真守は現在事情があって家出中

SSなんて初めてだから理想と期待から離れビングしてお願いします

「手札からイリュージョンの儀式を発動します。」

「じゃあチェーンしてダーク・ネフティスをリリースして魔のデッキ破壊ウイルス発動。」

カードショップmayのフリースペース、テーブルの上で湯納正斗と終園望は互いのデッキ調整のためにデュエルをしていた。
今フリースペースにはいつもの常連は殆ど来ていない。もう少しすれば学校帰りの学生が店に来て賑わうだろうが。

魔のデッキ破壊ウイルスで手札と場を焼け野原にされた湯納はとりあえず延命の手段をわずかな手札と相談していた。

「うん、これは…どうしよう……」

「湯納君。」

デュエル中の湯納にショップmayの店長、としあき店長が後ろから肩を叩いた。
湯納が振り向くと見慣れた存在感のある店長の顔…そして店長の隣には見たことのない子供がいた。

「なんか君を探しとる子がおるんやけど」

「湯納正斗ですね。」

店長の隣の子供、左右対称に分けたショートカットの髪型の少女の声は少し冷めたような淡々とした落ち着いた声だ

「はいそうですが…えーと、どちら様でしたっけ?」

「これを」

湯納の質問に対して少女はポケットから折りたたまれた紙を湯納に手渡す。
渡された紙を開いてみた湯納の顔が段々と笑顔に驚愕を加えた変な表情に変化していく。

「え? え……はああぁ!?」

「湯納君!?」

普段の彼からは考えられないような声を聞いて店長が何事かと湯納の持っていた紙を見る。
紙は写真で店長が連れてきた少女と両親が写っている普通の写真だった。
何があったか理解できない店長と望に頭を抱えながら湯納が話し出す。

「その写真の男、私の父です。」

「あれ、でも湯納さんの父親ってたしか」

望の言葉は途中で止まる。
湯納の両親は昔に離婚してしまっている。父親の方は実家に帰っているので湯納はもう長い間姿を見ていなかった。
まずいことを言ったのではないかと思った望だか湯納の耳には最初っから届いていないようで、頭を抱えたままボソボソと意味不明な言語を話している。

「まさか……再婚してたのか……」

「自分は真守です。訳あって正斗さんに頼みたいことが家を出ました」

ペコリと頭を下げる真守。湯納はまだ少々混乱してるがある程度落ち着いたようだ。

「そういえば似てるんやな。左右対称の髪に、世界の何かを諦めたような眼!」

「どんな眼ですかそれ!?」

「頼み事は3つありますが……その前にデュエルをして欲しい。」

そう言って真守は背負っていたリュックからデッキを1つ取り出した。
湯納も頼み事とデュエルと何の関係があるかは分からないがまあ何らかの事情があるのだろうと考えてOKの返事をする
……が邪魔が入った

「ちょーっと待ーった!」

店長だ
いつの間にかデュエルディスクを自分の腕につけている。

「この店に来たからにはまずは僕がデュエルの相手なんやな!」

「……」

湯納、真守、望は何言ってんだこいつというような冷たい視線を店長に向けるが店長は気づいていない。気づくこともない。

「正斗さん、話は後で大丈夫です?」

「……はい」

「じゃあデュエルの続きでもしますか。」

これはもう駄目だと3人とも判断して湯納と望はテーブルでデュエルの続きを。
真守はデッキをディスクに取り付けて店長とデュエルを開始する。

「またいつものあのデッキですか店長?」

椅子に座った望が心配なことを口にする。
店長がこういう時に使うのは勝利を目的にしない。ただ女の子と握手がしたいという人によってはトラウマになりかねない欲望で作られた友情デッキだ

「大丈夫!実は今度大会に出るから使うのはそのために組んだデッキなんやな」

「まあ、多分大丈夫でしょう…きっと。手札から死者蘇生を発動、サクリファイスを特殊召喚。効果で終末の騎士を装備します。」

「じゃあ闇の幻影を発動で。」

「……はい」

「じゃあ行くんやな真守ちゃん!」

「デュエル!」

「自分から行きます…ドロー。カードを4枚伏せて終了します。」

真守 LP8000 手札2
場 なし
場 伏せ4

店長 LP8000 手札5
場 なし
場 なし

「僕のターン!僕はハリマンボウを召喚!魚族モンスターを召喚したから手札からシャーク・サッカーを特殊召喚!」

店長の場に2体の魚族モンスターが並ぶ。

「僕はレベル3のハリマンボウとシャーク・サッカーをオーバーレイ!来るんやな!No.30破滅のアシッド・ゴーレム! 」

破滅のアシッド・ゴーレム。
ランク3で破格の攻撃力3000を誇る代わりに大きなデメリットを備えたモンスターエクシーズである。

「アシッド・ゴーレムで直接攻撃!」

「通します。」LP8000→5000

攻撃反応系のカードを覚悟しての店長の攻撃だったが攻撃はあっさりと決まってしまった。

「え?通すの…まあええんやな、ターンエンド。」

(攻撃力3000のゴーレムに除去使わないってことは事故っとるんかな? どの道まだ様子見なんやな)

(モンスターを出せば手札の強制転移でゴーレムをプレゼントできるし、五陵星の呪縛を使えばロックをかけてじわじわダメージをあたえられるんやな!)

「そちらのエンドフェイズに自分はセットされたカード4枚を発動します。永続罠、カース・オブ・スタチュー、アポピスの化身2枚、死霊ゾーマを発動」

真守の場に一気に4体の罠モンスターが特殊召喚される。
それぞれが不気味な姿をしており並ぶとなかなかに怖い

真守 LP5000 手札1
場 カース・オブ・スタチュー(攻)、アポピスの化身×2(攻)、死霊ゾーマ(守)
場 伏せ1、罠モンスターにより4箇所使用不能

店長 LP8000 手札4
場 No.30破滅のアシッド・ゴーレム(攻)
場 なし

「自分のターン、死霊ゾーマを攻撃表示に変更。」

幽霊のような姿の罠モンスター。死霊ゾーマがアシッド・ゴーレムに向かっていく。

「バトルフェイズ、死霊ゾーマでリバイス・ドラゴンを攻撃。」

向かってくるゾーマをアシッドゴーレムが思い切り殴りつける。
途端にゾーマは弾けて破片が真守と店長に襲い掛かった。

「死霊ゾーマの効果でそちらに3000のダメージを与えます。」LP5000→3800

「え?あ、ちょ、これって…」LP8000→5000

「今日は少し運が良いかもしれないです。カース・オブ・スタチューの効果発動、祟りの雷」

カース・オブ・スタチューの眼が光ると空から雷が落ちてアシッドゴーレムを粉々にした。
店長の場にはもう壁モンスターが存在せず。真守のモンスターはまだ3体が攻撃可能だ。

「カース・オブ・スタチュー、アポピスの化身2体で直接攻撃。カースバーナー、毒牙の剣舞。」

「ひ、ひどいんやな…」LP5000→3200→1600→0


次回『アウナス・ミフイムはアイスを食べたい』いつになるかは分からない。

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最終更新:2011年11月06日 21:59