久「ねぇ須賀君、聞きたいことがあるんだけど…」

石戸姉妹との短くも幸福な週末を過ごした後の月曜日である。
好奇の感情を隠そうともせず、元部長の竹井久が擦り寄ってくるのに首を傾げる。

久「週末、『偶然』須賀君が女の子二人といるのを見掛けたんだけど…」

京太郎「声をかけてくれれば良かったのに」

久「デート中にそうもいかないでしょ。……で、片方は永水の……巫女さんだったのは分かるんだけど、もう一人は誰なの?」

おっぱいオバケ、おばさん…口さがない悪口が出そうになるのを辛うじて呑み込み、久は疑問をぶつける。
そして久の疑問は、彼女の後輩たちにも興味ごとだったらしい。
睨めつけるような視線に嘆息しながら、京太郎は口を開く。

京太郎「霞さんは知ってるんですよね?その霞さんの妹の明星ですよ」

久「あら、妹さんなのね。それに須賀君が呼び捨てるなんか」

京太郎「明星に頼まれましたからね。中学生だけど、心は立派な女だって」

中学生。
中学生と言ったか。
久の顔が引き攣る。
咲の発する殺気が威を増す。
優希の困惑が手に取るように分かる。
和が自分の胸を触っている。
流石に和ほどじゃあないが、少なくとも優希や咲、久、まこを遥かに凌ぐサイズの持ち主。

久「さ……流石に中学生相手に手出しは…」

京太郎「してませんよ。お義父さんには姉妹共々娶ってくれって言われてますけど、明星はまだ子供ですしね」

久「そ、そうなの……」

京太郎「今度は俺が向こうに行くんですよね。霞さんや明星、小蒔ちゃんが会いたいって言ってくれてるんですよ」

久(増えた!?)

久の困惑、まこの呆れ、優希の焦燥、咲の憤怒、和の憂鬱を柳に風と受け流しながら。
姉妹で同じエプロンを着た二人の写メを待ち受けにしていた。

久「須賀君、週末はお楽しみだったみたいね」

京太郎「ええ、宥さんも玄さんも可愛くて可愛くて」

久「でも結構変わってるんでしょ?」

京太郎「いやぁ、それがですねぇ…」

久「それが………?」チラッ


咲「」ゴゴゴゴゴゴゴ…
優希「」ゴゴゴゴゴゴ…
和「」ゴゴゴゴゴゴゴ…
まこ「」ニヤニヤ

久「っっっ!!?」

京太郎「玄さんも宥さんも甘えん坊で、すごく引っ付いてくれるんですよね。一緒に買い物、一緒に料理、一緒にお風呂、川の字になって寝て…」

久「……あの、須賀君?」

京太郎「咲は嫁さん扱いされるの嫌がってたし、優希からは犬扱いされてるし、和からも良い友達扱いでしたからねー。やっと恋人が出来て幸せですよ」

咲「」チーン
優希「」チーン
和「」チーン

久「……エグいクロスカウンターね」

京太郎「なんのことやら」

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最終更新:2020年04月06日 23:12