部室の掃除中
京太郎「部長!この変な矢は何なんですか?掃除したら出て来ましたよ」
久「須賀君、今すぐそれを離しなさいッ!」
京太郎「え?……痛ッ!血、血が!」
久「あーあ……やっちゃったわね須賀君……どうなっても知らないわよ」
京太郎「ど…どういうことなんですか!?傷も無いですよ!」
久「いずれ分かるわ。今日は帰りなさい」
次の日部室にて
京太郎「こんちわー遅れましたー」
久「よく来てくれたわね。調子はどうかしら?」
D4C「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
まこ「なんじゃ京太郎、アレに触れたんか?」
キングクリムゾン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
優希「いぬぅ!心配してなんかいないんだからなっ!」
メイドインヘブン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
咲「京ちゃん大丈夫?」
GER「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
和「アレとは何ですか?」コオォ……
京太郎「」
京太郎「え……え…………え?」
久「やっぱり見えるようになってるかぁ」
まこ「これでお主もオカルト使いの仲間入りじゃな。よかったの」
優希「犬がオカルトなんて贅沢だじぇ!弱いままの方が守りがいがあるじぇ」
咲「あはは!これで一緒に楽しめるね!」
和「?オカルトなんてあり得ませんよ」コオォ…
京太郎「和以外背後に巨人が控えてるんだが……これは幻覚じゃないのかよ……」
京太郎「和もよく見れば変な呼吸してるし……」
和「失礼ですね。これは生まれつきです。身体の調子が良いのはこの呼吸が原因だと聞きました」
優希「波紋法を使えばこんなお化けオッパイになるんだな!」
和「うるさいですよ優希!」オーバードライブ!
優希「当たらないじぇ!」ヒュンヒュン
京太郎「何だコレ……」
久「仕方ないから説明してあげるわ。これから貴方もお世話になるだろうし」
久「この矢はね、人の潜在能力を覚醒させるのよ。つまり後ろにいる巨人は私達の能力そのもの」
京太郎「お、俺にもその…潜在能力が?」
久「ええ、あるはずよ。その矢に選ばれたのだからね。実は覚悟が無い雀士がその矢に刺されると死んじゃうのよ」
京太郎「そんな危険なモノ部室に置かないでください!俺が死んだらどうするんですか!?」
久「でも死ななかった。でしょ?私達は貴方を信じていたのよ」
まこ(いけしゃあしゃあと嘘をつきよる…)
久「で、この潜在能力を私達はスタンドと呼んでいるわ」
咲「……早く京ちゃんのスタンド教えてよ!」
京太郎「え……そんなこと急に言われても……出し方なんてわからねぇよ」
優希「こう、バーンッ!で、ズキューンッ!でゴゴゴゴな感じだじぇ!」
京太郎「アバウト過ぎるわ!どうしろってんだ…」
久「実際優希の説明であってるから困るのよ。スタンドは感覚よ」
咲「京ちゃん!頑張って!」
京太郎「……悩んでても仕方ない!やってやるぜ!」
京太郎「来いッ!俺のスタンドッ!……………」
全員「……」ゴクリ
京太郎「……あれ?出てこない…………やっぱり無理だったのか?」
咲「え…えっとぉ……」
久「こ、こんなこともあるわよ…」
優希「……タコス食うか?」
まこ「スタンド像がないのもいるけぇ……元気だせ」
和「そもそもスタンドなんてオカルトありえません」
京太郎「……こんなことって……畜生がァ!」バッグポイー………ドゴォーン!
全員「!?」
京太郎「」ポカーン
キラークイーン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
京太郎「こ、これが俺の……スタンドッ!」
咲「なんか……凄い能力だね」
久「爆発したのが備品じゃなくて良かったわ」
優希「何でタコスを出す能力じゃないんだ!」
まこ「良かったのう」
和「SOA」
京太郎「い、いやぁ……麻雀で爆発能力が何の役に立つんですか?」
全員「………さぁ?」
久「取り敢えず!!須賀君のスタンドが分かったところで麻雀しましょう」
京太郎「俺やります!きっとこの能力を使いこなしますから!」
咲「京ちゃんその意気だよ!頑張って!」
久「じゃあ入るのは須賀君、まこ、和、優希でいいわね?あと、須賀君以外は能力使っちゃダメよ」
優希「スタンドが無くても犬程度なんともないじぇ!」
京太郎「言ってろ!爆破するぞ!」
優希「ひぇぇ、和ちゃん!京太郎が苛めるじぇ!」
和「須賀君、スタンドだか何だか分かりませんが女の子に暴力はいけませんよ」
京太郎「……はい」
雀卓にて
京太郎「よろしくお願いします!」
他「よろしくお願いします!」
京太郎(キラークイーンの能力は爆破……まず牌を引き寄せるとかそういう事には使えない)
京太郎(じゃあどうすればいい?俺は麻雀自体凄く弱い。いくら能力無しとはいえインハイ目指してる奴等相手に勝てるとは思えない)
チャ……タン……チャ……タン……
京太郎(じゃあ麻雀じゃないところで勝負するのはどうだ?こんな能力があるんだ。イカサマし放題じゃあないか!)
京太郎「ッ……」
久「あぁ!言い忘れたけどスタンド使いは普通の人間よりも身体能力上がってるからスタンド使ってイカサマしようとしても無駄よ」
京太郎(あぶねぇ!危うくバレるところだった)
久「後ろから覗くのも無能力者にしか使えないしね。バレるから。過去にインハイでそれをやった選手がいたんだけど……」
京太郎「いたんだけど?」
久「イカサマした瞬間に雀卓から吹き飛ばされたわ。審査員のスタンドに殴られてね」
京太郎(ひえぇ……使えるのはバレないように使える能力だけってことか)
京太郎(爆発……うーん。牌を爆弾に……牌が弾ける……チョンボ!?コレだッ!)
京太郎「キラークイーン」ボソッ
優希「ふむふむ!やっぱり犬は犬だじぇ!」
スチャ……パァーン……バラバラバラバラ
優希「じぇぇぇ!?!?」
和「優希……チョンボですよ。はしゃぐから……」
まこ「まったくお前さんはタコスが無けりゃツモるのもできんのか?」
京太郎「優希はあわてん坊だなぁ」ニヤリ
京太郎(牌を爆弾に変えてチョンボを誘発……勿論バレないように俺がツモる瞬間にさりげなく山牌にキラークイーンを触れさせる)
久(まったく……厄介すぎる能力に目覚めてくれたわね)
久(麻雀で勝てないなら麻雀をしなければいいなんて……正直そこまで歪んでるなんて思わなかったわ)
咲(酷いよ京ちゃん……こんなことして楽しいの?麻雀は正々堂々してこそ楽しいんだよ。チョンボさせるなんて……)
まこ(口ではああ言ったが何ともアレな能力じゃの。まぁ、ワシには当たらんがなぁ)
優希(タコスタコスタコスタコス)
和(さっきから皆さん何を考えているんでしょうか)
対局終了
京太郎「いやぁ、優希に釣られて皆山牌崩してたな。俺もうっかりやっちまったよ!」1位
和「私ももっとリアル麻雀に慣れないといけませんね。」2位
まこ「ワシがこんなにチョンボするとはのぅ。誰かが仕込んどるとしか思えん」3位
優希「じぇぇ………犬ごときに!」ダントツ4位
久「今日はこの辺で終わりにしましょう。須賀君もスタンドのつかいかた覚えたようだからね」
咲「京ちゃん!スタンドは奥が深いんだよ!まだまだ強くなるはずだから練習だけは怠らないようにね!」
久「次は私達もスタンド使わないとね」
D4C「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
自宅
京太郎「ククク……やっと、やっとだッ!女子に勝った!もうこんなに素晴らしいことはないッ!第三部完ッ!でもいいだろ」ニヤニヤ
京太郎「キラークイーンッ!」シュン!
キラークイーン「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
京太郎「いいなぁ!いいなぁ!この洗練されたフォルムッ!」
京太郎「咲達みたいなゴテゴテと色々付いたスタンドとは違う圧倒的シンプルさ!所々にある髑髏も良い味だしてるぜぇ!」
京太郎「今日から俺はスタンド使いの仲間入り。全国の強い雀士の1人になったんだ!もう雑用とか言わせねぇ!」
龍門渕
衣「新しいスタンド使いが現れたようだな」ゴゴゴゴ
ザ・ワールド「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
透華「我が龍門渕に敵う訳がありませんわ」
ウェザーリポート「……」┣¨┣¨┣¨┣¨
次の日
京太郎「え!?インハイが中止!?!?」
久「……そうよ。どうやらスタンド麻雀の危険性と狡さを誰かが大声でいったらしいのよ」
咲「じ、じゃあ部長の夢は……」
久「残念ながら……うぅ……あ…諦める……しか……」グス
優希「酷い話だじぇ……」
まこ「まったく無能力者の僻みは恐ろしいのぅ。大会に出るのなんぞ殆ど能力者だろうに」
和「オカルトが怖くて麻雀を辞めるなんてただの言い訳です」
京太郎「……」ダンッ!
咲「!?急に机叩いてどうしたの?」
京太郎「こんなのってありかよ……折角スタンドを手に入れたのにッ!弱かった俺がッ!やっとッ!強くなれるはずだったのにッ!」
まこ(チョンボは強いうちに入るんか?)
咲(うーん……)
京太郎「部長ッ!大会がなくなったのならッ!俺達が全国に殴り込みをかければ良いじゃあないですか!!!」
久「でも……私の……夢は…」
優希「犬ぅ!たまには良い事言うじぇ!大会が無いなら全国の雀士と戦って勝てばいいんだじぇ!」
咲「京ちゃんの言うとおりだよ!大会が無いなら私達が自分で作れば良いんだ!」
まこ「まぁ、そんなのもありかの。トロフィーは無いが気分だけでも……な」
和「アリですね。大会が無くなるのは残念ですから」
久「皆……」
京太郎「移動代なら俺が出します。雑用係の名誉にかけて!(その辺の不良でキラークイーンの能力を試すか)」
久「有難うね須賀君、皆………よし!清澄麻雀部の今後の目標は全国の強豪校の撃破よ!」
全員「おう!」
久「先ずはどこと戦おうかしら」
京太郎「長野でも強い所はありますよ」
まこ「去年の龍門渕とかは凄かったのう」
咲(お姉ちゃん……)
優希「タコスがあるところに行きたいじぇ」
和「うーん……奈良とかは…いえ、なんでもないです」
姫松高校にて
久「まずはここ!姫松よ!アポは取ってあるから安心して入れるわ。勿論須賀君もね」
京太郎「公式戦じゃないから俺も卓囲んで良いんですよね?よっしゃあ!」
咲「たしか強いのは愛宕さん……だったよね」
まこ「噂から察するに何とも賑やかな打ち筋らしいのう」
和「うるさいのはあんまり感心しませんね」
優希「大阪はたこ焼きが美味しいんだじぇ」
代行「ほな今日はよろしくなぁ。うちらもインハイが無くなって手持ち無沙汰にしてたんや」
洋榎「うちらと戦うんやったら覚悟しいや!ボコボコにしたるで!」
絹恵「お姉ちゃんの言う通りや!名も知らない高校に負けるほどうちらは甘くないで」
漫「負けないのよー」
恭子「みんな落ち着いてーな。今日はよろしくお願いします」
代行「振り分けはどうするん?団体戦方式?それとも自由に打つ?」
久「では折角なので自由でお願いします。大会のようにしたいとはいえ、急な話ですから」
代行「りょーかい。んで、そこの男子はどうするん?見てるだけ?」
京太郎「できれば……俺も打ちたいです。でも女子の皆さんの邪魔をするわけにはいかないので」
洋榎「えらく謙虚なやっちゃなぁ!男子ならもっとビシぃ!っとせい!」バシバシ
京太郎(痛ぇ……なんつー力だよ……はっもしかしてスタンド使いッ!?)
代行「そんなら、終わった後にでもちょろっと打っていいで」
京太郎「ありがとうございます!」
久「じゃあ、私達のインハイを始めましょうか!全員散らばる!」
優希「東場ならメイドインヘブンの加速について来られる雀士はいないじぇ!」
ロン!跳満!
漫「酷いのよー、スタンド使いがいるなんて聞いてないのよー……」
恭子「え……無名高に何でスタンド使いがいるんや…」カタカタ
和「まったく、何も見えないのにどうしてそんなに震えているんですか」コオォ…
ツモ2000
漫「こっちもなんや変な能力持っとるし……ついてないのよー」
恭子「何でや……どうしてうちらにはスタンドがいないんや…」
最終更新:2020年07月04日 09:03