EVOKE -舞- セルド編第4話 Ⅲ

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ドゥルドゥルドゥル……!!(騒動の中、不良たちのいる背後からバイクのエンジン音が聞こえてきた)


不良共『ぐぎゃあああァァ~~ッ!!!(一人、また一人と吹き飛び、地面に倒れていく)』

ヒロ「…(やっぱり抜け出したか…!)…(グリズリーが金属バットを拾ったのを見て、土を浮き上げさせる) 」

グリズリー「――――――ぬああぁッ!!ボゴォンッ!!(力を振り絞り、土から自力で抜け出した)ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ… …オイ、もう、怒った…!(足元の金属バットを拾い上げる) 」

魂魄妖夢「ええ、ぶっちゃけ重病といった感じですね(苦い顔をし眼を伏せる) 兄貴、ふむ…族が言う所の親玉ですね。まあいいでしょう、その兄貴が来るまでに立っているのはあなた方か我々か、わからせてあげます(あえて刀は使わず素手による投げや関節技で不良の群れに特攻して行く) 」

正志「ずぁ…ッ!!(木刀でナイフの刃を受け止める)ぐッ…!(こいつ…太刀重ェ…!!) 」

ヒロ「…針、千本(ボソッとつぶやいた瞬間真上に投げ上げた土が数十本の針のような形となり、不良共に襲い掛かる)…(あのバカ力…どれほどのものかわからないが、もしかしたらこの土から逃げ出しちまうかもしれねぇ……身動き取れなくする…できるか…?)…(グリズリーに手を向ける) 」

メモリア「く・・・(正志に対して構える)あはは・・・わかっちゃいます?(左腕を気にしながら、妖夢を見る) 」

真庭鳳凰「ふむ・・・雑魚相手とはいえ・・・こうして体を動かすのは久方ぶりだ。 」

不良D「な、なんだお前―――うわああぁッ!!!(鳳凰の繰り出す体術によって吹き飛ばされ、壁に激突する) 」

不良共『ぐひゃああぁッ!! こっ、こいつら…強ェ…!!化け物じみてやがる…!! うるせえテメェ!時期『兄貴』が駆けつけにやってくるんだ!そうすりゃあ俺達に怖いもんはねえ―――ぎゃああァッ!!!(セルドたちの猛攻に歯が立たず、次々と吹き飛ばされていく)』

不良C「ぐふッ…!!(妖夢の突きが喉元に直撃し勢いよく地面に倒れる)」

グリズリー「……!!(締め付けられる度にじたばたしている) 」

真庭鳳凰「はは、なにやら面白そうな趣向ゆえ、加勢させてもらうぞ?(こちらも、長年鍛え上げた体術と体さばきで不良に応戦) 」

セルド「(『兄貴』……言わずもがな親玉ってことだろうな、一体どんな奴が…!)(正志にナイフを向けて牽制し、周囲に注意する) くっ…!次から次へとッ、キリがない―――…!!(不良共と大立ち回りを繰り広げ、ナイフからバットや鉄パイプと得物を取り替えながら戦闘を続ける) 」

魂魄妖夢「うわわ…どえらい事に首突っ込んじゃったかこれ!?(口に手を当て後ずさる)既に大丈夫ではなさそうですね…貴方、手負いでしょうに(メモリアの手を取り立ち上がらせ不良Cに対し鞘に納めた刀の先端を向け突きを放つ)流石はごろつき、見下げた根性ですね。少々買い物ついでにしごいていきましょうか 」

ヒロ「……(不良たちが襲いかかってくるのを見て、土を掬い上げて真上に投げ上げるのを繰り返す) 」

不良B「ぐっ…!? トサァ…(うなじへの手刀により気絶する)」

不良共『っしゃああァー!! おらおらおらァ!!! 攻めろ攻めろォッ!!!(正志の言葉で全員の士気が上がり、得物を手に再びセルドたちに襲いかかる)』

正志「(不良Cの言葉を聞いて不敵な笑みを浮かべる)てめぇらァ!!『兄貴』が来る前に始末をつけるぜェ!!(得物を木刀に切り替え、メモリアに突撃する) 」

真庭鳳凰「ほう?半人半霊の技であったか!ははは、これは面白い 」

メモリア「あ・・・あなたは・・・、は、はい、おかげで大丈夫です。(ぐっ、とアコーディオンのケースに右手をかけて立ち上がる) 」

ヒロ「…なんだ、あの皿…!?(皿を見て)…(…どうするかね…とりあえず締め付けとこうか…)(まとわりついた土でグリズリーを締め付けさせる) 」

魂魄妖夢「ヒュンヒュンッ…パシ(不良Bの背後で飛ばした皿をブーメランのようにキャッチし、背後からうなじに手刀を浴びせる)やれやれ、こちらの世界は楽にお使いができると思ったのですがね…お怪我は有りませんか、見知らぬ音楽家さん(眼を伏せ首を横に振りながら)ここのスイカは絶品って楽しみにしてたんだけど…遅くなりそうだ、幽々子様怒るだろーなぁ 」

不良A「ぐっひぁ!(背を殴打され地面にうつ伏せに倒れる) 」

真庭鳳凰「・・・・皿?これは・・・。(皿の破片を拾い) 」

不良C「もう既に呼んでやすぜ!正志の兄貴!!(スマートホンを片手に) 」

グリズリー「……!!! オイ(一人称)、動け…ない……!(体の至る部位に土がまとわりつき完全に身動きが取れなくなる) 」

正志「チッ…(こいつら… ヤベぇ…!グリズリーもあの様じゃ…)…急いで『兄貴』を呼べェッ!!!(背後の不良たちに怒鳴る) 」

ヒロ「……(いかんな、鎖以上だろうと振りほどかれそうだ…)(硬度を更に上げる) 」

セルド「―――パシ はぁッ!!(不良Aが落としたナイフを空中で掴み取り、不良Aををナイフの背で殴打する)メモリア―――ッ!! …!?(飛来してきた皿に驚愕する) 」

不良B「ずあっ…!?(飛んできた皿が釘バットに直撃し手放してしまう) 」

メモリア「うわっ・・・!(釘バットを振り回す不良に、回避しようとして思わずしりもちをつき、もうダメかと目を閉じるが)・・・?あれ、何とも・・・ 」

ヒロ「…ついでに足も抑えとくかな(グリズリーの両足にも蔓状の土を絡ませる) 」

グリズリー「……!!…!……!(土を振りほどこうと苦戦するが、なかなか解放できない模様) 」


パ カ ァ ン ッ (メモリアに迫る釘バットに皿が飛来し不良Bの手から弾き飛ばす)


正志「いっでェな゛ぁ… クソがッ!!(粉砕された木箱を振り払い立ちあがる)……!!グリズリー!! くッ…あいつ、『能力者』だったのかよッ!!(ヒロを見て舌打ち) 」

不良B「ヒャァッ!!(メモリアの横から現れて釘バットを振り回す) 」

不良A「ぐほぁ…!!(セルドの反撃でもっていたナイフを手放してしまう) 」

真庭鳳凰「騒がしいな・・・一体何事だ・・・?(屋根のからぴょんと乱闘場に降り立つ) 」

ヒロ「…危ないとこだったぜ……(バットを止めグリズリーの方を向く)…簡単にはふりほどけないぜ?…この土、鎖より硬いから…… 」

メモリア「・・・っづぁ・・・響く・・・、こんな事してるって病院にばれたら、どやされちゃうな・・・。(右手をプラプラと振る) 」

グリズリー「……!!!(腕に土が巻きつかれたことで驚愕する) 」

セルド「……!! ―――ありがとなッ!(メモリアが正志の攻撃を妨害してくれた瞬間、続いて襲いかかってきた不良の攻撃を交わし際に反撃し、得物を奪おうとする) 」

不良共『正志の兄貴ィ!! あの野郎…兄貴に手ェだしやがったな。 うわっ!なんだあれは…!土が…!!』


……ズズズズ……!(ヒロが破壊したことによって露わになった土が盛り上がって蔓状になり、金属バットを振り下ろさんとするグリズリーの手に巻きつく)


グリズリー「…くたばれ。 ブンッ! (振り上げた金属バットを、無防備なヒロの脳天に炸裂させようと振り下ろす) 」

正志「ぬおら喰ら――――ぐふぉ!?(セルドに斬りかかろうとしたところ、死角から現れたメモリアの正拳突きが脇腹にクリーンヒットしその辺の木箱に激突する) 」

ヒロ「…(襲い掛かってきたにもかかわらず、ひたすら金属バットでコンクリートを破壊し続けている) 」

メモリア「(見知らぬ人、どうか許してほしい・・・)・・・せいっ!(腰を深く落とし、力を込めた正拳突きを正志に放つ、『一般人にしては』相当強い一撃) 」

不良共『ひゃっはああああァァァァ!!!!!(正志の合図で奇声にも似た雄叫びをあげながら、それぞれが手に持った得物を構えてセルド、ヒロ、メモリアの三人に襲いかかる)』





ニシル「(走りながら懐から『Q-boxes』を取り出す)私だって…戦えます…!!――――――――」


―――お母さん お父さん 私にはまだ 大切なものがたくさんありました―――


ニシル「……――――――――― タッ (踵を返し、逆方向へと走り出す)」


―――お前たちはようやく掴んだ俺の幸せだ―――


ニシル「……」


―――元気になったら またいつでも 演奏しましょう―――


ニシル「……」


―――そんな怯えなくても大丈夫だって 俺は怪しい男じゃないから―――


ニシルの脳裏に、微かに人の声が反響する。


ニシル「…でも、ここは…セルドさんたちを信じるしか…(小さく呟きながら店を出る)…… …… ……でも…(住人たちの逃げた方角へゆっくりと足を進めようとするが、突然歩みを止め、俯いた)」


―――大丈夫、全員何事も無く帰ってくるさ 心配ない―――


ニシル「……(静寂に包まれた店内で一人、未だ避難もせずに呆然と座り込んでいる)―――みんな、行ってしまった…。」



正志「ろっとぉ、半殺しな、グリズリー。本当に殺したら『兄貴』に怒鳴られるからよォ。 とは言ったものの、テメェらみてえな馬鹿どもには一度も会ったことがねえなぁ…?ちょっと痛い目にならないとわからねえぇ~~~よなぁ~~~~??????――――――――半殺しだてめえらァッ!!!!(周囲の不良たちに叫び、セルドに斬りかかる) 」

ヒロ「…さて、ここは繁華街…公園も近くにない。…俺の力を発揮するには……!(金属バットで、足元のコンクリートを叩き割る) 」

メモリア「・・・(こっちには警戒してないのか、それとも・・・どちらにせよチャンスだ、・・・使うとは思ってなかったが、・・・徒手空拳で何とかなるか・・・?)(正志の後方にこっそりと回る) 」

セルド「さあ、本当に泣きを見るのはどっちかな――――(あれだけ街を騒がせた『アリゲーター』の幹部…余裕を装ってはみたが、油断は絶対にするな。こいつはそれ相応の実力を持っているはずだ―――)(ナイフの切っ先を向けられ、両手をフリーにする) 」

グリズリー「…こいつ等、殺す。いいよな、正志。(片手に握った金属バットを振り上げて構える) 」

サングラスをかけた不良青年→正志「大人かなんだかしんねえが恰好つけんじゃねえぞあ゛ぁん!?テメェらは『アリゲーター』の幹部、この寺岡正志(てらおか まさし)の邪魔をしやがったんだぞ?ただで帰れると思うなよ…??(狡猾そうに舌なめずりしながらサバイバルナイフの切っ先をセルドに向ける) 」

ヒロ「…誰が、馬鹿だって?…お前らほど、バカじゃねぇっての(手を離さずに鼻で笑う) 」

セルド「っ、と…!(手を振り払われ、数歩下がる) ………(不良たちに囲まれ、周囲を見る)……子供の間違いを正すのも大人の役目だよな………俺が誰かなのかも、アンタが誰かなんてのもどうでもいい…すぐにここから立ち去るんだ 」

メモリア「・・・。(あまり白衣を汚したら、病院にどやされてしまう、できれば、私の左手を使う事なく、私の身体能力で何とかなる相手だといいが・・・) 」

不良共『おうおう、なんだなんだ? 幹部の二人に喧嘩売ってるぜ、あいつらww はっ、まじかよ。何処の馬鹿だ? ワラワラワラ…(セルドたちを囲むように寄ってくる)』 」

大柄の不良青年→グリズリー「!!?(ヒロにヘッドロックを食らわされ男の体を手放す)…『正志』…オイも見つけた。(ぼんやりとした顔が特徴の大柄な体を持つ不良で、ヒロを見下している) 」

サングラスをかけた不良青年「あ゛?(少年とは思えないいかつい表情でセルドを睨みつける) おいテメェ…何者(なにもん)だ。この俺を…誰だと思ってんだ?バッ(掴まれた手を振り払う)おう、『グリズリー』!!ここに馬鹿がいるぜ!! 」

ヒロ「…はい、そこまで(背後から大柄の不良にヘッドロックを食らわせる)…ちょっとおいたが過ぎたよね(息ができるかできないかのところになるまで力を込める) 」

中年のサラリーマン「ひっ… うあああぁぁーーー!!!(隙を見て逃げ出した) 」

大柄の不良青年「……オイ(一人称)、金、たくさん巻き上げた…。(鼻血を垂らしながら気絶している男性の胸ぐらをつかみながら) 」

メモリア「随分と、手荒な人達だ・・・あまり、穏やかじゃないですね。(左手でアコーディオンのケースを強く握る) 」

セルド「――――――ガッ …お前ら……ッ!!(サラリーマンに突きつけている不良の手を掴み上げる) 働きもせずに金を得ようなんて言語道断だぞ…!!(ギリギリと力を込めていく) 」

中年のサラリーマン「ヒィィィイイイ…ッ…!!! だ、誰か助けてくれぇ!!! 」

サングラスをかけた不良青年「(財布を強引に奪い取り、その中身を確認する)……ケッ… 『汚職』してたったこれだけたぁーなぁー!?もっと隠し持ってんじゃねえのかよぉ!!あ゛あッ!!? 」

中年のサラリーマン「か、金か…!そ、それでいいんだな!?(ぎこちない手つきで財布を取り出す)…ほほほ、ほらっ… 金だ… だ、だから乱暴だけは…!! 」

不良共『ぶっ壊せェーイッ!! ヒャッハァァーーwww 金だ金だァ!!ありったけの金を奪い尽くせェ!!(全員武器を片手に店を荒らし尽くしている)』 」

サングラスをかけた不良青年「(サラリーマンの首元にナイフの刃を突き付けている)痛い思いしたくなかったらよーぉ…金払え、金!ww 」

中年のサラリーマン「ひっ、ひィィ…っ!! な、なあ…助けてくれよお兄ちゃんたち…?ら、乱暴はよくな――――ひィィィイ!!! 」


ガッシャァーーン…ッ!!!(繁華街にて、山積みにされたダンボール箱や店の看板等が何者かによって次々となぎ倒されていく)


――キュラリア・西の繁華街「カルエ」――


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最終更新:2015年01月29日 10:00