京太郎「んじゃ、当番だし買い物行ってくるわ。なんか欲しいものあるか?」
穏乃「あ、私は牛乳」
憧「いつもので」
宥「……ホットココア」
玄「私は京太郎くんの分もお茶淹れておきますのだ」
灼「ウーロン茶、これお金」
京太郎「うっす、じゃあ行ってくるな」
そうして金髪少年の背中をにこやかに見守り、角を曲がって見えなくなった瞬間に室内の空気が変わる
憧「いまだに牛乳で大きくなるとか幻想抱いてるわけ? あと盛った猿みたいに色目使うのやめてくれる?」
穏乃「あはは、うちが共学になった途端に志望校変えた尻軽には言われたくないかな」
玄「2人ともやめるのです、おもち未満である以上京太郎くんと付き合える可能性はないんだからさっさと諦めるべきだよ」
宥「玄ちゃんみたいに何でも話せる友達枠に入っちゃったら意識させるの無理だと思うな」
灼「どうでもいいけど宥さんと付き合ったら熱中症で危なそ」
ギシギシと空間が歪み視線に殺気が乗り始めるころ、この場にいた一人の大人の女性が手を鳴らして注意を引く
晴絵「はいはい、そこまで。そんなんじゃ県予選も突破できないよ。あんたたちの目標はその先でしょ」
灼「もちろん。ハルちゃんを決勝に」
穏乃・憧・玄・宥「「「「原村和を潰す」」」」
明らかに怒気を含んだその言葉に、灼のみが頬を引きつらせる
穏乃「顔もスタイルも麻雀もできて京太郎の初恋? そんなの許せるわけない」
憧「思い出で美化されてるから情けないとこ晒して幻滅させなきゃ、スタートラインにも立てやしない」
玄「京太郎くんが帰ってくるのは私の元だけでいいんだよ」
宥「ふふ、不思議だなあ。直接の面識はないのに心がぐつぐつと熱くて。きっとぶつけたら気持ちいいんだろうな」
レジェンドとも呼ばれる赤土晴絵教諭は、煮えたぎる黒い感情のるつぼを直視しないように視線から外して合図を出す
晴絵「それじゃ今日も練習バシバシ行くよ!」
教え子たちの拗らせっぷりに不安を抱きつつも、今は共通の敵がいることでギリギリ団結できている事実に感謝をしていた
なお、インターハイが終わった後に血で血を洗う抗争が起きた時は、即刻とんずらの決意も固めてもいたのだった
カン
最終更新:2019年03月11日 01:19