農業博覧会 土場藩国ブース - 土場藩国

土場藩国ブースは販売員への朝礼から始まる。
「はい、笑顔！」
「えがお！」
　にこやかな犬の声が響く。
「嘘はつかない！」
『嘘はつかない！』
「ごまかしはしない！」
『ごまかしはしない！』
「完全に合法！」
『完全に合法！』
　朝礼は商売の基本として教えられるお約束の復唱をする。清く正しい合法商売である。不正はダメ、結果的に損をする。
ブランドイメージの創出にクリーンさは大事なのだ。
「利益はだいじ」
『利益は大事』
でもちゃんと商売っ気は忘れない。なおこのあと、「いいものなら売れるというナイーブな考えはすてろ」とも言うので
売るための努力も忘れないのであった。

そんな販売員たちはお客の入場時間前にキビキビと配置につく。やってくる人の質問にも気さくに答えるフットワークの軽さが売りだ。
「ここはわんちゃんふれあい広場？」
「土場藩国ブースです」
　今回が初の大仕事になる新人の看板犬がえへんと胸を張る。
最近は犬と人間の比率が少しばかり変化して北国となったが、それでもキレイどころとかこういうところに顔を出すのは犬が多い。
なんだかんだいって商魂たくましい犬たちである。「いぬのてもかりたい」という言葉にそっとお手をするぐらいの茶目っ気もある。
人間がやると殺意が芽生えるだけなので犬の姿は大事。「こう見えて犬はサービス業だからね」は担当課長の弁である。

余談はさておき、土場藩国では昨今の状況を踏まえ、非常時に役立つ缶詰を中心に出店した。それ用の幟を立てて
缶詰が衛生的に生産されている様子をパネル展示している。ちゃんと人間の労働者も使っているのがわかるように
働いている姿も写真に収められていた。
農業雑誌もそれ専用の特集が組まれたものがブースに積まれて彩を添えている。こういう出展では関東では大量に積む方がよくて、
関西だと低めに積んでおくと客のウケがよい。そんな情報によりここでは雑誌は少しばかり少な目に積んであり頻繁に補充する方式を
取っている。
展示されている缶詰の現物も高く積まれており、お客様のご要望に応えて販売されている。
なお、雑誌の特集のタイトルは　缶詰特集【缶詰これくしょん】　略して……ちょっとギリギリかもしれない。

ーーーー
※未登録ですがクラフトした場合はこんな感じ

名前：農業雑誌と缶詰詰め合わせセット
スケール：-1
能力：C
種別：食品と雑誌
用途：博覧会頒布品
設定：
国際産業振興団体コーレア主催の農業博覧会への出展物。
土場農業通信と缶詰の詰め合わせセット。
土場藩国産の缶詰の中から数種類を厳選している。
土場農業通信は博覧会仕様の特別号。缶詰に絞った内容となっている。今回の缶詰詰め合わせセットの紹介が記載されているほか、調理前の原材料の生産から調理、缶への密封までの工程の紹介や、缶それ自体の成形工程などもわかりやすく写真やイラスト入りで記載されている。その他にも缶詰を使った調理法から編集者による缶蹴り大会の様子などの記事も載っているなど大ボリュームである。

タイトルは”缶詰これくしょん”となっている。だいじょうぶか？