ネタバレ考察 > 台詞集 > 各話別第02話

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マミ「私は巴マミ」 マミ「あなたたちと同じ、見滝原中の3年生」 マミ「そして」 マミ「キュゥべえと契約した、魔法少女よ」 まどか「あっ、ん」 まどか「ん~」 まどか「はぁ~、また変な夢…」 キュゥべえ「おはよう。まどか」 まどか「はっ、ふふっ」 詢子「まどか。昨夜は帰りが遅かったんだって?」 まどか「先輩の家にお呼ばれしちゃって」 詢子「まあ、門限とかうるさいことは言わないけどさ。晩メシの前には一報入れなよ」 まどか「うん…ごめんね」 まどか「ほんとに人には見えないんだ」 さやか「うわ…」 まどか「素敵なお部屋…」 マミ「独り暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど」 まどか「マミさん。すっごく美味しいです」 さやか「んー、めっちゃうまっすよ」 マミ「ありがとう」 マミ「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事じゃないものね」 マミ「ある程度の説明は必要かと思って」 さやか「うんうん、何でも聞いてくれたまえ」 まどか「さやかちゃん、それ逆」 まどか「わあ、きれい」 マミ「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ」 マミ「魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの」 さやか「契約って?」 キュゥべえ「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」 さやか「え、ホント?」 まどか「願いごとって…」 キュゥべえ「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」 さやか「うわぁ…金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか?」 まどか「いや、最後のはちょっと」 キュゥべえ「でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム」 キュゥべえ「この石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ」 まどか「魔女?」 まどか「ねえ、ママ」 詢子「ん~?」 まどか「もしも、もしもだよ。魔法でどんな願いごとでも叶えてもらえるって言われたら、どうする?」 詢子「役員を二人ばかりよそに飛ばしてもらうわ」 まどか「はぁ…」 詢子「あとそうねぇ…。社長もさぁ、もう無理がきく年じゃねぇんだから、そろそろ隠居考えてほしいんだけど…。代わりがいないってのがなぁ」 まどか「いっそ、ママが社長さんになっちゃったら?」 詢子「ん?」 詢子「その手があったか」 詢子「営業部にさえしっかり根回ししとけば、企画部と総務はいいなりだし。そうなると問題は経理のハゲか。あれか。毟るか…」 まどか「ママ、目が怖いよ」 さやか「魔女って何なの?魔法少女とは違うの?」 キュゥべえ「願いから産まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから産まれた存在なんだ」 キュゥべえ「魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を蒔き散らす」 キュゥべえ「しかもその姿は普通の人間には見えないから性質が悪い」 キュゥべえ「不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ、そういう災いの種を世界にもたらしているんだ」 マミ「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、かなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ」 マミ「形のない悪意となって、人間を内側から蝕んでゆくの」 さやか「そんなヤバイ奴らがいるのに、どうして誰も気付かないの?」 キュゥべえ「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を現さないからね」 キュゥべえ「さっき君たちが迷い込んだ、迷路のような場所がそうだよ」 マミ「結構、危ないところだったのよ」 マミ「あれに飲み込まれた人間は、普通は生きて帰れないから」 まどか「マミさんは、そんな怖いものと戦っているんですか」 マミ「そう、命懸けよ」 マミ「だからあなたたちも、慎重に選んだ方がいい」 マミ「キュゥべえに選ばれたあなたたちには、どんな願いでも叶えられるチャンスがある」 マミ「でもそれは、死と隣り合わせなの」 まどか「ふぇ…」 さやか「んー、悩むなぁ」 マミ「そこで提案なんだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」 まどか「えぇ!?」 さやか「えっ?」 マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ」 マミ「そのうえで、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの」 まどか「おっはよう~」 仁美「おはようございます」 さやか「おはよ…うえっ」 キュゥべえ「おはよう、さやか」 さやか「えっ…あっぐぁ」 仁美「どうかしましたか?さやかさん」 さやか「やっぱそいつ、私達にしか見えないんだ」 まどか「そうみたい」 仁美「あの…」 さやか「ああ、いや、何でもないから!いこ、いこ!」 まどか(頭で考えるだけで、会話とかできるみたいだよ) さやか(ええ?私達、もう既にそんなマジカルな力が?) キュゥべえ(いやいや、今はまだ僕が間で中継しているだけ。でも内緒話には便利でしょう?) さやか(何か、変な感じ) 仁美「お二人とも、さっきからどうしたんです?しきりに目配せしてますけど」 まどか「え?いや、これは…あの…その…」 仁美「まさか二人とも、既に目と目でわかり合う間柄ですの?まあ!たった一日でそこまで急接近だなんて。昨日はあの後、一体何が」 さやか「ぅいや、そりゃねーわ。さすがに」 まどか「確かにいろいろ…あったんだけどさ」 仁美「でもいけませんわ、お二方。女の子同士で。それは禁断の、恋の形ですのよ~!!」 まどか「あぁ…」 さやか「バッグ忘れてるよー!」 まどか「あぁ…。今日の仁美ちゃん、何だかさやかちゃんみたいだよ」 さやか「どーゆー意味だよ、それは」 さやか(つーかさ、あんた、のこのこ学校までついて来ちゃって良かったの?) キュゥべえ(どうして?) さやか(言ったでしょ?昨日のあいつ、このクラスの転校生だって) さやか(あんた命狙われてるんじゃないの?) キュゥべえ(むしろ、学校の方が安全だと思うな。マミもいるし) まどか(マミさんは3年生だから、クラスちょっと遠いよ?) マミ(ご心配なく。話はちゃんと聞こえているわ) キュゥべえ(この程度の距離なら、テレパシーの圏内だよ) まどか(あ、えっと…おはようございます) マミ(ちゃんと見守ってるから安心して) マミ(それにあの子だって、人前で襲ってくるようなマネはしないはずよ) さやか(なら良いんだけど…) まどか「あっ」 さやか(げ、噂をすれば影) まどか「んぅ…」 さやか「あの転校生も、えっとその…魔法少女なの?マミさんと同じ」 マミ「そうね。間違いないわ。かなり強い力を持ってるみたい」 さやか「でもそれなら、魔女をやっつける正義の味方なんだよね?それがなんで、急にまどかを襲ったりしたわけ?」 キュゥべえ「彼女が狙ってたのは僕だよ。新しい魔法少女が産まれることを、阻止しようとしてたんだろうね」 まどか「え?」 さやか「何で?同じ敵と戦っているなら、仲間は多い方がいいんじゃないの?」 マミ「それが、そうでもないの。むしろ競争になることの方が多いのよね」 まどか「そんな…どうして」 マミ「魔女を倒せば、それなりの見返りがあるの」 マミ「だから、時と場合によっては手柄の取り合いになって、ぶつかることもあるのよね」 さやか「つまりアイツは、キュゥべえがまどかに声掛けるって最初から目星を付けてて、それで朝からあんなに絡んできたってわけ?」 マミ「たぶん、そういうことでしょうね」 さやか(気にすんなまどか。アイツが何かちょっかい出してきたら、私がぶっ飛ばしてやるからさ。マミさんだってついてるんだし) マミ(そうよ。美樹さんはともかくとして、私が付いているんだから大丈夫。安心して) さやか(ともかくってゆーな!) 和子「…で、今まで勉強してきたみたいな、動作を行う人や物を主語にした表現は能動態と呼ばれます」 和子「これに対して受動態というのは、BはAによってどうこうされるみたいに、動作を受ける人や物を主語にした表現なんですね」 和子「そういう受動態の形は、be動詞+過去分詞となります」 和子「たとえば、"He likes me."。彼は私のことが好き…」 まどか「はい」 さやか「ねえ、まどか。願い事、何か考えた?」 まどか「ううん。さやかちゃんは?」 さやか「私も全然。何だかなぁ。いっくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ」 さやか「欲しい物もやりたい事もいっぱいあるけどさ、命懸けって所で、やっぱ引っ掛かっちゃうよね。そうまでする程のもんじゃねーよなーって」 まどか「うん…」 キュゥべえ「意外だなあ。大抵の子は二つ返事なんだけど」 さやか「まあきっと、私達がバカなんだよ」 まどか「え…そうかな?」 さやか「そう、幸せバカ。別に珍しくなんかないはずだよ、命と引き換えにしてでも、叶えたい望みって。そう言うの抱えている人は、世の中に大勢いるんじゃないのかな」 さやか「だから、それが見付からない私達って、その程度の不幸しか知らないって事じゃん。恵まれ過ぎて、バカになっちゃってるんだよ」 さやか「何で…私達なのかな?不公平だと思わない?こーゆーチャンス、本当に欲しいと思っている人は他にいるはずなのにね」 まどか「さやかちゃん…」 マミ(大丈夫) さやか「昨日の続きかよ」 ほむら「いいえ、そのつもりはないわ」 ほむら「そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけれど、今更それも手遅れだし」 ほむら「で、どうするの?貴女も魔法少女になるつもり?」 まどか「私は…」 さやか「あんたにとやかく言われる筋合いはないわよ!」 ほむら「昨日の話、覚えてる?」 まどか「うん」 ほむら「ならいいわ。忠告が無駄にならないよう、祈ってる」 まどか「あ…ほむらちゃん。あの…あなたはどんな願いごとをして魔法少女になったの?」 まどか「あっ…」 さやか「仁美、ゴメン。今日はあたしらちょっと野暮用があって」 仁美「あら。内緒ごとですの」 まどか「えっと…」 仁美「うらやましいですわ。もうお二人の間に割り込む余地なんて、ないんですのね~!!」 まどか「あ…あぁ」 さやか「いや、だから違うって、それ」 女子D「暁美さん」 女子E「今日こそ帰りに喫茶店寄ってこう」 ほむら「今日もちょっと、急ぐ用事があって。ごめんなさい」 マミ「さて、それじゃ魔法少女体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか」 マミ「準備はいい?」 さやか「準備になってるかどうか分からないけど…持って来ました!何もないよりはマシかと思って」 マミ「まあ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」 さやか「まどかは何か、持って来た?」 まどか「え?えっと。私は…」 さやか「うーわー」 まどか「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうと思って」 まどか「え?ふぇぇ」 マミ「うん、意気込みとしては十分ね」 さやか「こりゃあ参った。あんたには負けるわ」 マミ「これが昨日の魔女が残していった魔力の痕跡」 マミ「基本的に、魔女探しは足頼みよ」 マミ「こうしてソウルジェムが捉える魔女の気配を辿ってゆくわけ」 さやか「意外と地味ですね」 さやか「光、全然変わらないっすね」 マミ「取り逃がしてから、一晩経っちゃったからね」 マミ「足跡も薄くなってるわ」 まどか「あの時、すぐ追いかけていたら…」 マミ「仕留められたかもしれないけど、あなたたちを放っておいてまで優先することじゃなかったわ」 まどか「ごめんなさい」 マミ「いいのよ」 さやか「うん、やっぱりマミさんは正義の味方だ!それに引き換え、あの転校生…ホントにムカつくなぁ!」 まどか「本当に…悪い子なのかな…」 さやか「ねえ、マミさん。魔女の居そうな場所、せめて目星ぐらいは付けられないの?」 マミ「魔女の呪いの影響で割と多いのは、交通事故や傷害事件よね」 マミ「だから大きな道路や喧嘩が起きそうな歓楽街は、優先的にチェックしないと」 マミ「あとは、自殺に向いてそうな人気のない場所」 マミ「それから、病院とかに取り憑かれると最悪よ」 マミ「ただでさえ弱っている人たちから生命力が吸い上げられるから、目も当てられないことになる」 マミ「かなり強い魔力の波動だわ」 マミ「近いかも」 マミ「間違いない。ここよ」 さやか「あ、マミさんあれ!」 さやか「あ…」 まどか「きゃあ」 マミ「ハッ!」 マミ「魔女の口づけ…やっぱりね」 まどか「この人は?」 マミ「大丈夫。気を失っているだけ。行くわよ」 マミ「今日こそ逃がさないわよ」 さやか「うぅ、うわぁー」 まどか「すご~い」 マミ「気休めだけど。これで身を守る程度の役には立つわ」 マミ「絶対に私の傍を離れないでね」 まどか「はい」 さやか「はい!」 さやか「来るな、来るなー!」 マミ「どう?怖い?二人とも」 さやか「な、何てことねーって!」 まどか「怖いけど…でも…」 キュゥべえ「頑張って。もうすぐ結界の最深部だ」 マミ「見て。あれが魔女よ」 さやか「う…グロい」 まどか「あんなのと…戦うんですか…」 マミ「大丈夫。負けるもんですか」 マミ「下がってて」 マミ「あっ…ぅ…ぇ…あっあ!」 さやか「あっ!」 まどか「マミさ~ん!」 マミ「大丈夫。未来の後輩に、あんまり格好悪いところ見せられないものね」 マミ「惜しかったわね」 マミ「ティロ・フィナーレ!!」 さやか「かっ、勝ったの?」 まどか「すごい…」 まどか「あっ」 マミ「これがグリーフシード。魔女の卵よ」 さやか「た、卵…」 マミ「運がよければ、時々魔女が持ち歩いてることがあるの」 キュゥべえ「大丈夫、その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」 マミ「私のソウルジェム、ゆうべよりちょっと色が濁ってるでしょう?」 さやか「そう言えば…」 マミ「でも、グリーフシードを使えば、ほら」 さやか「あ、キレイになった」 マミ「ね。これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治の見返りっていうのが、これ」 まどか「あっ!」 マミ「あと一度くらいは使えるはずよ」 マミ「あなたにあげるわ」 マミ「暁美ほむらさん」 さやか「あいつ…」 マミ「それとも、人と分け合うんじゃ不服かしら?」 ほむら「貴女の獲物よ。貴女だけの物にすればいい」 マミ「そう。それがあなたの答えね」 さやか「くー!やっぱり感じ悪いやつ!」 まどか「仲良くできればいいのに」 マミ「お互いにそう思えれば、ね」 女性「ここ…あれ、私は?やっやだ、私、なんで、そんな、どうして、あんな、ことを…!」 マミ「大丈夫。もう大丈夫です。ちょっと、悪い夢を見てただけですよ」 さやか「一件落着、って感じかな」 まどか「うん」 まどか「叶えたい願いごととか、私には難しすぎて、すぐには決められないけれど」 まどか「でも、人助けのためにがんばるマミさんの姿は、とても素敵で」 まどか「こんな私でも、あんな風に誰かの役に立てるとしたら、それは、とっても嬉しいなって、思ってしまうのでした」 マミ「無理して格好つけてるだけで、怖くてもつらくても、誰にも相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり」 マミ「いいものじゃないわよ、魔法少女なんて」 マミ「もう何も恐くない」
マミ「私は巴マミ」 マミ「あなたたちと同じ、見滝原中の3年生」 マミ「そして」 マミ「キュゥべえと契約した、魔法少女よ」 まどか「あっ、ん」 まどか「ん~」 まどか「はぁ~、また変な夢…」 キュゥべえ「おはよう。まどか」 まどか「はっ、ふふっ」 詢子「まどか。昨夜は帰りが遅かったんだって?」 まどか「先輩の家にお呼ばれしちゃって」 詢子「まあ、門限とかうるさいことは言わないけどさ。晩メシの前には一報入れなよ」 まどか「うん…ごめんね」 まどか「ほんとに人には見えないんだ」 さやか「うわ…」 まどか「素敵なお部屋…」 マミ「独り暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど」 まどか「マミさん。すっごく美味しいです」 さやか「んー、めっちゃうまっすよ」 マミ「ありがとう」 マミ「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事じゃないものね」 マミ「ある程度の説明は必要かと思って」 さやか「うんうん、何でも聞いてくれたまえ」 まどか「さやかちゃん、それ逆」 まどか「わあ、きれい」 マミ「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ」 マミ「魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの」 さやか「契約って?」 キュゥべえ「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」 さやか「え、ホント?」 まどか「願いごとって…」 キュゥべえ「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」 さやか「うわぁ…金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか?」 まどか「いや、最後のはちょっと」 キュゥべえ「でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム」 キュゥべえ「この石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ」 まどか「魔女?」 まどか「ねえ、ママ」 詢子「ん~?」 まどか「もしも、もしもだよ。魔法でどんな願いごとでも叶えてもらえるって言われたら、どうする?」 詢子「役員を二人ばかりよそに飛ばしてもらうわ」 まどか「はぁ…」 詢子「あとそうねぇ…。社長もさぁ、もう無理がきく年じゃねぇんだから、そろそろ隠居考えてほしいんだけど…。代わりがいないってのがなぁ」 まどか「いっそ、ママが社長さんになっちゃったら?」 詢子「ん?」 詢子「その手があったか」 詢子「営業部にさえしっかり根回ししとけば、企画部と総務はいいなりだし。そうなると問題は経理のハゲか。あれか。毟るか…」 まどか「ママ、目が怖いよ」 さやか「魔女って何なの?魔法少女とは違うの?」 キュゥべえ「願いから産まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから産まれた存在なんだ」 キュゥべえ「魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を蒔き散らす」 キュゥべえ「しかもその姿は普通の人間には見えないから性質が悪い」 キュゥべえ「不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ、そういう災いの種を世界にもたらしているんだ」 マミ「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、かなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ」 マミ「形のない悪意となって、人間を内側から蝕んでゆくの」 さやか「そんなヤバイ奴らがいるのに、どうして誰も気付かないの?」 キュゥべえ「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を現さないからね」 キュゥべえ「さっき君たちが迷い込んだ、迷路のような場所がそうだよ」 マミ「結構、危ないところだったのよ」 マミ「あれに飲み込まれた人間は、普通は生きて帰れないから」 まどか「マミさんは、そんな怖いものと戦っているんですか」 マミ「そう、命懸けよ」 マミ「だからあなたたちも、慎重に選んだ方がいい」 マミ「キュゥべえに選ばれたあなたたちには、どんな願いでも叶えられるチャンスがある」 マミ「でもそれは、死と隣り合わせなの」 まどか「ふぇ…」 さやか「んー、悩むなぁ」 マミ「そこで提案なんだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」 まどか「えぇ!?」 さやか「えっ?」 マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ」 マミ「そのうえで、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの」 まどか「おっはよう~」 仁美「おはようございます」 さやか「おはよ…うえっ」 キュゥべえ「おはよう、さやか」 さやか「えっ…あっぐぁ」 仁美「どうかしましたか?さやかさん」 さやか「やっぱそいつ、私達にしか見えないんだ」 まどか「そうみたい」 仁美「あの…」 さやか「ああ、いや、何でもないから!いこ、いこ!」 まどか(頭で考えるだけで、会話とかできるみたいだよ) さやか(ええ?私達、もう既にそんなマジカルな力が?) キュゥべえ(いやいや、今はまだ僕が間で中継しているだけ。でも内緒話には便利でしょう?) さやか(何か、変な感じ) 仁美「お二人とも、さっきからどうしたんです?しきりに目配せしてますけど」 まどか「え?いや、これは…あの…その…」 仁美「まさか二人とも、既に目と目でわかり合う間柄ですの?まあ!たった一日でそこまで急接近だなんて。昨日はあの後、一体何が」 さやか「ぅいや、そりゃねーわ。さすがに」 まどか「確かにいろいろ…あったんだけどさ」 仁美「でもいけませんわ、お二方。女の子同士で。それは禁断の、恋の形ですのよ~!!」 まどか「あぁ…」 さやか「バッグ忘れてるよー!」 まどか「あぁ…。今日の仁美ちゃん、何だかさやかちゃんみたいだよ」 さやか「どーゆー意味だよ、それは」 さやか(つーかさ、あんた、のこのこ学校までついて来ちゃって良かったの?) キュゥべえ(どうして?) さやか(言ったでしょ?昨日のあいつ、このクラスの転校生だって) さやか(あんた命狙われてるんじゃないの?) キュゥべえ(むしろ、学校の方が安全だと思うな。マミもいるし) まどか(マミさんは3年生だから、クラスちょっと遠いよ?) マミ(ご心配なく。話はちゃんと聞こえているわ) キュゥべえ(この程度の距離なら、テレパシーの圏内だよ) まどか(あ、えっと…おはようございます) マミ(ちゃんと見守ってるから安心して) マミ(それにあの子だって、人前で襲ってくるようなマネはしないはずよ) さやか(なら良いんだけど…) まどか「あっ」 さやか(げ、噂をすれば影) まどか「んぅ…」 さやか「あの転校生も、えっとその…魔法少女なの?マミさんと同じ」 マミ「そうね。間違いないわ。かなり強い力を持ってるみたい」 さやか「でもそれなら、魔女をやっつける正義の味方なんだよね?それがなんで、急にまどかを襲ったりしたわけ?」 キュゥべえ「彼女が狙ってたのは僕だよ。新しい魔法少女が産まれることを、阻止しようとしてたんだろうね」 まどか「え?」 さやか「何で?同じ敵と戦っているなら、仲間は多い方がいいんじゃないの?」 マミ「それが、そうでもないの。むしろ競争になることの方が多いのよね」 まどか「そんな…どうして」 マミ「魔女を倒せば、それなりの見返りがあるの」 マミ「だから、時と場合によっては手柄の取り合いになって、ぶつかることもあるのよね」 さやか「つまりアイツは、キュゥべえがまどかに声掛けるって最初から目星を付けてて、それで朝からあんなに絡んできたってわけ?」 マミ「たぶん、そういうことでしょうね」 さやか(気にすんなまどか。アイツが何かちょっかい出してきたら、私がぶっ飛ばしてやるからさ。マミさんだってついてるんだし) マミ(そうよ。美樹さんはともかくとして、私が付いているんだから大丈夫。安心して) さやか(ともかくってゆーな!) 和子「…で、今まで勉強してきたみたいな、動作を行う人や物を主語にした表現は能動態と呼ばれます」 和子「これに対して受動態というのは、BはAによってどうこうされるみたいに、動作を受ける人や物を主語にした表現なんですね」 和子「そういう受動態の形は、be動詞+過去分詞となります」 和子「たとえば、"He likes me."。彼は私のことが好き…」 まどか「はい」 さやか「ねえ、まどか。願い事、何か考えた?」 まどか「ううん。さやかちゃんは?」 さやか「私も全然。何だかなぁ。いっくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ」 さやか「欲しい物もやりたい事もいっぱいあるけどさ、命懸けって所で、やっぱ引っ掛かっちゃうよね。そうまでする程のもんじゃねーよなーって」 まどか「うん…」 キュゥべえ「意外だなあ。大抵の子は二つ返事なんだけど」 さやか「まあきっと、私達がバカなんだよ」 まどか「え…そうかな?」 さやか「そう、幸せバカ。別に珍しくなんかないはずだよ、命と引き換えにしてでも、叶えたい望みって。そう言うの抱えている人は、世の中に大勢いるんじゃないのかな」 さやか「だから、それが見付からない私達って、その程度の不幸しか知らないって事じゃん。恵まれ過ぎて、バカになっちゃってるんだよ」 さやか「何で…私達なのかな?不公平だと思わない?こーゆーチャンス、本当に欲しいと思っている人は他にいるはずなのにね」 まどか「さやかちゃん…」 マミ(大丈夫) さやか「昨日の続きかよ」 ほむら「いいえ、そのつもりはないわ」 ほむら「そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけれど、今更それも手遅れだし」 ほむら「で、どうするの?貴女も魔法少女になるつもり?」 まどか「私は…」 さやか「あんたにとやかく言われる筋合いはないわよ!」 ほむら「昨日の話、覚えてる?」 まどか「うん」 ほむら「ならいいわ。忠告が無駄にならないよう、祈ってる」 まどか「あ…ほむらちゃん。あの…あなたはどんな願いごとをして魔法少女になったの?」 まどか「あっ…」 さやか「仁美、ゴメン。今日はあたしらちょっと野暮用があって」 仁美「あら。内緒ごとですの」 まどか「えっと…」 仁美「うらやましいですわ。もうお二人の間に割り込む余地なんて、ないんですのね~!!」 まどか「あ…あぁ」 さやか「いや、だから違うって、それ」 女子D「暁美さん」 女子E「今日こそ帰りに喫茶店寄ってこう」 ほむら「今日もちょっと、急ぐ用事があって。ごめんなさい」 マミ「さて、それじゃ魔法少女体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか」 マミ「準備はいい?」 さやか「準備になってるかどうか分からないけど…持って来ました!何もないよりはマシかと思って」 マミ「まあ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」 さやか「まどかは何か、持って来た?」 まどか「え?えっと。私は…」 さやか「うーわー」 まどか「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうと思って」 まどか「え?ふぇぇ」 マミ「うん、意気込みとしては十分ね」 さやか「こりゃあ参った。あんたには負けるわ」 マミ「これが昨日の魔女が残していった魔力の痕跡」 マミ「基本的に、魔女探しは足頼みよ」 マミ「こうしてソウルジェムが捉える魔女の気配を辿ってゆくわけ」 さやか「意外と地味ですね」 さやか「光、全然変わらないっすね」 マミ「取り逃がしてから、一晩経っちゃったからね」 マミ「足跡も薄くなってるわ」 まどか「あの時、すぐ追いかけていたら…」 マミ「仕留められたかもしれないけど、あなたたちを放っておいてまで優先することじゃなかったわ」 まどか「ごめんなさい」 マミ「いいのよ」 さやか「うん、やっぱりマミさんは正義の味方だ!それに引き換え、あの転校生…ホントにムカつくなぁ!」 まどか「本当に…悪い子なのかな…」 さやか「ねえ、マミさん。魔女の居そうな場所、せめて目星ぐらいは付けられないの?」 マミ「魔女の呪いの影響で割と多いのは、交通事故や傷害事件よね」 マミ「だから大きな道路や喧嘩が起きそうな歓楽街は、優先的にチェックしないと」 マミ「あとは、自殺に向いてそうな人気のない場所」 マミ「それから、病院とかに取り憑かれると最悪よ」 マミ「ただでさえ弱っている人たちから生命力が吸い上げられるから、目も当てられないことになる」 マミ「かなり強い魔力の波動だわ」 マミ「近いかも」 マミ「間違いない。ここよ」 さやか「あ、マミさんあれ!」 さやか「あ…」 まどか「きゃあ」 マミ「ハッ!」 マミ「魔女の口づけ…やっぱりね」 まどか「この人は?」 マミ「大丈夫。気を失っているだけ。行くわよ」 マミ「今日こそ逃がさないわよ」 さやか「うぅ、うわぁー」 まどか「すご~い」 マミ「気休めだけど。これで身を守る程度の役には立つわ」 マミ「絶対に私の傍を離れないでね」 まどか「はい」 さやか「はい!」 さやか「来るな、来るなー!」 マミ「どう?怖い?二人とも」 さやか「な、何てことねーって!」 まどか「怖いけど…でも…」 キュゥべえ「頑張って。もうすぐ結界の最深部だ」 マミ「見て。あれが魔女よ」 さやか「う…グロい」 まどか「あんなのと…戦うんですか…」 マミ「大丈夫。負けるもんですか」 マミ「下がってて」 マミ「あっ…ぅ…ぇ…あっあ!」 さやか「あっ!」 まどか「マミさ~ん!」 マミ「大丈夫。未来の後輩に、あんまり格好悪いところ見せられないものね」 マミ「惜しかったわね」 マミ「ティロ・フィナーレ!!」 さやか「かっ、勝ったの?」 まどか「すごい…」 まどか「あっ」 マミ「これがグリーフシード。魔女の卵よ」 さやか「た、卵…」 マミ「運がよければ、時々魔女が持ち歩いてることがあるの」 キュゥべえ「大丈夫、その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」 マミ「私のソウルジェム、ゆうべよりちょっと色が濁ってるでしょう?」 さやか「そう言えば…」 マミ「でも、グリーフシードを使えば、ほら」 さやか「あ、キレイになった」 マミ「ね。これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治の見返りっていうのが、これ」 まどか「あっ!」 マミ「あと一度くらいは使えるはずよ」 マミ「あなたにあげるわ」 マミ「暁美ほむらさん」 さやか「あいつ…」 マミ「それとも、人と分け合うんじゃ不服かしら?」 ほむら「貴女の獲物よ。貴女だけの物にすればいい」 マミ「そう。それがあなたの答えね」 さやか「くー!やっぱり感じ悪いやつ!」 まどか「仲良くできればいいのに」 マミ「お互いにそう思えれば、ね」 女性「ここ…あれ、私は?やっやだ、私、なんで、そんな、どうして、あんな、ことを…!」 マミ「大丈夫。もう大丈夫です。ちょっと、悪い夢を見てただけですよ」 さやか「一件落着、って感じかな」 まどか「うん」 まどか「叶えたい願いごととか、私には難しすぎて、すぐには決められないけれど」 まどか「でも、人助けのためにがんばるマミさんの姿は、とても素敵で」 まどか「こんな私でも、あんな風に誰かの役に立てるとしたら、それはとっても嬉しいなって、思ってしまうのでした」 マミ「無理して格好つけてるだけで、怖くてもつらくても、誰にも相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり」 マミ「いいものじゃないわよ、魔法少女なんて」 マミ「もう何も恐くない」

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