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魔法使いとガンダムマイスター1話」(2008/01/18 (金) 20:26:45) の最新版変更点

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リリカルなのはStrikers×機動戦士ガンダム00 注意書き:このクロスには、鋼の錬金術師に出演なされた方々の名前が出てきますが同一人物では無いので気にしないように! あらすじ アザディスタンでの紛争介入を終え、ソレスタルビーイング(CB)の駐屯施設のある場所へと向かう“ガンダムエクシア”と“ガンダムデュナメス”。 エクシアの非武装による救出した人質の受け渡しは、CBの思いを世界へ伝えることが成功したのかは、この後の世界の動き次第である。 そんな2機の前に突如現れる黒雲が彼らを誘うように徐々に巨大化していた。 魔法使いとガンダムマイスター Episode-1 Different world PHASE01 <おい、刹那。あの黒雲が見えているか?> <ああ。センサーには異常は…これは> エクシアのモニターに表示される異常な熱量の反応が示されていた。 <一旦迂回しよう、刹那。あの黒雲は普通じゃない> <了解。別ルートで向かう> ロックオン・ストラトスの提案に乗り別ルートで駐屯施設のあるカリブ海の孤島へと向かおうと機体の向きを変更しようとする刹那・F・セイエイ。 しかし、突然のアラーム音に反応したエクシアは機体を若干先程の位置から逸らしたと同時にプラズマが機体の横を一閃する。 刹那は機体を操作し、攻撃を仕掛けてきたと思われる黒雲に向けてライフルモードのGNソードを向けビームを2連射する。 GN粒子を圧縮し放たれるビームが黒雲を貫く。そう思われた時、黒雲の中でビームが弾かれる発光が現れた。 エクシアのビームが弾かれたのを確認したロックオンは、デュナメスにGNスナイパーライフルを持たせる。 「ハロ!機体制御は頼むぞ」 『任サレタ。任サレタ』 ハロにデュナメスの機体制御を任せツインアイに額のアンテナをスライドさせる。 アンテナに隠れていたガンカメラモードのカメラアイが姿を現す。 デュナメスが精密射撃モードと成ったと同時に、コクピットに備え付けられている精密射撃用のスコープでロックオンは黒雲に隠れる敵を狙う。 スコープに映し出される黒雲に隠れ赤いオーラを放つ敵機に狙いをつける。 「狙い撃つぜ!」 その声と同時に、ロックオンはトリガーを引きGNスナイパーライフルから高密度のビームが発射される。 エクシアのビームを上回る一撃が黒雲を突き破り、敵に着弾する。 ビームの一撃を受け弾き飛ばされたのか、黒雲から姿を現す敵。 <おいおい、何だよ――あれは!?> 『データ無シ。謎~謎~』 <新型のMSか?……だが> 刹那が声を詰まらせるのも当然である。 姿を現したのは、フラッグでもティエレンでもイナクトでも無い。 アザディスタンで出会ったユニオンのカスタムフラッグの様な漆黒のボディ。 人類革新連盟のティエレンの様な分厚い装甲。 しかし、現在この地球で見られるMSとは根本的に違うのだ。 如いて言えば、自分達の乗るMS“GUNDAM”と似ていると言えるだろう。 姿が似ている訳ではない。その存在自体が、この世界の技術力で開発された物だとは思えないからだ。 そう、それ程までに目の前に居るMSと思われる機体は異質だった。 その異質な雰囲気を出す人型に近い敵機は、ビームを受けた影響か左腕が有ったと思われる場所には何も無い。 <刹那、このままアイツを放置すると後々面倒そうだ。俺がもし撃ち漏らしたら、奴を叩き切ってくれ> そう言うと、GNスナイパーライフルで再び謎の敵機を狙い撃つデュナメス。 高密度のビームが敵へ当たる瞬間、突如現れた深紅のオーラによって弾かれてしまう。 続けてビームを連射するロックオンだったが、デュナメスのビームは深紅に光る壁を前にして弾かれてしまう。 <どうなっていやがる!?> <叩く> 刹那はエクシアを駆り、謎の敵機へと接近する。 右腕に装備されたGNソードを構え、その巨大な剣を敵に向け縦に振り下ろす。 しかし、予測していたのだろうか、敵は寸前でエクシアの攻撃を避けるのと同時に巨大な右腕に装備された内臓式と思われるプラズマによる砲撃を放つ。 避けきれないと判断した刹那は瞬時に左腕に装備されたGNシールドで攻撃を受けるも、その衝撃でエクシアの姿勢は崩され海面寸前まで降下させられる。 見たことも無い装備と防御システムに悪戦苦闘する刹那とロックオン。 <くっ、俺達と戦ったMSパイロット達の心境って奴が分かって来やがる> <この!> 若さゆえの焦りか、再びエクシアで突撃する刹那。 GNソードへ供給するGN粒子の量を増やした事で、刀身は光り輝き切れ味が増す。 持ち前の運動性で敵の動き以上の動きで相手を翻弄し、GNソードを横一線に振るう。 反応しきれず残った右腕を切り落とされる敵機。 しかし、 「なに!?」 敵機は腰アーマーと思われる円形の装甲に突如多数の穴が出現した途端、そこから多数のケーブルが射出されエクシアを捕まえる。 相手の放ったケーブルによる攻撃を受けたエクシアは、両手両足胴体に巻き付けられ身動きが取れなくなる。 振り払おうとするも、巻き付いているケーブルは中々解けない。 「刹那!――この位置じゃ狙えねぇ」 エクシアを盾にするようにデュナメスの攻撃を牽制する敵機。 ロックオンは仕方なく、GNフルシールドにGNスナイパーライフルを戻し腰に収められている2丁のGNピストルをデュナメスに持たせる。 「ハロ、GN粒子の散布中止。火器にパワーを回せ!」 『了解。了解』 エクシアはGN粒子を散布しているので、ロックオンは心置きなく攻撃に集中できる。 敵機と白兵戦を挑む距離まで接近したデュナメスだったが、突然音声による通信が入る。 <そこまでだ。そこの緑の> 「音声通信?GN粒子下での通信なんて俺達にしか出来ないはず……<アンタ、何者だ?> <何だ、男か。ならば答える必要は無いな> <な、テメェ!> <それでは、この私に捕らえられている青いのも……男か?> <……貴様、どこの所属だ> <ほぉ、若いな。だが、この世界では普通なのかい?> 突然意味不明な話をする謎の男に困惑する刹那とロックオン。 <まぁいい……しかし、この世界への進行は考え直したほうが良いな。魔法技術が無い代わりに他のエネルギーを扱う機動兵器が居るのでは……な> 男がそう言い終えたのと同時に、深紅の機体の周囲に展開される深紅に輝く円状の陣が浮かび上がる。 投影機も無いのに、空中にこれ程の立体映像を表示させるなど普通は不可能だ。 <予定とは違うが、まぁ良いだろう。君達には私の愛機“グリーフ”を傷物にしてくれた礼だ。共に来てもらおう……我々の戦場へ> 更に赤く輝きを増す陣に悪い予感を感じたロックオンは、エクシアを拘束するケーブルを切断しようと腰のバックパックに装備されたビームサーベルを引き抜く。 バックパックからGN粒子を放出し加速したデュナメスは、左手に持ったビームサーベルをケーブルに振り下ろそうとした瞬間。 <時間切れだ……緑の> 光が集束し、陣の内側に居た3機は光の粒子となって消えた。 エクシアとデュナメスの反応が消えたのを察知したガンダム運用母艦“プトレマイオス”では、スメラギ・李・ノリエガの判断により2機の捜索を進言されていた。 しかし、“ガンダムヴァーチェ”のガンダムマイスターであるティエリア・アーデに拒まれる。 「これ以上ガンダムを無くす訳にはいきません。それに、あの2人がCBを抜けた可能性もある」 「それも含めての捜査よ……考えたくも無いけどね」 「スメラギさん。王 留美から連絡が」 戦況オペレーターであるクリスティナ・シエラからエージェントから連絡が入ったのを知り、ティエリアとの話を一旦打ち切り、通信回線をつなぐ。 <スメラギさん、そちらの状況は分かりました。これ以上状況が悪化しないよう、消失した2機の捜査は私達が行わせて頂きます> 「お願いできる?」 <ええ。なので、そちらはミッション通りの行動をお願いしますわ> 「分かったわ。何か分かり次第、連絡をお願いね」 <はい> 留美からの通信を切り、溜息をつくスメラギに話しかける“ガンダムキュリオス”のガンダムマイスターであるアレルヤ・ハプティズム。 「スメラギさん。僕は、2人が裏切ったとは思えません。予想外の事態に巻き込まれたとしか、考えられない」 「そうね。あの子はガンダムに依存しているし、ロックオンもテロを無くすために戦っている……裏切る要素なんて無いわ」 何故突然エクシアとデュナメスが消えたのかは、今の彼女らには分かる術は無い。 PHASE02 「ここは……どこだ?」 刹那はエクシアのモニターが回復し、周囲を見回すと漆黒の闇の中に多数の星が見て取れる。 そう、今居る場所は宇宙空間。 今エクシアを拘束している機体の機能なのか、大気圏内から一気に宇宙へと移動してしまっているのだ。 この奇妙な状況に若干焦り始める刹那だったが、デュナメスがビームサーベルでケーブルを切断しエクシアを開放する。 <刹那!無事か?> <無事だ。だが、ここは……どこだ?> <分からない――宇宙に居る以外は…な> エクシアは絡まっているケーブルを振り解くと、自分を拘束していた機体にライフルモードのGNソードを向ける。 <貴様……ここは、どこだ?> <それが、人に対して教えて貰おうとする行動かね?> <うるさい!> 刹那と敵が音声通信で会話をする間に、ロックオンはデュナメスとハロを使って現在位置と、プトレマイオスへの連絡をしようとする。 「どうだ、ハロ?」 『ダメ、ダメ。トレミー、連絡取レナイ』 「くっ、こっちも現在位置がまるで分からねぇ。どこに来ちまったんだ……俺達は」 困り果てるロックオンだったが、エクシアと敵機が戦闘を始めたのを察知しデュナメスを移動させる。 <おい、刹那!そいつを倒したら、帰り道が分からなくなるぞ> <……動けなくするだけだ> ロックオンには冷静に返答するが、実際の刹那は敵対する敵機のパイロットの挑発にまんまと乗ってしまい熱くなっている。 右手にGNブレードを持たせ、グリーフと呼んでいた敵機へと斬りかかる。 ケーブルを槍の様に射出してくるグリーフに対し、エクシアはGNブレードで次々にケーブルを斬り落としていく。 接近戦でのエクシアの性能は、他のMSの猛追を許さない程だ。 いくら機能が不明瞭な敵が相手でも、こちらの攻撃パターンを読まれていなければエクシアの格闘性能の方が上だ。 ケーブルが切れたのか、接近してくるエクシアにケーブルを射出して来なくなった敵の足を狙いGNブレードを振るう。 「くっ!」 相手の異常な運動性能に冷や汗を掻きながらも、ギリギリでグリーフの足を切断する攻撃を装甲のみへのダメージにする事が出来た。 侮っていた訳ではないが、この若いパイロットの力を計り間違えていたと痛感する。 「まるで、あの女性達と戦っている感じだな……しかし!」 このままやられる訳には行かず、エクシアたちの攻撃に耐えるためサークルプロテクションを発動する。 全長23mもある巨体には、大型バッテリーと小型魔導炉を搭載されている。 差し詰め小型の次元航行船と言うべき代物だ。 斬りかかるエクシアの攻撃をバリアで防ぐも、魔導炉とて無限エネルギーではない。 供給量を上回る消費を続ければ、コンデンサーの容量は空になる。 GN粒子で威力を強化したエクシアのGNブレードの攻撃に徐々に削られていくサークルプロテクション。 更に、デュナメスも加わりプロテクションの展開も限界に近づく。 機体のモニターに警告ランプが鳴り響く中、グリーフのパイロットは、ここに来た時点で仲間へと救難信号を発信していた、 そろそろ、と思っていた瞬間に長距離からのビーム砲がエクシア達を掠める。 長距離からの攻撃に2機は、グリーフから離れる事を余儀なくされる。 「遅いじゃないか、ホークアイ中尉」 <遅れて申し訳ありません。ですが、大佐も勝手に出撃し、勝手に転移し、勝手に――> 「すまない……私が悪かった」 <分かって下されば結構です。現在こちらも時空管理局のXV級次元航行船1隻に追尾されています。お急ぎ帰還を> リザ・ホークアイ中尉からの連絡を受け、母艦へと戻ろうとする大佐と呼ばれる男は、中破しているグリーフをエクシア達へと向ける。 エクシアとデュナメスは、長距離からのビーム砲の攻撃を避け続けている状態だ。 <私をここまで追い込んだ礼だ。自己紹介をして置こう……私の名は“ロイ・マスタング”反時空管理局組織“ダークネス・キャリー”に属する軍人だ> <ロイ……マスタング> <自己紹介とは、どういう風の吹き回しだ?> <何、ここで君達と別れるのだから、また出会った時に再び名前を問われるのは面倒だと思ってね。そうだ、君達の名も聞いておこう> <勝手に話を……ロックオン・ストラトスだ> <刹那・F・セイエイ> <では、また会おう。ロックとF!> <テメェ!人の名前を変な略し方するんじゃ……ち、回線を切ってやがる> <ロックオン……奴が船に乗り込んだ> 刹那の通信を聞き、コンソールからメインモニターへと目線を移すと、そこには巨大な艦の姿が映っていた。 その大きさは、トレミーの2倍あるかと思わせる程だ。 そして、その艦は先程戦っていたグリーフと呼ばれる機体に似た光を発したと思うと光となって消えてしまった。 その光景に目を疑う刹那たちの前に現れる先程の艦と同程度の船体が黒く塗られた艦。 <おいおい、またかよ。刹那、気を引き締めろよ> <了解……ん、通信――あの船からか> コンソールを操作し、通信を開いた刹那の前に移る映像には金色に輝く長髪をした、どこかの組織の制服を着ている女性が映る。 <通信――繋がりましたね。私は時空管理局本局執務官、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。突然ですが、率直に聞きます……あなた達は、ダークネス・キャリーの仲間ですか?> 先程から見た事の無い船や制服を見て若干焦り始めていた刹那だったが、通信を入れてきた女性の声を聞き冷静さを取り戻す。 相手は、こちらが先程戦闘をした男の仲間なのか知りたいらしい。 <違う。俺達はソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ> <刹那!行き成り秘密事項を喋る奴が……って、俺達の機体を見て問う時点でおかしいか> そう、地球圏内で自分達ソレスタルビーイングのガンダムの姿を見て知らぬなど田舎か、情報規制がされている国以外無いのだ。 しかし、目の前にいる女性からは田舎臭さなど微塵も無い。 <ソレスタルビーイング?ガンダムマイスター?失礼ですが、あなた方はどこの出身でしょうか?> <これ以上は言えない> <悪いね、お嬢さん。これ以上と言うか、先から秘密事項に引っかかっているんでね。答えられない> <どこの星かぐらいは、お答えできませんか?> 女性の、その一言に刹那とロックオンは感づいた。 自分達は、元居た世界とは全く違う場所へと迷い込んでいるのではないか――と。 To Be continued [[目次へ>リリカルスクライド//G.U.氏]] [[次へ>魔法使いとガンダムマイスター2話]]
リリカルなのはStrikers×機動戦士ガンダム00 注意書き:このクロスには、鋼の錬金術師に出演なされた方々の名前が出てきますが同一人物では無いので気にしないように! あらすじ アザディスタンでの紛争介入を終え、ソレスタルビーイング(CB)の駐屯施設のある場所へと向かう“ガンダムエクシア”と“ガンダムデュナメス”。 エクシアの非武装による救出した人質の受け渡しは、CBの思いを世界へ伝えることが成功したのかは、この後の世界の動き次第である。 そんな2機の前に突如現れる黒雲が彼らを誘うように徐々に巨大化していた。 魔法使いとガンダムマイスター Episode-1 Different world PHASE01 <おい、刹那。あの黒雲が見えているか?> <ああ。センサーには異常は…これは> エクシアのモニターに表示される異常な熱量の反応が示されていた。 <一旦迂回しよう、刹那。あの黒雲は普通じゃない> <了解。別ルートで向かう> ロックオン・ストラトスの提案に乗り別ルートで駐屯施設のあるカリブ海の孤島へと向かおうと機体の向きを変更しようとする刹那・F・セイエイ。 しかし、突然のアラーム音に反応したエクシアは機体を若干先程の位置から逸らしたと同時にプラズマが機体の横を一閃する。 刹那は機体を操作し、攻撃を仕掛けてきたと思われる黒雲に向けてライフルモードのGNソードを向けビームを2連射する。 GN粒子を圧縮し放たれるビームが黒雲を貫く。そう思われた時、黒雲の中でビームが弾かれる発光が現れた。 エクシアのビームが弾かれたのを確認したロックオンは、デュナメスにGNスナイパーライフルを持たせる。 「ハロ!機体制御は頼むぞ」 『任サレタ。任サレタ』 ハロにデュナメスの機体制御を任せツインアイに額のアンテナをスライドさせる。 アンテナに隠れていたガンカメラモードのカメラアイが姿を現す。 デュナメスが精密射撃モードと成ったと同時に、コクピットに備え付けられている精密射撃用のスコープでロックオンは黒雲に隠れる敵を狙う。 スコープに映し出される黒雲に隠れ赤いオーラを放つ敵機に狙いをつける。 「狙い撃つぜ!」 その声と同時に、ロックオンはトリガーを引きGNスナイパーライフルから高密度のビームが発射される。 エクシアのビームを上回る一撃が黒雲を突き破り、敵に着弾する。 ビームの一撃を受け弾き飛ばされたのか、黒雲から姿を現す敵。 <おいおい、何だよ――あれは!?> 『データ無シ。謎~謎~』 <新型のMSか?……だが> 刹那が声を詰まらせるのも当然である。 姿を現したのは、フラッグでもティエレンでもイナクトでも無い。 アザディスタンで出会ったユニオンのカスタムフラッグの様な漆黒のボディ。 人類革新連盟のティエレンの様な分厚い装甲。 しかし、現在この地球で見られるMSとは根本的に違うのだ。 如いて言えば、自分達の乗るMS“GUNDAM”と似ていると言えるだろう。 姿が似ている訳ではない。その存在自体が、この世界の技術力で開発された物だとは思えないからだ。 そう、それ程までに目の前に居るMSと思われる機体は異質だった。 その異質な雰囲気を出す人型に近い敵機は、ビームを受けた影響か左腕が有ったと思われる場所には何も無い。 <刹那、このままアイツを放置すると後々面倒そうだ。俺がもし撃ち漏らしたら、奴を叩き切ってくれ> そう言うと、GNスナイパーライフルで再び謎の敵機を狙い撃つデュナメス。 高密度のビームが敵へ当たる瞬間、突如現れた深紅のオーラによって弾かれてしまう。 続けてビームを連射するロックオンだったが、デュナメスのビームは深紅に光る壁を前にして弾かれてしまう。 <どうなっていやがる!?> <叩く> 刹那はエクシアを駆り、謎の敵機へと接近する。 右腕に装備されたGNソードを構え、その巨大な剣を敵に向け縦に振り下ろす。 しかし、予測していたのだろうか、敵は寸前でエクシアの攻撃を避けるのと同時に巨大な右腕に装備された内臓式と思われるプラズマによる砲撃を放つ。 避けきれないと判断した刹那は瞬時に左腕に装備されたGNシールドで攻撃を受けるも、その衝撃でエクシアの姿勢は崩され海面寸前まで降下させられる。 見たことも無い装備と防御システムに悪戦苦闘する刹那とロックオン。 <くっ、俺達と戦ったMSパイロット達の心境って奴が分かって来やがる> <この!> 若さゆえの焦りか、再びエクシアで突撃する刹那。 GNソードへ供給するGN粒子の量を増やした事で、刀身は光り輝き切れ味が増す。 持ち前の運動性で敵の動き以上の動きで相手を翻弄し、GNソードを横一線に振るう。 反応しきれず残った右腕を切り落とされる敵機。 しかし、 「なに!?」 敵機は腰アーマーと思われる円形の装甲に突如多数の穴が出現した途端、そこから多数のケーブルが射出されエクシアを捕まえる。 相手の放ったケーブルによる攻撃を受けたエクシアは、両手両足胴体に巻き付けられ身動きが取れなくなる。 振り払おうとするも、巻き付いているケーブルは中々解けない。 「刹那!――この位置じゃ狙えねぇ」 エクシアを盾にするようにデュナメスの攻撃を牽制する敵機。 ロックオンは仕方なく、GNフルシールドにGNスナイパーライフルを戻し腰に収められている2丁のGNピストルをデュナメスに持たせる。 「ハロ、GN粒子の散布中止。火器にパワーを回せ!」 『了解。了解』 エクシアはGN粒子を散布しているので、ロックオンは心置きなく攻撃に集中できる。 敵機と白兵戦を挑む距離まで接近したデュナメスだったが、突然音声による通信が入る。 <そこまでだ。そこの緑の> 「音声通信?GN粒子下での通信なんて俺達にしか出来ないはず……<アンタ、何者だ?> <何だ、男か。ならば答える必要は無いな> <な、テメェ!> <それでは、この私に捕らえられている青いのも……男か?> <……貴様、どこの所属だ> <ほぉ、若いな。だが、この世界では普通なのかい?> 突然意味不明な話をする謎の男に困惑する刹那とロックオン。 <まぁいい……しかし、この世界への進行は考え直したほうが良いな。魔法技術が無い代わりに他のエネルギーを扱う機動兵器が居るのでは……な> 男がそう言い終えたのと同時に、深紅の機体の周囲に展開される深紅に輝く円状の陣が浮かび上がる。 投影機も無いのに、空中にこれ程の立体映像を表示させるなど普通は不可能だ。 <予定とは違うが、まぁ良いだろう。君達には私の愛機“グリーフ”を傷物にしてくれた礼だ。共に来てもらおう……我々の戦場へ> 更に赤く輝きを増す陣に悪い予感を感じたロックオンは、エクシアを拘束するケーブルを切断しようと腰のバックパックに装備されたビームサーベルを引き抜く。 バックパックからGN粒子を放出し加速したデュナメスは、左手に持ったビームサーベルをケーブルに振り下ろそうとした瞬間。 <時間切れだ……緑の> 光が集束し、陣の内側に居た3機は光の粒子となって消えた。 エクシアとデュナメスの反応が消えたのを察知したガンダム運用母艦“プトレマイオス”では、スメラギ・李・ノリエガの判断により2機の捜索を進言されていた。 しかし、“ガンダムヴァーチェ”のガンダムマイスターであるティエリア・アーデに拒まれる。 「これ以上ガンダムを無くす訳にはいきません。それに、あの2人がCBを抜けた可能性もある」 「それも含めての捜査よ……考えたくも無いけどね」 「スメラギさん。王 留美から連絡が」 戦況オペレーターであるクリスティナ・シエラからエージェントから連絡が入ったのを知り、ティエリアとの話を一旦打ち切り、通信回線をつなぐ。 <スメラギさん、そちらの状況は分かりました。これ以上状況が悪化しないよう、消失した2機の捜査は私達が行わせて頂きます> 「お願いできる?」 <ええ。なので、そちらはミッション通りの行動をお願いしますわ> 「分かったわ。何か分かり次第、連絡をお願いね」 <はい> 留美からの通信を切り、溜息をつくスメラギに話しかける“ガンダムキュリオス”のガンダムマイスターであるアレルヤ・ハプティズム。 「スメラギさん。僕は、2人が裏切ったとは思えません。予想外の事態に巻き込まれたとしか、考えられない」 「そうね。あの子はガンダムに依存しているし、ロックオンもテロを無くすために戦っている……裏切る要素なんて無いわ」 何故突然エクシアとデュナメスが消えたのかは、今の彼女らには分かる術は無い。 PHASE02 「ここは……どこだ?」 刹那はエクシアのモニターが回復し、周囲を見回すと漆黒の闇の中に多数の星が見て取れる。 そう、今居る場所は宇宙空間。 今エクシアを拘束している機体の機能なのか、大気圏内から一気に宇宙へと移動してしまっているのだ。 この奇妙な状況に若干焦り始める刹那だったが、デュナメスがビームサーベルでケーブルを切断しエクシアを開放する。 <刹那!無事か?> <無事だ。だが、ここは……どこだ?> <分からない――宇宙に居る以外は…な> エクシアは絡まっているケーブルを振り解くと、自分を拘束していた機体にライフルモードのGNソードを向ける。 <貴様……ここは、どこだ?> <それが、人に対して教えて貰おうとする行動かね?> <うるさい!> 刹那と敵が音声通信で会話をする間に、ロックオンはデュナメスとハロを使って現在位置と、プトレマイオスへの連絡をしようとする。 「どうだ、ハロ?」 『ダメ、ダメ。トレミー、連絡取レナイ』 「くっ、こっちも現在位置がまるで分からねぇ。どこに来ちまったんだ……俺達は」 困り果てるロックオンだったが、エクシアと敵機が戦闘を始めたのを察知しデュナメスを移動させる。 <おい、刹那!そいつを倒したら、帰り道が分からなくなるぞ> <……動けなくするだけだ> ロックオンには冷静に返答するが、実際の刹那は敵対する敵機のパイロットの挑発にまんまと乗ってしまい熱くなっている。 右手にGNブレードを持たせ、グリーフと呼んでいた敵機へと斬りかかる。 ケーブルを槍の様に射出してくるグリーフに対し、エクシアはGNブレードで次々にケーブルを斬り落としていく。 接近戦でのエクシアの性能は、他のMSの猛追を許さない程だ。 いくら機能が不明瞭な敵が相手でも、こちらの攻撃パターンを読まれていなければエクシアの格闘性能の方が上だ。 ケーブルが切れたのか、接近してくるエクシアにケーブルを射出して来なくなった敵の足を狙いGNブレードを振るう。 「くっ!」 相手の異常な運動性能に冷や汗を掻きながらも、ギリギリでグリーフの足を切断する攻撃を装甲のみへのダメージにする事が出来た。 侮っていた訳ではないが、この若いパイロットの力を計り間違えていたと痛感する。 「まるで、あの女性達と戦っている感じだな……しかし!」 このままやられる訳には行かず、エクシアたちの攻撃に耐えるためサークルプロテクションを発動する。 全長23mもある巨体には、大型バッテリーと小型魔導炉を搭載されている。 差し詰め小型の次元航行船と言うべき代物だ。 斬りかかるエクシアの攻撃をバリアで防ぐも、魔導炉とて無限エネルギーではない。 供給量を上回る消費を続ければ、コンデンサーの容量は空になる。 GN粒子で威力を強化したエクシアのGNブレードの攻撃に徐々に削られていくサークルプロテクション。 更に、デュナメスも加わりプロテクションの展開も限界に近づく。 機体のモニターに警告ランプが鳴り響く中、グリーフのパイロットは、ここに来た時点で仲間へと救難信号を発信していた、 そろそろ、と思っていた瞬間に長距離からのビーム砲がエクシア達を掠める。 長距離からの攻撃に2機は、グリーフから離れる事を余儀なくされる。 「遅いじゃないか、ホークアイ中尉」 <遅れて申し訳ありません。ですが、大佐も勝手に出撃し、勝手に転移し、勝手に――> 「すまない……私が悪かった」 <分かって下されば結構です。現在こちらも時空管理局のXV級次元航行船1隻に追尾されています。お急ぎ帰還を> リザ・ホークアイ中尉からの連絡を受け、母艦へと戻ろうとする大佐と呼ばれる男は、中破しているグリーフをエクシア達へと向ける。 エクシアとデュナメスは、長距離からのビーム砲の攻撃を避け続けている状態だ。 <私をここまで追い込んだ礼だ。自己紹介をして置こう……私の名は“ロイ・マスタング”反時空管理局組織“ダークネス・キャリー”に属する軍人だ> <ロイ……マスタング> <自己紹介とは、どういう風の吹き回しだ?> <何、ここで君達と別れるのだから、また出会った時に再び名前を問われるのは面倒だと思ってね。そうだ、君達の名も聞いておこう> <勝手に話を……ロックオン・ストラトスだ> <刹那・F・セイエイ> <では、また会おう。ロックとF!> <テメェ!人の名前を変な略し方するんじゃ……ち、回線を切ってやがる> <ロックオン……奴が船に乗り込んだ> 刹那の通信を聞き、コンソールからメインモニターへと目線を移すと、そこには巨大な艦の姿が映っていた。 その大きさは、トレミーの2倍あるかと思わせる程だ。 そして、その艦は先程戦っていたグリーフと呼ばれる機体に似た光を発したと思うと光となって消えてしまった。 その光景に目を疑う刹那たちの前に現れる先程の艦と同程度の船体が黒く塗られた艦。 <おいおい、またかよ。刹那、気を引き締めろよ> <了解……ん、通信――あの船からか> コンソールを操作し、通信を開いた刹那の前に表示される映像には金色に輝く長髪をした、どこかの組織の制服を着ている女性が映る。 <通信――繋がりましたね。私は時空管理局本局執務官、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。突然ですが、率直に聞きます……あなた達は、ダークネス・キャリーの仲間ですか?> 先程から見た事の無い船や制服を見て若干焦り始めていた刹那だったが、通信を入れてきた女性の声を聞き冷静さを取り戻す。 相手は、こちらが先程戦闘をした男の仲間なのか知りたいらしい。 <違う。俺達はソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ> <刹那!行き成り秘密事項を喋る奴が……って、俺達の機体を見て問う時点でおかしいか> そう、地球圏内で自分達ソレスタルビーイングのガンダムの姿を見て知らぬなど田舎か、情報規制がされている国以外無いのだ。 しかし、目の前にいる女性からは田舎臭さなど微塵も無い。 <ソレスタルビーイング?ガンダムマイスター?失礼ですが、あなた方はどこの出身でしょうか?> <これ以上は言えない> <悪いね、お嬢さん。これ以上と言うか、先から秘密事項に引っかかっているんでね。答えられない> <どこの星かぐらいは、お答えできませんか?> 女性の、その一言に刹那とロックオンは感づいた。 自分達は、元居た世界とは全く違う場所へと迷い込んでいるのではないか――と。 To Be continued [[目次へ>リリカルスクライド//G.U.氏]] [[次へ>魔法使いとガンダムマイスター2話]]

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