寝取られ妻・絵理奈 ~愛する妻は他の男の上で腰を振る~ 選評

ブランド アトリエさくら Team.NTR
ジャンル アドベンチャー
メディア DVD-ROM
原画 綾風柳晶
シナリオ 中森南文里
発売日 2019/7/26
価格 2,800円(税別)

選評

【2019】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 2本目
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567: 寝取られ妻・絵理奈 選評 ◆Ra9j1sVq3. :2019/07/30(火) 16:48:09 ID:30t8YOYY
寝取られ妻・絵理奈 ~愛する妻は他の男の上で腰を振る~
ジャンル アドベンチャー
ブランド アトリエさくら Team.NTR
発売日 2019年7月26日
価格  2800円+税

6月末に「淫らに堕ちる、最愛彼女」をリリースしたアトリエさくら Team.NTRの新作。
前作の最愛彼女はNTRなのかはさておき話としては一応成立しておりまだマシであったが今作は完全にイカれてしまっている。

○登場人物
  • 西田 伸二郎
 本作の主人公。
 大学でヒロインと知り合い、その後大学を休学してヒロインと駆け落ちした。
 いつヒロインを連れ戻しに来る奴が現れるか分からないのでなるべく目を離すまいと在宅ワークで生活費を稼いでいる。

  • 鴻ノ池 絵理奈
 本作のヒロイン。
 バリバリのお嬢様育ちだったが普通の大学生として在学してる間に主人公と知り合う。
 現在主人公と駆け落ち先で同居しており、主人公曰く「事実婚の妻」らしい。
 作中ではキチガイじみた言動が目立つが実際ガチのキチガイである。詳しくは後述。

  • 冷泉 敏彦
 絵里奈の幼馴染で元婚約者。(元と主人公に呼ばれているが別に婚約は解消された訳では無いので正当な婚約者のはずだが・・・)
 主人公曰く「金持ちらしくいけ好かない奴」らしいがあまりそういう雰囲気は無い。
 おそらく作中で最もマシな人物。

○シナリオ
 フルコンプまで2時間かからない位とボリューム自体はロープライス相応。
 終盤まで一本道だが選択肢いかんで5つのエンディングが有る。

  • 共通部分
 ヒロインと駆け落ちして半年。
 在宅ワークで生活費を稼ぎ駆け落ち生活を続ける主人公と絵里奈であったが主人公の仕事が上手く行かなくなって来た為に生活費に困窮し始める。
 そんな折、今まで影も見せなかった敏彦から宅配便が送られてきた上に主人公に呼び出す電話をしてくる。
 絵里奈に注意を促す主人公だがとっくの昔から敏彦と連絡先交換してると言い放つ絵里奈。
 何故敏彦や絵里奈の実家が殴り込んで来ないのか不思議に思う主人公であったが取り敢えず敏彦の呼び出しに応じ待ち合わせ場所に向かう。

 待ち合わせ場所に現れた敏彦に主人公は絵里奈を連れ戻す気なのか問いただすが、別にそんな気も無いし絵里奈の実家にも知らせてないと言う。
 一安心した主人公であったが敏彦に駆け落ち生活を続ける資金が無い事実を突かれてしまう。
 そんな主人公に対して敏彦は絵里奈と風呂に入らせてくれれば1ヶ月の生活費を貸すと提案する。
 初めは拒否する主人公であったが金が無い事実に屈し絵里奈にこの提案を伝える。
 てっきり絵里奈は嫌がってくれる物だと思ってたがアッサリ受諾する上に一緒に風呂なんて子供の時以来だと大はしゃぎする。
 この態度に主人公は訝しむが自分の為に嫌な気持ちを抑えてくれているのだと思いこむ。
 結局この場は本当に風呂に入っただけで約束通り敏彦は生活費を貸してくれるのであった。

 主人公は生活費の為にこんな事を絵里奈にさせてはいけないと口だけは達者に語るが結局それから毎月絵里奈を敏彦に差し出しては生活費を貸して貰う。
 敏彦が絵里奈に行う行為は毎月エスカレートして行きその内中出しセックスまで行うが絵里奈は相変わらず全く嫌がらないどころか非常に嬉しそうに行為に及ぶ。
 この態度を不思議に思う主人公に敏彦は「お前はまだ絵里奈の本当の姿を理解出来ないのか?」と詰る。

 ある日敏彦から「今日こそ絵里奈の真実を教えてやるから2人で俺の家に来い」と連絡が有り渋々主人公は絵里奈を連れて敏彦の家に向かう。
 家に着くと敏彦は主人公と絵里奈でセックスをするように指示する。
 主人公は嫌がったものの絵里奈はノリノリで結局敏彦の前でセックスをする2人。
 行為の後に主人公が一息ついていると、なんと敏彦も絵里奈とセックスすると言い出す。
 金も絡まないのに絵里奈が受け入れる訳無いと主人公は激怒するが絵里奈はアッサリ受諾。
 主人公の眼前で敏彦とのセックスに励みだし、主人公は呆然とする。

 一通りセックスが終わるとようやく絵里奈の正体について語りだす敏彦。
 主人公は「絵里奈はビッチだったのか?」と聞くが敏彦曰く実際には「愛してると言われれば複数人相手だろうが躊躇いなく受け入れるという精神病質者」であると明かされる。
 なんでも厳格な家庭環境のせいでその様になったらしく、この事を知っていた敏彦は婚約者としての立場を利用して治療の一環で普通の人らしく大学に行かせる様に仕向けていたのに
 主人公が迂闊にも絵里奈に愛してると言って駆け落ちに誘った為に御破算になってしまったのだった。
 愛してると言ってしまった以上絵里奈は主人公に依存状態になっているので、これを解消するには主人公側から絵里奈を拒絶する必要があった為、
 主人公が絵里奈に愛想を尽かす為に敏彦は正体を知る様に仕向けていたのだった。

 (ここから先の選択肢で5つのエンディングに分岐)

  • ルート1
 絵里奈の正体を知った主人公は最後に出会いの地である大学に2人で赴きセックス。
 絵里奈を手放す事にした主人公は絵里奈に分かれを告げる。
 その後絵里奈は敏彦の下に戻ったらしいがどうなったのかは分からず終了。

  • ルート2
 やはり絵里奈を手放す事が出来ない主人公は2人でこれからも頑張ろうと言った所で打ち切りエンド。

  • ルート3
 愛してるとさえ言ってれば絵里奈は自分の所に居てくれるんじゃね?
 と開き直った主人公は絵里奈にライブカメラ越しに売春させるという変態プレイで生活費を稼がせる様になる。
 これを知って激怒した敏彦が家に殴り込んで来て終了。

  • ルート4
 俺だけに夢中にさせてやるぜ!
 とばかりに主人公は絵里奈を開発しハメ撮り映像を敏彦に送り付ける。
 すっかり主人公に夢中になった絵里奈の映像を見ながら敏彦が幼馴染として昔の回想をして涙しながら終了。

  • ルート5
 逆に敏彦がルート4と同じ様に身体で分からせてやるモードに突入して終了。

○問題点
  • 何を狙ってるのか意味不明
 ロープライスの抜きゲーらしからぬ変化球を駆使しすぎているせいでコンセプトは愚か普通の話としても何が焦点なのかサッパリ分からなくなっている。
 色々とおかしな点はあるが最高にマズイのがヒロインの頭が狂ってるという誰得設定だろう。
+ ...

 主人公についてきてるのも間男役と絡むのも全部頭がイカれてる事の延長線上でしかないのでNTR物に必須であろう主人公への恋慕や
 間男と絡む事への後ろめたさ、心情の移ろい等が微塵も存在していない。
 単に好きと言えばホイホイ付いてきて股を開くだけのBOTである。

 百歩譲ってヒロインが病気の為に寝るという設定にするにしても、身体が男を求めてしまうので心に反して寝てしまう と言った塩梅であればまだ擁護も可能だろうし
 主人公夫婦が金に困って仕方なくヒロインが身を売る・・・という話でも良かったと思うのだが。
 また単純な話として整合性やジャンルの定義云々を抜きにしてもヒロインの頭がクルクルパーなどという設定自体気持ち良い物では無いだろう。
 少なくともテーマを絞って抜きに徹するロープライスゲーでやる事ではない。
 テーマと言えば「寝取られ妻」というタイトルではあるが、実際には主人公が勝手に妻だと思ってるだけのタイトル詐欺なのもどうしたものか。

  • 間男以外全員頭クルクルパー 
 このゲームにおいては設定があるヒロイン以外も皆頭がイカれてる。
 間男役の敏彦はマシではあるが。
 まずヒロインが狂ってるのは愛情云々という点だという設定だが、実際には日常生活や通常の倫理感すらもぶっ壊れている。
 ・仮にも駆け落ち中なのに婚約者からの宅配便を受け取って平気な上に何故連絡を取って悪いのかも分からない。
+ ...
+ ...
 ・それはお風呂だから当然よねえ(笑)
+ ...
 ・実質売春&借金に何の抵抗も無いどころか親切だと思ってる
+ ...
+ ...
 また意図的な人選なのかは不明だが不気味な位声が幼く、人妻キャラとはとても思えない。
 これも含めて狂ってる事の演出の可能性も捨てきれない所ではあるが・・・。

 これに負けず劣らずイカれてるのが主人公である。
 まず事の発端であるヒロインへの告白と駆け落ちの動機からして「彼女には許嫁がいて、そいつがいけ好かないから」である。
 お前が寝取り体質でどうするんだ。
+ ...
 なるべく目を離したくないというもっともらしい理由で在宅ワークに固執しているがそれでは成立せず破綻すると分かって居ても改善する気はゼロである。
 その結果毎月ヒロインを売りに出す事になり、その度に「来月はこんな事させない!」と決意するが数クリックで飛ぶ翌月になっても特に何も変えず同じことを繰り返してる。
 敏彦にド正論でその事を批判されるが、逆に敏彦の陰謀による物だと言い出したりと非常に香ばしい。
+ ...
+ ...
 その癖に土下座まがいの事をしてまで対価無しで借金出来るように敏彦に縋ったりと男気の欠片も無い。
+ ...
 またヒロインが毎度ノリノリで売春に応じているにも関わらず「本当は嫌なんだけど自分の為に隠してるだけだ」と都合の良い解釈で片付けてしまう。

 一方でまだマシなのが敏彦である。
 確かにヒロインの正体を主人公に伝える手段が回りくど過ぎたりと彼も変な所はあるが、全体的には正論で主人公を批判する側である。
 またヒロインがイカれてる事を承知の上で幼少期から変わらず愛してるという筋の通った男でもある。
+ ...
 基本的にヒロインと主人公が不幸にならない方向になるように動いてる事もあり真人間らしい。
 終盤でヒロインの正体を主人公に明かした際は自分を信じてヒロインと決別してくれれば借金を帳消しにする上に復学にも手を貸すとまで言い放つナイスガイなのだ。
 というか結果的にはある意味彼こそがNTRの被害者とも言える。

○まとめ
 前作の「最愛彼女」は変化球でNTRと呼べるか際どいラインを攻めすぎてはいたものの、物語としては成立しており
 それも専門ブランドならではの試行錯誤の為に生まれたのであろうなという「ヤル気は感じられる」一作であったのに対して
 本作はただひたすらにコンセプト無視、意味不明な展開、不快な登場人物、誰得設定を詰め込んだだけのクソゲーである。
 ちなみにシナリオライターの中森南文里氏は2017年次点作の「お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!2」でもシナリオライターとして参加しているので
 コンセプト無視等の傾向もさもありなんと言った所なのだろうか?
最終更新:2019年11月04日 22:42