和子「はーい。それじゃあ自己紹介いってみよ」ほむら「あ、あの…あ、暁美…ほ、ほむらです…その、ええと…どうか、よろしく、お願いします…」和子「あけみさんは心臓の病気でずっと入院していたの。久しぶりの学校だから、色々と戸惑うことも多いでしょう。みんな助けてあげてね」女子A「暁美さんって、前はどこの学校だったの?」女子B「部活とかやってた?運動系?文化系?」女子C「すんごい長い髪だよね。毎朝大変じゃない?」ほむら「あの、わ、私、その…」まどか「暁美さん」まどか「保健室、行かなきゃいけないんでしょ?場所、わかる?」ほむら「え?いいえ…」まどか「じゃあ案内してあげる。私、保健係なんだ」まどか「みんな、ごめんね。暁美さんって、休み時間には、保健室でお薬飲まないといけないの」女子A「ああそうだったの」女子B「ごめんね引き止めちゃって」女子C「暁美さんまたあとでね」まどか「ごめんね。みんな悪気はないんだけど、転校生なんて珍しいから、はしゃいじゃって」ほむら「いえ、その…ありがとうございます」まどか「そんな緊張しなくていいよ、クラスメイトなんだから」まどか「私、鹿目まどか。まどかって呼んで」ほむら「え?そんな…」まどか「いいって。だから、私もほむらちゃんって呼んでいいかな?」ほむら「私、その…あんまり名前で呼ばれたことって、無くて…。すごく、変な名前だし…」まどか「えー?そんなことないよ。何かさ、燃え上がれーって感じでカッコいいと思うなぁ」ほむら「名前負け、してます」まどか「うん?そんなのもったいないよ。せっかく素敵な名前なんだから、ほむらちゃんもカッコよくなっちゃえばいいんだよ」先生「じゃあこの問題やってもらおうか」先生「ああ・・・うん、君は休学してたんだっけな。友達からノートを借りておくように」女子A「準備体操だけで貧血ってヤバイよね」女子B「半年もずっと寝てたんじゃ仕方ないんじゃない?」(ほむら回想)まどか「ほむらちゃんもカッコよくなっちゃえばいいんだよ」(無理だよ…私、何にもできない。人に迷惑ばっかり掛けて、恥かいて。どうしてなの…?私、これからも、ずっとこのままなの?)???「だったらいっそ、死んだほうがいいよね」(死んだ方が良いかな…)???「そう、死んじゃえばいいんだよ」(死んで…しまえば……はっ!?ほむら「ど…どこなの、ここ…?」ほむら「何?何なの!?」ほむら「え?いやっ!あぁっ!」まみ「間一髪、ってところね」まどか「もう大丈夫だよ、ほむらちゃん」ほむら「あ、あなたたちは…」キュウべえ「彼女たちは、魔法少女。魔女を狩る者たちさ」まどか「いきなり秘密がバレちゃったね」まどか「クラスのみんなには、内緒だよっ」ほむら「鹿目さん、いつも、あんなのと戦ってるんですか?」 まどか「う~ん、いつもって…そりゃマミさんはベテランだけど。私なんて先週キュゥべえと契約したばっかりだし」まみ「でも今日の戦い方、以前よりずっとうまかったわよ、鹿目さん」まどか「えへへへへ」ほむら「平気なんですか?怖く…ないんですか?」まどか「平気ってことはないし、怖かったりもするけれど、魔女をやっつければ、それだけ大勢の人が助かるわけだし。やりがいはあるよね」まみ「鹿目さんには、ワルプルギスの夜が来る前に、がんばって一人前になっておいてもらわないとね」まどか「じゃ、いってくるね」ほむら「えっ…そんな……巴さん、死んじゃっ、たのに…」まどか「だからだよ。もうワルプルギスの夜を止められるのは、私だけしかいないから」ほむら「無理よ!一人だけであんなのに勝てっこない!鹿目さんまで死んじゃうよ?」まどか「それでも、私は魔法少女だから。みんなのこと、守らなきゃいけないから」ほむら「ねぇ…逃げようよ……だって、仕方ないよ…誰も、鹿目さんを恨んだりしないよ…」まどか「ほむらちゃん。私ね、あなたと友達になれて嬉しかった。あなたが魔女に襲われた時、間に合って。今でもそれが自慢なの」まどか「だから、魔法少女になって、本当によかったって。そう思うんだ」ほむら「鹿目さん…」まどか「さよなら。ほむらちゃん。元気でね」ほむら「いや!行かないで…鹿目さぁぁぁん!!」ほむら「どうして…?死んじゃうって、わかってたのに…。私なんか助けるよりも、あなたに……生きててほしかったのに…」キュウべえ「その言葉は本当かい?暁美ほむら。君のその祈りの為に、魂を賭けられるかい?戦いの定めを受け入れてまで、叶えたい望みがあるなら、僕が力になってあげられるよ」ほむら「あなたと契約すれば、どんな願いも叶えられるの?」キュウべえ「そうとも。君にはその資格がありそうだ。教えてごらん。君はどんな祈りで、ソウルジェムを輝かせるのかい?」ほむら「私は……。私は、鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」キュウべえ「契約は成立だ。君の祈りは、エントロピーを凌駕した。さあ、解き放ってごらん。その新しい力を!ほむら「はっ?ここは…。私、まだ退院してない…。はっ!?夢じゃ、ない…」和子「はーい。それじゃあ自己紹介いってみよ」ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」和子「あけみさんは心臓の病気でずっと・・・あ」ほむら「鹿目さん、私も魔法少女になったんだよ!これから一緒に頑張ろうね!」まどか「え?…えぇと…ぅぅん…」ほむら「それじゃ、行きます!」ほむら「わぁああああああ!あちょっ?とっとっ」ほむら「えいっ」ほむら「は、ふぃ…」 まどか「どう思う?マミさん」まみ「うーん、時間停止ねぇ。確かにすごいけれど、使い方が問題よね」ほむら「ふぁあぁあ!ひぃぃぃ!」まどか「マミさん!今だよ!」まみ「オッケー」まみ「オッ!」まみ「暁美さん、おねがい」ほむら「は、はい!」ほむら「やった?やった…!」まどか「やったぁ~」まみ「お見事ね」まどか「すごい、すごいよほむらちゃん」ほむら「どうしたの?ねぇ、鹿目さん?しっかりして!」まどか「どうして?アアア―ッ」ほむら「何…?どうして…?なんで、こんな…?」ほむら「伝えなきゃ……みんなキュゥべえに騙されてる!」さやか「あのさあ、キュウべえがそんな嘘ついて、一体何の得があるわけ?」ほむら「それは…」さやか「私達に妙な事吹き込んで仲間割れでもさせたいの?」さやか「まさかあんた、ホントはあの杏子とか言う奴とグルなんじゃないでしょうね?」ほむら「ち、違うわ!」まどか「さやかちゃん。それこそ仲間割れだよ」さやか「はあ、どっちにしろ私この子とチーム組むの反対だわ。まどかやマミさんは飛び道具だから平気だろうけど、いきなり目の前で爆発とか、ちょっと勘弁して欲しいんだよね。何度巻き込まれそうになった事か」 まみ「暁美さんには、爆弾以外の武器ってないのかしら?」ほむら「え?ちょっと、考えてみます…」杏子「テメェ、一体何なんだ?さやかに何しやがった」まどか「さやかちゃん、やめて。お願い、思い出して。こんなこと、さやかちゃんだって嫌だったはずだよ」ほむら「ごめん…美樹さん…」杏子「さやか…。チクショウッ…。こんなことって…」まどか「ひどいよ…こんなのあんまりだよ…」ほむら「はっ!?巴さん!?」まみ「ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!」まみ「あなたも、私も…!」ほむら「や、止めてっ!」まどか「嫌だぁ~…もう嫌だよ、こんなの…」ほむら「大丈夫だよ。二人で頑張ろ?一緒にワルプルギスの夜を倒そう?まどか「うん…」まどか「私たちも、もうおしまいだね」ほむら「グリーフシードは?」ほむら「そう…。ねぇ…私たち、このまま二人で、怪物になって…こんな世界、何もかもメチャクチャにしちゃおっか?嫌なことも、悲しいことも、全部無かったことにしちゃえるぐらい、壊して、壊して、壊しまくってさ…。それはそれで、良いと思わない?」まどか「さっきのは嘘。1個だけ取っておいたんだ」ほむら「そんな…!何で私に!?」まどか「私にはできなくて、ほむらちゃんにできること、お願いしたいから」まどか「ほむらちゃん、過去に戻れるんだよね?こんな終わり方にならないように、歴史を変えられるって、言ってたよね」ほむら「うん…」まどか「キュゥべえに騙される前のバカな私を、助けてあげてくれないかな?」ほむら「約束するわ。絶対にあなたを救ってみせる。何度繰り返すことになっても、必ずあなたを守ってみせる!」まどか「よかった…」まどか「うわぁあっ!」まどか「もう一つ、頼んでいい…?」ほむら「うん…」まどか「私、魔女にはなりたくない。嫌なことも、悲しいこともあったけど、守りたいものだって、たくさん、この世界にはあったから」ほむら「まどか…!」まどか「ほむらちゃん、やっと名前で呼んでくれたね。嬉しい…な」ほむら「はっ…ぅ、ぐっ……うぅ………うう゛ううううう゛うう゛うう゛う!!」ほむら(誰も、未来を信じない。誰も、未来を受け止められない。だったら、私は…)まどか「ハッ…誰?」ほむら「まどか。あなたに奇跡を約束して、取り入ろうとする者が現れても、決して言いなりになっては駄目」まどか「え?あの…」ほむら(もう誰にも頼らない。誰にわかってもらう必要もない)ほむら(もうまどかには戦わせない。全ての魔女は、私一人で片付ける。そして今度こそ、ワルプルギスの夜を、この手で!)まどか「ひどい…」キュウベエ「仕方ないよ。彼女一人では荷が重すぎた」まどか「そんな…あんまりだよ。こんなのってないよ」ほむら「まどか、そいつの言葉に、耳を貸しちゃダメぇ!!」キュウべえ「諦めたらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる。避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい。その為の力が、君には備わっているんだから」まどか「本当なの?」ほむら「騙されないで!そいつの思う壺よ!!」まどか「私なんかでも、本当に何かできるの?こんな結末を変えられるの?」キュウべえ「もちろんさ。だから、僕と契約して、魔法少女になってよ!」 ほむら「ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」キュウべえ「本当にもの凄かったね、変身したまどかは。彼女なら、最強の魔法少女になるだろうと予測していたけれど…。まさかあのワルプルギスの夜を、一撃で倒すとはね」ほむら「その結果どうなるかも、見越した上だったの」キュウべえ「遅かれ早かれ、結末は一緒だよ。彼女は最強の魔法少女として、最大の敵を倒してしまったんだ。もちろん後は、最悪の魔女になるしかない。今のまどかなら、おそらく十日かそこいらで、この星を壊滅させてしまうんじゃないかな?ま、後は君たち人類の問題だ。僕らのエネルギー回収ノルマは、おおむね達成できたしね」キュウべえ「あ……戦わないのかい?」ほむら「いいえ。私の戦場はここじゃない」キュウべえ「暁美ほむら…君は…」ほむら(繰り返す。私は何度でも繰り返す) ほむら(同じ時間を何度も巡り、たった一つの出口を探る。あなたを、絶望の運命から救い出す道を)ほむら「あぁっ!?」ほむら(まどか…たった一人の、私の友達…)ほむら「あっ…」ほむら(あなたの…あなたの為なら、私は永遠の迷路に閉じ込められても、構わない)
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