269:悪魔と夜と異世界と:2023/01/24(火) 17:51:12 ID:6q8RINKc
悪魔と夜と異世界と
ブランド WendyBell
発売日 2022/11/25
価格 8,580円
原画 白井一片
シナリオ 烏
あらすじ
主人公である小鳥遊 莉緒(たかなし りお)は、
自分の力ではどうしようもないことに遭遇し
その時に現れた’悪魔’黒桐 アリス(くろぎり ありす)に
誘惑され契約をしてしまう。
学生でありながら絶対服従を余儀なくさせられ、
彼女がオーナーを務める喫茶店。
「Re/leaf(レリーフ)」で、幼なじみであり、
半人半妖である山吹 和歌(やまぶき わか)とバイトをこなす毎日。
しかし、待遇はといえば……天と地ほど差がある……。
そんな中、天敵とも呼べる「神の御使い」
いわゆる天使(神代 つばさ)が、
アホみたいに大きな剣を軽々と振り回してきたかと思えば、
そこへいきなり空から降ってきた
吸血種の少女(東雲 マリア)のおかげで難を逃れる。
アリスの計らいでマリア同居が始まり、
さらに同じ学校へ転入してくる。
しかしそこへ、異世界から来た王女?だという
エリザベート・リア・クラウソラスが現れてしまい
常人ではとうてい理解できない状況が、
彼の周りで起こり始めるのだった。
近年のエロゲ界隈ではクソエロゲが同人以下などと呼ばれることがある
だがこの『悪魔と夜と異世界と』はそんな汚名を塗り替えすべく
フルプライスの商業作品でありながら(一昔前の)フリゲレベルのクオリティを叩き出した
本作はゲームファイル内にOP映像がmpgファイルのまま直に置かれているがこんなものはジャブで
フルスクリーンでゲームを起動すると衝撃的なことに画面左右に古いゲームのように黒帯が現れ
しかもタイトル画面にはコンフィグが無く、メニューバーからシステム設定を選び音量等を調節する
コンフィグはゲーム開始後にしかいじれず
UIもひたすら安っぽい
ゲームを終了やセーブ、タイトルに戻る際にはウィンドウが直々に確認しにくる等
この令和の時代に中々出せるクオリティではない
もちろん絵のほうもちゃんとクオリティは高いとは言えず、肯定的に表現しても古臭い絵柄であり
戦闘シーンの絵やエフェクトも安っぽく
キスに関してはもはやグロ画像
テキストは適切な改行もされておらず読みにくく
さらに主語を省いた説明をしてくるので何気ない日常シーンから、戦闘シーンまで内容が入ってこない
例として
ゲーム開始直後の戦闘シーンでは相手を「既に片手を吹っ飛ばした少女」と表現されるが
ここまでで誰かが片手を吹っ飛ばされるシーンは書かれず、誰の片手が吹っ飛んだのか分からないまま進む
幼馴染のキャラ紹介の際に
喫茶店の隣に住んでいるとも、主人公の隣に住んでいとも解釈できる紛らわしい説明の仕方をする(ちなみに主人公の隣)
同じ言葉を連続させたり違和感ある表現も多く、読みづらさを増している
一人漫才を一人ボケ一人突っ込みと言ったり、斬新さを狙ったのか変な表現も多数
(そもそもボケでも突っ込みでもない)
シナリオ自体も一昔前のラノベをなろう系っぽく改変した感じであり
俺は主人公じゃない、ラノベやゲームの主人公とは違う一般人何だとぼやいて
この世界は漫画やアニメみたいにはいかないと連呼しながらの
やってる事はコテコテ過ぎる主人公ムーブ
斬新なことをせずに、斬新感を出そうとしている感じのシナリオである
空から少女が降ってくる定番から
ゲーム開始最初の選択肢で少女を見捨てるかどうか、全く同じ選択肢を選び、その後は
俺は利己的な人間だし命を賭けて立ち向かったりできるのはラノベやゲームの主人公だけだと考えてから
数クリックでやっぱり見捨てられなくて戦うという展開で、物語のクライマックスならともかく
最初の戦闘でこんなことされても冷めるだけである
部屋が破壊されても、背景差分は無くプレイヤーの想像力任せで
戦闘シーンも安っぽいエフェクト頼みでろくに動きを説明してくれず、ひたすら読み手の想像力任せである
シリアスからのご都合主義悪魔パワーで茶番と化す展開もてんこ盛り
和歌が目の前で殺された→実はアリスが入替ってました→コミカルBGM
脈拍無く悪魔を敵視していた天使が悪魔と仲良くなるし
質の悪い事にライターもご都合主義を理解しているのか
作中何度もご都合主義というワードが登場する
CGはギャラリーで60枚なのだが
立ち絵や、立ち絵を組み合わせたもの
差分レベルの違いのものを別に表示しているため
どう考えてもCG数としてカウント出来ないものが混ざっている
バトル系とするにはあまりにも浅く
両刃の直剣で居合をし、それを最速の一撃と語るなど
作者の知識に疑問が出てくる
効果音はロックマンみたいなプォーンとした音が多い
ヒロインは
最初から好感度MAXチョロイン3人と
攻略する気が失せるレベルの不快系悪魔だが
これは人によってはむしろ好みになるのかもしれない
ただ筆者には週休0日制で働かされて給料20円
悪魔アリスのせいで敵に襲われて戦ったのにも関わらず「無断欠勤したから罰金1万円」と言われて好きになる要素はなかった
さらにボイス面にも問題はあり敵味方含めて男キャラにはボイスが無い
3人の男友達が登場するのだが、3人ともボイスが無い
ロープラならともかく、フルプライスのゲームで許される手抜きではない
ちなみにこの3人の男友達は立ち絵はあるのだが、公式サイトではキャラ紹介すらされていない
そこまで手抜きするくらいなら登場させるなと言いたい
また事あるごとに
立ち絵が左右や縦に動くアニメーションがあるのだが
これが妙にもっさりした動きでテンポが悪く、しかもクリックで飛ばすことが出来ない
0.8秒程度の動きなのだが、ボイスが流れる前にかなりの頻度で行われるため
話がつまらないの上にじっくり見る事を強要される
立ち絵の動きの種類も3パターンくらいしかないため、直ぐに見飽きる
正直この仕様が一番きつかった
何もかもが値段に合わない低クオリティの本作だが
ある一点に限り他のフルプライスエロゲを圧倒するものがある
それは公式サイトのサンプルボイスの数だ
一般的にエロゲのサンプルボイスは一人3つほど、多くて6つくらいだと思われるが
『悪魔と夜と異世界と』のサンプルボイスは一人に対して13個(全員合わせて78)と凄い力の入れ様である
まとめ
そんなゲームのあらゆるクオリティを犠牲にサンプルボイスのボリュームを増やした本作だが
ひたすら古臭いシステムに
令和を感じさせない絵柄
事あるごとに「ラノベをだったら~」を繰り出す主人公
読みにくさを重視したようなテキスト
どこかで見たような設定しか出てこないシナリオに
最初から好感度MAXのチョロインとアトリエさくらに出てきそうな不快なヒロイン
悪魔や半妖のいる世界観に対する説明がされないまま進んでいく展開
何処を探してもフルプライスに見合った要素が無いクソゲーとなっている