EoWaCQQD0

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 11:42:04.89 ID:EoWaCQQD0
昨日、三ヶ月前に予約した初音ミクがやっと届いた。
元々ネットやらなんやらで騒ぎ立てられたものを衝動的に買ってしまうミーハーな俺なので、もう初音ミクには興味をなくしていた。
ご丁寧にも初音ミクは組み立てられており、ボーカロイドの説明書を読むためには一度立ち上げて、PCに繋げて見るしかないみたいだ。
「めんどくせぇ……」
まあでも一度買ったものにはとりあえず手をつける性分なので、起動してやる。しかしスイッチをONにしても立ち上がらない。
「……?」
ダンボールを探ると一枚の紙があった。どうやらPCに繋げて初めて起動するらしい。めんどくさい。
初音ミクのUSBなんてどこについてるのかと探し回ってみると、スカートの下にあった。人間のような顔をしている製品なのでもうちょっと配慮してほしい。
つないで、それからもう一度スイッチを付けてみる。インストーラーが起動して、数分のちに設定画面に変わる。
面倒臭い設定は極力スルーして、とりあえず【学習機能】をONにしてみる。多少CPUを喰うらしいが、人間らしくなる機能なんだとか。
それらを入力し終わったところで、Enterを押す。

「……おひゃよっ……」

「……おはようございます、マスター」

こいつ、噛みやがった。

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 11:50:36.00 ID:EoWaCQQD0
「……初音、ミクねえ……」
「ハイ……マスター、私精一杯頑張るつもりです!」
けなげな感じ、尽くすタイプのオンナノコって奴か? 今更こんな性格はやるのかな?
「そう、せいぜい頑張ってくれ」
興味なさげにそう返して、パソコンに向かう。言い忘れてたがニートじゃない。ちゃんと仕事には行っている。今日は日曜なんだ。
まあ、そう淡白に切り替えしたのが心(なんてあるのか?)に触ったのか、一瞬その動作は固まった。
何かの処理を行っているみたいだ。これが学習機能? めんどくせえなオイ。
「あ、あはは……」
また動き出したかと思ったら人間みたいに愛想笑いを浮かべてきやがった。消防の頃のいじめ直前の俺を思い出した。鬱だ。
「あの、私どうしましょう? とりあえず家事とかは出来るんですが……」
「ふうん、歌うだけじゃないんだ」
「あ、はい……」
『ボーカロイド』なんて誰がつけたんだ。確かに、歌うことだけなら口だけのロボットで十分だよな。
「じゃあ昨日使った皿、洗ってないからさ」
「あ、はい! じゃあ洗ってきます!」
自分の役割が見つかることがそんなにうれしいのか、ニコニコ本物の笑いを浮かべて台所へと走っていった。
廊下を走るな、そう言おうと思ったが、この部屋に廊下なんてあるはずがない。自分の環境に少しイラついた。

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 11:56:23.80 ID:EoWaCQQD0
パリィーン……

はい、これで三枚目。
「おいミク」
「は……ひゃ、ひゃい!」
涙目を浮かべてこっちを見るミク。その両ほほには、二つの手のひらのあとがついていた。
「お前って欠陥品なのか?」
「い、いえ! 調整とかもしっかりされて、そういう不備はないはずです!」
「じゃあ【学習機能】って奴? 人間らしくなるってそういうことか!?」
「ち、違います! VOCALOID2-1初音ミクに内蔵されている学習機能は、周りの環境からデータを……」

パシンッ!
軽い音が狭い部屋に響く。
「なんだ、お前の説明によると俺が悪いみたいじゃないか」
「そ、そんなことありません! マスターは悪くないです!」
「じゃあ誰が悪いの?」
「初音……初音ミクです!」
「よく言えました」
パシンッ!

「ご褒美って奴だ」
ミクは理不尽な四発目に一瞬戸惑っていたが、すぐに薄く笑った。
「あ……ありがとうございます……」
叩かれて礼をするなんて、ずいぶんと気持ち悪い機械だ。

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 12:02:54.45 ID:EoWaCQQD0
やはり俺の受け取った初音ミクは欠陥品だったようだ。
たまに、所構わず歌いだす。
俺は顔面を思いっきり殴ってそれを止める。
掃除をさせると、逆に汚くなり、洗濯は洗剤多すぎて服が駄目になった。
できることは炊事と歌だけ。アホか。
「この欠陥品が」
初音ミクを開封した初日、最期に電気を消す前に、スリープモードに入った初音ミクを蹴り上げてやる。
人口肌にアザができた。気持ち悪い。

「痛っ……あ、おはようございます、マスター……」
昨日思い切り蹴り上げたところが痛むのか、スイッチを入れた直後に小さい悲鳴を上げた。
「へえ、機械なのに痛いんだ……」
「そ、それは設定に……」
「何? 俺が悪いの?」
睨みつけてやる。
「ひっ、ち、違います! ミクが、私が悪いです!」
俺はなおも薄く睨みつけながら、仕事へ行く準備をする。
「お仕事ですか?」
そう訊いてきた。なんだろう、ただうぜぇ。
「ああ。おとなしくしてろよ」
「あ、はい。いってらっしゃいです!」
俺はそれに答えず、無言でドアを閉めた。

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 12:11:51.77 ID:EoWaCQQD0
帰ってくると、味噌汁とか、和風な臭いがした。
まさか。
「あ、お帰りなさい、マスター!」
笑いながら味噌汁をかき混ぜる初音ミク。俺は無視した。
まあ、炊事だけなら任せても大丈夫だろう。使える機能っていえばこれくらいだ。
俺は自分の部屋の扉を開け、直後目を疑う。
「……おいミク」
リビングの方を振り返らずにミクに問う。
「なんですか? マスター」
ミクもミクで炊事をしながら返答をよこす。こっち向けよ。
「俺の部屋入ったの?」
「……」
無言。
「入ったのかって訊いてんの」
「……はい……」
扉を閉め、台所へ赴く。
そしてミクの太ももに膝蹴りを喰らわせた。
「ぅぐっ……」
鈍い痛みを感じさせるような小さな声が、被虐精神をそそる。
「なあミク、おとなしくしろって言ってたよな?」
また一発。
「は、はい……」
「どうしてリビングでテレビを見るなりしてじっとしてなかったの?」
一発。
「ま、マスターのお役にぃっ……立てたらいいなぁってっ!」
ミクが喋っている間に二発喰らわせる。
同じところを膝蹴りしてると、だんだんと紫色のアザができる。前も言ったが、気持ち悪い。
「お前、欠陥品だろ。なんで俺の部屋掃除しようなんて思った?」
「す、すいませ……あぁぁぁあああッ!」
気がつくと背中から、いつのまにか持っていたフォークをギリギリと突き刺していた。

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 12:21:36.25 ID:EoWaCQQD0
鉄製のフォークが服の生地越しに人口肌へ突き刺さる。感触はあまりよくない。
「お仕置きだ」
ミクはただ悲痛に叫んだ。隣に聞こえるかもしらんので、喉を絞めてみる。
「ぁあああッ……あっ……ゥッ……げほっ!」
涙を浮かべてこっちを見る。
「二度と俺の部屋に入るな」
「っ……は、はいぃっ……わかりましィッ! ゲホッ! オエェッ!」
絞める手を強め、それから片手でフォークを抜いた。ご丁寧にも血が出ている。
「へえ、人形でも血が出るんだ」
「あ、はい……それは……あ」
どうせまた機能のことでウンチク垂れようとしたのだろうか。俺の機嫌がますます悪くなることを察したように口を閉じる。
「え? 何?」
俺はそれを訊きかえす。
「え、えっと……あの、それは……」
「……何だよ」
ムカつくので膝蹴りをもう一発。ミクの目から光が少し失われている。
「ロボット三原則って、知ってるね?」
「は、はい……」
「1条にのっとってさ、答えてもらうけど」
こういうとき、ロボット三原則は便利だ。
「うっ……VOCALOID2-1初音ミクは……出来るだけ人間を模して作られてます……」
「体内を流れる擬似血は……血流パックを取り除くことで……止めることができます……」

「へえ、俺が悪いって訳ね」
わざと曲解して解釈する。そして再びフォークを、今度は右肩に突いた。

「嫌ぁああああああああああああッ!」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 12:31:49.03 ID:EoWaCQQD0
「へえ、設定してない俺が悪いんだ」
抜いて、また刺す。
「いえッ! そ、そんな……マスターはァッ! 悪くなぁああああッ! 嫌ァッ!」
抜き、刺し、抜き、刺し。
「じゃあ誰が悪いの?」
「ッ……イッ! はつッ! 初音ぇっ! ミク! ミクが悪いんでッ! アァァアッ!!!」
「そう、じゃあお仕置きしなきゃね」
一旦フォークの抜き刺しをやめ、ミクの目をのぞいた。
――まだやるんですか――そんな目をしていた。胸糞悪い。
「何その目。やられたくないの?」
「い、いえ! お仕置きは甘んじて受け入れます!」
全身を痙攣させながら、ミクは涙目で叫ぶ。
「そう……じゃ、その味噌汁作ってる鍋どけてよ」
そういうと、ミクは傷ついた肩を痛むのをこらえるように、味噌汁が入っている鍋をコンロからどけた。

「じゃあさ、傷ついてない方の肩を火であぶろうか」

ミクの目からは半分以上の光が失われた。
「い……嫌ぁっ……」
「へえ、抵抗するんだ。機械のくせに」
俺がじりじりとミクに近づくと、ミクは台所のシンクに身を傾けていく。
「嫌です……嫌ぁっ……」

「機械の癖にッ!!」

思いっきりミクの体を横に突き飛ばす。ミクがよろけた先、燃え盛る火があった。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 12:50:45.47 ID:EoWaCQQD0
ミクの髪に炎が移る。緑が一瞬にして燃え盛る様は、まるで森林の火事のようだ。
「ミクの髪がァッ!」
あっというまに片方ツインテールが無くなった。ショートカット以下って所だろう。
それとは別に左肩にも火が燃え盛る。どうやら人口肌は燃えやすいらしい。
「嫌ぁッッ! 助けてェッ! お願いします! 助けてください!」
ミクは、精一杯嘆願した。
「今後一切……こういう余計なことしない?」
ミクがうんうんとうなずく。
「……ふん」
消火器を持ってくる。ミクが希望の光で眼を一杯にした。
「あ、ありがとうございますマスター! 早くしてッ!」
……余計な一言ってのはこういうのを言うんだろうね。

グシャッ。
「ぁうッ!」
頭を消火器で殴ってやった。やはり人口肌の感触は気持ち悪い。殴って改めてそう思う。

グシャッ。
「嫌ぁっ! ごめんなさいッ! ごめんなさい! ごめんなさい!」
謝罪の言葉を連呼するミクの顔面にもう一発。
グシャリッ。
「痛ァッ!! 嫌ァッッ!」
消火器の栓を抜く。構えて、顔面に消火剤を吹きかけた。
火は消えるが、消火器の勢いはすさまじい。
全てが消えた後、ミクの顔面には消火剤の圧力でできたアザがあった。
「はぁ……二度とすんなよ」

「……・……はい、マスター…………」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 12:56:37.86 ID:EoWaCQQD0
黙っているミクも気色悪いものだ。
朝起きると、黙って台所に立ち、黙って朝飯を作る。
黙って俺の前に出す。味噌汁に指が入ってたので殴る。それを黙って受ける。
「……うぜぇ」
黙ってるだけでやっかいな存在、それが初音ミクだ。
イラついたので足で蹴ってやると、黙って転んだ。その胸に蹴りをまたいれると、一言の嗚咽も漏らさず受ける。
気持ち悪い。

「……じっとしてろよ」
「……」
ただ何も言わず、ミクは玄関でぼーっと立っていた。一応お見送りのつもりらしい。
「……うぜぇ」
腹に一発いれた。何も言わない。
目に光はない。
「……っ……」
ここで立ち往生してもしょうがないのでさっさと会社に行くことにした。
アイツにはもう構ってもしょうがないだろう。

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 13:00:46.85 ID:EoWaCQQD0
その後、初音ミクは廃棄工場に連れてって捨てた。
もうどうなるかは俺の知ったことじゃない。
あんなただの人形、どうなってもいいんだ。
後悔?そんなものはない。
……ああ、一つだけあった。


まだ、喋れたうちにレイプでもしときゃよかったかな……

なんてね

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 13:01:13.40 ID:EoWaCQQD0
めんどくさくなったので打ち切った
すまん
最終更新:2008年11月08日 12:51
ツールボックス

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