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デッサンや模写から始めてみよう

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始めに

このページを見ようとした人の大部分は、おそらく、小学校高学年くらいから高校生のころにかけて
何らかの形で「 絵を描きたい 」と考えていた経験があると思います。
その一心で、自分の好きな漫画やアニメなどのキャラクターや、犬や猫など身近にいる動物、
ドラゴンや巨大ロボットといった想像上の生き物や物体を紙に描こうと、さまざまな努力をしたことでしょう。
事実、大人になってから絵をまったく描かなくなった人でも、子供のころには自由気ままな絵を描いていたり、
漫画家になる夢を持っていたり、真剣に画力を上達させたいと思ったりしていた時期があったといいます。
程度の差はあっても、絵を描きたいと考えて いた 人はかなり大勢いるのです。あなたもその一人かもしれませんね。
それなのに、ある人は上達するけど、ある人はちっとも上達しないので、この違いは何なのかな?と不思議に思い、
「才能」が肝心であるとか、努力の問題だとか、練習の仕方がよくなかったなどと理由をいろいろとつけ、
上手くいかないことは「 なかったことにしよう 」と片づけられ、思い出すこともなくなっているのが現状です。

このページでは、そんな「思い出したくもないこと」や「あきらめかけていた夢」を持っていた人に、
もしかすると進歩するかもしれない という期待を抱かせる「何か」を伝えようとしています!
…かもしれません。


デッサンとは何か?

「デッサン(Dessin)」に相当する日本語には「 素描 (ネコじゃないよ)」というものがありますが、いまいち意味が明確ではないため、
デッサンがどういうものなのかを理解するのは容易ではないように思われます。

デッサンの意味を尋ねてみると、
  • 単なる下書き
  • 鉛筆で描いた絵
  • よくわからないけどとにかくリアルに描くこと
  • 西洋の絵画技法の一種
  • 指先でこすってぼかしたりする
  • 写実主義みたいなもの
というような回答が得られます。
これは、実は、どれも間違っているわけではないのです。
どれも正しいことをいっています。
というよりも、これらの意味がデッサンにはすべて含まれているのです。

デッサンの意味を簡単に説明すると、

対象を見たまま紙に描き写すこと。

です。

対象をよく観察し、形を崩したり改変(アレンジ)したりせずに、そのまま描くことです。
「観察すること」が一番大切なので、手の動かし方や表現方法よりも重視しています。

逆にいうと、対象をよく観察しないで描くのはデッサンではないのです。

観察する過程で対象の形(輪郭)を忠実に描き出し、奥行きや明暗、表面の状態なども細かく描写していくので、
よく観察しなければできない作業というわけです。

比較的、長時間、同じ姿勢のまま同じ対象を観察しなければならないため、描く道具は 鉛筆 や木炭などの安定した、
時間がたっても変質しない、手の動かし方で自由に表現を変えることができるものを使います。
絶えずインクを補充しなければならないペンや、筆圧で濃淡を変化させられない絵の具のようなものは適しません。

デッサンに必要な能力は?

「デッサンには特別な能力が必要なのではないか?」と思っている人は多くいますが、 そんなことはありません。
日本語を読み書きでき、自分の名前を正しく書くことができれば十分です。

次の漢字を見分けられますか?

目日
牛午
回円
人入
王玉
恥聡
見分けられたら、できるだけ同じ大きさに書いてください。
それができれば十分な素質があるといえます。

デッサンは身近な道具だけでできる

  • 鉛筆
基本的にこれだけです。高価な画材やPhotoshopなどは必要ありません。


削った鉛筆と紙さえあればデッサンはできます。
私の経験では、紙の質は特に専門的なものを選ぶ必要はありません。
  • コピー用紙(PPC用紙)
  • チラシの裏
  • 学校で配られるプリントの裏(わら半紙)
  • 画用紙
  • スケッチブック
  • クロッキー帳
表面が極端にツルツルしているものや、あまりにも汚れているものや、折れたり破れたりしているものは使えません。
また、紙を置く台(机やテーブル)の表面が滑らかでないと、描いている最中に引っかかって上手くいかないので、
同じ大きさの用紙を何枚か重ねて下敷きにしたり、クリップボードにはさんで使ったり、絵画用の画板や製図板などの
上に乗せたりして、動かないように固定するのが一番いいです。

鉛筆

紙はあまり気にしなくてもいいのですが、鉛筆は少し高品質のものを使ったほうがいいです。
というのも、鉛筆は種類があって、BやHの濃度や硬度という等級だけではなく、
「筆記用・一般事務用」や「絵画用」「製図用」という用途による違いもあるからです。

絵画用や製図用に作られた鉛筆は、そうでない鉛筆よりも黒鉛が高度に精練されているため、
芯が滑らかで、折れにくく、一定の濃度で描けるようになっています。
しかも鉛筆の軸である木材にも高品質なものが使われており、カッターナイフで削ったときに
非常にスムーズに刃が通るようになっていて、自分の使いやすい形に加工することが容易にできます。

自信を持ってお勧めする鉛筆は次の2種類です。
トンボのMono 100と、三菱のHi-uniという国産のブランドで、どちらも古くから定評のある鉛筆です。
1本140円もしますが、これと普通の鉛筆を比べてみれば、描き味の違いに驚かれることでしょう。
4Bというのはデッサンでは一般的な等級ですが、自分の筆圧や手の動かし方によっては6BやHBのほうがいい人もいます。
実際に比較したい人は、セットで購入するのではなく、等級の違うものを1本ずつ買うことができます。


ノート

方眼や罫線の入っているノートは便利ですが、とじてある部分がどうしても歪んでしまい、
その部分の線が曲がったり飛んだりすることがあるため、けっこう描きにくいという点に注意してください。

落書き帳

落書き帳は、1枚ずつ切り離して使うこともできます。
下手に引っ張ると破れるので注意してください。

ペンタブレット

ペンタブはデッサンの練習には不向きです。
「将来的に」ペンタブで絵を描くとしても、練習には向いていません。

鉛筆に比べて表現力が落ちるということがよくわかるでしょう。
コピー・ペーストが容易にできるせいで、本来、自力で描くところを省略し、
無意識のうちに練習の量を減らしてしまうこともあります。

ぼかしやフィルタといった「小細工」ができるため、観察しながら描くという本来の目的から
簡単に外れてしまいやすいのもペンタブレットの欠点です。

シャープペンシル

鉛筆と違って細い線を描き続けることが可能です。
しかし面を塗ることには不向きなため、陰影の表現には工夫が必要です。


な  ん  か  も   う   デ   ッ  サ  ン   じ  ゃ  な  く  ね  ? wwww

まあまあ、道具の説明ですから。


マウス

おそらく練習にはもっとも適さないマウスです。
設定によっては滑らかな線を引くことすらできません。

落書きの種類

どんなに上達しても「落書き」は必要不可欠であるといえます。
仕事を始める前に 緊張を解きほぐす 働きをするからです。
よく描かれる落書きのパターンをいくつか紹介しましょう。

誰かを描く

写真などを見ながら、あるいは記憶を頼りに人の顔を描くというパターンです。
それなりに絵を描けるようになった人がよくやります。

誰かの絵を描く

誰かが描いた絵を真似て描いてみるというパターンです。
自分にはない魅力の発見があるかもしれません。

誰かが描く

自分ではなく、誰かに絵を描いてもらうというパターンです。
あまり意味がない気もしますが…。

誰かと描く

誰かと一緒に絵を描くというパターンです。
収拾がつかなくなることが多いです。

2ちゃんねる

AAや顔文字は落書きにもってこいというパターンです。
もっとも落書きらしい落書きかもしれません。

病的・カオス

ちょっと危険な雰囲気の漂うパターンです。
心配には及びません。


ちょwwwデッサンの説明はどうなったwww

ここまできて「デッサン」の意味がますます理解できなくなったと思います。
重要だということを主張しているのに、無関係な話が続いているからです。

デッサンそのものは目的ではなく、手段に過ぎない

デッサンそのものは目的ではなく、手段に過ぎない

デッサンそのものは目的ではなく、手段に過ぎない

大事なことなので3回言いました。

まず、このことを念頭に置いて話を進めていきます。

このような絵を描くことが目的なのではなく、描く「過程」に意味がある

これは安物のフクロウを実際に見ながら描いたもの──すなわちデッサン──です。
1つの物体をさまざまな角度から見たものを描きました。

「こういうものを描きたいのに、なんで落書きなんか見せるんだ? ばかじゃねーの」
と疑問に思うのもよくわかります。
本当になぜなのでしょうか?
落書きに意味なんてない 」からでしょうか。
いいえ。
違います。

そもそも「落書き」という行為は、「絵を描くこと」が目的なのでしょうか?
「ノー」でしょう。
実はデッサンも落書きと同じで、それ自体が目的ではないのです。



( ゚д゚ )???



目的でなければ、いったい何なのか!?



意味があるのかないのか、目的があるのかないのか、説明が矛盾しまくりで理解不能。

はい。もう少しで理解できるようになりますから、頑張ってください。


デッサンとそうでないものの違い

理解不能な説明を理解するために、デッサンとそうでないものの違いを考えてみましょう。

見まごうことなき「落書き」

「 ま た 落 書 き か 」と思いましたね。
あなたの目は一瞬にして「落書き」であることを見極められるわけです!

では、これは?

「いろいろとインチキくさく見えるが、明らかに何かを 見ながら描いた 絵だな」と思われるでしょう。

そういうことなんですよ!!

落書きというのは、 そもそも「対象が存在していない」のに描かれる ことが多いのですが、
デッサンは、 明らかに「何かを見ながら」描いたもの という違いがあるのです。

もう一度、落書きを見てください

しばらく眺めていれば、この部分に描かれているものが「キリン」であることがわかるでしょう。
このキリンは、現実に存在する──我々が動物園で見ることのできる──キリンとはまるで違います。
模様も、胴体も、足の生え方も、本物のキリンとはまったく違っているのに、この絵がキリンであることがわかるのです。

この絵は当然、キリンを実際に見ながら描かれたものではありません。
見ていないので、想像で描いたということです。
想像だけで描いたのに、絵を見た人にはそれが何であるかがわかるのです。

このような絵にはデッサン的な要素がないので、対象を注意深く観察するとか、常に見ながら描くことが必ずしも求められていません。

では、次のような絵は?

これは描く対象(写真)が存在しています。記憶や想像を頼りに描いたものではありません。

やはりこれも同様に、写真を見ながら描いたものです。

観察する対象が存在し、それを見ながら忠実に描くことをデッサンと呼んでもいいでしょう。

「デッサン」の定義が独自のものになってしまいますが、含んでいる意味は同じです。
「模写」との違いは、模写は「既成の 絵画 を模倣して描くこと」。デッサンは三次元の物体や 写真 を描くこと、
と勝手に定義させていただきます。

真剣に取り組むとなると、勝手に写真を描くことは法律上のさまざまな問題に触れる恐れが出てきます。
こうして公開すること自体が問題になるかもしれないため、あまり似せて描くのも考えもの……なのでしょうか。
公開せず、自分の手元でだけ見られるようにすれば大丈夫だと思います。でもそれだと私の立場がないwww
どこまで認められるのかが難しいところですね。


模写はこういうもの

これはある本の建築物の絵を模写したものです。
明らかに自分の絵と違うものを描くため、オリジナルではないことがすぐにわかります。


デッサンは何の手段?

デッサンは目的ではなく手段だといいました。
では、いったい何の手段なのでしょうか?

デッサンは「対象を見ながら」描くことが大前提です。
対象を注意深く観察することにより、その形状や表面の様子、周囲の空間・物体との関係性などがよくわかるようになります。
対象がよくわかるように なる ことと、よくわかるように観察する方法を身につけて、それをさらに鍛えていくことがデッサンの目的です。
そうすることで「絵を描くための能力」が必然的に高くなります。
目的はあくまで「画力が上達すること」なので、デッサンはそのための手段に過ぎない、ということです。

もう一つの意味

デッサンは自分のオリジナル作品であると同時に、現実をあるがままに描くことで「 自分が見ている世界 」を他の人にも見せることを可能にします。
ちょっと神秘的というか、怪しく感じられるかもしれませんね。
でも、デッサンにはそのような役割があるのです。

たとえばこの絵を通じて、「よかった、かけて」と安堵の胸をなでおろす歌のおねえさんと、
狂気に満ちたスプーの絵に対する私の心情が感じられるでしょう…。


スケッチ、ラフスケッチ、クロッキー?

デッサンに似た用語である「スケッチ」「ラフスケッチ」「クロッキー」についても簡単に説明しましょう。

どの用語も意味に大きな違いはなく、「 比較的、短時間で描写すること 」を表しています。
短時間で描くデッサンと考えてもいいかもしれません。

自分の苦手なもの──たとえば女性の顔など──を描くとき、時間をかければかけるほど変になってしまうことがあるため、
思い切って短時間で描き上げるようにしたほうが上手くいく場合があります。

動物や雲など、すぐに動いてしまう物体を描く技術のこともスケッチといいます。
あとから簡単に着色を施すこともあります。

女性が特に苦手だったころの絵は、ほとんどラフスケッチで描いていました。
ラフというのは裸婦ではないのであしからず…。

特に短時間で描き、全体の形を簡単に示すだけの絵をクロッキーと呼びます。
1~3分で描き上げることもあります。


とりあえず描いてみよう

まず描いてほしいのは「落書き」です。
これまでさんざん出てきたので、説明する必要はないですね。

ただし2つだけ課題があります。
J( 'ー`)し ただしへ できるだけ大きく描いてください。

落書きを描くとき、あなたがよく使っている線の形、筆づかい・筆運び、手の動かし方を意識してみてください。
ちょうど小学校で「漢字」を習ったとき、筆順や「とめ」「はね」などを意識したことを思い出してください。
それが、絵を描くときにあなたが使う線です。
その線があなたのオリジナル仕様のものであり、今後もずっと使われていくのです。

短い線も、長い線も、曲がったり、折れたり、交わったりする線も、点線も、すべてあなたを表現する線です。

「自分の線がたくさん組み合わさることで絵ができているんだな」ということを感じてください。

このときの「落書き」は本当にでたらめなものでいいです。
紙を無数の線で埋め尽くしたり、グルグル、グチャグチャ、モファヘファにしてもいいです。
あなたの好きなように落書きをしてください。


練習する際の注意点

この注意事項を守らないと、使用者が死亡または重傷を負う可能性が想定されることはありませんが、
効率よく行うために必ずお守りください。

用紙を節約しようと小さく描かずに、紙をいっぱいに使って大きく描いてください。

紙をいっぱいに使って絵を描いてください。
紙の端を意識し、その中に納まるように大きく描くこと が大切です。

頭を傾けたり、描いている最中に紙を回転させたり、対象を動かしたりしないようにしてください。

絵を描き始めたら、完成するまで動かさないようにしてください。
頭を傾けてはいけません。顔を近づけたり、遠ざけたりしてもいけません。
対象と絵の見え方が変化してしまい、混乱することがあるからです。

フリーハンドで直線を描いてみよう

定規などを使わなくても、練習すればかなりまっすぐな線を引くことができるようになります。
曲がったり途切れたりしても気にせずに描いてください。

直線を組み合わせただけで奥行きのある絵になる

見てのとおり、右へ行くにつれて線が下がっています…。
これが私の「くせ」というわけです。
右と左で歪んでいるのがわかるでしょう。
今でこそ修正はできるようになっていますが、やはり意識しなければ直線を引くことは難しいです。

どれも 直線を組み合わせただけ であることに注意してください。

このような絵が描けなければ、 紙の端を意識して 水平な線と垂直な線をたくさん引いてみましょう。
大切なのは「直線を引くことができるかどうか」なので、あまり難しく考えなくても大丈夫です。

用紙の対角に届く長さの定規を用意して、対角を結ぶ直線を2本引くと、
その線の交点が用紙の「中央」になることがわかると思います。
実際にやる必要はありませんが、直線を使いこなせるようになると、
用紙を正確に分割することができるようになるので、覚えておいてください。




写真を簡単に観察してみよう

写真の細部をチェックするプロのカメラマンのような感覚ではなく、写真の「 縦横比 」だけを見ればよいです。

縦が2、横が3の長方形であることに注目してください。

いずれも直線で、4つの角は90°(直角)になっていることにも注意してください。
縦横比をしっかりと把握することが、デッサンを上達させるための秘訣です。
「描くことよりも見ることのほうが大切なんだ」ということを学んでいきましょう。
最初の課題はこれだけです。

写真に対角線を引いてみよう

道具を使ってもいいので、写真に対角線を2本引いてみましょう。
その線の交わる点が「 写真の中心 」であることに注目してください。
線を引いても、写真の縦横比は保たれていることを意識してください。

写真の中心から垂直な線を引いてみよう

対角線の交点から垂直な線を引いてください。

写真と同じ縦横比の長方形が4つ現れることに注目してください。

こうすることで、写真の縦横比を保ったまま細分化できるのです。

4つの長方形をさらに4つに分けてみよう

どんなに細かく分けても、長方形の縦横比が保たれているところに注目してください。

さて…

ここから何が見えてくるのでしょうか?


もっとよく観察してみよう

パズルを眺めるような気分で写真を観察してください。アタックチャンスじゃないよ。

すると、色を付けて示した部分に ネコの体は入っていない ことがわかります。
絵を描くときのもっとも基本的な、最初にするべき「観察」となります。

注意しなければならないのは、「こうやって写真に線を引くこと自体が目的ではない」ということです。
だから、この一連の作業をこなしただけで満足してはいけません。

あくまで「観察するため」の工夫に過ぎないのです。


写真の縦横比と分割をそのまま用紙に反映させよう

写真と同じものを用紙にも適用しましょう。
言葉では簡単なように聞こえますが、紙と鉛筆で行うのは非常に難しいことです。

上手くいかない場合

写真を縦横比が1:1の 正方形 にしてしまうといいでしょう。なんかずれてるけど気にしないw

デッサンスケール(デスケル)を使ってみる

写真なら線を引くことができますが、3次元に存在する物体の場合はそうはいきません。
そこでデスケルというものを使うと便利です。
見てのとおり、写真を長方形に分割しているのと同じ役割を果たす道具です。なんかtanasinnだな…
透明なプラスチックの板に直交するグリッド線が引かれ、長方形が16分割されており、
これを通して周りを見ることによって、あたかも 3次元の空間を平面に収めた かのように観察できます。

これを使ったからといってすぐに上達するわけではありませんが、500円もしないものなので買っておくといいかもしれません。

F6とかF50というのはキャンバスサイズの規格で、
サイズ 縦(mm) 横(mm)
F0 180 140
F6 410 318
F50 1167 910
にそれぞれ対応しており、用紙によっては比率が異なる可能性があるため、かえって混乱するかもしれません。

1つの長方形の「内側」を描く

さあ、いよいよ描く準備が整ってきました。
分割した長方形のうち1つに注目し、その「内側」を描いていくのです。

最初にこの部分を注目してみます


見るべきところは「ネコ以外」の空間

ネコを描くのに、よく見るべきなのは ネコ以外の空間 なのです。
耳がどうなっているとか、目がどんな感じなのかを 考えてはいけません。

長方形の内側にどんな形が収まっているのかを見るのです。


長方形の内側を見て、その形を見続けると、ネコが描き出される

見るべきなのはネコではなく、赤く塗りつぶされた部分の形です。
「長方形に対して」「どういう形になっているか」を見るのです。

「ネコを描こう」と思って見つめると、 自分の知っているネコのイメージ のほうが出てきてしまい、
見ているはずのネコを正しく描けなくなってしまう──つまり、デッサンをしていることにならなくなる──からです。

長方形の内側の形が見えてくるようになるまで、じっくり時間をかけてください。


こんな感じの線が引けましたか?

ん? ちょっと待って。

ずれています。
「長方形」を意識せずに描くと、ずれてしまうのです。
これは、長方形に対してではなく「用紙の端」に合わせようとしたために起きたものです。
長方形を見て描くように念を押しても、実際にやってみると難しいものなのです。

用紙の縦横比もしっかりととる

描く前に、描く範囲をしっかりと決めておくことが大切です。

「長方形の内側に収まるように描く」のが最大のポイントです。


こんな感じになりました。さっきよりもはるかにスムーズに描くことができたはずです。
長方形の「枠」と斜線が「ガイドライン」となるため、難易度が一気に下がるからです。

写真と重ねてみると…

まだ少しずれていますが、さっきの線よりもはるかに本物に近づいています。

このような「ものの見方」や「描き方」は日常生活で経験することがほとんどありません。
今日、初めて描いた人は、おそらく、非常に新鮮な感覚を味わったと思います。

このやり方、本当に意味あるの?

このようにして描かれた「形」は、ぜんぜん ネコではないもののように見える ので、
はたして意味があるのか??と疑問に思う人も多いでしょう。
ネコに見えませんか?
写真と重ねると限りなく一致しているのに。

では、長方形をまったく意識せず、写真をそのまま見て描いてみてください。

おそらく、ひどい絵になるはずです。

「ネコを描こう」と思ってネコに注目すると、どうしても自分の記憶にある「ネコのイメージ」が出てきてしまい、
見ているものを正しく描けなくなるからなのです。

ところで、重要なのは、「やり方」というのは「描き方」ではなく、「見方」のほうだということです。
見ているものをそのまま描く と上手くいき、写真と重ねても違和感のない絵になります。
この大切な大切な大切な大切な「見方」を理解するためには、ネコよりも長方形を意識し、
その内側にどのような形が収まっているのかという点に注目する必要があるのです。

そして、このやり方は「デッサン」そのものです。
一見するとデッサンとは似ても似つかない「絵」だし、だまされてるんじゃないかと思うかもしれませんが、
いま練習している時点では、 「描かれた絵(結果)」よりも、「見ているときの意識(過程)」 に注意を向けてください。

長方形を1つずつ見て描いていこう

太い線で大胆に描いていってください。はみ出した部分は適当に消して修正するだけでいいです。
これでほぼ完璧な構図をとることができるようになります。
どうですか? 思ったよりも簡単でしたか?

長方形を意識せずに描かれた絵はどうなっているの?

これは一見、長方形を意識せずに描かれているかのように思われるかもしれません。

でも、よく見ると…

赤い枠で示した絵の全体(用紙の端)がその役割を担っていて、 さらに写真の横幅が縦長の長方形を作り出していることがわかるでしょう。

すると、このように長方形に対して内側がどのようになっているかを見ることができるようになります。

タネ明かし

こういうことです。わかりますか?
ネコの周りの形を描いたものとまったく同じ仕組みなのです。

長方形どころか画面の端すら無視しているような絵はどうなっているの?

初めに紹介したこのフクロウの絵のようなものはどうなっているのでしょうか?
長方形が利用されていないし、紙の端からも離れているので、まるで無視して描いたかのように見えます。
これは無視して描いたものなのでしょうか? それとも、別に意識しなくても描くことはできるのでしょうか?
いいえ。
どちらも違います。

長方形や画面の端といった「ガイドライン」に対応する別のものを利用しているのです。

ですが、このフクロウの絵は「下書き」が見えないので、別の絵で説明しましょう。

下書きがどのように利用されているのか

なにやら色の薄い線がたくさん引かれているように見えますね。
パッと見ただけでは、何の意味があるのかわかりません。

対象の「中心」をガイドラインとする

赤い線は、人物を「平面」として見た場合の中心を示しています。
この線を見極めるためには、まず対象を十分に観察することが必要です。

線が中心を表している。線の長さに「収める」ように描く

さて……ここまで一気に読み進めてきた人は混乱するかもしれませんね。

完全な中心ではないことに注意

「長方形の内側に収める」ことのに近いイメージです。
人体の「胴」や「腕」や「足」というような、ある程度の 幅と長さ を持った部分に注目してください。

念のため注意をしておきますが、この下書きの線を引くのも「 目的ではなく、観察するための手段である 」ことを忘れないようにしてください。

下書きの線を引くのは目的ではなく、観察するための手段である

下書きの線を引くのは目的ではなく、観察するための手段である

大事なことなので2回言いました。
ですから、「 この線を引いた“だけ”で描けるようになる 」わけでは決してありません。

線を引いたなら、その線を「中心」として、「周囲がどのような形になっているのか」を「見る」必要があるのです!

おそらくこれが、デッサンにおける最重要事項といってもいいくらい、重要なことでしょう。

たぶんですが、デッサンについて勉強しても、この理解が欠けているために上達しないことが多いのではないかと思います。



ネコの顔の周りの形を描いてみよう

話を元に戻して、ネコの顔の周りの形を描いてみましょう。
ネコの顔を見つめるのではなく、 ネコの顔の周囲 を見ながら描いていきます。

こんな感じになれば大丈夫です。
一生懸命にネコを見ようとしてしまうと、この形を正確に描くことができなくなるので気をつけてください。

顔と直線の「空間」をとらえる

直線と顔の「間」を注意深く観察すると、水色で塗りつぶしたような広がりがあることに気づくはずです。
この部分に注目すると、必然的に「ネコの顔の周囲」を描いたことになるのです。












おまけ
「病的・カオス」のまとも版デッサン


中学生男子


ヨソ様…


とにかく女性が非常に強い存在として描かれる…


マビと違って過疎ることがなかった。 狭いから。
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