で過ごした。 わずかに放射線のレベルが上昇する場所をいくつか見つけたが、機械はそれらがトリウムラジウムであると同定した。 どちらも自然に存在する同位体である。 大気中に放出されたと東京電力が認めたヨウ素クロムコバルトはなかった。 原子核の専門家にとっては放射線を見つけることも楽しみのうちである。 もっと別の何かを見つけていたとしたら私の一部分も興奮していただろうことは認めよう。 しかし大部分の私は、地元の人々の気持ちを楽にできるということに安堵した。」 使用している携帯型放射性物質測定器は GR-135 というものらしい。 また最後の段落では IAEA 調査受け入れに触れて、「原子力の推進者としての IAEA の役割は、監視団体としての評判をいくらか落としている。 しかし、彼らは発電所の綿密な調査を行う最良の国際機関である」とも。

経産相調査対策委員会班目委員長、再開の見通しについて述べる

一部運転再開、来年秋以降=地震被害の柏崎刈羽原発-経産省調査委員長見通し (時事、21:03) 
原子力学会倫理研究会で班目 (まだらめ) 春樹東大教授、1基の再開だけでも来年秋までかかるとの見通しを示す。 班目氏は経産相設置予定の「調査対策委員会」委員長に就任予定。
柏崎原発調査委員長「再稼働に1年以上」 (日経、26 日 0:02) 
班目氏、7 基すべての再開は『1–2 年ではとても無理』。 『少なくとも中越沖地震相当の揺れに備える耐震工事を終えるまで運転は不可能』。
中越沖地震:柏崎刈羽原発の運転再開まで1年以上 (毎日、26 日 3:00) 
班目氏、『想定以上の揺れが来たらB、C級の機器は壊れても仕方がないという考え方で作られているが、壊れた個所を全部修理し、安全基準を満たしているか判断する必要がある。今後、委員会で被害状況を調べるが、常識的には1、2カ月で終わるはずがなく、来年の夏の(電力の)心配をしなければならない』。 『地震動の想定を1000ガル(ガルは加速度、現在は450ガル)程度に引き上げる必要があるかもしれない。耐震設計に見直すべき点がないかどうかも委員会で議論したい』。 これに対して東電広報部、『詳細な点検計画を策定しているところで、いつから再開出来るとか申し上げられる状況ではない』。

新潟県、来月、再び立ち入り調査の実施

中越沖地震:柏崎刈羽原発に立ち入り調査 新潟県が方針 (毎日、26 日 3:00) 
新潟県発表、安全管理を調査、把握するため。 活断層や材料力学などの専門家で構成される県の技術委員会委員も同行し、2 日間の調査を実施する。 東電から地震に伴う建屋への影響などを聞き、安全性確保への技術指導を行う。

風評被害関連

東電の対応が風評を被害拡大 (新潟日報) 
県知事、東電の初期の情報発信と説明のまずさが風量被害を大きくした。
☆2007-08-26 リンク切れ。
海外報道の風評被害甚大 サッカー中止で新潟知事 (産経、23:31) 
知事県庁で記者の質問に答えて、セリエ A カターニア来日中止について『日本全体が放射能に包まれているような報道が海外でなされ、サッカーチームの来日中止どころじゃない甚大な風評被害が生じている』。
頭抱える3大都市 風評被害で観光客激減 (産経、26 日 3:30) 
新潟市でも宿泊や海水浴のキャンセルが相次いで被害額は少なくとも約 1 億 6800 万円に上る。 上越、長岡も風評被害。

その他

Japan's Quake-Prone Atomic Plant Prompts Wider Worry (New York Times, Martin Fackler, 25 July local time) 
『日本の地震多発地帯の核施設はさらなる不安を呼び起こしている』初期の騒ぎの後判明した原発の真下に活断層があると思われることなどを紹介。 しかし東電は依然安全であると強調。 『断層を発見できなかったことは我々の側の失敗だった。しかし、いかなる意味でも致命的な失敗ではない。』 一方で、神戸大石橋氏の意見を紹介。 地震の規模は『想定できたしそうしなければならなかった。』 『新しい基準は極めて不十分なものであり、抜け穴だらけだ。』 事業者と監督機関側は柏崎原発は単に不運だったとする。 保安院の佐藤氏『[電力]会社は技術的に原発が建設されたとき可能であった最高のことを行った。』 『すべての活断層を見つけ出したことが 100 % 確かであるということに拘るなら、何も建設できなかっただろう。』
☆2007-08-26 過去記事有償。
中越沖地震:安全に揺れる原発の町振興優先に自問続く (毎日、3:00) 
地元住民に聞く。 柏崎市、刈羽村が昨年度までに受けた交付金は 700 億円以上。 原発関連で約 6500 人の雇用。 『原発で働く人がどこにいるか分からないから、うかつなことは言えない』。 都会のために地方が犠牲になっていると感じる人も多く、『地元の人間が賛成、反対を言っても何も変わらない』。
非常用発電機の試験開始=柏崎刈羽原発-東京電力 (時事、10:44) 
東電、3 台ある非常用ディーゼル発電機の稼動試験、夕方まで。排気口から黒煙が出ることがある。月 1 度の稼動試験が定められている。
中越沖地震:原発被害で地域住民へチラシ配布 東電 (毎日、20:14) 
東電、柏崎市と刈羽村、長岡市の一部の住民約 3 万 8850世帯におわびと現状を説明するチラシを配布すると発表。 また東電の武黒副社長は外国特派員協会で会見、被災状況などを説明。 『安全上、重要な設備での大きな事故は見付かっていないが、設備上、運営管理上の問題を整理して改善したい』。
☆2007-08-26 リンク切れ。
炉心の状況、確認は秋以降 地震でクレーン破損の原発 (共同、21:25) 
東電、クレーン破損で炉心点検が 8–9 月からさらに遅れることを認める。

社説

北海道新聞 原発の浸水*きわめて深刻な事態だ 
☆2007-08-26 リンク切れ。

☆2007-08-26, 2007-08-27 項目整理。
おわり
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