宇治の橋姫

【元ネタ】平家物語、民間伝承
【CLASS】バーサーカー
【マスター】
【真名】宇治の橋姫
【性別】女性
【身長・体重】155cm・44kg(人型）/159cm・56kg(竜人）/240cm・5.5t(恐竜）
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力B　耐久A　敏捷C　魔力B　幸運C　宝具C+
【クラス別スキル】
狂化：A
　パラメータをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
　鬼としての種族特性とも合わさったモノでもあるため、例外的に制御が可能。
　しかし、荒ぶる竜の姿を取っている間は言葉が通じず意思疎通も困難となる。

【固有スキル】
神性：C
　神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
　水神、縁切りの神である瀬織津姫として信仰されている。
　鬼として零落しているためランクが低下している。

変化（恐竜）：B
　麗しき貴人から相手の性別に応じた恐ろしい鬼の姿に変化する。
　更には自ら狂化を欲し、龍神の化身とも言われる弁才天（瀬織津姫と同一視）と習合されることから異形なる竜の巨体を持つに至った。

鬼種の魔：A
　鬼の異能および魔性を表すスキル。
　天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出、等との混合スキル。
　魔力放出の形態は「熱」にまつわる例が多いが、宇治川に21日間浸り続け鬼となったバーサーカーの場合は「水」となる。

丑三つ時の怨霊夜行：B
　神木に釘を打つことで比良坂の境を破り、常世の禍を現世に流出させる丑三つ時の大禁術。
　境の向こう側から溢れる冥界の魔力は、現世の思念を被ることで怨敵を祟り殺す悪霊となって顕れる。
　丑の刻(午前1時)以降でなければ発動できず、明け方と共に自動で解除される。

【宝具】
『因縁絶縁・宇治橋姫（いんねんぜつえん・うじのはしひめ）』
ランク：C+　種別：対人宝具　レンジ：1～2　最大捕捉：1人
　バーサーカーの縁切りの神としての力が具現した、あらゆる縁を断つ大鋏。
　通常時は分離させ二刀として使用し、これで斬られた相手は物理的ダメージの他に念話や加護といった縁による繋がりが絶たれてしまう。
　一斬で断ち切れる縁は一つだが攻撃回数が増えれば徐々により大きな縁を断っていくため、長期戦になるほどバーサーカーに有利となる。
　真名解放によって元の大鋏へと戻り、本来の使用法で相手を両断すればたとえダメージに耐えたとしても全ての縁が断ち切られ、
　他者との思い出や、サーヴァントであればマスターとの契約も消滅する。
　悪縁を切る神として信仰されているバーサーカーは本来ならば呪いなどのバッドステータスも断ち切るが、
　嫉妬に狂った鬼女としての側面で召喚されたため良縁のみを悪縁と見做し断ち切る。

【解説】
　平安時代、嵯峨天皇の治めていた時代に現れた鬼、または鬼神。
　古くからは橋の守護神として祀られたが、嫉妬深い神とも言われ、平家物語などの伝承では人から鬼へと転じた存在として語られた。
　元々は貴族の娘だったが、ある女性に激しい嫉妬を覚え次第にそれは殺意に塗れた憎悪にまで発展した。
　女性を殺す為の方法として呪詛の神である貴船神社の神に懇願し続けた。
　その姿を見て憐憫の情を抱いたかの神は宇治川へ二十一日の間浸かる様にと神託を下したのだった。
　それから白装束に髪を五つに結びあげ、それを角として見立て、更には顔や身体を赤く染め、頭部には三つの足の鉄輪を逆さに乗せ足の部分には松明を差し込んだ。
　その見る人の目を留まらせる様な姿で荒行を行い、ついには達成し彼女は人から魔性の存在、鬼へと転じた。
　鬼となり当初の怨敵である女性を祟り殺し、恋人である男性をも殺してしまい、次は彼らの親族、ついには無関係の人々まで襲い殺していった。
　凶行が続くうちに都は大惨事となり、事態を重くみた人々に応えて源頼光の部下である渡辺綱が遣わされた。
　現場である橋を通りかかった綱だが、鬼は彼を次の獲物に定め、美しい女へと変じ近付いた。
　自らを送ってくれるように頼み、道中を歩く最中綱を強引に掴み、空を舞ったが、綱は咄嗟に腕を斬り落とし、鬼は悲鳴を上げながら闇夜の中へ消えていった。
　綱は事の結末を主人である源頼光、陰陽師である安倍晴明に相談し、かの鬼を封じ込めた。
　それ以来、その鬼は都へ現れなくなった。
　また、彼女を祀る橋姫神社には悪縁を切るという御利益があるとされ、カップルなどに人気なのだが橋姫に妬まれ縁を切られるという迷信があり、一部の人は避けて通っている。
　橋姫が鬼に転じる際に行った荒行は丑の刻参りの原形とされている。