京太郎「爽先輩が?悩んでた?」
誓子「うん、京太郎くんが助けてあげたほうがいいと思うんだ」クスクス
揺杏「あれは悩んでたねー、今回は京太郎にしか助けられなさそうだし」ニヤニヤ
京太郎「……なんで笑ってるんだ」
京太郎「それで、こんなところにいたんですか爽先輩」
爽「えっ京太郎!?な、なんでここに!?」ビクッ
京太郎「屋上に一人で悩みごと、ザ・青春って感じっすね」
爽「ゆ、揺杏とチカだな!?あいつら~……!」
京太郎「俺にしか助けられないって言われたんですけど?」
爽「そ、そりゃあだって……悩みの元凶に言えるわけないじゃん……!///」ボソボソ
京太郎「?」
爽「いやもう大丈夫、京太郎が心配することないって!時間を置いてくれれば……」
京太郎「嫌っす!爽先輩の為になるなら、いくらでも俺を頼ってください!」キリッ
爽(うーわー今は要らないよその正義感!すごく嬉しいけど!くそっ!///)
京太郎「悩んだ時ってよく屋上に来るんですか?」
爽「いや、一人で悩む経験がなくって……ってよく場所がわかったな?」
京太郎「探し回りましたよ!三年の教室にもいなかったですし」
爽「げっ、教室行ったのか。クラスの人に嫌な顔されただろ?」
京太郎「え?まぁ……な、なんとなく」
爽「別に隠さなくてもいいって、なんて言われた?」
京太郎「……『知らなーい』と。なんか知ったこっちゃないみたいなニュアンスでしたけど」
爽「避けられてるんだ、もう慣れっこだけど」
京太郎「それが悩みの原因っすか?」
爽「全然!チカとか揺杏とか部活のみんなのおかげでさ、毎日楽しいよ!」
京太郎「ほっ……あー、避けられてる理由は、聞いても?」
爽「んー言ってもいいけど、絶対信じないからやめとく」
京太郎「信じますよ」
爽「……へっ?」
京太郎「麻雀部の一員になってまだ日は浅いですけど……俺にも信じさせて下さい、爽先輩」キリリッ
爽「っ……は、話すからそれ以上はヤメテ……!///」カァァッ
京太郎「なにかフクザツな理由でもあるんですか?」
爽「……助けてもらうんだ」
京太郎「……?」
爽「事故とか事件に巻き込まれても、助けてもらえるんだ。昔はやんちゃだったなぁ」
京太郎「……もしかして爽先輩が麻雀強い理由って、それが関係してるんですか?」
爽「まぁねー、詳しいことは揺杏とかに聞いてみればいいよ」
京太郎「あー……じゃあ今回の悩みっていうのは」
爽「うん、私自身が決めないといけない話だから……はぁーあ」ドヨーン
京太郎「んー助けてもらえない悩みというと、例えば恋とかですか?」ズバァッ
爽「ぶっ!?///」ドキッ
京太郎「はっはーん……」ニヤリ
爽「ちっ違う!そんな人、いるわけないじゃん!///」
京太郎「その好きな人、ものすごく近くにいる人でしょう!さては同じ部活内に?」ズババァッ
爽「な!?な、なんで今日はそんなに鋭いんだ!?///」ドキドキ
京太郎「ん?でもその場合……男子って俺しかいねーし、違うなコレ」
爽「あれ!?やっぱり鈍かった!」ガーン
京太郎「となると何だろう、全然見当がつかないっす」
爽「はぁー……なーんか私の方がバカバカしくなってきたわ」
京太郎「なんか俺……全然役に立ってないですよね」ショボーン
爽「そ、そんなことないって!今のバカ話でもう、吹っ切れたーって感じ」
京太郎「問題は解決しそうですか?」
爽「うん、京太郎のおかげで、ね!」ニコッ
京太郎「まぁそれならよかったっすけど」
爽「そう、ずっと、このままでも……」ボソッ
京太郎「え?」
爽「んーん、別に……よっと!」スタッ
京太郎「ちょっ!危ないっすよそんな端っこ!」
爽「大丈夫だって助けてもらえるから!信じてくれるんでしょ?私のこと!」
京太郎「信じます!でも」
爽「なんなら飛び降りてみようか?」クルッ
京太郎「ッ……!」
爽「いっ、せー、のっ!」
爽「………………って、あら?」プラーン
京太郎「重ッ……くねぇな!?軽っ!」グイッ
爽「……そんなことしなくても、大丈夫だって言ったのに」ポツリ
京太郎「やんちゃは昔の話じゃなかったんですか!?はぁっ、神経使ったー……」
爽「信じてくれるんじゃなかったの?京太郎」
京太郎「いや、その………………俺が」
爽「え」
京太郎「俺が、助けます。今日からは」
爽「……~~~ッ!!?///」ボフンッ
京太郎「……それでいいですか?」
爽「っ、う、うん……そうして……///」ギュッ
京太郎「……あの、今は地上っすよ?手はもういいんじゃないですか」
爽「いや、ずっと、このまま……///」
その後の部活の爽先輩は、いつもより麻雀が弱かった。
カンッ
最終更新:2016年07月23日 02:38