魔道杯Withクロム・マグナ


概要

+ 概要 夏の海の潮風が、あの子の髪をそっとなびかせる。
頬が熱く火照るのは、果たして夏の日差しのせいか。
何かが変わる。夏は、そんな期待感を抱かせる……

期間限定トーナメント「魔道杯 with クロム・マグナ」、いよいよスタート!
4日間行われる魔道杯は、総合報酬、デイリー報酬、累計報酬等、たくさんの報酬を用意して、皆さんのご参加をお待ちしています。

今回の報酬は、いよいよ近づいてきた「クロム・マグナⅢ 臨海学校」に関わる精霊達!
副会長のイツキを始め、番長オブザ番長のエミリアや、ミス クロム・マグナのアーシア、初登場の教師サロメ、イツキの弟アキラ…
平穏な学園生活を送る彼らが、臨海学校を前に思うこととは…!?

魔道杯 with クロム・マグナ」は、7月28日 15:59まで。


報酬

+ デイリー報酬一覧
1位~1,000位
限定Aレアカード
「浴衣副会長 イツキ」× 2
「海の家の男子 アキラ」
「酒飲み教師 サロメ」
    +    
Sレア潜在能力解放カード
「ハイ・エーテルグラス」
    +    
A+レアカード
「ポット・ザ・ゴールデン」
    +      
Sレア進化素材カード
各属性1枚(※1)
    +    
クリスタル3個


1,001位~5,000位
限定Aレアカード
「浴衣副会長 イツキ」
「海の家の男子 アキラ」
「酒飲み教師 サロメ」
    +
Sレア潜在能力解放カード
「ハイ・エーテルグラス」
    +
A+レアカード
「ポット・ザ・ゴールデン」
    +
Sレア進化素材カード
各属性1枚(※1)

クリスタル3個


5,000位~10,000位
限定Aレアカード
「海の家の男子 アキラ」
「酒飲み教師 サロメ」
    +
A+レア潜在能力解放カード
「エーテルグラス」
    +
A+レアカード
「ポット・ザ・ゴールデン」
    +
Sレア進化素材カード
各属性1枚(※1)
    +
クリスタル3個


10,001位~30,000位
限定Aレアカード
「海の家の男子 アキラ」
「酒飲み教師 サロメ」
    +
A+レア潜在能力解放カード
「エーテルグラス」
    +
A+レアカード
「ポット・ザ・ゴールデン」
    +
A+レア進化素材カード
各属性1枚(※2)
    +
クリスタル2個




30,001位~50,000位
限定Aレアカード
「海の家の男子 アキラ」
「酒飲み教師 サロメ」
    +
A+レア潜在能力解放カード
「エーテルグラス」
    +
Aレア進化素材カード
各属性1枚(※3)
    +
クリスタル2個




50,001位~100,000位
限定Aレアカード
「酒飲み教師 サロメ」
    +
A+レア潜在能力解放カード
「エーテルグラス」
    +
Aレア進化素材カード
各属性1枚(※3)
    +
クリスタル1個




100,001位~300,000位
限定Aレアカード
「酒飲み教師 サロメ」
    +
A+レア潜在能力解放カード
「エーテルグラス」
    +
クリスタル1個




300,001位~以下全員
A+レア潜在能力解放カード
「エーテルグラス」
    +
クリスタル1個


(※1)
「太陽樹ユグドラシル」
「蒼海樹ユグドラシル」
「天雷樹ユグドラシル」

(※2)
「木漏れ日の神樹」
「母なる海の神樹」
「天に祈りし神樹」

(※3)
「緋色のドライアド」
「翡翠のドライアド」
「月光のドライアド」


+ 総合入賞報酬一覧
1位~100位
限定Aレアカード
「祭り日の ジョージ&エミリア」
    +
限定Sレアカード
「ポット・ザ・プラチナム」
    +
クリスタル9個


101位~3,000位
限定Aレアカード
「祭り日の ジョージ&エミリア」
    +
クリスタル9個


3,001位~10,000位
Sレア進化素材カード
「太陽樹ユグドラシル」「蒼海樹ユグドラシル」「天雷樹ユグドラシル」
    +
クリスタル7個


10,001位~50,000位
A+レア進化素材カード
「木漏れ日の神樹」「母なる海の神樹」「天に祈りし神樹」
    +
クリスタル5個


50,000位~100,000位
Aレア進化素材カード
「緋色のドライアド」「翡翠のドライアド」「月光のドライアド」
    +
クリスタル3個


100,000位~以下全員
クリスタル2個


報酬カード

+ 報酬カード一覧
個人累計pt報酬
【A】祭りに溶け込む アーシア
最終進化【S】女王の浴衣姿 アーシア・べネット

デイリー入賞報酬
1位~5,000位入賞報酬
【A】浴衣副会長 イツキ
最終進化【S】風雅な副会長 イツキ・マスグレイヴ

1位~50,000位入賞報酬
【A】海の家の男子 アキラ
最終進化【S】男一匹修行中 アキラ・マスグレイヴ

1位~300,000位入賞報酬
【A】酒飲み教師 サロメ
最終進化【S】酒海を干す魔道教師 サロメ・ヌヴー

総合入賞報酬

1位~3,000位入賞報酬
【A】祭りの日の ジョージ&エミリア
最終進化【S】祭エンジョイ ジョージ&エミリア

短編ストーリー


+ 短編ストーリー
+ ジョージ&エミリア
「はあっ!?」
昼下がりの街並みに、ジョージの驚きの声が響く。

クロム・マグナ魔道学園が設立された永世中立都市にほど近い、とある商業都市。
その一画にある、洒落たカフェのオープンテラス。
そこでジョージは、妹のエミリアと向かい合っていた。

「ほ、本当か、エミリア!?」
「うん、ホントだよ」
オレンジジュースのコップを両手でつかみ、こくこくと飲んでから、エミリアはうなずく。
「ほら、これ」

カバンから取り出される、一通の封書。
そこには『クロム・マグナ魔道学園 臨海学校へのお誘い』と記載されていた。

「なんで、姉妹校にいるおまえにこれが……」
「番長オブザ番長だから特別待遇なんだって」
にこにこと告げるエミリアに、ジョージは情けない顔になる。

『番長オブザ番長決定戦』――ジョージは、そこで優勝し、学園の番長になろうとしていた。
しかし、ライバルであるヴォルフとの激闘の末に敗れ、負けを認めた次の瞬間――兄がいじめられていると勘違いして割り込んできたエミリアが、ボロボロのヴォルフをランチボックスの一撃で沈め、番長オブザ番長になってしまったのだ。

以来、『番長オブザ番長の視察』ということで、彼女はたびたびクロム・マグナを訪れている。
天使のように愛くるしい番長の来訪を、学園中の生徒たちは諸手を挙げて歓迎していた。

クロム・マグナの校風は文武両道。生徒たちには授業として戦闘訓練が課されるし、ジョージのようにケンカに明け暮れる不良も多い。
だから、平和な姉妹校に通っているエミリアをクロム・マグナに近づけたくはなかったのだが……

「ね、お兄ちゃん。臨海学校って、どんなことするのかな? 海とか行くんだよね! 海!」
目をきらきらさせるエミリアを見ていると、『もうクロム・マグナには来るな』とか『臨海学校に行くのはやめておけ』などと言えるものではない。

「お兄ちゃんにも、お誘い来てる?」
「ま、まあな」
「やったぁ! じゃあ、いっしょに行けるね!」
「あ、ああ……」

正直、『臨海学校』とやらには嫌な予感しかしない。
なにしろ、あの学園長の発案なのだ。
番長オブザ番長決定戦のときのように、また何かやらかすのではないかと心配になる。
自分1人なら、どんな戦いも受けて立つところだが、エミリアが来るとなると……

「お兄ちゃん? どうしたの?」
ふと考えに沈んでいると、エミリアが心配そうにのぞき込んできた。
「ひょっとして――臨海学校、行くのイヤだった?」
「そ、そんなことはないぞ!」ジョージはあわてて明るい声で答えた。「楽しみで仕方ないくらいだ! エミリアと遊びに行くのは久しぶりだしな!」
「そう? よかった!」

春の花々が咲き誇るような愛らしい笑顔を浮かべるエミリア。
ジョージも、ぎこちなく微笑み返す。

(ええい、何が来ようと構うものか。オレがエミリアを守ればいいだけだ!)

「臨海学校ね、旅館に泊まれるらしいんだけど、近くでお祭りをやるときは浴衣を貸し出してくれるんだって! この日程なら、三日目の夜にはお祭りに行けるかも! ねえ、お兄ちゃん、浴衣って着たことある? わたし、初めてなんだ!」

エミリアが大いにはしゃぐ一方で、ジョージはひそかに決意を固めていた。


<ステータス紹介>
【S】祭エンジョイ ジョージ&エミリア
MAX攻撃力:2453
MAXHP:2221
アンサースキル:
どうだ、うまいか?(残りHPが80%以上でダメージ大UP)
スペシャルスキル:
これ、すんごいおいしいよ!!(4ターン自分自身を徐々に回復する)


<注意>
  • 紹介の精霊は、特別な表記のない限り潜在能力を考慮しておりません。
  • 新スキルや新機能をお使いいただくため、最新Verでお楽しみください。
  • 開催期間は予告なく変更する場合がございます。
  • 報酬として配布されるのは【A】状態になります。


+ イツキ・マスグレイヴ
「ふむ……」

――クロム・マグナ学園、生徒会室。
生徒会のメンバーがそれぞれの仕事にはげんでいるなか、イツキは、紙製の資料を長机に置き、その表紙の完成度をチェックしていた。

表紙には、こう書かれている。
『 クロム・マグナ魔道学園 臨海学校のしおり』と――

「あ、イツキ君」
会計を務める同級生の少女・ニコラが、席を立って近づいてくる。
「しおり、できたんだ?」
「ああ。無難にまとめられた……と思う」
こういった作業は、書記の2人に任せてもいいのだが……
『海の動物とふれあう際の注意事項』が延々と記載されたり、常人には理解不能な天才ご用達の資料になったりする危険性があったため、結局イツキが作ることになったのだった。

「ふぅ〜ん。どれどれー?」
ひょい、としおりを手に取り、ページをめくり始めるニコラ。
「うん。スケジュール、わかりやすくまとまってて、いいんじゃないかな」
「はは、どうも。正直、海に行って勉強するってだけの企画だから、誰が作ってもまとまるんだけどな」

苦笑しつつ、安堵して肩をほぐすイツキ。
ニコラはよく気のつく少女だ。彼女が太鼓判を押してくれたのだから、おおむね問題はないと思っていいだろう。

「しかし、学園長の発案にしちゃ、まともなのが気になるよな……」
「えーと、イツキ君。ふつー、学園長の発案ってまともであるべきだと思うんだけど」
「普通はね」

ところが、あの学園長は『普通』ではない。
『普通』の学園長なら、学園祭の最中に『学園最強の番長、すなわち番長オブザ番長を決める熱いバトル』など開催しない。

「そうだけど……でも、あれ、もともとは……」
ふたりの視線が、同じ方向に向く。
飛び級の同級生・シャーリーと向かい合い、名簿と資料を照らし合わせている屈強な体格の青年……ヴォルフへと。

「……俺のせいじゃねぇからな」
ヴォルフは、こちらを振り向き、困惑げに抗弁した。
「俺は『学園の番長を正式に決めるイベントをやって、それ以外の私闘は禁止する』ってアイディアを出しただけだぜ。それがまさか、あんなブッ飛んだ話になるたぁ……」
「学園長、ノリノリだったもんね〜」
かちゃかちゃと、よくわからない謎の機械を組み立てながら、シャーリー。
「今回も、何かやらかす気かもよー?」

まさか、と笑い飛ばすこともできず、顔を見合わせていると。

「ごめん、みんな。お待たせ」
生徒会室の扉を開けて、生徒会長――リンカが入ってきた。

「いや、ちょうどよかったよ」
笑いかけながら、イツキはニコラからしおりを受け取り、リンカに手渡す。
「これでオーケーだったら、印刷かけるから」
「ありがとう。確認するわ」

うなずいて席に着き、リンカはページをめくり始める。
几帳面な性格を象徴するような、ぴしりとした姿勢が美しい。
芸術的に整った目鼻立ちも相まって、ページをめくるという『動き』がなければ、精巧な人形のようにさえ見える。

――何か気になるところがあったのだろう。ふと、リンカが不思議そうな表情になり、ゆるりと首をかしげた。
『美しく精巧な人形』が崩れて、なかから年齢相応の少女が、ひょっこりと顔を出したよう――そのさまに、思わずイツキはどきりとさせられる。

「ねえ、イツキ。三日目の夜の行事だけど――」
「あ、ああ」慌てて動揺を取りつくろう。「せっかくだし、参加者で花火でもやろうかな、ってさ。こう、浴衣とか、思い思いラフな格好で」
「いいと思うわ」
リンカは、やわらかな微笑みを見せた。

「参加者はそれほど多くはならなそうだから、ごみの回収も問題ないと思うし。
 いい思い出になりそうね」
「そう……だな。うん」
彼女の笑顔を見られただけで、一仕事した甲斐があったという誇らしい気分になる。
そんな自分の単純さにあきれながら、イツキは照れ笑いを浮かべた。

後ろのニコラが、さびしげに目を伏せていることには気づかないまま。


<ステータス紹介>
【S】風雅な副会長 イツキ・マスグレイヴ
MAX攻撃力:2303
MAXHP:2030
アンサースキル:
雅鏡清流剣(2問連続正解でダメージアップ)
スペシャルスキル:
粋なはからい(ジャンルパネルを水属性化)


<注意>
  • 紹介の精霊は、特別な表記のない限り潜在能力を考慮しておりません。
  • 新スキルや新機能をお使いいただくため、最新Verでお楽しみください。
  • 開催期間は予告なく変更する場合がございます。
  • 報酬として配布されるのは【A】状態になります。


+ アキラ・マスグレイヴ
生徒会の仕事を終えたイツキが寮の自室に帰ってくると。
弟のアキラが、金魚すくいにチャレンジしていた。

…………なにやってんの、おまえ
おう、兄ちゃん

なみなみと水をたたえた桶が、部屋の中央に置かれている。
そのなかで悠々と泳ぐ金魚を、アキラは真剣に凝視していた。
見てのとおりよ。今のオレは、『ゴルトフィッシュイェーガー アキラ』ってトコさ!
『金魚猟兵 アキラ』……
一瞬『アリかも』と思ったが、やはりそんなことはなかった。

イツキとアキラは、ともに故郷の農村を出てクロム・マグナ魔道学園に通っている身だ。
そのため、クロム・マグナの学生寮に寄宿し、相部屋で暮らしている。
これまでも、アキラが妙なものを持ち込んで兄弟ゲンカに発展することはよくあったのだが――

なあ、アキラ。おまえ、なんでこんなもん部屋に持ち込んだんだ
ほら、臨海学校のお誘いが来たじゃん?
ああ

臨海学校――クロム・マグナ魔道学園で、新たに検討されている試みだ。
『己を鍛える』を題目として、『みんなで海に行って新鮮な気分で勉強に打ち込む』行事である。

まず、一部の生徒たちに声をかけて試験的に実施し、そこで出てきた意見をフィードバックして内容を調整。最終的には全校生徒から参加者を募る形式となる。

この『一部の生徒』というのは、生徒会の面々をのぞくと、学園祭で行われた『番長オブザ番長決定戦』で優秀な成績を残した者がメインとなっている。
そのため、決定戦において多くの挑戦者を倒していたアキラにも『お誘い』が来たというわけだ。

「で、それとこれと、どう関係あるわけ」
せっかく己を鍛えに行くんだから、オレも新しい修行法を考えなきゃいけねーと思ってさ
アキラは、金魚すくいに使う道具――柄のついた枠に、薄い紙を貼った『ポイ』と呼ばれるもの――を掲げ、不敵に笑った。
「それで思いついたのがこれだ! 金魚すくいを極めれば、きっとオレのコテさばきに繊細さと優雅さが加わるぜ!」
「おまえが『繊細』とか『優雅』とか口にすること自体、もうある種の冒涜だよなぁ……」
「『燃える炎の冒涜者 アキラ・マスグレイヴ』!」
「いくつ異名を持つ気だ」

あきれ気味に嘆息して――次の瞬間、イツキはぎょっとなった。
……っておい、よく見たら、床びしょびしょじゃないか!
「いやー、つい熱中しちまってさー。兄ちゃん、この金魚ども、ただ者じゃねー。さすが、『金』の名を冠するだけのことはあるぜ!」
「おまえがヘタクソなだけだろ! あーもー、ぞうきんどこだっけ、ぞうきん!」

あわてて、ぞうきんを取ってくるイツキ。
すっかりびしょぬれになった床を、ていねいに拭いていく。
まったく、ホントおまえはこういうトコ無頓着――
せやっ!」ばしゃあっ。
なにナチュラルに続けてんだぁ――――っ!!」

たちまち始まる取っ組み合いの大ゲンカを、桶のなかの金魚たちが『やれやれ……』とばかりに見つめていた。


<ステータス紹介>
【S】男一匹修行中 アキラ・マスグレイヴ
MAX攻撃力:2074
MAXHP:1806
アンサースキル:
バカな野郎と笑われようが(雷属性の敵単体へ絶大ダメージ)
スペシャルスキル:
燃やしてみせるぜド根性(ジャンルパネルを火&雷属性化)


<注意>
  • 紹介の精霊は、特別な表記のない限り潜在能力を考慮しておりません。
  • 新スキルや新機能をお使いいただくため、最新Verでお楽しみください。
  • 開催期間は予告なく変更する場合がございます。
  • 報酬として配布されるのは【A】状態になります。


+ サロメ・ヌヴー
クロム・マグナ魔道学園で一定の年齢に達した生徒は、魔力の特性に応じたクラスに割り振られる。

炎の魔力に適性を持つ生徒が集まる『イグニーマ』では、炎の制御に関する授業が行われていた。

「そうじゃねぇって言ってるだろうが!!」
教室に、太い怒鳴り声が響く。
大柄な体格に燃えるような覇気を宿した男子生徒――ジョージのものだ。
彼は、机に置かれた大きなガラス球を挟んで、別の生徒と向かい合っている。
ガラス球のなかに生じさせた炎の形を、2人で変化させるという訓練なのだが――

「貴様のやり方は手ぬるすぎる! ここはこう……もっとアレでドバーッとするのがいいんじゃねえか! ああ!?」
「わかんねぇよ」
向かい側の生徒――ヴォルフは、投げやりに答えた。

ジョージより細身だが、背の高さでは劣っていない。また、鷹のごとく鋭い眼差しが峻烈なまでの威圧感を放っている。

「お題は『ペンギン』だろ。あの愛くるしい見た目を的確に再現するには――」
「それではインパクトが足りん! もっとこう、ズバーンと、ズバババシューンという方がだな――」

たちまち言い争いを始めるふたりに、別の席にいた少女――リンカが立ち上がる。

「ヴォルフ、ジョージ。それじゃ、いつまで経っても終わらないわ。妥協案として……そうね、ヴォルフが右半身、ジョージが左半身を作って、後で合体させるのがいいんじゃないかしら」
「「いいわけねぇだろ!?」」

なおも2人が言い争いを続けていると――

「うるさいねえ」
ズドンッ、という重い音が、その争論をたちどころに粉砕した。
ぎょっとした生徒たちの視線が、教壇に集中する。

教壇の上には、1人の女が座っていた。
髪をかきあげ、眼鏡の奥から教室を見渡している。
手には酒瓶。先ほどの音は、この酒瓶を教壇に置いた音だったのだ。
彼女はサロメ。
このクラスの担任教師である。

「課題は黙ってこなしな、おふたりさん。静かに酒が飲めないだろ」
「教師が授業中に酒を飲むなよ……」
「細かいこと気にしてんじゃないよ。それだからケンカになるんだ。ちったあ相手を受け入れる度量ってもんを身につけな」
「あんたなぁ……」
言いつつ、ぐびりと酒瓶をあおるサロメに、ヴォルフもジョージも毒気を抜かれて肩を落とした。

* * * * *

放課後。
生徒たちが去った『イグニーマ』の教室で、夕焼けを眺めながら酒瓶をあおっていたサロメは、ふと、背後の気配に気づく。
「入口から入ってきなよ、学園長」
「失敬。この方が手っ取り早いのでね」
サロメの後ろの空間に突如として出現した学園長――ダンケルが笑う。

「例の件――あれからどうかね、サロメ君」
「さっぱりさ」サロメは肩をすくめた。「あんたの言う謎の魔道士……なかなか情報が集められない」
「そうか……引き続き、調査を頼めるかな?」
「ああ。あたしは臨海学校には参加しないからね。余裕はある」
「では、頼んだよ。サロメ君」

学園長の気配が消失する。
サロメは、また、ぐいと酒瓶をあおった。

(頼まれるまでもないさ……)
この学園を――そして、自分の生徒を苦境に陥れた相手だ。
(とっとと見つけて、『教育』してやらないとね――)


<ステータス紹介>
【S】酒海を干す魔道教師 サロメ・ヌヴー
MAX攻撃力:1550
MAXHP:1654
アンサースキル:
勝利の美酒(雷属性の味方のHPを大回復)
スペシャルスキル:
酒は心で飲むもんさ(敵全体へ雷属性の大ダメージ)


<注意>
  • 紹介の精霊は、特別な表記のない限り潜在能力を考慮しておりません。
  • 新スキルや新機能をお使いいただくため、最新Verでお楽しみください。
  • 開催期間は予告なく変更する場合がございます。
  • 報酬として配布されるのは【A】状態になります。


+ アーシア・べネット
「どうしよう……」
アーシアは途方に暮れながら、クロム・マグナ校舎の廊下を歩いていた。

手には、封書が一通。『クロム・マグナ魔道学園 臨海学校へのお誘い』と記載されている。
主に、『番長オブザ番長決定戦』で優秀な成績を残した者を対象に、試験的に実施される行事らしい。

確かにアーシアは、『番長オブザ番長決定戦』に出場した。
正確には、友達が勝手に応募したミス・クロムマグナコンテストで優勝したところ、自動的に『番長オブザ番長決定戦』にもエントリーしたことになってしまった。
そして、そこで――

「な〜に悩むことがあるっていうのよ」
「ひゃっ」
背後から声をかけられて、思わずアーシアの肩が跳ねる。
振り向くと、ぱちりと開いたつぶらな瞳にあふれんばかりの気迫を宿した小柄な少女が、ムスッとして立っていた。

「ミユキちゃん……」
地下アイドルとして多くのファンを抱える、『学園の超絶天使MIU☆MIU』ことミユキである。
彼女はかつて『番長オブザ番長決定戦』でアーシアに勝負を挑み、乱入してきた警備委員カエデと相打ちになって敗北した。
アーシアが今回の『お誘い』を受けたのは、ミユキとカエデに勝ったとみなされたためなのだ。

それ以来、ミユキはアーシアにライバル意識を燃やしたらしく、たびたびこうして話しかけてくる。

「臨海学校のお誘い、来たんでしょ? 行けばいーじゃない」
「でも、わたし、自分の力で勝ったわけじゃ……」
「それでも勝ちは勝ち! アイドル渡世は結果がすべてよ!」
「わたし、アイドルじゃないんだけど……」
「だあーっ!!」

堪えかねたように叫ぶと、ミユキは、びしりとアーシアに人差し指を突きつけた。
「いーい!? アンタはワタシに勝ったの。ワタシの上に立ったのよ! そのアンタが自信なくってどーすんの! ワタシはそんなヤツに負けたわけ!? 納得し・か・ね・るぅー! キィーっ!!」
「廊下で騒ぐな」背後から現れた少女が、ミユキの後頭部をポンと叩いた。

きまじめそうな風貌の少女だ。制服の上からジャージをはおり、胸元にホイッスルを下げている。
「だってカエデ!」振り向いてわめくミユキ。「アーシアが『このわたしごときに負けた貴様らなど取るに足らない有象無象よ』って!」
「そんなこと言ってないけど……」
「ふむ……」

カエデは、ミユキとアーシアを交互に見やり、そして封書に目を留めた。
「なるほど、そういうわけか」
ひとり、うなずく。
「行ってきたらいいんじゃないか、アーシア。鍛錬の機会は逃さないに越したことはない」
「でたな、特訓バカ……」
「私も行きたかったところだが、声がかからなくてな。『お誘い』が来るのは『決定戦』の上位者と生徒会だけだそうだ」
「生徒会……」
アーシアは、ハッとして顔を上げた。

「そっか……生徒会の人たちも行くんだ……」
脳裏に浮かぶのは、ある少年の朗らかな笑顔。
ほのかな灯火が、胸の奥深くを、ちりりと焦がす。
記憶のなかの彼の笑顔を、アーシアはいつでも鮮明に思い出すことができる。大好きな本の、大好きなページに、そっとしおりをはさんでおいたように……

「……うん」ぎゅ、と拳を握る。「行って……みようかな。臨海学校……」
「それがいい」カエデが微笑み、
「火が点くまで時間かかるんだから〜」ミユキが、つんとそっぽを向く。

「じゃあ、決まったところで学食に行こうか。2人とも、まだ昼は食べてないんだろ?」
「そうだったぁ! フヒヒ、今日の日替わりランチは何かな〜♪」
「あっさりめのものだと、うれしいんだけど……」
ランチ談義を始めながら、3人の少女は、いつものように連れ立って食堂へと向かっていった。


<ステータス紹介>
【S】女王の浴衣姿 アーシア・ベネット
MAX攻撃力:1710
MAXHP:1813
アンサースキル:
伝える勇気はまだなくて(味方全体のHPを大回復)
スペシャルスキル:
線香花火に思いを乗せて(ジャンルパネルを水属性化)


<注意>
  • 紹介の精霊は、特別な表記のない限り潜在能力を考慮しておりません。
  • 新スキルや新機能をお使いいただくため、最新Verでお楽しみください。
  • 開催期間は予告なく変更する場合がございます。
  • 報酬として配布されるのは【A】状態になります。
  • 【S】女王の浴衣姿 アーシア・ベネットに進化するには、【A】祭に溶け込む アーシアが4枚必要です。
  • 【A】祭に溶け込む アーシアは、累積1,500ptで合計4枚獲得ができます。





最終更新:2014年07月26日 15:30