2月14日

和「須賀くん、これ義理ですけど」

優希「チョコもタコスだ、ありがたく食えー!」

久「はい、いつもありがとね」

まこ「迷惑かけてすまんの」

京太郎「あざっすっ」

咲「……」(本ペラペラ)

和「あれ? 咲さんはもう須賀くんにあげたんですか?」

咲「うん? 私は京ちゃんにチョコなんかあげないよ」

京太郎「毎年これですよ」


帰り道

咲「みんな分かってないよね、京ちゃんは結構チョコもらうから胸焼けしちゃうのに」

京太郎「ほぼ義理だけどな」

咲(本命が3割近くなのは言わないでおこ)

咲「はい京ちゃん、マフラー」

京太郎「おお、サンキュ。……けど、微妙に長くないか?」

咲「ちょっと失敗したの。それくらい目をつむってよもー」

京太郎「ははは、おドジさんめ。あ、でもこうしたら」

京太郎はさっそく首に巻いて、余った端を隣を歩く咲の首にも巻き付ける。

京太郎「んー、これだとちょい短いか?」

咲は動揺するが必死で顔には出さないようにして、ただ無意識に握る手の力は増してしまう。

咲「そ、そうだね。じゃあこうしたら……ちょうどいい、かな?」

咲はすすすと肌がくっつくかどうかの距離まで近寄って、顔を見られないようにうつむく。

京太郎「お、お前頭いいな」

咲「で、でも京ちゃん、2月の中旬だし結構あったかくなっちゃったね」

京太郎「そうか?」

熱いのは主に咲の体温と心の中だが、鈍感な京太郎は気づきもしない。

そしてそんな冬ももうすぐ終わり、春が来る。
美しく花咲く季節が。

カン

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最終更新:2020年04月06日 23:39