『大掃除2』
姫子「ふー、だいぶ綺麗んなりましたね」
哩「こん調子やったら年内に終わりそうやな」
姫子「あとは何が残っとりますかね?」
哩「あとは床ば掃わいて拭いたら終わりやね」
京太郎「なんか『掃わく』って変な響ですね」
哩「は?じゃあなんち言うとか?」
京太郎「普通に掃くですよ」
哩「吐く?ゲロをか?」
京太郎「ゲロって哩さん……」
姫子「長野県ち変な言葉ば使うとやね」
京太郎「いやいや!おかしいのはそっちですよ!掃くが標準ですって!」
哩「京太郎。勘違いしとって恥ずかしかとは分かるばってん、認めるんも大事なことぞ」
京太郎「待ってください!何で俺が間違ってる感じで話が進んでるんですか!?」
姫子「だって 掃くとか聞いたことなかし」
哩「な?」
京太郎「じゃあ、インターネットに聞きましょう!」
姫子「しゃーしかねぇ」
哩「仕方なか、こんままやと掃除も進まんし付き合っちゃる」
京太郎「掃わくで検索しますよ」
姫子「いいけん、はよせんか」
京太郎「それじゃあ、はい」カチッ
PC『 「掃く」を「掃わく」というのは九州の方言で、九州のほぼ全域で使われている。特に北部では現在でも「掃く」を駆逐しており、「掃く」という言い方を知らない方も多いという』
姫子「」
哩「」
京太郎「ね?」
姫子「い、いや!こん解説が間違っとるかもしらん!」
哩「そうや!他んもみせんか!」カチッ
PC『方言です』
哩「そ、そがんことが……」
姫子「私たちの十数年は間違うてたんですね……」
京太郎「いや何もそこまで卑屈にならなくても」
哩「そがん気を遣ってもらわんで結構です……」
姫子「惨めな私たちを笑えばよかよ……」
京太郎「どんだけ卑屈になってるんですか!?」
哩「標準語気取ってすいません……」
姫子「佐賀に帰ります……」
京太郎「いやいやいや!そうだ!掃除!掃除まだですから続きやりましょう!」
姫子「そうですね、立つ鳥跡を濁さずですね」
哩「酉年だけに……」
京太郎「実は落ち込んでないでしょ!」
哩&姫子「てへ」
京太郎「もう!掃除やりますよ!」
哩&姫子「はーい」
姫子「やっと終わったー!!」
京太郎「結構疲れましたね」
姫子「なんやかんやあったしな」
哩「疲れた時は味の濃ゆかもんば食べたくなんな」
姫子「あ、分かります!ラーメンでも食べに行きます?」
哩「お、よかね。京太郎もどう?」
京太郎「いいですね!ご一緒させて頂きます!」
姫子「じゃあ、行きましょうか!」
京太郎「ところで……」
―――『濃ゆい』って変な響ですね
カンッ!
最終更新:2017年06月03日 20:47