そしてインタビュー3の続き。
睦月「お疲れ様です。……あれ?」
桃子「うなーーーーーー…………っす」コロコロコロコロ
睦月「…………なんで転がってるんですか桃子は」
智美「ワハハ。これだぞー」
睦月「? 雑誌ですか………………ああ成程」
佳織「噂のS君が桃子ちゃんの事見えるって分かってから、ずっとこうなの」
ゆみ「モモにとっては初めてちゃんと認識出来る人である上に、男子に容姿を褒められる事にも耐性が無いんだろう。嬉し恥ずかしというやつだな」
睦月「それでこれですか……」
ゆみ「こうも普通に見えていると、少し妬けてしまうな」
桃子「せ、先輩が大事な人なのはずっとずっと変わらないっす!」
ゆみ「分かっているさ」
桃子「でも彼とも話してみたいっす!」
ゆみ「ああ。私個人も興味が湧いてきた。……雀荘でバイトしてるとなると、あのroof-topの可能性が高いな。今度一緒に行ってみよう」
透華「衣、ご覧なさい。これが他人への優しさは巡り巡って自分にの為になる、と言う事ですわ」
衣「おお! とーかの優しさがみんなにも知れ渡って、衣も嬉しいぞ!」
透華「そうでしょうともそうでしょうとも! ええ! 勿論私、目立てなければ優しくしない器量の狭い女ではありませんが! ええ!」
衣「それに、とーかの考えてくれた「ころたん」も周知されているな! 嬉しい!」
透華「それはちょっと別のナニカですわね」
純「今日はいつにも増してご機嫌なのな」
一「S君から出た透華の話で、ネットでの評価鰻登りだからね。反比例して清澄部長さんは失墜してるけど」
純「そんでともきーはなにしてんの?」
智紀「……見ての通り。ハギヨシさんと一緒にスマ○ラってる……」
純「スマ……ハギヨシさんが?」
智紀「……最近は、仕事の合間にこういう付き合いもしてくれる」
ハギヨシ「娯楽など執事に不要かと思っていましたが、やってみると中々どうして奥が深いものですね。敬遠してきたのは損でしたかもしれません」
純「はぁー。人間変わるもんっすね」
一「ちなみにこれ、どっちがどのキャラ使ってるの?」
智紀「今やってるのはオンライン対戦で、私はもうゲームオーバー……。ハギヨシさんが使ってるのはこれ……」
一「へぇー……。となると、対戦相手と結構互角に戦ってるんだね」
ハギヨシ「ええ。私も本気で挑んでいますが……」
純「ハギヨシさんでもそんなセリフ出てくんのなー。新しい一面ってやつ?」
智紀「……今戦ってるのは、世界ランキングで五本の指に入るプレイヤー」
純・一「「…………え?」」
智紀「もう一人の相手も似たような実力だったけど、私が落ちた後に1対2で一人落とした……」
一「……ちなみにハギヨシさんがこのゲーム始めたの、いつ?」
智紀「……一時間くらい前」
ハギヨシ「執事ですから」
純「すんません。やっぱ底知れねぇっす」
久「ねぇ須賀君。不満があるなら言ってもいいのよ?」
京太郎「え、なんですか急に」
久「ほら。私やっぱりみんなで全国優勝したいから、部活で時間はそんなに取れないと思うの。でも手隙の時間やプライベートも無いことも無いから、その時間くらいは須賀君の相談やお願い聞いてあげられると思うから。だからほら、何かない? 私に言いたい事」
京太郎「ええ……。急にそんな事言われましても……」
和「露骨に汚名返上しに行ってますね」
優希「この前のインタビューがあってからというものの、ネットは部長叩きが本格化してアイドルの熱愛発覚並に大炎上してるからなー」
まこ「悪気は無いだろうとはいえメディアの場に流したのはやり過ぎかもしれんが、こればっかりは擁護できんしのう……。今後はこんなことが無いよう、密にコミュニケーションをとらんと」
咲「あの……今日風越の人が来る予定の筈ですけど、部長があんな様子で大丈夫ですか?」
ガチャ
華菜「参上だし!」
優希「お、噂をすれば影だじぇ」
未春「こんにちはー」
文堂「お邪魔しまーす……あの、そちらの部長さんは何を?」
咲「あ、気にしないでください。メンタル弱った時の発作みたいなものなので」
文堂「はぁ…………」
和「? そちらのキャプテンさんは不在ですか?」
未春「あ、キャプテンなら」
深堀「……私の後ろにいる」
美穂子「…………」コソコソ
まこ「あぁ、深堀さんの背に隠れてヒョコッと顔出しとるの」
未春「いや普通に可愛いんですけど」
和「……どうかしたんですか? うちの部長が何か粗相でも?」
文堂「いえ、部長さんというより……」
華菜「そこの金ピカノッポのせいだし!」
京太郎「え、俺ぇ?」
華菜「お前がインタビューでキャプテンにナンパしてたのを雑誌で読んでから、キャプテンはずっとこんな調子で乙女モードだし! 責任取れし!」
京太郎「いや責任て」
久保「池田ァァァ!!」
華菜「ニャッ!?」
久保「テメェにはデリカシーってもんが備わってねぇのかコラァ! 男と女の話題は黙って見守るのが基本だろぉがよぉ! やんややんやと騒ぎ立てるお前みたいのがいるから、話が拗れてメンドクセェ事になるのが分かんねぇのかアァン!?」
華菜「ヒィィごめんなさいだしぃ!」
まこ「めちゃくちゃにキレながら至極真っ当な事言っとる……」
未春「いや、コーチは基本的に真っ当なんですけどね……」
久「あ、あら風越の皆さん。ご足労頂き感謝いたしますわ」
咲「なんですかその喋り方」
美穂子「こ、こんにちは久。こちらこそ招いて頂いて……」
まこ「まぁ、部室じゃ狭いし卓も一つしか無いんで、この後うちの雀荘に行くんじゃから、ここでは招かんがの」
久「そ、それもそうね。じゃあみんな、まこの雀荘行くから準備してー」
京太郎「はーい」
美穂子「…………」
久「…………美穂子?」
美穂子「あの……良かったら彼、うちでお預かりしましょうか?」
久「え?」
美穂子「流石に毎日部活の時間で、とはいかないけれど、清澄の皆さんは全国の団体戦に備えて忙しいでしょうし、そうなると彼も時間が余るでしょうから……。うちであれば高校から始めた初心者の子もたくさんいるので、一緒に牌を触って卓を囲めれば、と」
久「え、えー……。そりゃうちで放置するよりはいいかもだけど、うーん……」
華菜「悩む必要ないし! キャプテンの厚意を有り難く受け取ればいいし!」
久保「だからお前は黙ってろ池田ァァァ!!」
華菜「ニャヒィィン!」
まこ「部長部長。まずは京太郎の意思を確認したらどうじゃ」
久「……そうね。須賀君、どうする? というか、どうしたい?」
京太郎「えー? そうですねー……。お気持ちは有り難いんですが、こっちでもやる事は多いのでお世話にはなれないです」
美穂子「でも……勿体無いわ。せっかく麻雀が一番楽しい時期なのに」
咲「き、京ちゃん? 私達に遠慮しなくても……」
京太郎「そういうんじゃなくて、みんなが夢の為に全力で頑張ってる時に、そのサポートほっぽり出して俺は俺の事やってたら、なんか後悔しそうで。そう思いながら練習してても身にならないと思うんです」
久「須賀君……」
京太郎「なんで、ええ。福路さんも俺の事考えてくれたんだと思いますけど……」
美穂子「……そう。そうね。誰かを支えてあげたい気持ちは分かるわ。そう言われたら、私も強く出れないです」
優希「うむ! よきにはからってるな! 流石私のいぼぇ!?」
未春「イボ?」
和「はーいゆーきは黙ってましょうねー」
美穂子「でも、この合同練習でくらいは、何も考えずに打ってみましょう? 私も協力するから」
京太郎「え? あーでも」
久「そうね! それがいいわ! そうと決まればちゃっちゃか行きましょうちゃっちゃか!」
京太郎「え? 部長、俺雀荘ではバイトで……」
久「雀荘のバイトなんて客と打ってなんぼでしょ!? ほら、行くったら行くの!」グイグイ
京太郎「ちょ!? 分かりましたから! 押さないでくださいって!」
まこ「おーい荷物忘れとるぞー」
美穂子「あ、じゃあ私達も行きましょうか?」
華菜「ひたすら押すべきだしキャプテン! そうすればコロッと落ちるし!」
久保「池田ァァァ!!」
華菜「ニャォーン!」
優希「学習しない猫だじぇ……」
なお、人たらしの金髪イケメン執事がいる(らしい)との噂が相次ぎ、roof-topに新たに女性客層が増えたという。
カン
最終更新:2021年07月02日 10:42