最後の決闘! 掴み取れmayの未来

             デュエル
空想皇帝・進・美琴『「「 決 闘 !!」」』
             ディアク

空想皇帝
手札:5
LP:8000
 場:
墓地:


手札:5
LP:4000
 場:
墓地:

シャム曽根
手札:5
LP:4000
 場:
墓地:


進「LP8000だと!?」
空想皇帝『只人である貴様らと余の生命が同じであるわけがなかろう?』
シャム曽根「けっ! 2vs1のいいハンデだぜ」

進とシャム曽根のタッグを迎え撃つ空想皇帝。
エネルギー体であるその手にはデュエルディスクはない。
ただ、その周囲に巨大な石版のようなものが浮いている。
かつて古代エジプトで美琴がみたものにそっくりであった。
そして、ファトスシャムスにとっては懐かしいもの―――魂の石版だ。

シャム曽根「あれが奴のデッキ・・・・・・」
????「はじまったか」
アキラ「てめぇは!?」

座り込むアキラの近くの空間がガラスのように割れ、オーカスが現れた。
近くのアキラのことなど意に介さず、はじまったデュエルへと目を向けている。

オーカス「novの心の闇の象徴とでも言うべき皇帝と、大した心の闇を持たぬmayの人間。
     このデュエル、どちらに転ぶかとくと見させてもらおう」

邪神結社幹部は高みの見物を決め込むようだ。

空想皇帝『余のターン。余はこれでターンエンドだ』
進「なにもせずにターンエンドだと!?」
シャム曽根「な、なめやがって・・・!」

先攻である空想皇帝はカードを伏せることもせずターンエンドを宣言した。
余裕の表れなのか・・・不気味な空気が進と美琴を包む。

進「俺のターン、ドロー!」
進(何かある・・・が、迷っても仕方ない!)

何もしなかった空想皇帝を警戒しつつ、デュエルがはじまったばかりということもあり進は動く。

進「俺はモンスターをセット、そして魔法発動《二重召喚》! セットモンスターをリリースして―――」

進がセットしたのはダブルコストモンスターである《インヴェルズ万能態》だ。
《二重召喚》とのコンボにより最上級モンスターを後攻2ターン目でアドヴァンス召喚するコンボである。
だが。

デュエルディスク『ERROR!』
進「っ!? どういうことだ? モンスターがリリースできない、だと?」
空想皇帝『当然だ。貴様のフィールドをよく見るがよい』
進「なに? こ、これは!?」

進が発動したのは確かに二重召喚だったはず。
しかし、今、実際進のフィールドで発動している魔法カードは―――

進「《侵略の汎発感染》? 馬鹿な・・・カードが変わっている?」 
シャム曽根「どういうことだよ!? 違う魔法カードが発動しただぁ?」
オーカス「早速仕掛けてきたか」
シャムス『カードが変わった・・・ふむ』
アキラ「いったい何が起こってやがる・・・」

今この状況で汎発感染の効果は意味がない。
発動したカードが変わったとしか思えない状況に戸惑いつつもデュエルを進めるしかなかった。

進「くっ・・・俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」


空想皇帝
手札:4
LP:8000
 場:
墓地:《■■■■》


手札:3
LP:4000
 場:伏せモンスター(インヴェルズ万能態)×1、伏せ魔法・罠×2
墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》

シャム曽根
手札:5
LP:4000
 場:
墓地:


シャム曽根「あたしのターン、ドロー!」
アキラ「気をつけろよ、美琴! 野郎、何か仕掛けてやがるぞ!」
シャム曽根「ああ! あたしは、スケール2の《魔装戦士 ドラゴディウス》とスケール7の《魔装戦士 ドラゴノックス》で
   ペンデュラムスケールをセッティング!」

シャム曽根が『2』と『7』のペンデュラムスケールを設置する。
『PENDULUM』!
シャム曽根のデュエルディスクに七色の文字が浮かび上がり、数字を従えた2人の戦士が光の柱の中に浮かび上がった。

シャム曽根「これであたしは、☆3から6のモンスターを同時に召喚可能!
   未来へシューティングスター! 光のアーチ描け!! ペンデュラム召喚っ!!!
   現れろ、あたしのモンスター達! ☆4《アマゾネスの賢者》、☆4《アマゾネスの聖戦士》!」

光の柱の間にアーチが円を描き、その中から2体のアマゾネスモンスターが飛び出す!

シャム曽根「☆4の鎖使いと聖戦士をオーバーレイ!
   2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!  エクシーズ召喚!
   現れろ、《No.39 希望皇ホープ》!!」

ナオミより取り戻した美琴のエースモンスターだ!
だが!

空想皇帝『希望だと? そんなもの、貴様らにはありはしない』
シャム曽根「なに!?」

シャム曽根の場に向けられる冷ややかな空想皇帝の視線。
その先には―――

進「ゴブリンドバーグが召喚されている? 尼曽根は確かにエクシーズ召喚をしたはずだが」
シャム曽根「あ、あたしのホープは!?」

ホープの姿はなく、なぜかゴブリンドバーグが攻撃表示で召喚されていた。

ヒカリ「ッ! コクゴー、墓地ミテ! ミコトモ!」
シャム曽根・進「っ!」

ヒカリの言葉に二人が自身の墓地を確認する。
そこには、確かに進が発動したはずの二重召喚と、シャム曽根が特殊召喚したはずのホープがのカードがあった。

シャム曽根「てめぇ、なにかしやがったな!?」
空想皇帝『そうだ。余は、デッキからカウンタートラップ《ヌメロン・リライティング・エクシーズ》を発動したのだ』
進「デッキからトラップだと!? しかも、尼曽根のターンに!」
空想皇帝『その効果により、余はホープ召喚の事実を・・・書き換えたのだ』

空想皇帝が得意そうに語る。

シャムス『書き換えた・・・ヌメロン・・・お主!』
空想皇帝『ようやく気づいたか、ファラオよ。そう、これはヌメロン・コードの力だ。
     すでにこの場にはフィールド魔法《ヌメロン・ネットワーク》が発動している・・・』

空想皇帝が周囲の空間を見渡す。

空想皇帝『余はヌメロン・ネットワークを流れるエネルギーを得て蘇った。その繋がりは断たれておらぬ。
     つまり、今の余はヌメロン・ネットワークの一部・・・いや、そのもの!』

空想皇帝が声に力を篭めると、周囲の空間にエネルギーが走る。
それは回路のようなものを形成し、異次元空間へとつながっていた。
その先にあるのはmayだ

進「じゃあ、俺の二重召喚も・・・・・・」
空想皇帝『カウンタートラップ《ヌメロン・リライティング・マジック》を発動した。
     マジックカードの発動と効果を無効にし、別のマジックカードの発動へと事実を書き換えたのだ。
     ヌメロン・ネットワークのみが余のフィールドにあるとき、1ターンに1度余はデッキからヌメロンの力を得たカードを発動できる!』
アキラ「カードが書き換えられちまったら、美琴達に勝ち目はねぇ・・・くそっ、インチキ効果も大概にしろ!」

驚くべき空想皇帝の力に愕然とするmayの面々。
1ターンに1度とはいえ、キーカードの発動を止められてはたまらない。

シャムス『しかし、ヌメロン・コードはまだ見つかっていないはず』
オーカス「・・・・・・なるほどな」

ヌメロン・コードはmayのどこかに出現している。ハカセ達の調査によりそれはわかっていた。
だが、その所在まではまだ誰も知らないはずであった。

オーカス「ヌメロン・ネットワークでmay全体を覆うことでヌメロン・コードの力を引き出しているのか」
オルバ「はい。そのためにサーキットでございます」

どこにあるかわからないが、mayのどこかにはある。
ならば、mayの世界ごと取り込んでしまえばいい。
オルバたちnov人はそう考え、デュエルエナジーでヌメロン・ネットワークを形成し
さらにそれをサーキットとすることで空想皇帝復活のエネルギー源としたのであった。

空想皇帝『全てを書き換えることができるヌメロン・コードの力を得た今! 余は神となった!』
シャム曽根「好き勝手いいやがって! あたしはこれでターンエンドだ」


空想皇帝
  手札:4
  LP:8000
   場:《ヌメロン・ネットワーク》
  墓地:《ヌメロン・リライティング・マジック》、《ヌメロン・リライティング・エクシーズ》


  手札:2
  LP:4000
   場:伏せモンスター(インヴェルズ万能態)×1、伏せ魔法・罠×2
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》、《魔装戦士 ドラゴノックス》:7>
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》


空想皇帝『余のターン! ドロー!』

空想皇帝の周りに石版が追加される。
それはデッキからだけはなく・・・

シャム曽根「墓地のカードも手札に!? なんだそりゃ!」
空想皇帝『当然であろう? 余は神である。デッキ、手札、フィールド、墓地・・・全てが余の思いのままだ』
進「言ってくれるぜ・・・」
空想皇帝『余はマジックカード《ヌメロン・ダイレクト》を発動! このカードはヌメロンと名のつくトークン4体を特殊召喚する!
     余が召喚するのは4体のナンバーズ!』
進「ナンバーズだと!?」
シャム曽根「しかもトークン・・・ホントになんでもありじゃねぇか!」
空想皇帝『そしてその4体は創造神クンリニン=サンがこの世界に遣わした最初のナンバーズ、そのコピーだ!』

空想皇帝が手を掲げると、ヌメロン・ネットワークに光が走り巨大なエネルギーの柱が生まれた。

空想皇帝『この地上を監視し続けた世界の番人! その力、余が貰い受ける!
     現れよ、《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》!』

巨大な建造物のようなモンスターが大気を震わせ光臨する!

空想皇帝『《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》! 《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》!
     そしてこれがヌメロンの極致! 現れよ、No.1! 天を摩する地獄の門、堅牢なる扉開きし時、一抹の希望を捨てよ! ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム!』

novの大気と大地が震える!
4体のモンスターが出現・合体し、巨大な門と扉を形成した!

空想皇帝『このカードこそ、神の力を持つナンバーズ! ゲート・オブ・ヌメロン!!』
シャム曽根「けっ、なにが神の力だ! それぞれ攻撃力2000のトークンじゃねぇか!」
シャムス『奴のフィールドにカードが存在する限り、奴は我らのカードを書き換えることは出来ない・・・これは何やらきな臭いのぅ』
ヒカリ「コクゴー、クルヨ!」
進「おう!」
空想皇帝『余はNo.4 ヌメロン-チャトゥヴァーリで伏せモンスターを攻撃!』

巨大な門が開き、中から禍々しい姿の怪物が現れる。
鋭い牙、血のような体色と紫色のエネルギーで構成された腕。
その口から竜巻のようなブレスが放たれた。
インヴェルズ万能態が破壊される。

空想皇帝『No.4 ヌメロン-チャトゥヴァーリの効果発動! バトルの後、余のナンバーズ全ての攻撃力を倍にする!』
進「攻撃力を倍!? しかもナンバーズすべてだと!?」
空想皇帝『そうだ。そして、余のナンバーズは皆同じ効果を持っている!』
オーカス「攻撃するたびに攻撃力が倍になっていく、というわけか。単純だが強力ではあるな」
空想皇帝『No.3 ヌメロン-トゥリーニでゴブリンドバーグを攻撃!』
シャムス『巫女よ!』
シャム曽根「わかってるよ! Pゾーンのドラゴノックスのペンデュラム効果を発動!
   ドラゴノックスを破壊することで、てめぇのバトルフェイズは終了だ!」

ナオミの攻撃を封殺したペンデュラム効果だ。
ゲート・オブ・ヌメロンの攻撃力上昇はバトルの後。
バトルフェイズが終わってしまっては当然効果は発動できない。

空想皇帝『小癪な・・・』
シャム曽根「攻撃力を上げ続けるやつがあと3体もいやがるんだ・・・やらせねぇよ」
空想皇帝『だがこれで終わりではない! 余は手札より《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》の効果を発動!
     No.1 ヌメロン・エーカムをカオス化させる!』
シャム曽根「っておい! 手札からカオスナンバーズを特殊召喚だと!? っざけんな!」
空想皇帝『現れろ、CNo.1! すべての秩序を破壊し、混沌なる闇へ。世界を真なる姿へ導け。ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ!』

No.1 ヌメロン・エーカムの姿がより禍々しい門へと変わる!
翼のような装飾に4つの宝玉を持つ金と紺に彩られた門。

空想皇帝『CNo.1 ヌメロン-シニューニャのさらなる効果!
     このカード以外の余のフィールドのモンスターを全てリリースし、その攻撃力分のダメージを相手に与える!』
進「なん・・・だと!?」
空想皇帝『余の世界に異物はいらぬ! 消え去るがいい、空からの稀人よ!』
シャム曽根「ヒカリ! 黒剛!」

CNo.1 ヌメロン-シニューニャの目のような部分が光ると空想皇帝の場のナンバーズがすべて爆発、巨大な爆風が変身した進を包む!
空想皇帝の場のナンバーズの攻撃力の合計は4000×3=12000!

進「うおおおおおおお!?」
ヒカリ「アアアアアア!?」
アキラ「相棒ぉぉぉおおお!?」

衝撃に吹っ飛ばされnovの地面を転がる進。
呆然とそれを見るしかできない美琴と悲痛な叫びを上げるアキラ。
そして、冷たい視線を向けるだけのオーカス。

シャムス『まずいのぅ』
シャム曽根「ああ、まさか黒剛が一撃で・・・・・・」
シャムス『それもあるが、巫女よ、お主のことじゃ』
シャム曽根「あん?」
シャムス『奴は墓地のカードも再利用できる・・・つまり、奴のターン、またあのコンボが来るのじゃぞ』
シャム曽根「マジかよ!?」
シャムス『それだけではない。もしCNo.1 ヌメロン-シニューニャを倒せば、奴のフィールドはがら空き。
     ヌメロン・ネットワークの発動条件を満たしてしまう・・・チョベリバじゃのぅ』

CNo.1 ヌメロン-シニューニャは今は攻撃力2000のモンスターでしかない。
攻略することはそう難しくない。
だが空想皇帝はドローの際に墓地のカードも回収できるのだ。
それはつまり、奴にターンが回れば、墓地のヌメロン・ダイレクトとCNo.1 ヌメロン-シニューニャが手札に加わり、
先ほど進が喰らったコンボが再び使用できるということだ。

空想皇帝『余はこれでターンエンドだ』


空想皇帝
  手札:5
  LP:8000
   場:《ヌメロン・ネットワーク》、《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》
  墓地:《ヌメロン・ダイレクト》


  手札:2
  LP:0
   場:
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》、《インヴェルズ万能態》、《侵略の手段》、《侵略の波紋》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》
     《魔装戦士 ドラゴノックス》


アキラ「しっかりしろ、進! まさか、嘘だろ・・・・・・」

LPの3倍にもなるバーンダメージとその衝撃を受け吹っ飛んだ進はピクリとも動かない。
アキラの脳裏に最悪の想像がよぎる。
???―――

ヒカリ(コクゴー! コクゴー!)
進(うっ・・・・・・)

ヒカリの呼びかけで目を覚ました進であったが、

進(ここはどこだ? 俺はどうなった?)
ヒカリ(コクゴー! オキテ! コクゴー!!)

周囲は闇に包まれていた。
進を呼ぶヒカリの声も遠く、姿は見えない。

進(そうか、俺はnov皇帝にやられて・・・・・・。ここは、まさかあの世なのか?)

その質問に答えてくれるものはなかった。
自分の姿すら認識できない完全なる闇。

進(デュエルはどうなった? mayは? 尼曽根はまだ戦ってるのか?
  このまま消えちまうのか、俺は? それとも永遠にこのまま・・・・・・)

様々なことが進の頭をよぎる。

進(こうやって考えることはできるってのに・・・体が動かん・・・)
ヒカリ(コクゴー!)

相変わらず進を呼ぶヒカリの声がどこからか聞こえる。
声は聞こえているのだ。

進(・・・・・・簡単に諦めてたまるか。思い出せ、ヒーローはいつだって諦めないもんだろ!)

意識ははっきりしている。
自分が死んだとはまだ考えにくい、考えたくない。
ならばきっとなんとかなるはずだ。
現に、ヒカリの声は小さくとも確かに聞こえている!

ヒカリ(コクゴー・・・ドコ?)
進(ヒカリ、俺はここだ! ここにいる!!)

折れない心。
それこそが進の愛するヒーロー達が持つ最後にして最強の武器だ。
人類決戦存在HERO。
自分もそうありたいと、進があこがれ続けるもの。

進(ヒカリ!!)

進も自分が名づけたヒカリの名前を強く強く呼んだ!
そして、闇の中にかすかな光が見える。
近づいてきたそれは、闇の中で暖かな光を放つヒカリであった。

ヒカリ(コクゴー!)
進(ヒカリ!)

ヒカリが手を伸ばし、進が応える。
その指先が触れ合った時―――

ヒカリ・進(っ!?)

二人は闇の中に響く、戦慄くような竜の咆哮を耳にした。
そして、闇を吹き飛ばす巨大な閃光が爆発した!
nov・皇帝稜墓跡―――

空想皇帝『さぁ、娘よ。ターンを進めるがよい』
シャム曽根「くっ! あたしのター―――」

???『アオオオオーン!!』

シャム曽根がターンを開始しようとしたその時。
あたりに竜の咆哮が響いた。
美琴も、アキラも、空想皇帝とオルバも、オーカスでさえ声のした方向―――倒れ伏した進の方を見る。

オルバ「い、今の咆哮は?」
空想皇帝『ば、バカな! 今のは!?』

一瞬、その場にいた全員が倒れた進から立ち昇る金色の竜の幻影を見た気がした。
そして―――

進「俺の、ターンだ!」
ヒカリ「ウン!」

ヒカリが変身したスーツを身に纏ったままの進が立ちあがった。

シャム曽根「黒剛! ヒカリ!」
アキラ「心配させやがって、こいつ!」

空想皇帝『なぜだ・・・貴様のLPは尽きたはず・・・』

だが進のデュエルディスクも美琴のデュエルディスクも黒剛の復帰を認めている。
そのLPは2000。

オルバ「いったい何が・・・・・・」
オーカス「これは面白い。あの状況からデュエルに復帰できるとはな」


空想皇帝
  手札:5
  LP:8000
   場:《ヌメロン・ネットワーク》、《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》
  墓地:《ヌメロン・ダイレクト》


  手札:2
  LP:2000
   場:
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》、《インヴェルズ万能態》、《侵略の手段》、《侵略の波紋》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》
     《魔装戦士 ドラゴノックス》


進「ドロー!」
進(CNo.1 ヌメロン-シニューニャを倒して、さらに奴のターンあのコンボを発動させねぇようにする・・・無茶でもやるしかない!)
進「俺は《死者蘇生》を発動! 《インヴェルズ万能態》を特殊召喚する!」

漆黒の蓑虫が進の場に出現する。インヴェルズ展開の要のモンスターの1体。

進「万能態をリリースして、《インヴェルズ・ホーン》をアドヴァンス召喚!」
ホーン『邪甲!!』

万能態の殻が割れ現れた光の人型に漆黒の装甲が装着されていく。
長い触角を持つ漆黒のカミキリムシ怪人が現れた。

Dパッド『哀しみよ、愛をなくした黒い戦士に・・・・・・十字架を!』
進「ホーンの効果! LPを1000払い、モンスターを1体破壊する!」

ホーンの右腕からワイヤーが飛び出し、CNo.1 ヌメロン-シニューニャに絡みつく!
そのまま強引に引き倒した!

空想皇帝『余のカオスナンバーズを破壊するか・・・だがそれも一刻のこと』
進「ホーンでダイレクトアタックだ!」

ワイヤーを回収したホーンがそのまま突撃し右腕の鋏で空想皇帝を斬り裂く!

空想皇帝『ふん・・・下等種の分際で余に傷を付けるとは、不遜であるぞ』
進「そう言うなって、皇帝さんよ。これから俺達であんたを倒すんだからな。俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」


空想皇帝
  手札:5
  LP:5000
   場:《ヌメロン・ネットワーク》
  墓地:《ヌメロン・ダイレクト》、《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》


  手札:0
  LP:1000
   場:《インヴェルズ・ホーン》、伏せ魔法・罠×1
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》、《インヴェルズ万能態》、《侵略の手段》、《侵略の波紋》
     《死者蘇生》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》
     《魔装戦士 ドラゴノックス》


シャム曽根「よく言った黒剛! あたしのターン、ドロー!」
シャムス『わかっておろうな、巫女よ!』
シャム曽根「ああ、特殊召喚もマジックも使えねぇってんだろ? わかってるよ!」

今、空想皇帝の場にカードはない。ヌメロン・ネットワークを使う条件を満たしているのだ。
それでも進があえてCNo.1 ヌメロン-シニューニャを処理したのには理由があった。
シャム曽根も進のその意図を悟っていた。

シャム曽根「あたしは《アマゾネスの鎖使い》を召喚!」

シャム曽根が召喚したのはアマゾネスの鎖使い。
戦闘破壊された時、LPコストを払うことで相手の手札からモンスターを奪うことができる効果モンスターだ。

進「よし」
シャム曽根「へっ、これでいいんだろ?」

期待していた動きをシャム曽根がとったことに黒剛が頷く。

シャム曽根「さぁ、鎖使いとゴブリンドバーグでダイレクトアタックだ!」
空想皇帝『ぐっ・・・1度ならず2度までも余に傷を付けるとは!』
美琴「あたしはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」


空想皇帝
  手札:5
  LP:2100
   場:《ヌメロン・ネットワーク》
  墓地:《ヌメロン・ダイレクト》、《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》


  手札:0
  LP:1000
   場:《インヴェルズ・ホーン》、伏せ魔法・罠×1
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》、《インヴェルズ万能態》、《侵略の手段》、《侵略の波紋》
     《死者蘇生》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》、《アマゾネスの鎖使い》、伏せ魔法・罠×1
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》
     《魔装戦士 ドラゴノックス》


空想皇帝『余のターン! ドロー!』

ダメージを受けたことで空想皇帝のエネルギー体が揺らぎ薄れている。
ドローとは名ばかりの手札補充を行う空想皇帝であった。
そして、ファトスシャムスが先に予想したとおりの動きをとってきた。

空想皇帝『余は再びヌメロン・ダイレクトを発動! 現れよ、神のナンバーズ!』

再度、空想皇帝の場に現れる巨大な門。

空想皇帝『ぬぅ・・・・・・』

だがそこからの展開は先ほどと違った。
空想皇帝の手が止まったのだ。

進「だろうな。俺のフィールドには攻撃力3000のホーンがいる・・・」
シャム曽根「そして、あたしのフィールドには鎖使い、だ。迂闊に攻撃できねぇだろ!」

今のままでは、ゲート・オブ・ヌメロンはホーンに打点で勝てない。
鎖使いを倒すことはできるが、戦闘破壊すれば手札に回収したCNo.1 ヌメロン-シニューニャを奪われてしまう。
加えてシャム曽根のPゾーンには手札1枚と引き換えに相手モンスターの攻撃力を半分にできるドラゴノックスが存在する。
そしてそれぞれ伏せカードが1枚ずつ。
状況を鑑みた空想皇帝は・・・

空想皇帝『余は再びNo.1 ヌメロン・エーカムをカオス化させる!』

禍々しき巨大門、CNo.1 ヌメロン-シニューニャ。
強力なバーン効果を持つ恐るべきモンスターだ。
しかしその効果を二人はすでに体験済み。警戒していないはずがない。

シャムス『日和ったのぅ、皇帝よ。器が小さい、小さい』
進「リバースカード、オープン! 《侵略の波動》!! ホーンを手札に戻し、CNo.1 ヌメロン-シニューニャを破壊する!」

進は捨て身の選択に出た。
一度は敗れた身、次同じ奇跡はもうないだろう。
なりふり構ってはいられない!

シャム曽根「よっしゃ! これで奴のフィールドにはナンバーズだけ。バーンダメージはねぇ!」
アキラ「いける、いけるぜ!」

攻撃力2000かつ攻撃する度にパンプアップする強力なモンスターが残っているとはいえ、
最大の懸念であった超強力バーンダメージはなくなった。
見えてきた勝利にmayの面々が湧き立つ。

空想皇帝『・・・・・・言ったはずだ。貴様らに希望などないと』
進「なに?」
空想皇帝『貴様らがCNo.1 ヌメロン-シニューニャを破壊することなど、わかっていた!
     余はマジック《ヌメロン・カオス・リチューアル》を発動!
     その効果により、手札から《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》を特殊召喚する!』
シャム曽根「CNo.1000!?」
空想皇帝『現れろ、CNo.1000! 混沌の憂えは、浅ましき人の業。天壌の夢は、無窮の幻。
     虚ろの神よ、闇をもて、光に鉄槌を! 夢幻虚神ヌメロニアス!!』

空想皇帝の背後で光が炸裂し、白い巨体が姿を現す。
両腕が翼のようになった異形。
虚ろなる神! ヌメロニアス!

進「ば、バカな!? 攻撃力10000のモンスターだと!?」
ヒカリ「コクゴー・・・コワイ」
シャムス『・・・・・・・・・』

空想皇帝の威厳にはビクともしなかったヒカリも怯えの感情を見せている。
ファトスシャムスも難しい顔で押し黙っていた。

アキラ「美琴、進・・・・・・」
空想皇帝『ヌメロニアスでアマゾネスの鎖使いに攻撃! 消え去れ、ファラオの魂とその下僕よ!』

ヌメロニアスの胸に禍々しい光が集まっていき球を形成、そこから強烈な一撃が放たれる!

シャム曽根「やらせねぇよ! トラップ発動、《聖なるバリア-ミラーフォース-》!」

相手の攻撃表示モンスターを全て破壊できる往年の強力カード、ミラーフォース!
鎖使いの目の前に出現したバリアがヌメロニアスの強力なビームを反射し、空想皇帝の場を焼き尽くす!
残されたゲート・オブ・ヌメロン3体ともども爆発に消えるヌメロニアス。

シャム曽根「へっ、なにが攻撃力10000のモンスターだ! ざまぁみやがれ!」
空想皇帝『それはどうかな?』
進「なに?」
空想皇帝『ハ・ハ・ハ・ハ・ハ! そうだ、ヌメロニアスは破壊するしかあるまい!
     だが、これこそ余の狙い! さらなる絶望を見せてやろう!』

高笑いする空想皇帝が右腕を掲げる。

空想皇帝『ヌメロニアスが破壊されるとき、虚ろなる神の真の姿が現れる!
     降臨せよ、CiNo.1000! 我が天は長し、地は久し。人のすがる夢は一場の幻に過ぎず。
     虚無の大神よ、闇をもて、光に鉄槌を! 夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア!』

黒い光が爆裂した!
巨大な翼を持った異形の大神がnovの地に降臨する!

空想皇帝『ヌメロニアス・ヌメロニアは自ら攻撃することはできない。しかしその攻撃力・守備力は100000だ』
進「じ、100000・・・・・・」
シャム曽根「け、けどよ、攻撃できねぇんなら大して怖かねぇぜ」
空想皇帝『愚かな・・・』

mayの面々に哀れみと蔑みの目を向ける空想皇帝。

空想皇帝『ヌメロニアス・ヌメロニアに攻撃しなかった者はターンが終わる時、敗北となる・・・』
進「なん・・・だと・・・!?」
シャムス『守備力100000のモンスターに必ず攻撃せねばならん、か・・・マジヤバじゃな』
オーカス「・・・・・・ここまでのようだな」
空想皇帝『わかったか? 貴様らには希望など残されていないのだ。先ほどの復活には多少驚かされたがな。
     奇跡はもう起きぬ! 滅びの時だ! ターンエンド!』

ヌメロニアス・ヌメロニアと圧倒的な守備力と攻撃しなければ敗北という特殊条件。
圧倒的なピンチであった。
だが。

進「―――らめぇねぇ」
シャム曽根「っ!?」
進「諦めねぇ! 俺達はまだLPもあるし、デッキも尽きちゃいない!」
シャム曽根(・・・・・・・・・)
シャムス『巫女よ、お主もまだ諦めておらんのだな?』
シャム曽根「ああ。諦める理由がねぇからな! 確かに野郎のモンスターは強力だけどよ。対抗策がねぇわけじゃねぇ・・・」
進(そうだ。尼曽根のあのカードなら・・・・・・! 賭けてみる価値はある)
シャム曽根(あのカードなら・・・・・・けど、あたしの手札にまだねぇ)

進はあの闇の中で諦めないと誓ったのだ。
彼のデッキにもこの状況をなんとかできるカードのコンボはある。
だが、手札が足りない。
ならば。

アキラ「・・・・・・・・・」
オーカス「ほう、貴様も諦めていないようだな」
アキラ「当たり前だろうが。信じてるからな、あいつらのことをよ」
オーカス「・・・・・・くだらんな」

観戦するしかないアキラもまた諦めてはいなかった。
くだらないと断じつつ、オーカスもまだ観戦を続けるようだ。

シャムス(そうじゃ・・・この者達は決して諦めぬ。だからこそ、我もまた敗れたのじゃ、皇帝よ・・・)


空想皇帝
  手札:2
  LP:2100
   場:《ヌメロン・ネットワーク》、《CiNo.1000 夢幻虚光しんヌメロニアス・ヌメロニア》(守備)
  墓地:《ヌメロン・ダイレクト》、《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》、
     《ヌメロン・カオス・リチューアル》、《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》


  手札:0
  LP:1000
   場:
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》、《インヴェルズ万能態》、《侵略の手段》、《侵略の波紋》
     《死者蘇生》《インヴェルズ・ホーン》、《侵略の波動》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》、《アマゾネスの鎖使い》
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》
     《魔装戦士 ドラゴノックス》、《聖なるバリア-ミラーフォース-》


進「俺のターン、ドロー!」
ヒカリ「・・・・・・コクゴー

ドローしたカードを確認し、進は覚悟を決めた。

進「ああ。俺はこれでターンエンドだ」
ヒカリ「ミコト、ガンバッテ!」

ヌメロニアス・ヌメロニアの効果により進の敗北が決定した。
進とヒカリは美琴に全てを託したのだ。


空想皇帝
  手札:2
  LP:2100
   場:《ヌメロン・ネットワーク》、《CiNo.1000 夢幻虚光しんヌメロニアス・ヌメロニア》(守備)
  墓地:《ヌメロン・ダイレクト》、《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》、
     《ヌメロン・カオス・リチューアル》、《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》


  手札:0
  LP:0
   場:
  墓地:《二重召喚》、《侵略の汎発感染》、《インヴェルズ万能態》、《侵略の手段》、《侵略の波紋》
     《死者蘇生》《インヴェルズ・ホーン》、《侵略の波動》

シャム曽根
  手札:2
  LP:4000
   場:《ゴブリンドバーグ》、《アマゾネスの鎖使い》
Pゾーン:<2:《魔装戦士 ドラゴディウス》
  墓地:《No.39 希望皇ホープ》、《アマゾネスの賢者》、《アマゾネスの聖戦士》
     《魔装戦士 ドラゴノックス》、《聖なるバリア-ミラーフォース-》


シャム曽根「・・・・・・・・・」

ドローを前に、美琴の手は震えていた。
このドローに全てがかかっているのだ。

シャムス『大丈夫じゃ、巫女よ。己のデッキを、魂を信じよ!』

シャム曽根となっている美琴の震える手に、ファトスシャムスの透明の手が重なる。

シャムス『最強デュエリストのドローは全て必然!じゃろ?』

不敵に笑うファトスシャムス。

シャム曽根「ああ・・・だな! ドローカードさえもデュエリストが創造する!」

褐色の手がデッキからカードを導く!

シャム曽根「シャイニングドロー!!」
空想皇帝『無駄なことを・・・・・・』

シャム曽根がドローしたカードは―――

シャム曽根「っしゃあ! 来たぜ!」

シャム曽根が歓喜の声を上げた。
それを見て膝を突いた進が口元に笑みを浮かべる。
アキラも、ニヤリとした笑みを浮かべた。

シャム曽根「あたしは、《アマゾネスの剣士》を召喚!」

今ドローしたカードをそのまま召喚するシャム曽根。
アマゾネスの剣士。
美琴のフェイバリットカードにして、ファトスシャムス曰く魂のカードだ。
その効果は、敵が強ければ強いほど威力を発揮する!

シャム曽根「お望みどおり攻撃してやらぁ! いけ、アマゾネスの剣士! 首狩りの剣!」
空想皇帝『そのモンスターは!?』
シャム曽根「ああ、そうだ。この戦闘のダメージは、てめぇが受けるんだよ!!」
空想皇帝『ば、バカな、余が負けるだと!? 神の力を得たはずの余がぁぁぁぁあああああ!?」

98500の大ダメージを受け、空想皇帝が吹き飛ばされた。
シャム曽根が、勝ったのだ。


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最終更新:2015年09月05日 00:38