「麻雀部? ゴメンネ、きょーみ無い」
「麻雀部? うちにあったの? アハハ! 部活でやるなら風越狙うっしょ」
「……全然駄目ですね、ゆーき」
「だじぇ……。うぅっ、タコスが切れて力が出ない……」
「はあ。仕方ないですね。私はもう少しだけ勧誘を頑張りますから、
ゆーきは食堂で休憩していてください。駄目だったら今日は切り上げましょう」
「さっすがのどちゃん! 話が分かるゥッ だじぇ! 待ってろよータコスぅぅぅ!!」
「ちょっ、ゆーき!? 元気いっぱいじゃないですかまったくもう!」
(ゆーきにはああ言ったものの、女子には梨の礫ですし……
こうなったら数合わせで男子に声をかけるしかないでしょうか?
でも男子は私の胸をちらちら見てきて鬱陶しいです。できればやめて――?)
「うおー、すっげぇ巨乳美少女! あ、俺須賀京太郎って言うんだ。
なんか困ってるみたいだけど俺にできることなら手貸すぜ。君名前なんていうの?」
「……原村和です。デリカシーが無いって言われませんか」
「ハハッ、よく言われる! でもほら、困ってる美少女は借金してでも助けろって言うだろ?」
「言いません!」
(なんでしょう、名乗り合ってからは胸に視線を向けてきませんね。
あからさま過ぎてかえって清々しいくらい。不思議な……っ、いえ、そんなオカルトありえません、ええ)
「ほらほらー。和ちゃんのお悩み相談しちゃおうぜ」
「なっ! なんで名前で呼ぶんですか!」
「いいだろ和? 和も俺の事京太郎でも京ちゃんでも京くんでも好きに呼んでくれていいぞ」
「呼び捨て……。はあ~。もう、いいです。嫌じゃないですしっ」
「ん? 悪い、最後の方聞き取れなかった」
「い、いいですから! とにかく、その、実は――」
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「へぇ。それが旦那さんとの馴れ初め? ナンパじゃん!」
「原村先輩、あ、須賀先輩のほうがいいです?
先輩はガード堅いイメージあったんですけど意外です」
「だよねー。若くして弁護士事務所を切り盛りする才媛も昔は初心だったんだ」
「いいじゃないですか! そのおかげで私はその、い、今幸せなんですから!」
「うわ、すっげー、言い切ったよ」 「惚気っすねー」 「はぁ。あたしも結婚したいなぁ」
「ふんっ。とにかく、しばらく事務所をお願いしますからね皆さん」
「はいはい任されました。安心して元気な子を出産してきなさいな」
「もちろん。愛する人を遺して逝くなんて、そんな不条理ありえませんから!」
カンッ
最終更新:2019年03月11日 01:17