2009年 総評案2


おまけ

総評案3:大賞-りんかねーしょん新撰組っ!(本スレ70氏)

70 :滑り込み総評案:2010/02/12(金) 17:10:49 ID:8G1ytj9Q0
2008年は栄えあるエロゲ板KOTY初年度であったが、いきなり規格外の化物が誕生。
そのあまりの巨大なショックに、以後のゲーム全てが霞んでしまうのではないかと、
スレ住民の間には今後の展開を不安視する声が上がっていた。

こうした混乱の中、2009年の開幕を飾ったのはまさかのソフトハウスキャラであった。
4月発売の「DAISOUNAN」は同社が手がけた二度目の無人島開拓ものだが、
同じネタでユーザーの期待を二度も裏切るという多重遭難となってしまった。
SLGパートではプレイヤーと操作不可能のヒロインたちが一斉に行動するため非常にランダム性が高く、
しかもヒロインたちはランダムに敵対行動も行うためS&Lを駆使してクリアを目指すことになる。
このため運ゲーと評する者も多く、製作中に作り手のバランス感覚まで遭難したのではと囁かれた。

6月には大手サーカスも「ヴァルキリーコンプレックス」で参戦を表明。
相手を倒さないと成長できないプリースト、やたら見えにくい3Dマップなどプレイ面での問題が多発。
シナリオは日常パートを完全にカットし、伏線などを無視した超展開でプレイヤーは完全に置いてきぼり。
ヴァルキリーと間違えてクソゲー要素をコンプレックスしたゲーム、とまで揶揄された。

下半期に突入した7月、早速老舗エルフが「河原崎家の一族2」を発売。
本作は内容ではなくコピー対策にウイルスを仕込むという新たな切り口でスレを沸かせ、
エルフがDMMに責任をかぶせにかかるなど、別方向の話題を提供した。

しかし7月に吹き荒れた本当の嵐はもう一つのソフトだった。
りぷるの「りんかねーしょん新撰組っ!(通称:りんかね)」である。
本作は名前の通り転生ネタをストーリーの中心に据えたラブコメADV……のはずであった。
しかし蓋を開けてみると、前後でつながらない文章、自作の専門用語乱発、
頻繁すぎる場面切り替えと、次々にテキストや演出における電波っぷりが判明。
これにクラシック基調のBGMと絶妙に間が悪いアイキャッチが追い討ちをかけ、
プレイヤーは転生ネタを楽しむどころか自分が解脱しそうな状況に追い込まれる。
状況解説用の文章はデータとして存在しながら本編ではあえてカットされているという始末で、
文章の難解さと高尚さを混同してしまったライターの自爆ぶりが伺えた。
ゲーム本スレでは
「今開始30分くらいだが正直バグかと思うくらい話が意味わからん」
「ライターの全くわけわからん文章を長く書けるその精神力には感服した」
「ヒエログリフかよ!俺は考古学者じゃねぇぞ!!! 」
など、プレイヤーたちの悲鳴や悲嘆が相次いで上がり、まさに阿鼻叫喚の様相を呈した。
昨今、何かとシステム面での欠陥やバグがもてはやされるKOTYスレにおいて、
ストーリー一本でクソゲーとして成り立たせようとするその姿勢は、
スレ住民に改めてストーリーの重要性を意識させるのに十分なインパクトがあった。

8月はアーベルソフトの「MQ~時空の覇者~」がクソゲーとのひと夏の出会いを与えてくれた。
フルプライス(定価8800円)ながらボイスなしというまさかの仕様を皮切りに、
選択肢は存在せずゲーム中の操作はたったの2回、ゲーム中に出てこない4人がパッケに書いてある、
母から「同じペンダントの人以外信用するな」との遺言を受けるも同じペンダントの人は現れない、
黒幕が明らかになるとそのままエンディングに突入してしまう打ち切り同然のストーリーなど、
いまどき珍しいほどのガッカリ感を味わえる貴重な出会いとなった。
タイトルのMQは最後まで由来不明だったため、m9(^Д^)にちなんでm9だという噂が流されたのも、
この出来栄えでは無理のない話である。

そして8月末、KOTYスレにはさらなる魔物が襲来する。
フロントウイングが「タイムリープぱらだいす!(通称:タイぱら)」を生み出してしまったのだ。
パッケージ表面にタイトルが表記されない不可思議な状態に危機感を覚えるのも束の間、
開封直後にお詫びの文章を見せられるという前代未聞のお出迎えを受ける。
インストール容量は驚異の10G、動作不安定による頻繁なフリーズ、
挙句にはPC電源まで落とすといった文字通りの魔物ぶりを発揮。
キャラが地面にめり込む、ボタン効果が間違っているなどの基礎的な動作不良はもちろんのこと、
ベンチマークよりゲーム版の方が動きが劣化するという謎の仕様変更や、
説明書にある体位が2つ実装されていないというシステム面の不備まで完備している。
ゲーム部分もおざなりなSLGと中盤以降イベントが消失するADVでプレイヤーを歓待。
ゲーム性とバグの両面でプレイヤーを容赦なく襲撃するその姿は、百戦錬磨のスレ住民をすら戦慄させた。

息をつかせぬメーカーの波状攻撃はまだ続く。
9月発売のゆ~かりそふとの「ひしょ×ひしょ」はCGの半数が黒塗りという状態でスレに登場。
メーカーは当初「原因不明」とトボけたが、データ解析でそもそも未完成だということが露見。
発売四日後に慌てて謝罪しパッチによる修正を試みたが、
フェラシーンでは立ち絵流用のグラフィックで首から上だけを表示という斜め上の対応を行い、
「ごらんの生首だよ!」の言葉と共に悪評を振りまいた。
最終的にメーカー側は未完成状態での出荷を謝罪し、パッチにより問題は解決。
選考でも対象外となってしまったが、長きに渡って板全体を騒動に巻き込んだ対応は忘れられない。

そして12月、年末の魔物が姿を現す。げーせん18(SSα)が今度は大戦略をモチーフに
「出撃!乙女たちの戦場(通称:乙戦)」を発売。実績申し分ない同社の参戦にスレも色めきたった。
やはりというか相変わらずのバグ地獄で、発売後一月足らずで4回のパッチをリリースするも
時にバグが増えるという脅威のメカニズムを披露。
初心者お断りのシビアなゲームバランスと相まってクリアするまでの泥沼の消耗戦を生み出し、
プレイヤーたちを一人また一人と戦場に沈めていった。

そのほか、学園路線をアピールしながら厨二バトルものとして売り出した「アンバークオーツ」、
同様にイチャラブを全面に押し出したものの終盤は鬱・グロ一色という「鬼うた」、
本編では寸止めばかりで実質エロ1回だったという「きっと、澄み渡る朝色よりも」なども
それぞれ詐欺具合で物議を醸したが、いずれもガッカリゲー止まりの評価となり、正式ノミネートは見送られた。
製品の正しい姿をきちんと伝えることの重要性を、メーカーには改めて認識してもらいたいところだ。

以上を踏まえて、今年度の入選および大賞を発表する。
入選作は

「MQ~時空の覇者~」
「タイムリープぱらだいす」

大賞は

「りんかねーしょん新撰組っ!」

とする。

タイぱら、ひしょ×ひしょはバグの多さやメーカー対応のひどさでりんかねと大賞を競ったが、
前者はバグ部分の修正により評価減、後者はゲームとして成立したため除外となってしまった。
MQも未完成なのが明らかであり、ストーリーにも問題点が多いものの、
インパクトという点で大賞には及ばなかった。
乙戦については入選も十分期待されたが、まとまった選評が間に合わなかったことが決定打となってしまい、
今回は入選を見送られることとなった。
大賞として君臨したりんかねは、他の作品群と異なりバグもなく、未完成でもなく、
システム面での不具合もないながら、シナリオ一本のみでクソゲーとして勝負するという
そのストロングスタイルがスレ住民の感動を呼び起こし、受賞における最大の決め手となった。

2009年は昨年以上に未完成なゲームが多く見られる残念な年となってしまった。
この大不況の中、10年度はさらなる未完成品の出荷が危ぶまれており、
今後もユーザーによる有料デバッグが続くことは間違いないだろう。
そうした中、どのような形であれゲームを完成形で出荷したりぷるに敬意を込め、
以下の言葉を贈ることで2009年の締めくくりとしたい。

「転生を語る前に現世を何とかしてください」


おまけ

ノミネート作品のタイトル紹介+3行レビュー(本スレ606氏)

606 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/01/27(水) 21:17:42 ID:2TqE9Snn0
総評ではないがタイトル紹介と三行レビューの合計四行でノミネートされた作品をレビューしてみる

本年度最初のクソゲーは早くも一月に舞い降りた。
学園生活モノの皮を被り油断した犠牲者を半裸ビームで焼き尽くすコットンソフトの「アンバークォーツ」である。
公式サイトでは今もなお伏せられる、学園生活モノとしては有り得ない超展開と目を疑う画像の数々は
多くのユーザーを地獄の底に突き落とし、賛成派と反対派による神学論争の如き議論を招く。

四月、春の訪れと共に襲来したのは「DAISOUNAN」。
ソフトハウスキャラが無人島を開拓するゲームを作るのはこれで二度目だが
同じネタでユーザーの期待を裏切るのも二度目と言う手抜かりをして雪だるま式のDAISAINANを引き起こす。
製作中に作り手の良心まで遭難してしまったのか仲間はみんな非協力的、作業ゲーかつ運ゲーと言う有様であった。

そして梅雨時の六月にサーカスがSRPG「ヴァルキリーコンプレックス」を世に放つ。
このゲームには雨でじめじめとした日常への苛立ちに配慮したのか日常パートは存在しない。
ヴァルキリーと間違えてクソゲー要素をコンプレックスしてしまったのだろうか、
大味なバランスと伏線を置き去りにした急展開のシナリオはどんな除湿剤よりも速やかにユーザーの心を乾燥させただろう。

下半期の始まりである七月にはelfが「河原崎家の一族2」を発売した。
この作品にはウィルス対策ソフト各社がウィルスと認定しているマルチウェアが仕込まれており
それによってOSの重要ファイルを勝手に改ざんされてしまうクソゲー未満の悪質なソフトウェアである。
クソゲーとしては語る価値も無いがその悪意に満ちた所業によってKOTYの歴史に警告として刻まれている。

この七月はもう一作の嵐が吹き荒れた、りぷるの「りんかねーしょん新撰組っ!」である。
この作品はKOTY本年度最大の転換点であり実体化した悪夢。
去年ほどのクソゲーは存在しないだろうと油断し、クソゲーとは何なのかを忘れ掛けていたKOTYスレ住民に
真なるクソゲーの狂気をシナリオただひとつで身体の芯まで思い知らせてくれる切れ味鋭いクソゲーであった。

夏まっさかりの八月、アーベルソフトの「MQ~時空の覇者~」がクソゲーとのひと夏の出会いを与えてくれた。
暑さで頭が回らないユーザーの財布が緩むのを狙ってかフルプライスのこのゲーム。
驚くべき事に選択肢と言う選択肢は存在せずゲーム中に求められる操作と言えばただの二回だけ、
パッケージに描かれているのに出て来ない人物が四人も居る今時珍しいほどのガッカリ感が財布の紐を引き締めてくれたに違いない。

同月末、「タイムリープぱらだいす」で更なるクソゲー攻勢に出たのがフロントウィング。
パッケージ表面にタイトル表記がされていない空前絶後の珍事や業界最大級の10ギガ近いインストールを前菜として
ゲームが落ちるだけではなくPCの電源ごと落として来る他数々の不安定な動作、
販促ムービーや体験版とは異なる様々な改悪によってユーザーの(パッチダウンロードが)終わらない夏が始まった。

そろそろ年末の悪魔の足音が聞こえ始める九月に現れたのはゆ~かりそふとの「ひしょひしょ」。
公式サイトいわく「あったらいいな♪」を詰め込んだ妄想おもちゃ箱には何故かぎっしりとバグが詰め込まれていた。
今年の流行はユーザーを騙す事なのかこのゲームも事前情報とは異なりハーレムルートがばっさりと削られており
待望のエロシーンも画面真っ暗、更には生首フェラなる演出上の異常事態を引き起こしユーザーは涙でびしょびしょに。

この影に隠れて目立たなかったがこの月には130cmの「鬼うた。」も話題に登る。
ヤンデレ好きの期待を一身に背負ったこのゲームは結果として彼らを裏切ってしまったのだろうか、
発売後はユーザーの想定しない鬱要素とグロ要素により一部からクソゲーとして非難する声が挙がったものの
同時にファンディスクが発表された為かその声は弱まった、クソゲーと評したファンも実はヤンデレなのかもしれない。

ひと月開いて11月には「佐野俊英が、あなたの専用原画マンになります」が静かにやって来た。
原画だけ原画だけと言われ続けて開き直ったのかG.J?があまりにも直球のタイトル、ツクールゲーで勝負を掛けたが
役に立たない素材の数々で更なるクソゲースパイラルを生み出す辺りさすがのG.J?クオリティであると言えよう。
「おばあちゃんうんこ漏れちゃう」を筆頭としてクソゲーの創作センスの源が垣間見える魔道書のような逸品である。

そして09年も残る所数日となった12月28日に駆け込んできた年末の悪魔が「出撃!乙女たちの戦場」である。
家ゲ版、携帯ゲ版のKOTYを圧倒的物量のバグを持って占領した戦極姫シリーズに続かんとしたのか
無間地獄のバグを引っさげて降臨したこの作品は年が明けて今日まで四回のパッチをリリースしているがその効果は正常に発揮せず
時にバグが増えるというエロゲー史上類を見ない消耗戦にユーザーは一人また一人と戦場に沈んでいくのであった。


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最終更新:2014年08月02日 15:01