クルシュ

【元ネタ】ペルシア史、『キュロス・シリンダー』、『ヒストリアイ』
【CLASS】アーチャー
【マスター】
【真名】クルシュ
【性別】男性
【身長・体重】183cm・77kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力A 耐久A+ 敏捷C 魔力C 幸運B 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

【固有スキル】
諸王の王:A
 マルドゥク神より授けられた支配の王権。
 その身から溢れる王の中の王としての威光は敵軍の全ステータスを低下させ、
 低下させた能力値分、自軍の全ステータスを向上させる。

蜃気の酔毒:B
 あえて相手にアドバンテージを譲り、次のターン、
 相手が得た優位性を反転させる。
 その勝利は夢幻の如く、醒めた時にはもはや手遅れである。

原罪の征伐者:A
 侵略者としての側面が強調され、反転した際に付加される精神汚染スキル。
 敵対する者達からの畏怖とバビロニア王への神の怒りによってアーチャーの在り方は歪み
 虐げられる弱者を解放することではなく、驕った強者を捻じ伏せることに思考が固定された状態。
 敵を討ち取るためであれば、時に卑劣な手段を用いることも厭わない。

【宝具】
『氾濫する原罪(メロダック・トゥプシマティ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:-
 アーチャーを世界の王とし、彼を祝福したマルドゥク神の加護。
 マルドゥク神の荒ぶる神威が様々な武具として具現化される。
 セイバーであれば光の渦を発する選定の剣の原型『原罪』となり、
 アーチャーの際はマルドゥク神の武器の一つである洪水の性質を宿した弓となる。
 全てを呑み込む洪水の特性により、矢により破壊したモノの周囲に漂う残留魔力を弓に吸収する。
 吸収した魔力を収束させることで放たれる“光の奔流”は神威の一端として立ち塞がる者共を討ち滅ぼす。

『決死の一万騎兵(エールプティオー・アタナトイ)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人
 王の号令により出現する、驕れる者を喰らい尽くす一万にも及ぶ不死者の隊列。
 宝具『氾濫する原罪』の洪水としての性質を最大限発揮させることで、
 不死隊を呑み込む局地的な大水を排出した後に再び吸収、超高密度な結晶へと変換し矢として射出する。
 射出した結晶は『壊れた幻想』を発動することで広範な地形破壊を齎し、
 一万騎全てを結晶へと変換すればそのエネルギー量は対城宝具にも及ぶ。
 不死隊の一部を別働隊として残すことも可能であり、別働隊は倒されても何度でも蘇生される。
 破壊された場所はアーチャーに掌握され、彼の消滅後も他者の干渉は遮断される。

【解説】
 キュロス二世、キュロス大王として有名なアケメネス朝ペルシアの初代国王。諸王の王。
 『キュロス・シリンダー』の刻文ではアンシャン王であったクルシュはマルドゥク神から
 世界の王としての地位を与えられ、マルドゥク神の怒りを得ていたナボニドゥス王が
 治めるバビロンを征服し、無血入城を果たしたと記される。
 諸民族や異教徒にも寛大な処置を取ることで有名であり、ユダヤ教徒をして
 「この人の剣は彼らを塵のように/弓は彼らをわらのように散らす」と称賛された
 『救世主(メシア)』たる彼の、『侵略者』としての側面。

 人権という概念を最初に成立させた名君として現代でも崇められている彼が、
 なにゆえに驕れる者を脅かし、破滅を齎す恐怖の側面をもって召喚されたか。
 此度の召喚については、歴史書『ヒストリアイ』に記された彼の最期の戦いに詳しい。

【キーワード】
 「マッサゲタイ」
 バビロンを征服したクルシュは、次にマッサゲタイを配下に収めようとして、
 マッサゲタイの女王トミュリスに求婚し、王としてマッサゲタイを治めようとした。 
 しかし彼女はクルシュの企みを見抜き来訪を拒絶。彼は現在のシムダリア川である
 アラクセス河の畔に兵を進め、船橋を組み船に櫓を築く等して侵攻の準備を進めた。

 この作業中、クルシュの元に女王の使者から言伝がなされた。
 「どうしてもマッサゲタイと戦うならば、態々渡河などせず既存の橋を使うとよい。
  迎え撃つのがお好みであるならばこちらから橋を渡り、貴国へと攻め入ろう」
 クルシュは軍の上層部を呼び集めるも元リュディア王のクロイソスにより意見は対立。
 最終的にクルシュはクロイソスのある計略を採用して戦闘に臨んだ。

 トミュリスに通告したのち彼は橋を渡り、自軍の陣と豪勢な食卓を築くと自軍の部隊を
 アラクセス河へと退却させて待ち構えた。マッサゲタイ軍は全体の3分の1の勢力で
 クルシュ軍の劣弱な残留部隊に襲い掛かり、抵抗するペルシア人を殺していった。
 しかし用意された食事を見ると座り込んで食べ始め、腹いっぱいに平らげてしまった。
 酒宴で振る舞われた料理には麻薬(ハシン)が仕込まれており、マッサゲタイ軍は
 満腹の中酔い潰れてしまい、計略通りペルシャ軍の襲撃を受け、捕虜にされてしまう。
 その捕虜の中にはマッサゲタイ軍の指揮官にしてトミュリス女王の息子である
 スパルガピセスの姿もあったのであった。

 息子の身に起こったことを知らされたトミュリスは再び使者をクルシュに送る。
 「マッサゲタイの部隊に対する狼藉の罪は問わぬ。私の息子を返しこの国を去れ。
  さもなければマッサゲタイ族の主神に誓い、血に飽くなきそなたを血に飽かせよう」
 クルシュはこれを気にも留めなかったが、寛容な王は酔いから醒めた王子を解いた。
 しかし、己の迂闊さと悲運を嘆いたスパルガピセスはその場で自決し果ててしまった。

 懇願を受け入れられなかったトミュリスは残る全兵力を集めてクルシュに攻め入った。
 最初は互いに矢を放ち、その後は短剣や槍を交えて絶え間なく戦い続ける。
 互いに刃が折れ矢が尽きるまで戦い、どちらの軍も一歩も引くことはなかったが、
 遂にマッサゲタイは勝利し、クルシュはこの激戦の中で息絶えたのであった。

 トミュリスは人血を満たした革袋を持ってペルシアの戦死者の中から
 クルシュの遺骸を探し当て、その首を取って革袋の中へ投げ込んだ。

 「私は生きながらえて戦いには勝ったが、
  所詮は我が子を謀略にかけて捕えたそなたの勝利であった。
  さあ、約束通りそなたを血に飽かせてやろう」

 亡国の女王は『救世主』の亡骸を辱めたが、彼女の王子が戻ることはない。
 こうして『諸王の王』に抗った王国は滅び、波斯の地は更に拡がるのであった。
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最終更新:2023年11月04日 08:05