地獄を探して


食ってばっかり
ライフ4000世界
独自解釈多数
デュエルしてない


休日の朝9時半、終園望は家の掃除に勤しんでいた。マメに掃除をしないと
溜まっても欲しくないホコリが家を占拠してしまう。
掃除機と某クイックルでホコリをブラックローズガイルして
充実感を感じながら、今度は胃の中を充実させるため台所に足を運んだ
気分的に甘いものが食べたいらしく望が取り出したのはホットケーキミックスだった

(今日はパンケーキか)
「(おはようデミス)」

ぱぱっと作り終えると、ホイップクリームとイチゴを添えて、フォークで口に運ぶ
ふわふわの生地とクリームが、口と中いっぱいに幸せを与え身体に栄養を届ける。
このとき話している相手はデミス、彼の持つ終焉の王デミスのカードの精霊であり
望と共に悪の組織と戦うために異世界からやってきたのだ。

「(はい、デミスあーん)」
(これだけに力を使うのも気が進まないが・・・)

望のもつ終焉の力さえあれば、精霊を実体化させること造作も無いのだ
デミスにイチゴを向けて食べさせ・・・た次の瞬間に玄関のチャイムの音がなる
見られては一大事と、急いで力を解除したせいでフォークだけが床に落ちてしまった。

「だ、誰だろう・・・」

誰だとインターホンをみると、玄関の前にはゴスとよばれるであろう服装の
白と黒のツートンカラーという変わった髪の少女が立っていた。

「おはよう闇次元の皇子さま」
「都麗努院さんおはよう、どうしたの?」

都麗努院鳥栖子、mayのデュエリストの一人なのだがちょっと変わった
簡単に言うと中二病であり、極端に言っても中二病であり邪気眼なのだ。
そんな彼女が何故、望の家の前にいるのか?

「今日は謎めいた貴方に添い遂げにきたの」
「えっと・・・どういうこと?」
「話すから私を受け入れて」

とても嫌な予感を感じて、何か面倒ごとに巻き込まれるのでは?と
不安を抱きつつも、インターホンに出てしまったからには仕方が無い。
何もな事を祈りつつ、玄関に行くのだがこれだけで終わらなかった
災難は続く一度あることは二度あるとはこの事か

「おはよう、今日はいったい・・・」
「見ましたよ見ましたよ!終園さん密会ですか!」
「わぁっありかちゃん!?」

玄関を開けるのと同時に草陰から飛び出したのは雪本ありか、望など事件性のありそうな人物を探るなど
探偵ごっこが好きな小学5年生、本人は探偵のつもりらしく本能的に捜査の基本を押さえ
有望性はあるのだが、抜けているせいでそれが上手く発揮できていない。

「あら、探偵さんが何の用?事件が欲しいなら図書館に沢山あるわよ?」
「ふふふ見てましたよ、そんなおめかしして怪しいです」
「ありかちゃん・・・その、なんと言うか・・・」

どうしてこうなるんだろう?と望はがっくりと肩を落とした。幸いな事に掃除は済ましたが
望としては、このあとゆっくりとしていたかったし、のんびり一人であぁでもないこうでもないと
デッキに採用する魔法罠を吟味したかったのだ

「お邪魔するわ」
「えっあちょっと待って!今日は」
「知ってますよ!今日は何も無いはずです!」
「あぁ知ってたんだって何で知ってるのさ!?」
「お構いなくー」

そういうと、二人とも家に入っていってしまい止める間もなかった望は
ただ溜息をつくのだった。お構いなくといわれても放置するわけにもいかず
冷蔵庫か棚に何かあったかと遅れて家の中に戻っていった

「そんなに事件の臭いとかするのかな僕」

いくら邪神復活を止める戦いや、七人の決闘者に依頼をして事件を解決したりと普通じゃない事をしているからといって
2日に1回というほど日常的ではない。それならライトロードあたりのもっと怪しい組織を調べてればいいのにと
一人台所に戻り、冷蔵庫の中を探すと出てきたのはお手製のプリン。そこに先ほどのパンケーキをコーンフレーク代わりに
アイスと共にパフェ用のグラスに敷きプリンや果物、チョコレート菓子などを添え
プリンの脇にアイスクリーム・キウイ・チョコで作ったスノーマンイーターを乗せる。

「飲み物はオレンジジュースでいいかな」

最後にディフォルメしたデブリドラゴンをプリンの上に、チョコペンで書きたしてデブリ風プリンパフェが完成
それとオレンジジュースを載せたお盆を持って望はリビングへ向かう

「はい、パフェとオレンジジュース」
「きゃー!お手製のパフェ~!」
「ありがとう、あぁ形ある甘美は何故こうも愛おしいのかしら」

凝ったもてなしに興奮するありかと、難しい言葉を並べる鳥栖子の近くのテーブルに
盆を乗せると、早速望は本題に移った。

「二人とも今日はどうしたの?」
「都麗努院さんから事件のにおいがしました」
「失楽園の二人は、何も物語の中だけではないわ私も楽園から身を引いたの、もっとも楽園の名をかたる煉獄とも言うけれど」

失楽園の二人、失楽園とは人間が楽園から追い出される物語。それから
どこかから追い出されたと考える事ができたので、色々と思考した結果
最後に文句を言っていることをヒントに、答えが導き出された

「家出したの?」
「そう考えてくれて構わないわ。」

ギャフンといいたくなったが、それを堪えて感情的にならず
もてなすと気も治まり、意外とあっさり帰るかもしれないと
家でくつろがせて家出をやめさせる作戦にでた。

「仕方が無い・・・僕はちょっとボックス出してくるから、雑誌はそこにあるから暇な時に」
「はいはーい楽しんでまーす」
「退屈は神殺しの蟲毒・・・楽しませてもらうわ」

自分の部屋にボックスを取りに行く望だったが、雑誌はデュエルマガジン、それにたまに買う料理雑誌
それか新聞だけである。二人との相性はほとんど最悪状態。すぐに飽きて別の話題に移り始めた

「何か事件がないですかね、実は相続争いで望さんが困ってるとか」
「この世界にそんな都合のいい物語はありはしないわ」
「もー!何でお金持ちなのに事件が無いんですか!」

何もなくご立腹なありかはテレビをつけるが、この時間ではテレビドラマもアニメも無い。
次にDVDプレイヤーを動かすが、HDDを見るもプロデュエリストの試合
料理番組とありかの範囲外の映画ばかり、アニメもあったが途中の話で何がなんだか分からずムキーッと悔しそうにしていた

「刑事さん、捜査の基本は待つことよ?私もヒマだから悲しくなってきたけれども」
「探偵です!もうっDVDはないんですかDVD・・・」

次にテレビの台からDVDを探そうとすると、何かのDVDボックスが
ありかの心を射止め、望の下に駆け出した。

「望さん望さん!超帝神グランカイザーじゃないですか!!」
「んー?あぁあれ好きなんだ、どうしたの?」
「見ていいですよね?ね?」

魔法カード用のボックスをあさる望に、ありかが大興奮して話すその超帝神グランカイザーとは
特撮とデュエルモンスターズをコラボレーションした企画の第一弾であり
ペガサス会長が快くOKを出したのが有名、主役には人気カテゴリー帝シリーズと霊使いが採用され
超古代文明の鎧を着て宇宙から来た敵と戦うのが簡単なあらすじである
特撮用に一部デザインが変更されているのも特徴的。
DVDにはグランカイザー版の帝と霊使いカード特別版が同梱するぞ!

「いいよ、先に見てて回復用の魔法カードのボックス探さないと」
「はいはーい!やったー!」
「騒がしいわ・・・そんなに面白いものかしら?」

怪訝そうな鳥栖子に、好きなキャラクターの事を語りながら、DVDBOX発売時の最新パックの宣伝やDDDの宣伝を飛ばし
本編を早速再生すると、番組のあらすじの後に爽快なオープニングが流れ始まる

「あぁライザーとウィンの活躍が楽しみ~」
「そう・・・期待は希望殺しの魔弾、過度に期待はしないわ」
「ロマンを感じるけど、どうやって使えばいいかな・・・」

望もストレージボックスを3箱ほど持ってきて、中のカードを吟味し始める
地割れと地砕きは面倒だけど面倒なだけ、わが身を盾にするのも不安定でデミスを使いにくくなる
Tour Guide from the Underworldの可能性に惹かれる物があるが、デッキ内で相性がいいカードはクリッターのみ
現在存在するランク3はグレンザウルス・リヴァイエール・エアロシャーク・ラヴァルバルイグニスと闇属性がいない

「闇属性サポートが効かないのが辛いなぁ・・・闇属性ランク3エクシーズさえあれば・・・」
「バスガイドさんでバスガイドさんをよぶのはどうです?」
「僕のデッキだと・・・1枚でデッキ圧縮と展開が出来るのは優秀だと思うんだけど」

このカードと組み合わせてみるか、と今度は分類なしの魔法カードのストレージボックスを漁り始める
そのころ鳥栖子はどうしていたかというと・・・

「やめろライザー!俺達の本当の敵は惑星連合ディーティーだ!」
「その言葉も怪しいな、覚悟しろザボルグ!」
「ちょっと待ちなさい、悪いのはあっちよ!」

最初は興味なさそうにしていた鳥栖子が、逆に見入っていた。画面内で激しいアクションをするザボルグとライザー
それに少々複雑な設定がヒットしたらしく夢中のようだ。ありかは画面を見ながらスノーマンイーターのアイスを崩して
キウイを目指しながら、横目で望にアドバイスを入れていた
こうして3人が3人とも別々の行動をしているころ、カードの精霊達はどうしていたかというと

(えっぐえっぐ・・・この前アドバンスドローでこの前はトレードイン・・・)
(よしよし、泣いちゃだめよルイン気をしっかり持って!!)
(解せぬ、なぜルイン嬢は2400じゃないのか)
(デミスのバカー!私からパワーまで取っちゃったんだえーん!えーん!)

ルインを慰めていた。鳥栖子のルインはまるでドロー用のコストのように扱われる事が多く
酷い場合は手札消費の変わりに、通常召還権を使わないカード扱いされることもある
望の闇属性モンスターの相談役であるダークネフティスと、ありかの古代の機械龍が
そんな不遇なルインを慰めていた。ついでにこういうときに真っ先に飛び出すダークボルテニスは

(ひ、酷い・・・)
(彼女を泣かせたくないのに、私はいつも傷つけてばかりだ・・・この力が恨めしい)
(これが力持つものの義務だ、受け入れなければ先は見えんぞ)
(もはや押し倒さざるを・・・デミス私が悪かったその斧をしまってくれ)

ギアガジェルドラゴンの一撃で和室のあたりに埋め込まれていた。他のカード相手なら攻撃の無力化!と
ドヤ顔をするのだが、関係なく古代の機械龍が突撃してこの有様である
その横で悩んでるのはデミスとデミス、ややこしいが悩んでるのが鳥栖子のデミスで
最後にとんでもない事を言おうとするダークボルテニスに斧を向けてるのが望のデミスである。
まったくの余談であるが望のネフティスはおねえぇ系のオカマである

「はたして風のトライブの運命は!次回覚醒炎のトライブにご期待ください」
「そろそろお昼だね、スパゲティーでいい?」

そうこうしている間に、DVD1巻が見終わり2巻を取り出すありか達に望が告げると
針が12時に近づいていた。どうやらデッキは完成したらしいがバスガイドの実力やいかに

「ミートスパお願いしまーす」
「血肉に飢えてはいないわ、ねぇ皇子さま?」
「それじゃあピザでも焼こうか?」
「やったー!!」

喜ぶありかだが、鳥栖子はまた言葉を連ねる。あぁこりゃ変な物ださないと満足しないなと
望は主婦の集いに誘われた時に、鳥栖子の母親から教わった方法を試すことに

「地球を一番蝕んで一番献身してる、植物を使ったヘルシーサラダがいいかなー?」
「ごめんなさいピザでお願いします」

鳥栖子の母親直伝の必殺技が炸裂し、効き目に驚きながら望は台所に消えていく
一方鳥栖子は母親みたいだと滅入るも気を取り直してグランカイザー2巻を見始める
だがどうもスッキリしないらしく、何か仕返しついでに楽しい事を思いついたようだ

「・・・ねぇ探偵さん」
「なんです?今いいとこなんですから後で」

今回は事件大好きのありかがいる。何か怪奇事件の一つでもないかと聞いてみると
この町にサイバーマンが現れたという。サイバーマンとは現在サイバー流継承者の丸藤兄弟のカードである
サイバードラゴンシリーズを使うという謎の怪奇デュエリストであり、鳥栖子の気を引くものがあった

「あの光と闇を抱く鋼鉄龍・・・本当なの?」
「聞いた話では、いろんな人が電流デスマッチを挑まれてるそうですよ、最近じゃ廃墟に出るーだなんて噂が」
「なら探しに行かない?男手は終園君に任せて」

ウィンが人質にとられているせいで、ガトリングオーガにやられるままのライザーに悲鳴を上げるありかが
流していた鳥栖子の言葉に反応する。オカルトを怖がる鳥栖子だが人がいれば別である
ありかもサイバーマンに変質者のプログラマー説を唱えていたので、少し気になるようだ

「きっとデータ書き換えが出来る変質者ですよ!けど何で終園さんを?それにどうやって連れて行くんです?」
「力仕事は男の物だからよ。いい?終園君は忌々しい日常染みた所があるけど、律儀なのよ?」

こう言うが、鳥栖子は本当はオカルトが怖いので、頼れそうな望を大人の変わりにしたいようだ
だが鳥栖子の作戦とは?それを実行するべく彼女は台所へ向かっていく

「終園君、ちょっといいかしら?」
「・・・んっ都麗努院さん」

台所にいる望は現在サラダを作っていて、結局野菜を食べる事になるのかと
げんなりする鳥栖子だがそこで挫けず今がチャンスだと、望に話しかけた

「あぁ都麗努院さん、ちょうど良かったお皿出してくれないかな?」
「ねぇ私と一緒に伝説の男サイバーマンを探して」
「うん、食器棚の一番下の左から2番目と下から2段目の真ん中のお皿出してくれないかな?」

とんでもない要求、しかし料理に夢中の望は、母親が子供のわがままを聞き流すのと同じ風に
適当に相槌を打ってしまっていた。もちろんこれは迂闊な事であるが今の望は気づかない

「ふふふ、情報は眉唾だけれど楽しみだわ」
「粉チーズはお好みで、あとドレッシングも」
「牛乳はないの?」

昼食を食べたら帰るだろうなどと、甘い事を考えながらパスタとソースを皿に盛り付けて
運んでおいて欲しいと鳥栖子に頼み今度はキッチンミトンをつけオーブンから
ピザを取り出す。ぐつぐつととろけるチーズに上機嫌な今の望の頭には先ほどの言葉など存在しない。

「わぁっ本当にピザとスパゲティ!いっただきまーす!」
「気に入ってもらえたみたいでよかった、けどちゃんと野菜も食べてね?」
「はいはーい、粉チーズかけて~♪」

洋風な食事内容にありかが喜び、鳥栖子が上機嫌で微笑んでるのに望は料理が気に入ってもらえたと
勘違いして喜んでいた。それもすぐに絶望へと変わるのだが・・・

「それで終園君、今回は町外れの廃墟にいくわよ」
「え?」
「サイバーマン探索よ」
「え?」

覚えが無い、と返そうとしたがありかがここに援護を入れる

「私も聞いてましたよ?たしかにうんって」
「えっ!?いつ言ったの!?」

ここでうろたえるのが望と母親の差。軽く流さずしまったと言うのが望
ピザカッターを動かす手が止まり、どこでそれを言ったか思い出そうと必死なようだ

「うーん・・・いつ言ったの?」
「私が台所に言った時よ、迂闊だったようね」
「探偵の血が超常犯罪に疼きますね!」

これでいいのかと、納得行かないような望。ここでNOといわず
約束したし仕方がないと言ってしまうのが望であり子供なのだ

「けどその前にお皿洗い手伝ってね、それとデッキ調整」
「ふふふ、無限獄に送り返して上げましょう」
「私の勘ではプログラマーですね、海馬コーポレーションのサーバーにアクセスできるぐらい凄い」
「聞いてるのかなぁ・・・」

ノリノリの鳥栖子とありかを尻目に、はぁっと溜息をつく望
こうして望は休日にmayにも行かずサイバーマン探索という
よく分からない冒険が約束されてしまった。

「やっぱり面倒ごとになっちゃったなぁ・・・」

くるくるとパスタを絡ませ、危惧していた事態に不満そうだが決め手が自分のミスなせいで
怒るに怒れないようだった。はふはふとうれしそうにピザを口にするありかに
嬉しいという感情が湧くが先のことを考えるとまたがっかりと肩を落とす。

「ごめんなさいね皇子様、けどいいじゃない女性に囲まれて冒険なんて」
「もうっどうしてこうなるのさー」
(まぁゴロゴロしてるよりは健康的だと考えて乗り越えるんだ)

デミスの励ましの言葉にも、機嫌が直らないがしょうがないと再び諦めたようで
絡めてたパスタを口に運び始めた。こうして昼食が終わり
二人も手伝い片付けもすませ、3人が満腹とちょっとだらしなく寝転がっていた

「寝転がってるだけじゃ勿体無いし、デュエルしよっか」
「じゃあ私から、お手柔らかにー」

むくりとありかが起き上がると先ほどの約束どおり、望のデッキ調整のためデュエルが始まる
少し気だるいような、眠たいような様子だが手札を握ると少しすっきりとしたようだ。これもデュエリストの性だろう

「先行貰いますねドロー、メインフェイズでテラフォーミング発動、そして手札に加えた歯車街を発動!」

ありかの発動したフィールド魔法「歯車街」は古代の機械シリーズのサポートカードであり
古代の機械のリリースを1枚減らすのだが、ありかの狙いはこれではない

「そしてフィールド魔法をセット!!歯車街の効果を発動!」
「早速来たね、歯車街コンボ!」
「この様子じゃ探偵さんが出すのは歯車の龍かしら」

歯車街は破壊されると、デッキ手札墓地と広範囲から1枚、古代の機械を特殊召還できる
協力無比な効果を持っている。これによりありかはデッキから大型のモンスターを召還できるのだ

「わっまたデッキの一番下が名推理・・・と、とにかく私は古代の機械巨竜を特殊召還!さらに死皇帝の陵墓を発動!」

古代の機械巨龍、効果もだが一番の脅威は大きさであり何とブルーアイズレベルのステータスを持つ
だがこのデッキはこれだけに終わらない。歯車街のためにセットされたカードが表になる。

「また歯車街っていうのは都合がよすぎるか・・・」
「皇帝は命の変わりに何を貢いでくれるかしらね?」

「死皇帝の陵墓」ありかのデッキのもう一つのキーカードであ
ライフポイントで上級モンスターのリリースをなくす事が出来る、強力なカードである
ただし、払うライフポイントは生贄1体で1000ポイントと、最上級であれば
2000つまり4000ポイントの半分を失う事になる

「ライフ1000ポイントを払って、レベル6のエンドオブアヌビスを召還!」
「エンドオブアヌビス!?」
「終園君にとっての死の神といったところね、エンドオブアヌビスは墓地を完全に封殺するわ」

鳥栖子が言うようにエンドオブアヌビスは墓地に関係する効果全てを封殺する、墓地利用完全抹殺のモンスター
ライフポイント4000において1000ポイントは軽いとはいえないが、上級モンスターの価値はそれだけ高い。
このように大型モンスターを次々と召還し損失分を上回る破壊力で攻め込むのがありかの戦術なのだ

「さらにカードを2枚伏せてターンエンド!」
「僕のターンだね、エンドオブアヌビスか・・・ドロー!よしっサイクロン発動!」

望の闇属性デッキは墓地を利用するため、墓地封じは恐るべき強敵となる。
ありかは先行1ターンで、即死レベルの大型モンスターを召還してフィールドにもカードを伏せ
相手が動きにくい状況を作り出したが、サイクロンで伏せていた魔宮の賄賂が破壊されてしまった。

「僕は手札から高等儀式術を発動!デッキのトライホーンドラゴンを生贄に現れろ!終焉の王デミス!」
「待ってました!ジャンヌをコストにサンダーブレイク!!」
「あぁデミスー!?」

これで妨害は出来まいと、望はフィールドを壊滅させる効果を持つ終焉の王デミスを呼び出すが
手札1枚を使うことで相手のカード1枚を破壊する罠カードサンダーブレイクにより
カード2枚を無駄にした結果に終わってしまった。だがこれでありかの伏せカードはゼロ

「これで墓地の闇属性は2枚か・・・いけるかな」

つまりある程度安全に反撃が可能となった、墓地を封じられ望の得意な墓地利用が使えず
2体の大型モンスターが展開しているありかのフィールドを崩す手段とは?

「手札からDDクロウを発動!対象は守護天使ジャンヌ」
「あの望さん?エンドオブアヌビスの効果は・・・」
「対象に取れなくても、墓地には送れるからね」

エンドオブアヌビスは確かに墓地を封じる事ができるが、発動だけは許してしまう
DDクロウが何の意味もなく、手札から墓地に落ちていくが狙いはここにあった

「墓地の闇属性が三枚そろっているから・・・」
「えっちょっと望さん?」
「ダークアームドドラゴンを特殊召還!」

DDクロウは手札から捨てる事で墓地のカードを除外する効果を持ち、相手の墓地利用を妨害するのがポピュラーだが
時に墓地の枚数調整にも一役買う場面もみられる。

「ダークアームドドラゴンの効果発動!対象はエンドオブアヌビスと古代の機械巨龍」
「えっなんで!?」
「運が無かったわね、武装魔龍は墓地のカードを対象にしてるんじゃなくて贄にしてるだけなのよ」

エンドオブアヌビスは墓地のカードを対象にする効果を無効に出来るが、ダークアームドドラゴンの効果は
墓地のカードをコストとして除外するので、これを止めるには除外を封じなければならないのだ。
エンドオブアヌビスと古代の機械龍がドリルミサイルに貫かれ爆散、消滅するとありかを守る壁なくなる

「通常召還はまだ行っていないから、最後に霊滅術士カイクウ召還」
「こんなのありですかー!?」

そしてデミスもダークアームドドラゴンも特殊召還を狙っていたので、まだ通常召還権が残っている
最後に召還されたカイクウで望の手札がゼロとなるが、これで決着がついてしまうので
もはや関係の無い事だった。2体の攻撃がありかの合計ライフ3000を削りきった

「うーん、もう少しカウンター罠を増やさないとダメかなぁ」
「大量展開するのが迂闊だったんじゃないかしら?6枚も手札があると対処は意外と楽だもの」
「僕は新カードを使わなかった・・・」

エンドオブアヌビスの召還はタイミングを見極めないといけない、新カードの活躍が結局なかったと
どちらも課題が出来たデュエルだった。次は鳥栖子と望がデッキをシャッフルするが
これ以上すると探索の時間がなくなると鳥栖子が待ったをかけた

「もうちょっとデッキ調整したかったけど仕方がないね・・・」
「彼の地の閻魔を裁いただけでもよしとしなさい、今度は地獄の使者を倒すんだから」

外出のため、それぞれがデュエルディスクを腕にし準備万端・・・と言いたいところだが
その前に望はガスの元栓や給湯器の確認をしていた。火事になると不味い
あらっとずっこける二人を尻目に、安全確認を済ませた望むが鍵を取り出す

「さっ行こうか」
「もう!そういうのは先にやってください!」
「調子が狂ったけど、さぁ行きましょう」

こうして3人の冒険が始まる!!先に待つのは果たしてサイバーマンか別の何かか!?
ありかを先頭に10分ほど一行が歩くと望が口を開いた

「そういえば、サイバーマンについて何か知ってるの?」
「町外れの廃墟が住処だそうです、あそこなら隠れるのに最適ですし可能性大ですよ、きっと怪しい施設になってる」
「罪深き咎背負う竜達・・・あぁぞくぞくするわ」

サイバーマンなんて嘘だし帰ろう、といいたいが自分の仲間達のことがあるので強くいえない
これから行く場所が廃墟だと聞き気分が滅入り始めていた

「廃墟か危ないしイヤだな」
「あら、怖いの?」
「怖いさ何があるか分からないし、皆を怪我させるわけにもいかないし」」

乗り気じゃない望だったが、今歩いている道を少し見返してみると
望の顔に明るさが戻ったはたして何があるというのか?

「あっやっぱりあった」
「アイス屋さんだ、こんな所にありましたっけ?」

視線の先には、ブリザードプリンセスと氷結界の舞姫がアイスを食べているかわいらしい看板が目印の
移動アイスクリーム屋のワゴン車があった、周りにはテーブルとイスも置いてある

「休日になるとここに来るんだ、二人とも何か食べるかい?」
「今日は食べてばかりね?」
「ご馳走になりまーす!」
「鳥栖子ちゃんはいい?」

食べる。と即答すると進路を少し変更してアイス屋に足を向けるのだが
イスに座っている人物に、ありかが目を疑った

「えっあの人まさか・・・」
「どうしたのありかちゃん?」
「あれって美琴さん?」

目線の先にいたのは尼曽根美琴、mayで有名なスケバン少女が望たちの目の前に確かにいた

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年05月03日 03:48