IF・もし咲ちゃんが麻雀部に連れられて行かなかったら

普通の昼休み、いつものごとく拝み倒されてレディースランチを注文する幼馴染二人の姿が食堂にあった。

咲「そういえば京ちゃん、部活どう?」

京太郎「んー。皆教えてくれるんだけど言ってることがばらばらでな。ほとんど上達してない」

咲「ご愁傷様」

京太郎「あと団体戦の人数が集まらないってことでちょっと空気がピリピリしてる。咲、お前入る気は」

咲「やだ。私麻雀嫌い」

京太郎「だよなー。そもそも強い人じゃないと部長が拒否するしなあ」

咲「そもそもなんで京ちゃんは麻雀なんて明らかに向かないものを選んだの?」

京太郎「それは照さんが……」

咲「お姉ちゃんが?」

京太郎「別れ際に『私が有名になったら会いに来て』って言ってきたんだよな」

咲「へー、ふーん。私には何もなかったくせにお姉ちゃんめ……でも普通に遊びに行けばいいんじゃ」

京太郎「そこはこう、麻雀始めた弟分がインターハイで再会するというサプライズ要素をだな」

咲「うわー、乙女思考。鳥肌立っちゃったよ。というか京ちゃんってお姉ちゃんが好きだったんだ……」

京太郎「なに言ってんだお前? 俺の好みは家庭的で胸の大きい、母性のある人だ。照さんにそんな要素があるか? 全くないだろ」

咲「……京ちゃん、今日は女心の何たるかをその身に叩きこんであげるから、寝られないと思いなよ」

京太郎「やだこの幼馴染、怖い」

その夜に起こった顛末を知る者はこの二人以外におらず、双方とも固く口をつぐんだという。


カン

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最終更新:2018年04月30日 20:52