解説
彼が最初に現れたのは、2007年4月1日0時のことであった。
突如
掲示板に現れ、滅茶苦茶な文字を羅列した文章を書き込むという、荒らしとしてはスタンダードな方法であった。
そしてその中に、その言葉はあった。
「ここを潰してやる」
大半の者は、この言葉を冗談だとしか思わなかった。中には、嘲笑する者もいた。
そう、この時はまだこの後に起こる出来事を、誰一人予測していなかったのだ・・・
そして夜が明け、チャットに人が集まり始めた昼頃である。
ついに、黒大和がチャットに現れたのだった。
最初は皆少し驚いたが、次第に冗談混じりに茶化したり、挑発したりという言動が目立っていった。
もちろん、誰も黒大和の言葉を信じていない。
この後、呆気なく黒大和は
強制退室と
アクセス禁止をされ、チャットに入室できなくなった。
しかし、再び「ヤツ」は現れた。
数時間後、黒大和が再びチャットに入室してきたのだった。
チャットにいた者は、黒大和の出現に困惑を隠せなかった。
「
串を使った」「パソコンを変えた」など、様々な憶測が飛び交う。
そして、その直後黒大和はこう書き込んだ。
「このチャットをクラックした」
チャットにいた者の1人は、この発言の直後にチャットの管理画面にアクセスしようと試みた。
しかし、無情にも「パスワードが違います」の文字が。
そう、パスワードが変更されたのである。
この状況に、チャットは混乱に陥った。
そして、チャットにいた者はこう確信した。「コイツは、本気でここを潰す気だ」
しばらくの間を空けて、黒大和はこう発言した。
「命令を聞け。さもなくば、このチャットを削除する」
ますます混乱するチャット。冷静になるよう促す者もいたが、誰も聞かない。
そしてある者が、こう発言した。
「やれるもんならやってみやがれ、このイエローモンキー」
黒大和は即座にこう返答する。
「10個のカウントダウンの後、このチャットを削除する。覚悟しろ」
もはや、かつての楽しいチャットの面影は無くなっていた。
あるのは、不安と戦慄のみ。
「10」
カウントダウンが始まる。
「9」
ある者がふざけて「65535」と書き込んでみるも、無視された。
「8」
「このヤロウ」「消えちまえ」飛び交う罵声。
「7」
ある者が必死に管理画面にアクセスしようとするが、出るのは「パスワードが違います」の文字のみ。
「6」
げへへへへへへへへへへ。げへへへ。黒大和に混じって狂った者が出始めた。
「5」
どうしよう、どうしよう。これが嘘ならどんなにいいことか。
「4」
ますます不安が膨張していく。
「3」
「3000000000」 もちろん、無視された。
「2」
もう、諦めるしかない。
「1」
終わり。
「0」
予告どおり、チャットは削除された。
そしてその直後、Legend world内の様々なデータが黒大和によって破壊されていき、多大な被害を及ぼした。
掲示板、CMOM・・・あらゆるデータが失われた。
そう、彼はたった1日で、Legend worldを壊滅に追い込んだのだ・・・
その3日後、必死のデータ復旧が行われ、Legend worldは奇跡的に復活した。
掲示板、チャット、CMOMまで、ほとんどのコンテンツが、騒動が起こる前と大差なく作動した。
この騒動から、1回たりとも黒大和は姿を見せていない。
しかし、また彼は襲撃してくるかもしれない。その不安は、今も利用者の中に少なからず存在している・・・
真実を知りたい人へ
最終更新:2009年07月09日 18:46