京太郎インタビューその10


惜しくも2位となったが、ついに決勝戦までやってきた清澄高校。
麻雀女子高生の頂点の学校を決める戦いで、果たして清澄は栄光を手にする事が出来るのか。それとも夢破れるのか。
団体戦中最後となるSK君へのインタビュー。思い残しのないように、本日も充実した内容になることを祈る。
なお、西田記者に代わり、今回インタビューを担当させていただくのは私、久美子です。



本日はよろしくお願いします。

京太郎「よろしくお願いします。西田さん、大丈夫なんですか? 今回も西田さんからインタビューされるものかと思ってたんですが」

お気になさらず。なんでも、調べることがあるとかで突然県外に出てしまっただけなので。

京太郎「……全国大会決勝前の今ですか?」

ええ。我々に断りなく行ってしまってたので、止める間もありませんでした。

京太郎「良くあるんですか? こういうの」

それが聞いてくださいよ。S君へのインタビューの時には戻ってきてたんですが、終わったらすーぐまたどっか行っちゃって、今回に至っては……

京太郎「あ、すいません。それはまた今度に」

あ、ごめんなさい。インタビュー中に。

京太郎「いえ、それはまぁいいんですが」


では改めて、まずは清澄高校の決勝戦進出、おめでとうございます。

京太郎「ありがとうございます。まぁ今回は2位でしたが、進出は進出なので良かったですね。肝は冷えましたけど」

最後の和了りで、危うく清澄が敗退するところでしたからね。

京太郎「決勝では咲が主人公体質を発揮して、一度負けた相手には負けないと良いですね」

主人公体質、ですか?

京太郎「長野の決勝でもそうでしたけど、あいつ最後の最後に大逆転とかもやるんで。なんか主人公っぽいな、と」

成程。ところで、例のごとく前回から今回までになにかありましたか? 私としては臨海女子の方々となにかあったと予測しているのですが。

京太郎「何故予測が? ……まぁ、ありましたけど」

どのような事があったのでしょうか?

京太郎「決勝戦ってことなので、前日に色々下拵えしとこうと思い、会場の厨房を借りてたんですけど、その時にですね」

臨海女子のどなたかがやってきたと。

京太郎「どなたかというか、選手の人全員ですね」

全員? どのような御用向きで?

京太郎「向こうも決勝戦前日に願掛けというか、それぞれの郷土料理を作って食べて気合を入れ直そうとかなんとか」

あー。臨海女子はほとんどが外国籍の方ですからね。

京太郎「メガンさんは「ワタシのソウルフードはラーメンですカラ!」とか言ってカップラーメン持ち込んでたんですがね」

日本食にどっぷり浸かってる……。

京太郎「ちなみに「ゼヒこのラーメンに美味しいトッピングを作ってくだサイ! ドゲザ!」と言って、アイ○ールド21のパンサーが登場当時に勘違いしてたドゲザやってましたね」

というと……あの縦の鉄棒を掴んで逆さになるあれですか?

京太郎「そのあれですね」

とんでもない筋力と身軽さですね……。


しかし何故臨海の方々は、わざわざ会場の厨房を使ったのでしょうか?

京太郎「それについては聞いてないですけど、泊まってるホテルの厨房を借りようとしたけど向こうが忙しくて借りられなかったとかじゃないですかね?」

そうですかね……。

京太郎「そんでまぁ、これもなにかの縁だからと、下拵えしつつ一緒に料理しようってことになりまして」

また距離が近いですね。

京太郎「やっぱ日本人より距離を詰めやすい傾向にあるんですかね」

彼女等も料理出来るんですか?

京太郎「えーと。辻垣内さんとハオは一人でも料理出来て、明華さんはよくお母さんのお手伝いをしているからとサポートなら。メガンさんはからっきしとのことで、ネリーは「皮剥きならネリーにおまかせ!」って言ってたんでピーラー渡しました」

その状況でどうしてみんなの郷土料理を作ろうという話に……。

京太郎「料理出来る組がレシピ調べれば出来そうだと言ったらしく……。まぁ実際にやってみたら難しかったので、俺も手伝ったんですけどね」


同年代の子はもう当たり前に呼び捨てなんですね。

京太郎「この前の動画でタメにはタメ口なの知れ渡っちゃいましたしね。ハオは遠慮しなくていいと言ってましたし、ネリーはそもそもそんな気も起きないタイプだったんで」

出来上がった料理はどうでしたか?

京太郎「美味しい云々というより、新しいって感じでした。今までに味わった事のないタイプの味だったので、美味しく出来たのかさえ分からないです」

臨海のみなさんの反応は?

京太郎「それは概ね上々でした。明華さんなんかは「あらぁ、これはこれは。懐かしい味に出来ましたね。非常にちょっとだけ惜しい感じですけれど」とかなんとか」

非常になのかちょっとなのか、どっちなのでしょう……。

京太郎「まぁー多分、すごく惜しい所まで来てるって意味合いでしょう」

他の方々は?

京太郎「辻垣内さんは俺と似たような反応で、ハオは上手く出来たのかホクホク顔。メガンさんはラーメンを主食に摘む感じでパクパクと、ネリーはバクバクムシャムシャとその身体のどこにそれだけ入るんだと思わせる程にがっついて食ってましたね」

満足行く食事が出来たようですね。


臨海の方々とはどのような会話をなさいましたか?

京太郎「料理中はあんま雑談とか無かったですね。なにせ初めて挑戦する料理だったので、レシピと料理とをにらめっこして、それに関する意見交換だったり指示出しだったりで」

食事中はどうだったのですか?

京太郎「みんな料理に舌鼓を打つのに夢中で、落ち着いた時には皿は空になってましたね」

成程……。特にこれといった会話もなく食事会を終えたと。

京太郎「まぁ終わって後片付けしながら、雑談みたいなのはしたんですけど」

どのような内容ですか?

京太郎「結婚相手に求めるものはなにか」

いきなり話ぶっ飛びましたね。


何故結婚相手云々の話に?

京太郎「確かハオだったかに「S君は家庭的な女の子が好みだと聞きましたが、その割には主夫っぽいこともしてますよね」って言われたのが始まりだったかな、と」

ああ、言われてみればそうですね。

京太郎「まぁ俺としては主夫の道を志して始めた事じゃないんですがね、あくまで清澄のみんなのサポートとしてなわけですし。けど言われて考えてみれば、将来的にそれはそれでアリかもなと思った訳ですよ」

S君は将来どういう職に就きたいとかはないんですか?

京太郎「今の所具体的にどうこうはないですねー。麻雀プロになれたらそら嬉しいですけど、高校から始めた身で特に秀でてるものも無いですし、職にするにはちょっと厳しいかなーと思いますから」

どうしても就きたい職があるわけではないと。

京太郎「男としては一家の大黒柱になるべきという考えも無いわけじゃないんですが、それもまぁ考え方の一つに過ぎませんからね」

それで、家庭的な女の子でなくてもいいと?

京太郎「俺の好みが変わるわけじゃありませんが、結婚の条件とかにはならなくなったかなーって」


S君の結婚の条件って、何なんでしょう?

京太郎「うちって親戚付き合いも多いですし、その辺りが煩わしい人だと厳しいかなーとは思いますね。小さい子供もいるんで、子供好きだったり面倒見がいいと助かります」

ふむふむ。

京太郎「カピーもいるんで、嫌いだかアレルギーだかで動物ダメな人もうちではやっていけないですね」

婿入りは基本NGですか?

京太郎「あんまりそういう想定はしてないですし、したとしてもうちと縁が切れる訳じゃないですから。でもまぁ、NGってわけではないです」

巨乳じゃないとダメとかは?

京太郎「だからそういうのやめてくださいって西田さんの時に毎度毎度言ってるでしょーが!! 自分の性癖を結婚相手の条件に組み込むって、どんだけ器量の狭い男だと思ってるんですか!?」

ですが、性癖と合致しない相手と結婚しても辛くないですか? 夜の生活とかで。

京太郎「性癖と合致しない相手を好きになる事だってあるでしょーが!!」


それで、その条件をお話されて臨海の方々はどういった反応でしたか?

京太郎「え? いえ特に。みんなへーって感じで頷いてただけですけど」

では、臨海の方々はどのように答えていましたか?

京太郎「みんな当たり障りない感じでしたね。インタビューされて答えたのとそう変わらないですよ」

成程。お話はそれくらいで?

京太郎「あー、そういやネリーと一つ賭けをしてましたかね」

賭け、ですか?

京太郎「まぁ一応敵チームなんでね。宣戦布告みたいな感じで「残念だけど優勝はネリー達が貰ってくから、清澄はまた来年頑張りなよ」とか言われたんで、流石にまームッとしましてね」

喧嘩になったんですか?

京太郎「そこまでじゃないですけど、売り言葉に買い言葉で諸々言い合ってる内に、ネリーが「じゃ、賭けでもしよっか? 負けた方が勝った方の言うことを何でも一つだけ聞くの」って感じで」

まんまと口車に乗せられてしまったと。

京太郎「ですね。でも大丈夫ですよ。清澄は絶対勝って優勝するって信じてるんで」

ちなみにS君が賭けに勝った場合は、ネリー選手にどのような事をさせる予定ですか?

京太郎「俺と清澄のみんなに、調子に乗って煽り散らかしてた事を直接謝らせようかと思います」

では、最後に何か一言。

京太郎「ファイト清澄! 絶対優勝してくれ!」


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最終更新:2021年09月26日 09:19